著者
山川 良精 岡田 五郞
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.891-893, 1959-08-20

いわゆる急性腹症の診断で救急手術が施行された症例には術前全く想像もできない意外な原因による場合が稀に見られることがある.今般私達は教室において全く原因不明のS字状結腸穿孔による急性腹膜炎の1例を経験したのでここに報告し併せて考按を試みた.
著者
村井 政史 伊林 由美子 堀 雄 森 康明 古明地 克英 八重樫 稔 今井 純生 大塚 吉則 本間 行彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.34-37, 2016

症例は48歳の女性で,高層ビルで勤務中に地震が発生してビルが大きく揺れ,その後から動揺性めまい感が出現するようになった。陰証で虚証と考え真武湯で治療を開始したところ,動揺性めまい感は改善した。ところで,この患者の職場は入退室管理に指静脈認証によるセキュリティシステムを導入しており,当院を受診する前までは認証エラーが多かったのが,真武湯を服用するようになってからは調子よく認証されるようになった。静脈認証エラーの原因の一つに,冷えで血管が収縮して血流が低下し,血管パターンが変化することが知られている。そのような血流が低下した状態を,陰証の方剤で温めることによって解消し得ると思われた。
著者
大石 久 星川 康 岡田 克典 佐渡 哲 鈴木 聡 松村 輔二 近藤 丘
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.20, no.5, pp.768-772, 2006-07-15 (Released:2008-03-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

血清(1→3)-β-D-グルカン値の測定による深在性真菌症の血清学的診断は,広く利用されているが,その測定値は真菌症以外の種々の因子による影響を受け,偽陽性を示すことがある.我々は肺リンパ脈管筋腫症の患者に対し,脳死両側肺移植術を施行した.術翌日の血清(1→3)-β-D-グルカン値は2964 pg/mlと異常高値を示した.原因を検討した結果,術中の人工心肺中のポンプ吸引使用により,ガーゼに浸み込んだ血液が体内へ送血されたことが原因である可能性が疑われた.それを踏まえ,我々は生理食塩水とガーゼを使用した(1→3)-β-D-グルカン値の実験的測定を行ったところ,ガーゼから生理食塩水への(1→3)-β-D-グルカン成分の溶出を示唆する結果を得た.ガーゼの大量使用,および人工心肺中にポンプ吸引を行った症例では血清(1→3)-β-D-グルカン値の異常高値を示す可能性があり,注意を要すると考えられた.
著者
Zhiyuan JIANG Yijie HUANG Shunqing ZHANG Shugong XU
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE TRANSACTIONS on Communications (ISSN:09168516)
巻号頁・発行日
vol.E104-B, no.12, pp.1465-1478, 2021-12-01
被引用文献数
1

In a heterogeneous unreliable multiaccess network, wherein terminals share a common wireless channel with distinct error probabilities, existing works have shown that a persistent round-robin (RR-P) scheduling policy can be arbitrarily worse than the optimum in terms of Age of Information (AoI) under standard Automatic Repeat reQuest (ARQ). In this paper, practical Hybrid ARQ (HARQ) schemes which are widely-used in today's wireless networks are considered. We show that RR-P is very close to optimum with asymptotically many terminals in this case, by explicitly deriving tight, closed-form AoI gaps between optimum and achievable AoI by RR-P. In particular, it is rigorously proved that for RR-P, under HARQ models concerning fading channels (resp. finite-blocklength regime), the relative AoI gap compared with the optimum is within a constant of 6.4% (resp. 6.2% with error exponential decay rate of 0.5). In addition, RR-P enjoys the distinctive advantage of implementation simplicity with channel-unaware and easy-to-decentralize operations, making it favorable in practice. A further investigation considering constraint imposed on the number of retransmissions is presented. The performance gap is indicated through numerical simulations.

1 0 0 0 OA 陸軍法令全集

出版者
内外兵事新聞局
巻号頁・発行日
vol.第2号, 1890

1 0 0 0 OA 海軍法令類纂

出版者
商船学校
巻号頁・発行日
1899
著者
田島 英朗
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.287-291, 2016 (Released:2016-11-30)
参考文献数
24

本講座の第1回,第2回では,PETデータ取得のための検出器とその信号処理について概説した.PETの測定データは,測定の過程でさまざまなノイズ成分が加わったり,生体による減弱の影響を受けたりしており,高精度な画像を生成するためには,さまざまな補正を行う必要がある.本稿では,測定されたデータを処理し,各種補正を行い,PET画像を生成する画像再構成法について解説する.
著者
竹井 健 中島 祥介 錦織 直人 小山 文一 中村 信治 浅田 秀夫 畠山 金太 大林 千穂 西久保 敏也 藤井 久男
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.342-349, 2016

Muir-Torre症候群は脂腺腫瘍と内臓悪性腫瘍を併発する遺伝性疾患で,Lynch症候群の一亜型と考えられている.症例は61歳の男性で,既往歴は36歳,38歳,46歳,56歳時に大腸癌,50歳時に胃癌があり,家族歴は父と叔父に大腸癌と多数の発癌患者を認め,Lynch症候群を疑い経過観察していた.61歳時に背部に1 cm大の出血を伴う結節が出現し,局所切除術施行し,病理組織学的検査にて脂腺癌と診断した.内臓悪性腫瘍の既往と脂腺癌の併発よりMuir-Torre症候群と診断した.診断後にも計5回の脂腺腫瘍と計2回の大腸癌の発生を認めたが,早期に加療し現在無再発生存中である.また,遺伝学的検査を行い<i>MLH1</i>の病的変異を認めLynch症候群と診断した.Lynch症候群はMuir-Torre症候群を呈することがあり,内臓悪性腫瘍だけでなく皮膚腫瘍も念頭に体表観察を行うことも重要と考えた.
著者
上野 晋 後藤 元秀
出版者
公益財団法人 産業医学振興財団
雑誌
産業医学レビュー (ISSN:13436805)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.251-262, 2021 (Released:2021-01-08)

化学物質には様々な臓器毒性があるが、神経毒性に関する情報は十分とはいえず、特にヒトでの中枢神経毒性が明らかとなっているものは極めて少ない。しかしながらその中枢神経毒性により、急性曝露では意識障害から生命に危険を及ぼすこと、また慢性中毒では高次脳機能障害を含む中枢神経障害を来すことを想定しなければならない。本稿では今後その中枢神経毒性に注意すべきマンガン、および塗膜剥離剤に焦点を当てて解説する。
著者
若菜 博
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.1034-1036, 2013 (Released:2013-11-18)
参考文献数
8
出版者
日経BP
雑誌
日経コンストラクション = Nikkei construction (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.720, 2019-09-23

リニア中央新幹線のトンネル工事に伴う大井川水系の流量減少対策を巡り、静岡県とJR東海が対立している問題で、国土交通省が調整に乗り出した。県とJR東海が2019年8月20、21日に開催した意見交換会に、国交省職員が初めて同席した。 県とJR東海との協議はこれま…
著者
麦山 真純
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.1-8, 2021-11-30 (Released:2021-11-30)
参考文献数
30

本研究は,文献レビューを通して摂食障害を持つ者のリカバリープロセスを考察することを目的とした.システマティックレビューにより,摂食障害のリカバリープロセスに関連する文献16件を対象に,「研究年」「研究対象者」「研究方法」の概要と,文献内容における共通点をまとめた.その結果,「リカバリーのプロセス」「リカバリーのプロセス内の要素」に分類された.リカバリーを語る内容から,摂食障害を持つ者のリカバリーは,摂食障害を持ちながらも語れない時期から摂食障害を病いと認識し,現在の体験として語る時期を経て,摂食障害の体験を過去のものとして語る時期をたどるプロセスであると考えられた.そして,摂食障害の体験を過去のものとして語ることは,他者から認められる体験に繋がり,自己を受け入れることができた体験であると考えられた.また,摂食障害を持つ者が他者からの受容と自己を受容することは,リカバリープロセスのターニングポイントと示唆された.