著者
長谷部 高広 黒田 紘敏 寺本 央 正宗 淳 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.249-258, 2020 (Released:2020-09-25)
参考文献数
7
被引用文献数
1

概要. 本論文では,山田により提案されている偏微分方程式の解,もしくは熱方程式の解を用いて,形状の法線ベクトルを与える場を構成できることを証明する.最初に,問題設定を示すと共に,偏微分方程式の有限要素法による数値解析例を示す.次に,各方程式の場合における定理とその証明を示す.
著者
小川 竣 音羽 貴史 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.20200022, 2020-12-23 (Released:2020-12-23)
参考文献数
15

本研究は、熱交換量性能最大化を目的としたレベルセットトポロジー最適化手法を提案するものである。トポロジー最適化は、最適化の過程で境界の移動だけでなく、新たな境界を発生させることが可能である。また、熱交換は物体の境界に行われるため、その境界の位置と形状が物体の温度分布に大きな影響を与える。そこで、本研究では、物体の形状依存の境界条件として熱伝達境界を考慮した感度解析手法を提案する。特に、トポロジー導関数と形状感度が異なる式で定義されることを前提に、2つの感度式を組み合わせた新たな設計感度式を示す。加えて、最適化計算中に自動で熱伝達境界面の位置を判定する数値解析手法を導入する。最後に具体的な数値計算を行い、提案した手法の妥当性を示す。
著者
畑江 敬子 中谷 圭子 福留 奈美 島田 淳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.155-162, 1999-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
3
被引用文献数
1

旧本人とフランス人の食物に対するおいしさの評価基準の違いを客観的に表すために, 前報のアンケートの結果に基づいて官能検査を行った.パネルは野菜 4 種, パスタ 2 種, 焼き物 3 種, 飯 4 種について, 加熱時間を 5~6 段階に変えた試料の好ましさをそれぞれ評価した.日本人パネルは野菜の緑色を重視し, 加熱時間の短い硬めのものを好んだ.フランス人パネルは加熱時間の長い軟らかめの野菜を好む傾向にあった.焼き物の焦げ色の強いものをフランス人パネルは好む傾向にあった.飯の色とテクスチャーに対する好みは, 日本人パネルとフランス人パネルでは全く異なった.いずれの場合も日本人パネルの好みは特定の試料に集中し, フランス人パネルの好みは広範囲に分布した.
著者
福留(宮村) 留理子
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.157-176, 2004-04-30 (Released:2019-05-13)
参考文献数
32
被引用文献数
2

The role of administrative staff in universities is currently an important issue for higher education in Japan. Since the late 1990s it has been the subject of frequent discussion, often concerning practical issues regarding administrative staff and/or university administration and proposals to resolve them. However, there remain some important issues concerning administrative staff which have not yet been clearly discussed. What are the actual roles of administrative staff? What kinds of abilities are required of them? In this article, the discussion regarding administrative staff in Japanese universities is reviewed. The article then draws clear conclusions based upon empirical data. Data was gathered through the conduct of a questionnaire survey. The survey was distributed to chief administrative officers of all four year private universities in Japan. The article refers to two points. Firstly, what kinds of abilities are required of administrative staff, and how may administrative staff be trained in these abilities? Secondly, it is argued that administrative staff should become more integrated in university decision making. At this point in time however, how do they get involved in these activities and to what extent? The following conclusions may be drawn from the survey :1. In terms of required abilities there are many differences between roles.2. In-house training is commonly used to develop staff abilities. However, in house training does not address the required abilities identified in one above. Therefore, there should be a re-consideration of what in-house training is required and whether another means to develop required abilities should be provided.3. In many universities, administrative staff can get involved in the process of decision making to some degree, but it is still thought that the degree of staff participation is not enough. The participation of administrative staff in university decision making is still under development.
著者
久保田 大輝 Naomi Nazar 大久保 友博 斉藤 咲喜子 粟飯原 萌 古市 昌一
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.877-878, 2017-03-16

英語学習において重要なのは文法と語彙力等であるが,特に語彙力の高さは読解及び会話,そしてTOEIC,TOEFL, IELTS等の得点向上のいずれでも重要である.そのため,我が国には語彙力の向上を目的とした学習用教材が多数あり,ゲーム形式で語彙力を向上する英語学習用ゲームも存在する.しかし,学習用ゲームの多くは学習用教材部分の質と量が十分でないとともに,総ての学習者がそのゲームに対して高い興味を持つわけではない,という問題点がある.そこで,本研究では,学習用教材として広く利用されている商用システムを使用して教材としての質と量を確保し,ゲーム部分については学習者に応じて各種のゲームを利用可能とする,複合シリアスゲーム型学習用教材実現方式を提案し,その一例としてFishyFishyを開発したので報告する.
著者
松家 武樹 鈴木 康範 堺 孝司 福留 和人
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.295-302, 2011-02-25 (Released:2014-03-03)
参考文献数
14
被引用文献数
2 3

本研究は、フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末の組合せによるコンクリートの一般性能および環境性能の最適化を図るための基礎的な情報を得るために、上記の混和材の利用が土木用コンクリートと建築用コンクリートのフレッシュ性状および強度・物理特性ならびに中性化に及ぼす影響と環境負荷低減効果について明らかにすることとした。その結果、フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末の併用は、混和材無混入と比べて初期強度を低下させるが、材齢28日のコンクリートの強度やフレッシュ性状ならびに耐久性は同等程度の性能であること、および1N/mm2あたりの圧縮強度を得るために排出されるCO2量を減少させることが明らかとなった。
著者
福留 脩文 有川 崇 西山 穏 福岡 捷二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.490-503, 2010 (Released:2010-10-20)
参考文献数
14

高堰堤式落差工の存在は,多くの場合,魚類の遡上や降下を妨げ,瀬や淵の環境を失わせてきた.著者らはこの問題を改善するため,渓流に見られる天然段差をモデルに,福岡県岩岳川の河床に大小の転石を組む低い分散型落差工群を試作した.その基本形に石造アーチと,流体中の静止物体の安定理論を応用し,施工には日本の伝統的な石垣工法を用いた.完成後,洪水前後の河道状況を調査し,施工した石組み構造の変化について観察した.その結果,構造の要となる大石が安定すれば,大石間に組んだ石礫は変化しても,上流から石礫が補給されて段差は復活または新たに再現されていた.自然から学んだ河床構造と簡単な解析の設計法による試験施工の結果,分散型落差工を設置した河床は,洪水で変形しつつも安定し,瀬と淵も河床高も維持されたことを確認できた.
著者
福留 祐一 武若 耕司 山口 明伸 前薗 祐也
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.472-478, 2013-02-25 (Released:2013-12-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

塩害抵抗性向上を目的としてCaO・2Al2O3微粉末を混合したコンクリートについて、塩分浸透性の他、強度発現性、中性化等の基礎的特性を検討した。このうち、海洋暴露試験により検討した塩分浸透性については、塩化物イオンの固定化能力の向上ならびに、浸透抑制効果が確認された。また、普通コンクリートでは、その初期養生が短いと塩化物イオン固定化能力は大きく低下するが、CaO・2Al2O3微粉末を混合すると、養生期間に左右されず塩害抵抗性の高いことを確認した。また、中性化抵抗性については、普通コンクリートと同程度の性能が確保され、実構造物への適応は十分に可能であると考えられた。
著者
福留 奈美 小西 文子 五藤 泰子 野口 元子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】高知県のおやつの特徴をとらえることを目的に調査した。本研究では、高知県全域でみられる甘味としてのサツマイモの利用と糯米・小麦を使用したおやつに着目し、多様性と分類を示す。<br /><br />【方法】日本調理科学会H24-26年「次世代に伝え継ぐ 日本の家庭料理」研究の一環として、昭和30~40年代の高知県の食事について聞き取り調査を行った。地域の食文化研究資料を収集し、聞き取り調査の結果と合わせて特徴的なサツマイモの加工品と糯米・小麦を使ったおやつを抜き出し、加熱・乾燥工程、名称の違い等について分類・整理した。また、レシピ情報や保護・継承活動の状況についても部分的に示した。<br /><br />【結果】高知県全域で干しいも「東山」が食べられており、温暖な気候で育つサツマイモの加工品は甘味が少なかった時代のおやつとして欠かせなかった。東山でも、ゆでてから厚めに切って干すものと小ぶりのいもを煮て丸ごと干すものがある。ゆで汁にも糖分が出るので煮詰めて「いも飴」にして食べた。1cm厚さに切って藁を通しゆでて干したものを「ゆでベラ/ほしか」と呼ぶ地域や、生のまま薄く切って干した「かんば」の利用、里芋と蒸してついた「けんかもち」、糯米と蒸してついた「いも餅/かんころもち/いものもち」等、加熱・乾燥工程にも多様性がある。県が推進する「土佐の料理伝承人制度」、地域の食育活動、『土佐の味ふるさとの台所』(1987年初版、2016年復刊)等のレシピ集やWeb情報等で多様なおやつが保護・伝承されてきた。しかし、「山椒餅」のように、地域の人びとが懐かしく思う当時の味は継承されず新たなレシピが独自に紹介される例もあり、当時の記録を残す作業の必要性を再認識した。
著者
田村 晃裕 高村 大也 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1954-1962, 2006-06-15
参考文献数
12

既存の質問応答システムは,複数文で構成される質問には答えられない.そこで,我々はそのような複数文質問にも対応できる質問応答システムの構築を目指す.その第1 段階として,複数文質問の質問タイプを同定する手法を提案する.具体的には,まず最初に,入力として与えられた複数文質問から質問タイプを決める際に最も重要な1 文を抽出する.そして,その抽出された1 文を用いて質問タイプを同定するという手法をとる.また,本論文では,質問タイプを同定する際に有効な情報となる名詞を特定するルールも提案する.複数文質問を含んだ実験データに対して,これらの情報と手法を用いて質問タイプを同定することで,F 値が8.8%,正解率が4.4%改善できた.Conventional QA systems cannot answer to the questions composed of two or more sentences. Therefore, we aim to construct a QA system that can answer such multiple-sentence questions. As the first stage, we propose a method for classifying multiple-sentence questions into question types. Specifically, we first extract the core sentence from a given question text. Then, we use the core sentence in question classification. We also propose a rule for extracting the effective noun in question classification. The result of experiments with the dataset including multiple-sentence questions shows that the proposed method improves F-measure by 8.8% and accuracy by 4.4%.
著者
和田 勉
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.15, 2021-12-15

スマホは売ってます.でも1台1億円します.だから個人ではとても買えません.大きな大学とか会社とかが1台だけ買います.アプリは何も存在しないので,みんな自分でアプリを作ります.それができる人だけがスマホを使っています.自分で作れた人はアプリ作りにのめりこみます……これが1960年代後半から1970年代ごろの世界で,そのころはスマホのことを「大型コンピュータ」「メインフレーム」と言いました.アプリ/プログラムは必ず誰かが作ったからこそそこにあり,スマホ/コンピュータはそれがなければ決して動かない,ということは昔も今も変わりません.若い皆さんの創造的なプログラミングに期待します.