著者
Takayuki Tajima Yoshinobu Saito Riri Kato Yayoi Kibayashi Motohiko Miyachi I-Min Lee Yuko Oguma
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
The Journal of Physical Fitness and Sports Medicine (ISSN:21868131)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.113-119, 2018-03-25 (Released:2018-03-16)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2

This study describes relationships between awareness of physical activity (PA) promotion and duration of PA and sedentary behavior (SB) in elderly Japanese. Following a community-wide intervention, 874 individuals 65 years or over were selected via population-based random sampling of 3,000 adults aged 20 years or over living in Fujisawa City, and asked to complete self-administered questionnaires; 550 responded and 373 with data on pertinent variables were included. Forty-eight percent (179/373) stated that they recognized elements of the Japanese PA guidelines such as the “Active Guide” and “+10 (plus ten).” The median duration of PA, of intensity at least equal to walking, and SB among all participants were 100 minutes/day and 300 minutes/day, respectively. Duration of PA did not significantly differ by promotion awareness (Odds Ratio (OR) for ≥100 minutes/day among those aware = 1.02, 95% Confidence Interval (CI) = 0.65-1.62); however, duration of SB did (OR for <300 minutes/day = 1.60, 95% CI = 1.01-2.53). Awareness of PA promotion in elderly Japanese is related to decreased SB, but not increased PA of intensity at least equal to walking.
著者
安田 覚 阪本 清和 中野 秀男
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.58(1990-AL-016), pp.15-21, 1990-07-16

離散最適化問題に用いられる近傍探索法の良さの推定を、近似解を探索している途中で得られるデータから確率的に推定する方法について考察する。本報告では対象とする問題とその近傍探索法として、巡回セールスマン問題とλ最適法を取り上げる。50都市程度の問題例での計算結果から、あらかじめ最適値を予測した上での推定法が近似解の出現頻度推定に有効である事を確かめた。
著者
清水 龍瑩
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.39-78, 1995-04-25

今回のサーベイは. 1991年を境にして,それまでの成長イソフレ期から成熟デフレ期に移った日本経済,そして世界の物価の2倍以上にもなる高物価に浸っている日本経済,のもとで行われた。成熟デフレ経済,内外価格差2倍という経験は,未だ日本人が経験しないものであり,企業経営者は,いま必死になってサーバイバルの方向を探っている。この必死の努力をより明確にするため,今回は特に,成長インフレ期にインタビューを行い,しかもそのときの社長がそのまま経営者の地位についている企業や,長期の不況でやや苦しくなっている企業を選んでインタビューを行った。長期不況期における経営者の考え方,行動を立体的にとらえるためである。この時点で共通している問題は,中間管理者の人件費増と,海外進出によるグローバルな相互依存関係の強化である。<食品・サービス関係>「石井食品」;内外価格差が拡大し,豚肉より安い牛肉があらわれ,従来の生産技術を変えなければならなくなった。単身世帯がふえたため,食品はつくったときより食べるときおいしいのがいい。人事評価としては,このような変化に対応できる人を高く評価する。「すかいら-く」;自分で努力していることに満足しているうちに,いつの間にか競争店と比べて価格が高くなってしまった。既存店の半数を「ガスト」に転換するのは相当不安であったが,品数の絞り込みによる技術生産性向上で好決算になった。お客の満足という条件の下で業績の向上をはかれる店長を高く評価する。「モスフードサービス」;会長自身の「人を仕合せにしたい」という思い入れが少くなったため,安易な出店がなされアメリカ進出は失敗した。円高で仕入価格が相対的に割高になる場合がおきても,そのまますぐ取引を中止することはない。いろいろアドバイスをする。日本人と中国人の考えの違いから中国へは試行錯誤で少しずつ進出する。信頼できる人が現れるまで待つ。ものごとの存在意義を理解し,すぐ行動する,挑戦意欲の高い人を評価する。<アパレル関係>「吉野藤」;問題点は,円高によって,品質のよい輸入品の単価が急落し,売上減になったこと。これに対処するためには,人件費の削減と納期短縮とがある。これからのアパレルは品質より納期が大切。個人で顧客をもっている呉服関係の人間は自分で判断して稼げ。課長には30歳までに,部長には50歳までになれなければ給料を下げる。「いなきや」;商品単価,客数,客1人あたり購買数の減少によって,3年連続の減収・減益。右上りの経済がなくなったので店舗数拡大による売上増は不可能。価格破壊はステープルグッズよりファッショングッズで大きい。小売よりメーカーのほうに情報がある。安易な賃金,人員カットは行わない。ただ複線型賃金体系の導入は考えている。「小杉産業」;3年連続の円高・デフレのため海外進出せざるをえない。空洞化に対して,形態安定技術などの技術革新,シーズン中に追加注文できるクィック・レスポンス・システムの構築が必要。安定したブランドでは,昨年売れたものの7割は今年も売れるし,ブランドごと色調,トーンは安定しているから,売れ筋の予測は大体できる。「しまむら」;買取り仕入れが不可欠。価格破壊という言葉は意味がない。国際相場が正しい価格である。全国展開する場合の品揃えには2つの考え方がある。その地域の需要の全部をとるつもりなら地域性を考えた品揃えが必要であるが,柱だけとるなら地域性は考えなくていい。現在はテレビの影響で東京発のファッションがすべて正しい。パートから上った中年女性は非常に優秀であり,これを店長にしている。<機械・電機関係>「マツダ」;部品メーカーは,前回の円高の時はコスト削減で切り抜けたが,今回は海外進出・グローバル化せざるをえなくなった。自動車メーカーにとっては,これら海外進出した部品メーカーからの調達はそのままコスト削減になる。また多くの車種に共通した部品や,新しい車種にそのまま使える部品を使うことによって,品質が良くて安い部品を調達できる。「TDK」;最大の問題は,3年連続の減収・減益の中での余剰人員。右上りの成長がとまれば主流からはずれる人は多くなる。この人達にどうやって意欲をもたせるかが問題。本社は20人くらいで十分。少数にすれば精鋭になる。中国人は商売の人,日本人は製造の人で肌が合わない。これからは進出先がダメなら屋台ごと設備を他国へ移してしまう"屋台製造業"でいい。「リコー」;現在のマクロ問題は,日本人が誰も経験したことのなかった成熟デフレ時代になったこと,日本のあらゆるものの価格が世界のそれの2倍になったことである。いま規制緩和・輸入拡大が言われているが,そのうちに輸出するものがなくなってしまう。日本は高度工業化社会にならなければならない。中間管理者の余剰人員は,企業グループ内にたえず受け皿をつくり,いつでも出向,出向戻しができるようにする。<金融関係>「秋田銀行」;問題点は,県内人口の減少,県民所得水準の低さ,県内金融機関同士の競争激化。堅実経営に徹し,新金融商品や,中国・ソ連への進出はやっていない。支店長の評価はその人材育成によってみる。部下にジョブローテイションを行い,その後研修センターに出席させ,その能力開発度によって,その上司の育成能力を評価する。「大垣共立銀行」;顧客の信頼をうることが最大の問題。銀行との取引を自慢し,次の子供の代の経営まで頼んでくる顧客がいい。そういう信頼関係から必要な情報が生れてくる。祖父の代から地銀頭取の家であり,地域に密着した地銀の体質が身についている。エブリディバンキングを日本ではじめて行った。ただ地域に密着しただけでは偏るので外部役員の導入が必要。
著者
後藤 一樹
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2017年4月、ハンセン病を患い四国遍路に赴いた経験のある方を対象に、漂泊と定住の観点から生活史の聞き取りを行った。これまでの継続的な調査により、聞き取り対象者は百名以上となり、ビデオカメラに記録した映像民族誌的データの蓄積も膨大なものになった。今年度は、以上の調査データをもとに、遍路や地域住民らそれぞれの物語の四国遍路における交わりのありようを分析する作業を進めた。成果として、約26万字に及ぶ博士論文『〈漂泊〉と〈定住〉の交響史――四国遍路のクロス・ナラティヴ研究』を執筆、慶應義塾大学大学院社会学研究科に提出し、2018年3月に博士(社会学)が授与された。無縁社会化する現代日本において、家庭・職場・地域の共同体から縁切りする社会的プロセスを辿った調査対象者らの共通経験は、四国遍路の領域で対話を通して響き合い、主従関係や役割関係とは無縁の相互扶助関係を構築していた。その動的過程を明らかにした本研究は、共同体の果てでなされる社会関係の創出に関して、新しい知見をもたらすものである。また、調査の際にビデオカメラに記録した四百時間余りの映像を、パソコンのソフトを用いて編集し、分析した。その成果として、映像モノグラフ『四国遍路――人生の交差する道』を制作した。博士論文の一部は、これにもとづいて考察を行ったものである。映像データを論文内に分厚く記述し、分析する手法を編み出した点にも、本研究の意義が認められる。ほかに、過疎地域の生活実態調査と活性化の取り組みとして、千葉県市原市に所在する商店街において十軒の家族にインタビューを実施し、各家族の口述史や現在の生活を調査した。それぞれの物語は「詩(うた)」と「写真」で表現され、各店舗に展示するための準備も進めた。この取り組みの一環として、成果の一部をカルチュラル・タイフーン2017(早稲田大学、2017年6月24日)で発表した。
著者
周 飞帆
出版者
千葉大学国際教養学部
雑誌
千葉大学国際教養学研究 = Chiba University journal of liberal arts and sciences (ISSN:24326291)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.39-55, 2017-03

[要旨] 本論文は、中国国内における都市-農村間の人口移動(「都市新移民」)に焦点を当てた研究、中でも欧米の先行理論に基づいた「社会融合」(social integration)研究を批判的に分析・検討するものである。いわゆる「都市新移民」とは、従来は「盲流」、「農民工」などとして語られる出稼ぎ農民であるが、近年、都市滞在期間の長期化や、滞在方法の多様化、集団内部の分化など、国際移民に似た側面をもつことから、「都市新移民」と呼ばれるようになった。また「新型の都市化政策」を推進する中国の政策を背景に、どのように都市の新住民として定住・吸収するか注目され、近年様々な研究が展開されている。しかし、人種、民族が異なる人々を社会的に統合することを目標とする欧米社会と違って、中国の都市新移民は抱える課題は果たしてそうした理論を援用することができるか、またその際どのような研究課題があるのかといった課題が未解明のままとなっている。本研究では、政治学、社会学、人類学を中心とした「都市新移民」に関する研究をレビューし、社会的排除、同化理論や「分節された同化理論」の応用、コミュニティ理論に触れつつ、現在展開されている中国の研究現状と課題についてと考察した。
著者
パーベル サフキン 桑原 大樹 川井 正英 加藤 卓哉 森島 繁生
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.111-112, 2015-03-17

犯罪者や行方不明者の捜索において,対象者の過去・未来の顔を推定する経年変化顔合成技術が必要とされている.その中で,皺は人物の経年変化後の印象を決める重要な要素となっている.そこで本稿では,皺の発生が表情による皮膚の歪みに起因するという知見に基づき,皺の個人性を考慮した経年変化顔画像を合成する手法を提案する.本手法では,まず笑顔画像の表情皺から入力人物の皺の発生位置と形状を推定する.その後,同一環境で撮影された年齢別の顔画像データベースを用いて顔を再構成することで経年変化顔画像の合成を行う.本手法は,従来手法では考慮できなかった皺の個人性を実現し,より正確な経年変化顔の合成を実現した.
著者
山末 英典
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.85-89, 2020 (Released:2020-06-30)
参考文献数
14

オキシトシンによって,現在は治療が困難な自閉スペクトラム症の中核症状が治療できるようになることが期待されている。しかし,これまでの報告を概観すると,単回投与では一貫して改善効果を報告してきた一方で,反復投与では,改善の有無についての結果が食い違っていた。その理由として,オキシトシンは反復投与すると効果の強さが変化することも疑われたが,これまでは自閉スペクトラム症の中核症状を繰り返して評価できるような客観的な方法がなかったため,この疑問を確かめることができなかった。この疑問に対して筆者らは,脳機能から生化学的検討まで含んだマルチモダリティの脳画像解析や定量的表情分析を評価項目に応用して行った自主臨床試験の解析結果を示し,さらに動物実験による検証を行い,反復投与による改善効果の経時変化や反復投与に特異的な効果発現メカニズムを示してきた。本稿では,これらの研究成果について概説する。

1 0 0 0 OA 光から色彩へ

著者
坂田 勝亮
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.88, no.11, pp.395-400, 2015-11-20 (Released:2016-02-20)
参考文献数
12

色は物質の性質でも電磁波の光学現象でもなく,人間の感覚という心理現象である。このため光と色は異なることがあるが,これは決して視覚が曖昧なのではなく,むしろ的確な光学情報の処理により最適な情報として利用できるよう知的ともいえる働きをしている。ここでは色覚処理の初期段階である網膜上に起因する現象であると考えられる順応から,記憶や言語認識などの高次過程と考えられるレベルにまで色知覚のメカニズムが機能していることを例示しながら,色にまつわる人間の情報処理の心理メカニズムが複雑で多様性に富む働きをしていることを紹介する。そして色彩という不思議で素晴らしい現象が,われわれの高度に発達した中枢神経系によってもたらされていることをご理解いただくとともに,色彩という領域が心を扱う心理学と脳の働きを扱う脳科学との境界領域として,目覚ましい発展を遂げてきたことをご理解いただければ幸いである。
著者
高円宮妃久子
出版者
講談社
雑誌
現代
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.156-162, 2005-01
著者
静岡市市史編纂課 編
出版者
静岡市
巻号頁・発行日
vol.第2卷, 1927
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケ-ション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.391, pp.51-53, 2003-05-26

KDDIは10月にも,FTTH(fiber to the home)を使う映像サービスを始める。映画などの多チャンネル放送やビデオ・オン・デマンド(VOD)を,家庭向けに提供する。料金はIP電話とインターネット接続を加えても月1万円以内。ただし,東西NTTから借りる光ファイバの確保と,放送コンテンツの調達に課題を抱えている。
著者
岡崎 仁
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.21-29, 2013 (Released:2013-03-29)
参考文献数
51
被引用文献数
4 6