著者
亀田 達也
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.27-34, 1986-04-30 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16
被引用文献数
2

To examine effect of prior stereotypical expectancy on social judgment from a Bayesian perspective, undergraduate subjects (N=204) were asked to infer a target person's attitude toward an atomic power problem. Half of them were told in advance that he was a member of Liberal Democratic Party (pro-expectancy condition), and the other half were told that he was a member of Japanese Socialist Party (con-expectancy condition). Then subjects were given a series of his previous relevant utterances, which had either high or low diagnostic values for the inference of his attitude. (a) “Labeling effect” occurred. That is, despite being given identical utterances, subjects given L. D. P. label estimated the target's attitude to be more favorable toward the atomic power than subjects given J. S. P. label. (b) This effect emerged mainly when subjects were given low diagnostic utterances. (c) Subjects given high diagnostic utterances inadequately underused the base-rate information (prior expectancy) compared with the Bayesian normative value. (d) Utterances congruent with prior expectancy were better recalled than utterances incongruent with prior expectancy.

60 0 0 0 OA 防災保線読本

著者
鉄道省工務局 編
出版者
鉄道技術社
巻号頁・発行日
vol.第1, 1938
著者
宮下 剛輔 栗林 健太郎 松本 亮介
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.15, pp.1-6, 2014-02-20

システムの大規模・複雑化に伴い,サーバの構築・運用を効率化するために,サーバの状態をコードで記述する手法が数多く提供されている.それらの手法を効率良く扱うプロセスとして,テスト駆動開発の手法をサーバ構築に応用した Test-Driven Infrastructure が提案されている.このプロセスを支援するテストフレームワークもいくつか登場しているが,あるものは特定の構成管理ツールに依存,またあるものは OS 毎の違いを自ら吸収しなければならないなど,汎用性に難がある.そこで,本論文では,特定の構成管理ツールや OS に依存することなく,サーバの状態を汎用的かつ可読性の高いコードでテスト可能なテストフレームワークを提案する.提案手法では,汎用性を高めるために,これまでの OS や構成管理ツール固有の振る舞いを整理して一般化し,運用業務で発生するコマンド群,特に確認作業に関するコマンド群を体系化・抽象化した汎用コマンド実行フレームワークを定義する.続いて,テストコード記述の抽象度を高め可読性を上げるために宣言的かつ自然言語に近い記法で汎用コマンド実行フレームワークを操作できる制御テストフレームワークを定義する.これにより,管理者が OS や構成管理ツールの違いを気にすることなくサーバの状態を容易にテストできるようになり,サーバの運用・管理コストを低減できる.また,フレームワークを用途別に分離して定義することにより,制御テストフレームワークを独自の記述に変更する事も容易である.提案するテストフレームワークを serverspec と名付けた.
著者
佐藤 翔
出版者
追手門学院大学
雑誌
Musa : 博物館学芸員課程年報 (ISSN:13470574)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.7-18, 2015-03-25

学術情報流通 / 図書館情報学 / 科学計量学 / シリアルズ・クライシス / オープンアクセス
著者
村上 憲郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.71-77, 2013-05-01 (Released:2013-05-01)
被引用文献数
3 3

ビッグデータと呼ばれているものには,3つの段階がある。まず,従来の統計処理の手法だけでも実現可能なビッグデータ1.0の段階。次に,従来の統計処理の手法に加えて,HadoopやCassandraといった大規模データの大規模分散処理を援用することによって実現可能なビッグデータ1.5の段階。さらに,それに加えて,ニューラルネットワークによる機械学習といった人工知能の技術を必要とするビッグデータ2.0の段階。SNSやIoTが生成する膨大なデータは,その膨大さによって,ビッグデータ1.0をビッグデータ1.5の段階へ,さらに,そのデータの非定型さによって,ビッグデータ1.5をビッグデータ2.0の段階へと,切り拓きつつある。
著者
米地 文夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.317-325, 1988-08-25 (Released:2011-02-17)
参考文献数
37
被引用文献数
2 2 7
著者
等々力 節子 亀谷 宏美 内藤 成弘 木村 啓太郎 根井 大介 萩原 昌司 柿原 芳輝 美濃部 彩子 篠田 有希 水野 亮子 松倉 潮 川本 伸一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.25-29, 2013-01-15 (Released:2013-02-28)
参考文献数
16
被引用文献数
1 3

食品中放射性セシウムの一般食品の新基準値である100Bq/kg程度の大麦玄麦を焙煎し,標準的な方法で調製した麦茶について放射性セシウムの浸出割合を検討した.焙煎麦から浸出液への放射性セシウムの移行は,浸出時間120分で38 %程度であった.浸出液は焙煎麦に対し約30倍量の水で希釈され,さらに移行率も50%を超えないため,麦茶の放射性セシウム濃度は,1.83Bq/kg程度であり,100Bq/kg程度(138Bq/kg)の玄麦を原料として使っても,飲料の基準の10Bq/kgを大きく下回ることが予想される.
著者
張 瑋容
出版者
カルチュラル・スタディーズ学会
雑誌
年報カルチュラル・スタディーズ (ISSN:21879222)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.73-94, 2019 (Released:2019-10-21)
参考文献数
27

本論文は1990 年代哈日現象の影響を引き継ぎ、日本の物事への好意的な受容が一般化しつつある現代台湾の文脈の下で、日本のメディアコンテンツの受容から、台湾人視聴者と〈日本〉との関係性を解くことを試みる。具体的には、インターネット掲示板「PTT」の中の日本テレビトラマ掲示板で起きたドラマ「おっさんずラブ」の人気現象に注目し、そこに掲載される「おっさんずラブ」の関連投稿の考察を通じて、ドラマをめぐる言説に投影される台湾人視聴者の「〈日本〉への眼差し」の解析を、本論文の目的とする。 まずは「〈日本〉への眼差し」を軸に先行研究を整理した結果を、「〈日本〉をめぐるファンタジー」という重層的で変動的な諸世代の〈日本〉への集合的想像によって持続的に形成されつつある動態的な枠組みで概念化した。この概念に基づき、「おっさんずラブ」の関連投稿の言説分析を通して、台湾人視聴者の「おっさんずラブ」への眼差しの向こう側に 映っている「〈日本〉をめぐるファンタジー」の重層的で変動的な構造を解析できた。言説の集中と反復、修正と転向により構築・増強されながらも、常にゆらぎとズレを伴うこの不安定な構造は、以下の三次元を行き渡って構造化されていくものである。それは①男性同士のホモセクシュアリティをめぐるユートピアと、②ドラマの構造に向ける良質ドラマ の理想像への期待といった、ドラマの「内部」に向ける視聴者の眼差しから解析された次元、及び③〈日本〉を重要な他者と位置づける集合的想像というドラマを抽象化する「外部」の議論から解析された次元を行き渡って構造化されていくものである。台湾人視聴者の重層的な〈日本〉への眼差しにより照らし出されたこの言説空間のゆらぎ、不安定性、自己増強・回復の性質は、「〈日本〉をめぐるファンタジー」という構造を前面化させてくれるのである。
著者
松島 松翠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.909-919, 2004 (Released:2005-03-29)
参考文献数
61
被引用文献数
1 1

As regards the chronic disorders brought about by pesticides to human bodies, attempts have been made to review theses that have been published both at home and abroad in the last several years on the basis of epidemiological studies. The chronic disorders that are found to have something to do with pesticides are neurological disorders (Parkinson's disease, peripheral nervous symptoms, poor coordinations and abnormal deep tendon reflexes), mental disorders (mild cognitive dysfunction and neurosis), pulmonary and bronchial disorders, hematopietic disorders (aplastic anemia), thyroid disorders, ocular disorders, immune disorders, natal disorders and birth defects (teratism, spontaneous abortion, complete transposition of the great arteries and cryptorchism), disorders in childhood growth (disorders in social development and attention deficit disorders, among others), genital disorders (reduction in fertility, erectile dysfunction (ED) and oligozoospermia), oncogenesis and carcinogenesis (childhood cancer, leukemia, non-Hodgkin lymphoma, multiple myeloma, others and pulmonary, mammary, cystic, pancreatic, and prostatic cancers).The findings of epidemiological studies do not necessarily produce casual relationships but, as identical findings have come out in many epidemiological studies, it may be argued that they produce findings the casual relationship of which is considerably suspicious. The working of pesticides as chemicals to stir incretion (the working similar to that of estrogen), the working of dioxin contained as a byproduct and the impairment of DNA have something to do with causes to chronic disorders.With not only acute poisoning by pesticides but also chronic disorders, the greatest adverse impacts fall on farmers who are directly engaged in the spraying of pesticides. When it comes to genital disorders, birth defects and tumorigenesis, among others, the spraying of insecticides and the extermination of white ants in and out of the houses ought to be taken into full account.
著者
後藤田 卓志 赤松 拓司 阿部 清一郎 島谷 昌明 中井 陽介 八田 和久 細江 直樹 三浦 義正 宮原 良二 山口 太輔 吉田 直久 川口 洋佑 福田 眞作 磯本 一 入澤 篤志 岩男 泰 浦岡 俊夫 横田 美幸 中山 健夫 藤本 一眞 井上 晴洋
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.1635-1681, 2020 (Released:2020-09-23)
参考文献数
225
被引用文献数
1

消化器内視鏡分野における鎮静のニーズがさらに高まり日常診療において重要度の高い医療行為となっている.この度,日本消化器内視鏡学会は日本麻酔科学会の協力のもと「内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン(第2版)」の作成にあたり,安全に検査・治療を遂行するためには何が問われているかを実地診療における疑問や問題として取り上げた.そのうえで,20項目のクリニカルクエスチョンを決定した.作成にあたっては「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に従い,推奨の強さとエビデンスの質(強さ)を示した.現在日常的に行われている消化器内視鏡診療(以下,内視鏡)における鎮静の臨床的疑問と問題に関して現時点でのステートメントを示すことができた.なお,この領域における本邦からのメタアナリシスなど質の高い報告は少なく,専門家のコンセンサスを重視せざるを得ない部分も多かった.また,鎮静に主に使用されているベンゾジアゼピン系の薬剤は保険適用外であるのが現状で,費用負担に関する不利益の検討ができなかった.また,診療ガイドライン作成にあたって受益者である患者・市民の視点を反映することが今後の課題である.なお,ガイドラインは現時点でのエビデンスの質(強さ)に基づいた標準的な指針であり,医療の現場で患者と医療者による意思決定を支援するものである.よって,個々の患者の希望,年齢,合併症,社会的状況,施設の事情や医師の裁量権によって柔軟に対応する必要がある.
著者
池谷 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

【目的】免疫抑制剤タクロリムスは、肝代謝酵素CYP3Aで代謝され他の薬物や食品との相互作用が臨床上大きな問題となる場合がある。我々は同種造血幹細胞移植後にタクロリムスを内服し、安定した血中濃度(9.9-10.3ng/ml)が維持されていたがルイボスティーの連日摂取によって血中濃度が3.0ng/mlまで低下するとともにグレード3の皮膚GVHDを発症した症例を経験した(日本造血細胞移植学会雑誌2013 ; 2(4) : 109)。そこで、ラットを用いてタクロリムスの薬物動態に対するルイボスティーの影響を検討した。【方法】Wistar系雄性ラット(n=6)にフリーアクセスで1週間水を与えて飼育し、タクロリムス(経口懸濁製剤)1.5mg/kgを経口単回投与し、投与後15min, 30min, 1, 2, 3, 4, 8, 12hrの8点の採血を尾静脈より行った。その後7日間washoutを行い、続けてルイボスティーのみをフリーアクセスで1週間与え、同様のスケジュールでタクロリムス投与後に採血を行った。ラットの血中濃度の測定は、PRO-TRACIITMFK506(DiaSorin社製、USA)を用いてELISA法により行った。【結果】ルイボスティー投与群ではタクロリムス1.5mg/kg経口投与時の12時間後までのAUC(mean±S.D.)は、13.45±3.47ng・hr/Lとルイボスティー投与前の17.57±10.57ng・hr/Lに比べ、統計学的な有意差は認められなかったものの23.4%も減少した。さらに、最高血中濃度(mean±S.D.)も5.47±2.84ng/mLとルイボスティー投与前の7.75±5.2ng/mLに比べ29.4%低下した。【考察】ラットを用いた動物実験からルイボスティーは、CYP3A酵素を誘導しタクロリムスの血中濃度を低下させる相互作用がある可能性が示唆された。