著者
榎本知郎著
出版者
平凡社
巻号頁・発行日
1994
著者
鈴木 隆浩
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.1205-1211, 2020 (Released:2020-11-06)
参考文献数
36

難治性貧血疾患では赤血球輸血が必要とされるが,頻回の輸血は輸血後鉄過剰症のリスクとなる。過剰鉄は活性酸素種の産生を介して臓器障害を引き起こし,低リスクMDSでは高フェリチン血症が予後不良因子の一つであることが知られている。このため,輸血後鉄過剰症では鉄キレート療法が行われる。輸血依存になった患者は,定期的に血清フェリチン値を確認し,フェリチン値500 ng/ml以上および総赤血球輸血量20単位以上で輸血後鉄過剰症と診断される。鉄キレート療法はフェリチン値1,000 ng/ml以上で開始し,有害事象などの問題がなければフェリチン値が500 ng/ml未満になるまで治療を継続する。鉄キレート療法によって臓器障害は改善し,低リスクMDSでは臓器障害や死亡リスクの低減が期待される。一部症例では造血改善も認められるが,現時点では造血の改善を目的としたキレート療法は推奨されていない。
著者
佐藤 弘子 菊地 幸代 久保田 妙子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.755-761, 2003

当院における従来の感染対策マニュアルの活用状況を調査, 分析することで, 感染対策新マニュアルの作成を行った。それをもとに職員勉強会を実施, 感染対策への職員の意識づけを目的とした。<BR>感染防止対策は医療の急速な発展, 高度化に伴い, 日々変化している。当院では早期より感染対策マニュアルを作成, 修正が行われてきたが, 活用されない現状があった。そこで, 従来のマニュアルの活用状況をアンケート調査 (n=447) し, マニュアルが活用されない原因を分析した。従来のマニュアルは, 古い, 分厚い, 読みづらいと不評であったが44.7%の人が活用していた。55.3%の活用していない人は, 見てもわからない, 必要時上司, 同僚に聞くと答えている。これらの分析結果をふまえ, 約6か月間を費やし, 理解しやすく, 活用しやすい新マニュアルを作成した。職員全員に1冊ずつ手渡し, 新マニュアルをもとに職員勉強会を実施した。新マニュアルの紹介, 院内感染の定義, ユニバーサルプレコーションについて, 手洗いの仕方, 手袋, マスクのつけ方の実技を行い知識の確認を行った。パネルディスカッション形式で行われた勉強会は出席者が多く, 感染対策への関心の高さを感じた。この勉強会を行ったことで職員の感染対策に対する意識を高めることができた。また, 新マニュアルを学ぶことにより全てのスタッフに院内感染防止の重要性を理解してもらうよい機会となった。
著者
落合 明 楳田 晋
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.50-54, 1969-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

1967年9月より11月にかけて高知県須崎市および宿毛市に来遊する成熟ボラの産卵生態を調査し, 次の事項が明らかとなった。1。雌は大型で体長43cm以上はすべて雌であり, 雄は小型で, 31cm以下はすべて雄によって占められる。2。卵径は9月16日に0.22mm, 10月17日に0.37mm, 11月2日に0.66mm, 11月4日に0.68mmとなり, 11月に入って急激に肥大した。3.カラスミとなる雌個体は10月22日に出現し, 11月4日に最も多く, 11月10日には全く認められなかった。4.カラスミとなる卵巣は体長35cm前後で約200g, 45cm前後で約350g, 50cm前後で500gに達し, 生殖腺指数は10-21の間にある。この卵巣卵は成熟過程からみて卵黄球期のものに相当する、5。雌の放卵魚体は11月2日に出現し, 11月10日まで認められた。6。成熟精巣は卵巣のように肥大せず, その重量は159前後にとどまった。7、成熟の雄は10月18日に出現し, 11月10日まで認められた、8。須崎湾における産卵期間はせいぜい20日前後である、
著者
魏 旭 高 晨曦
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
経済研究所 Discussion Paper = IERCU Discussion Paper
巻号頁・発行日
vol.294, 2017-12-01

マルクス経済学の理論的体系、その論理的出発点を全体的、構造的、科学的に把握し、その性質を究明するには、その論理的出発点と帰結とを結合することが是非とも必要である。唯物論的弁証法の総原則に基づき構築されたマルクス経済学の理論的体系は、科学的な抽象方法を用いた、研究のプロセスとシステム的記述プロセスとの統合であり、演繹法による資本制生産様式の発展という歴史的過程の論理と、本質と規律とに対する分析との総括である。これはすなわち、研究方法と叙述方法とが独立的、断絶的な段階や方法ではなく、同じ研究プロセスで交代的に使われている方法であることを意味する。したがって、この体系全体の構築に関わる歴史と論理との関係には、厳格な一致は必ずしも要求されない。その代わりに、歴史の発展プロセスに立ち戻る事後的論理的分析と総括とが要求されている。このような方法論的体系に従い、マルクスは、最も具体的な規定――世界市場という次元での商品の規定――から出発し、商品一般を抽出し、これを自己の論理的出発点としたのである。そして、抽象から具体に進み、最後はまた資本の産物であり、最も具体的である、世界市場という次元での商品という論理の帰結に立ち戻り、資本主義経済の運行法則をわれわれに提示してくれた。その法則によると、資本主義は必然的に終焉を迎え、共産主義に移行する。マルクスの経済学体系の研究方法と論理的出発点の標定(方法)は、中国の特色のある社会主義的政治経済学体系を研究し、とりわけその体系の論理的出発点を構築しようとしているわれわれにとっての、重要な指針であろう。
著者
Michio TAKAOKA
出版者
The Japan Academy
雑誌
Proceedings of the Imperial Academy (ISSN:03699846)
巻号頁・発行日
vol.16, no.8, pp.405-407, 1940 (Released:2008-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
11 27
著者
キーズ フィリップ
出版者
日経BP社
雑誌
日経インタ-ネットテクノロジ- (ISSN:13431676)
巻号頁・発行日
no.44, pp.146-149, 2001-03

異なるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)が提供するアプリケーションや社内アプリケーションを統合して利用できるようにする「ASP統合サービス」が登場した。ジャムクラッカーやアウトタスクなどの米国ベンチャーが2000年にサービスを始めた。
著者
小泉 文明
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュータ = Nikkei computer (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.991, pp.58-61, 2019-05-30

主力のフリマ事業に続き、乱戦が続くスマートフォン決済サービスに参入した。後発ながら国内1200万人超の利用者を誇るフリマ事業との連携に自信を見せる。AI(人工知能)をはじめとするテクノロジー活用により、さらなる成長を果たせるか。
著者
Jia Yulong
出版者
Japanese Society of Cultural Anthropology
雑誌
Japanese Review of Cultural Anthropology (ISSN:24325112)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.043-087, 2019 (Released:2020-05-28)
参考文献数
29

Chinese interest in basketball has increased significantly since the 1990s. At the same time, sneaker culture centred on basketball shoes spread into China and has since played a crucial role in the development of Chinese youth culture. From 2000 onwards, counterfeit sneakers (referred to as 'changhuo') have appeared in China and have had a significant impact on the sneaker market. This has, in turn, raised questions about 'authenticity'. The definition of 'authenticity' under intellectual property rights law derives from the concepts of 'individual', 'authorship', and 'ownership'. This definition is not universal and can deviate from local understandings of 'authenticity'. This paper discusses how the 'authenticity' of sneakers is understood in China by focusing on the consumption of changhuo. Chinese sneaker consumers seem more driven by commitments to upholding an order based on the scarcity of goods and participating (or not participating) in conspicuous consumption than by legal definitions of authenticity and originality.
著者
持田 智行
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.2-6, 2016-02-29 (Released:2016-03-02)
参考文献数
22

We have prepared various ionic liquids containing cationic organometallic complexes, which exhibit intriguing physical properties and chemical reactivities. This review describes molecular design, preparation, and crystal structures of organometallic ionic liquids and related materials. Two topics are discussed, in which X-ray crystallography played an important role: magnetic-field effects on the crystallization of ferrocenium ionic liquids, and odd-even effects on the melting phenomenon of cobaltocenium ionic liquids.
著者
Dubatolov V.V. Lvovsky A.L. 吉本 浩
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.191-198, 1997
参考文献数
32
被引用文献数
1

St-Petersburgのロシア科学アカデミー動物学研究室に保管されているSatyrus motschulskyi Bremer&Grey,1852とYpthima amphithea Menetries,1859の模式標本を調べた結果,それらは同一種であることが分かった.両タクサの後模式標本とそれらの♂交尾器を図示した.チョウセンウラナミジャノメの学名はYpthima motschulskyi(Bremer&Gray)となるが,中国北部および韓国のものを原名亜種,沿海州のものを亜種amphithea Menetriesとした.沿海州の亜種は原名亜種よりも小型,後翅裏面は全体に暗く,波状模様もあまり明瞭でない.Y.motschulskyiがチョウセンウラナミジャノメの有効名となる関係で,ウラナミジャノメの有効名には台湾から記載されたY.multistriata Butler,1883が昇格する.原名亜種は台湾及び中国東部に産し,日本本土亜種はniphonica Murayama,1969,対馬亜種はtsushimana Murayama,1969となる.韓国産はtsushimanaよりも裏面の波状紋の発達が弱い点で区別されるが,Y.obscura Elwes&Edwards,1893,Y.elongatum Matsumura,1929はいずれもmotsculskyiのシノニムで,韓国産multistriataの亜種名として適格なものがないため,新亜種koreana ssp.n.を記載した.
著者
永里 賢治
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.185-196, 2018 (Released:2018-10-16)
参考文献数
37

企業は持続的な発展が求められており、日本のみならず海外においても様々なイノベーションを起こしていく事が重要である。企業の海外進出を考えた場合、中小企業は経営資源、知識、経験が少ない為に、大企業と比較すると不利と考えられる。本研究では中国に進出した日系中小企業がどの様にマネジメントを行ったのかについて、初めて海外進出を行った日系商社の事例を基にP2Mの視点で考察する。