著者
Tatsu FUJIURA Hiroshi NAGASAWA Hidetaka WAKABAYASHI
出版者
Japanese Society of Physical Therapy
雑誌
Physical Therapy Research (ISSN:21898448)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.39-46, 2020-06-20 (Released:2020-06-20)
参考文献数
26
被引用文献数
5

Objective: To assess the effect of manual lymph drainage (MLD) on pain in Japanese patients up to 10 days after a total knee arthroplasty (TKA).Methods: This study was a randomized controlled trial performed at a University Medical Center. Patients who underwent unilateral TKA and received once daily MLD for 20 minutes prior to standard physical therapy up to 10 days after TKA were investigated. Pain at rest, knee extension muscle contraction, and maximum load were assessed using the visual analog scale (mm) before surgery, after drain removal, and after the fifth MLD. As secondary outcomes, the circumference, range of motion, muscle strength, walking speed, and walking rate were evaluated.Result: Forty-one patients aged 45-85 participated in this study, 21 of whom were assigned to the intervention (MLD group) and 20 who were not (control group). Ten days after TKA, no significant difference was evident between the MLD and control groups for resting pain [4.5 mm (1.6-10.8) vs 7.0 mm (1.8-25.5), respectively, p=0.17], pain during knee extension muscle contraction [12.3 mm (4.5-24.8) vs 20.8 mm (6.4-31.8), p=0.41], and pain at maximum load [13.0 mm (8.3-39.8) vs 16.0 mm (4.6-32.5), p=0.73]. There were no significant differences between groups in terms of secondary outcomes.Conclusion: This study shows that MLD up to 10 days after TKA does not affect pain.
出版者
創価大学人文学会
雑誌
創価大学人文論集 (ISSN:09153365)
巻号頁・発行日
no.27, pp.4-10, 2015-03-01
著者
吉元 宇楽
出版者
横浜経済学会
雑誌
エコノミア (ISSN:00129712)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.15-29, 2015-11-30

アベノミクスにより円高が是正され,2014 年には1 ドル120 円台を推移するほど円安が進んだ.このような円安局面の中,輸出企業の採算改善という「円安効果が現れている部分」と,輸出量が変化せずに貿易収支が改善しないという「期待されていた円安効果が現れない部分」が出てきている.これら全てを踏まえて,アベノミクスの円安は輸出企業の業績にどのような影響を与えるのかを考察する.本論文では為替レートが企業収益に影響を及ぼす経路を二つに区分し,実証分析を行った.一つは所得収支や海外売上高増減を通じた影響であり,海外での収益や配当金などが為替レートによって決算時に膨れ上がる(萎む)などにより生じるものである.もう一つが輸出競争力や企業固有のその他の要因による影響である.本論文の実証分析では,それぞれの分析期間でこれらの要因のどちらが企業収益に有意に影響しているかについてパネル分析を行った.その結果,円高期(2007~ 2011 年)には輸出競争力など企業固有の要因が企業収益の増加に有意に正の影響を与え,逆に円安期(2012 ~ 2013 年)には海外からの所得収支の増加が輸出企業の採算改善に強く影響したことが明らかになった.したがって,アベノミクスの円安は海外で活躍する企業の収益に対して,総じて好影響を与えている.円安や株高,投資家マインドの改善などあらゆるものが,企業行動を活発化させるだろう.
著者
植村 信保
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.598, pp.598_35-598_52, 2007-09-30 (Released:2011-09-28)
参考文献数
8

本研究では1997年から2001年に経営破綻した中堅生保について,各種の資料に加え,当時の経営者など関係者への大規模なインタビューを行うことで,各社が破綻に至った要因を格付けアナリストの視点から考察した。さらに,同時期の韓国生保の破綻事例についても調査を行い,日本との比較を試みた。一連の生保破綻については,バブル崩壊などの外的要因に求める見方が一般的だ。しかし,調査の結果,破綻は必ずしも外的要因だけで発生したのではなく,内的要因が重要な役割を果たした可能性が浮き彫りになった。いくつかの内的要因が破綻リスクを高め,その後,経営環境にストレスが生じた局面で各社の経営が悪化。さらに,いくつかの内的要因が危機認識の遅れや不適切な対応をもたらし,最終的に各社が破綻に至ったことが伺える。
著者
村上 裕 久松 定智 武智 礼央 黒河 由佳 松井 宏光
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
pp.2005, (Released:2020-11-10)
参考文献数
19

二次的自然としての水田やため池を繁殖場所として利用するトンボ類は、水稲の生育ステージや、ため池の植生、水位管理、周辺環境等が種個体群の存続を許容するものであったことから、水田面積の拡大とそれに伴うため池の造成により安定的な分布域を形成したものと考えられる。本研究は、ため池の水際を主な産卵場所として利用し、冬期に減水したため池の乾出した底質で卵が越冬する可能性を指摘されてきたオオキトンボを対象種とし、ため池の水位管理方針が幼虫発生に与える影響を研究した。現地調査として、本種の産卵行動が例年確認されているため池から無作為に抽出した 3地点で成熟個体および羽化後の未成熟個体のラインセンサスを行ったほか、ため池管理者へ水位管理に関する聞き取り調査を行った。また、ため池の満水位直下の砂礫を採集し、乾燥状態で管理後に翌春湛水して孵化した幼虫数を計測した。調査の結果、冬期に大きく減水したため池の干出した砂礫から多くの幼虫が発生した。ただし、他の池と同等の成熟個体が飛来し、産卵行動が確認され、冬期に減水していたにも関わらず孵化幼虫が認められないため池も存在した。
著者
小西四郎著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1978

1 0 0 0 OA 海洋審美論

著者
高橋鉄太郎 著
出版者
文明堂
巻号頁・発行日
1903
著者
藤井 達也 三橋 正枝 古川 柳蔵
出版者
社団法人 環境科学会
雑誌
環境科学会誌 (ISSN:09150048)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.184-194, 2020-11-30 (Released:2020-11-30)
参考文献数
30

近年,気候問題をはじめとした様々な地球環境問題が益々悪化している。地球環境問題の原因は人間活動の肥大化である。ライフスタイルを変えられるかどうかが問われており,環境配慮行動の実践を繰り返し,ライフスタイルへ定着が急がれる。ライフスタイル変革を促す環境配慮行動を評価するには,人々の多様で潜在化した無意識に生起され,社会的背景・文化的背景,環境,コミュニティなどと関連性を持って成り立っている日常的な行為を把握する必要がある。そこで,本研究では,オントロジー工学に基づき,実世界で起こる日常的な複数連なる行為をモデル化し,感情を含んだ行動の共通概念を明示化することにより,日常的な行為の変容と感情や意識との関係を評価し,推論する方法を検討することを目的とする。日本の複数の地域の小学生を対象として持続可能な暮らしの構築のための木育ワークショップを実施し,参加者へのアンケート,インタビュー及びビデオによる録画したデータに基づき分析を行った。木育ワークショップに参加した子どもの笑顔に着目し,子どもの笑顔に至るまでの行動をパターン化し,オントロジー工学に基づき行為分解木を描くことにより,笑顔に至るプロセスにおけるその人の感情の共通概念を明示化できることが示された。また,笑顔数などの客観的なデータを用いて,日常的な行為の変容と感情や意識との関係を評価することで,ある特定の行為を通した一人当たりの笑顔数が環境意識の高さや環境意識の向上度合によってどの程度になるか推論できる可能性が示唆された。
著者
矢田 喜大 松浦 真也 前川 明弘 立野 雄也 徳本 勇人 川岡 孝督 神嵜 康之
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.217, 2020 (Released:2020-11-30)

近年,有機性廃棄物を発酵させ,得られたバイオガスを燃料として発電を行うバイオガス発電が注目を集めている.バイオガス発電事業においては,投入した廃棄物とほぼ同量の発酵残渣(以下,消化液とする)が発生する.消化液は窒素成分を含有するため,一部は液肥等として活用されるが,肥料の需要変動や臭気等の問題から排水処理が行われる場合も多く,その際には窒素含有量を排水基準値以下に低減させる必要がある.本研究では,消化液の窒素成分濃度を低減させるため,多孔性を有する天然鉱物や廃棄物を吸着材として用いる手法について検討を行った.併せて,消化液中の菌叢の変化や存在する菌種を確認するために,菌叢解析を実施した.その結果,天然ゼオライト,竹炭及び活性白土を吸着材として用いると,消化液のアンモニア性窒素濃度が減少することや,吸着材の投入により消化液の菌種が大きく変化しないことなどが確認できた.