著者
高橋 惇太 葛 甬生 楠本 勝子 西村 隆司
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.357, 2020 (Released:2020-11-30)

近年開発・実用化が進められている嫌気性アンモニア酸化反応による窒素除去は、特にBOD/Nが低い廃水に対し、従来の循環式硝化脱窒法と比べ省エネルギー、低コストな処理であることから、浸出水中のアンモニア性窒素の除去方法として期待されている。本稿では、焼却残渣や汚泥の埋立て処分を中心とする産業廃棄物最終処分場にて2018年度8月から稼働中の、部分亜硝酸化と嫌気性アンモニア酸化から成る2槽型の窒素除去プロセスDENIMOX®について、運転経過を報告する。 2018年度8月〜2020年度6月までの運転経過により、浸出水のNH4-N濃度の変動や処理水量の増加に対し、部分亜硝酸化、嫌気性アンモニア酸化ともに安定的に維持されていることが確認された。本結果より、浸出水処理において嫌気性アンモニア酸化により安定した窒素除去が可能であることが示された。
著者
小山 光彦 シュクリ ファディル 戸田 龍樹 トラン クイン ザイヌル カマル シャズニ 中崎 清彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.201, 2020 (Released:2020-11-30)

本研究は、エビ養殖池汚泥のアンモニア変換プロセスの高効率化に有用な知見を得ることを目的として、異なる養殖池汚泥の高温好気発酵処理におけるアンモニア回収ポテンシャルを比較するとともに、次世代シーケンサーによる菌叢の網羅的な解析ならびに機能予測解析をおこなった。エビ養殖池汚泥からのアンモニア回収ポテンシャルは、汚泥の有機物濃度に大きく依存することがわかった。汚泥の微生物分解において、非溶存態窒素画分を溶存態化する過程がプロセスのボトルネックであることが窒素収支により明らかとなった。菌叢解析ならびに機能予測解析により、ペプチドグリカンや難分解性有機窒素の分解が有機態窒素の溶存態化の制限要因となっていることが示唆された。今後、これらの有機態窒素分解酵素を分泌する微生物を接種することにより、養殖池汚泥の分解・アンモニア変換の高効率化が期待される。
著者
越後屋 朗
出版者
基督教研究会
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.1-16, 2002-12

「修正主義者」あるいは「ミニマリスト」と呼ばれる研究者たちは、ヘブライ語聖書がペルシア、ギリシア時代に成立したと主張する。もうしそうであるなら、ヘブライ語聖書に基づいて、古代イスラエル、特にその初期の歴史を記述することは一体可能なのであろうか。これまでヘブライ語聖書は古代イスラエル史記述のための枠組みとして用いられ、それに考古学的データが適合されてきた。本論はヘブライ語聖書の史実性(歴史的信頼性)と古代イスラエル史記述における考古学の役割を検討する。後者については、テル・メギドでのこれまでの発掘調査との関連で具体的に論じられる。論文
著者
葉梨 輝 金野 俊洋 櫻井 敏博 今川 和彦
出版者
日本哺乳動物卵子学会
雑誌
Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.214-220, 2009-10-01
参考文献数
28
被引用文献数
1

レトロウイルスは新しい遺伝子を取り込み,その機能を獲得,発揮することが出来る.実際,レトロウイルスの一種であるラウス肉腫ウイルスは宿主に感染することによって,宿主の持つがん遺伝子srcを取り込み,それを自らのゲノムの一部にしたことは良く知られている.このようにレトロウイルス側が宿主細胞側の遺伝子を取り込み利用することが可能であれば,それとは逆に,細胞生物側がレトロウイルス由来の遺伝子を取り込んで利用することがあっても不思議ではない.脊椎動物のゲノム上にはレトロウイルス由来と思われる配列が数多く存在しており,内在性レトロウイルス(Endogenous Retrovirus, ERV)と呼ばれている.そして,それら遺伝子の発現は,哺乳類において特徴ともいえる"胎盤"で高いことが知られている.このようなレトロウイルス由来タンパクの組織特異的な発現とその機能を考えれば,レトロウイルス由来の遺伝子が胎盤の形成機構に関与している可能性は高い.本論文では,哺乳類,特にヒトにおける胎盤形成のメカニズムと内在性レトロウイルスの関係について,胎盤に発現するERV由来タンパクsyncytinを中心に,今後の展望を交え述べていく.<br>
著者
相沢 慎一
出版者
分子科学会
雑誌
Molecular Science (ISSN:18818404)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.A0034, 2010 (Released:2010-08-26)
参考文献数
10

Flagellar motor is a nano-sized rotary machine. Despite of 40-year research on the flagella, the physic-chemical principle of torque generation in the motor is not clear. Even the conventional technique for measuring torque has a flaw as an experimental method. Image of the flagellar motor is extensively changing at the moment. Updated information on the flagellar motor is presented.
著者
矢羽田 彩乃 北川 雄一 大窪 歩 大久保 喬平 曽我 公平 大島 朋子 竹村 裕
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2020 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.2P1-F12, 2020 (Released:2020-11-25)

This study shows the possibility of plaque detection by near-infrared hyper spectrum imaging (NIR-HSI) and machine learning without plaque stain. While the plaque stain shows where the plaque is, the plaque stain leaves color and may cause anaphylaxis. Near-infrared images are obtained from the plaque cultured teeth by NIR-HSI. RGB images of stained teeth are obtained and superimposed on the near-infrared image. The G channel of the RGB image is corrected to label the spectral data plaque or no plaque. Learning and prediction were performed by Artificial Neural Network. The proposed method showed that plaque could be detected without staining about 70% accurate.
著者
笠原 英彦
出版者
三田史学会
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.p159-162, 1991-04

批評と紹介
著者
佐藤 憲昭 阿曽 尚文 三宅 和正
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.192-195, 2002-03-05 (Released:2011-02-09)
参考文献数
14

超伝導体における遍歴電子は引力相互作用によって互いに束縛されクーパー対を形成している. 通常の超伝導体でグルー (接着剤) の役割を果たしている準粒子はフォノンであるが, 磁気秩序と超伝導が共存する不思議な化合物であるUPd2Al3におけるグルーは一体何であろうか? 本稿では磁気励起子と呼ばれる磁気モーメントの集団運動が超伝導引力を媒介していることを示す.
著者
井村 隆介
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.419-421, 1998-10-30 (Released:2017-03-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 度会郡誌

著者
小川稠吉 著
出版者
随時軒活版所
巻号頁・発行日
1897
著者
鷲山 幸信
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.102-113, 2020-03-25 (Released:2020-06-25)
参考文献数
34

標的アイソトープ治療とは、放射線を放出するRIをペイロードとし抗体やペプチドに標識し、標的に運んだ後アイソトープから放出されるエネルギー(放射線)を標的組織に照射して治療を行う方法である。飛程が短く単位距離あたりのエネルギーが高いα線は種々の放射線の中でも治療効果が高く、臨床応用が期待されている。そのためには、アルファ放射体の持続可能な供給はもとより、実際の治療においてもアルファ放射体の物理化学的特性を理解し制御することが重要である。
著者
佐藤 真実 榎波 清美 田畑 聖香 松井 理佳子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】食育に関する意識調査では約三割の人が日本の食文化を受け継いでいないと回答している。本調査では、福井の食文化を守るための基礎調査として年中行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率について明らかにする。<br />【方法】平成28年7月に福井県在住の782人を対象に自記式質問紙法によるアンケート調査を行った(回収率71.6%)。内容は、行事の実施と実施率の変化、行事食の喫食率、後世に残していきたい行事とその理由などである。昭和57年、平成8年、平成18年の行事の実施については、谷ら<sup>1)</sup>の調査結果を用いた。<br />【結果】現在も行事食を喫食している行事は、「正月」(94.9%)、「大晦日」(80.7%)、「クリスマス」(70.3%)、「冬至」(63.1%)、「半夏生」(49.8%)となった。行事の実施率の変化としては、「正月」、「節分」がほぼ横ばい、「七夕」、「お盆」、「秋祭り」、「報恩講」が年々下降した。後世に残していきたい行事としては、「正月」(96.5%)、「大晦日」(82.4%)、「ひな祭り」(63.9%)、「お盆」(60.9%)であった。後世に残していきたい理由としては、「季節が感じられるから」(71.5%)、「日本の伝統だから」(57.0%)が高かった。一方、後世に残さなくていいと考える理由としては、「元々、実施していないから」(34.6%)、「行事を知らないから」(33.2%)であった。とくに子世代では、後世に残していきたい理由として「楽しいから」(55.9%)、残さなくていいと考える理由として「行事を知らないから」が親世代、祖父母世代に比べて有意に高かった。行事食の喫食率は、「冬至のかぼちゃ」、「半夏生の焼き鯖」、「天神講の焼きカレイ」が高くなった。これらの料理は、店で入手しやすく、家庭で作りやすいことから喫食率が高くなったと考えられる。<sup>1)</sup>谷洋子ら:仁愛女子短期大学卒業論文集より