著者
小池 麻里 藤井 弘之
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.315-321, 2001-04-10 (Released:2010-08-10)
参考文献数
29

目的: Ag, Sn, Znを主成分とする歯科鋳造用銀合金はしばしばコアあるいは一部被覆冠に使用され, それらの約89%は変色している. しかし, 現在まで乳酸以外の有機酸に対する銀合金の腐食反応を観察した報告は少ない. 本実験の目的は, 唾液やプラークに多く含まれる有機酸および人工唾液中における銀合金の化学的安定性を評価し, 腐食試験などで用いられることが多い生理食塩水中で得られた結果と比較検討することである.方法: 浸漬試験法を用いて, 成分元素の溶出, 重量変化, 表面色の変化および腐食生成物の組成を分析した.結果: 全浸漬液で, 銀合金から解離したZnとSnの溶出および不溶性の沈殿物を認めた. Agの溶出はほとんど認められなかった. また, 試料の重量減少と変色を確認した. さらに, 溶出や重量の減少が多い試料のなかに変色が少ない場合があることを観察した. 銀合金は生理食塩水に接触したときよりも乳酸, ギ酸および酢酸などの有機酸に接触したときのほうが腐食しやすいこと, 有機酸の種類によって溶出イオンの動態が異なることがわかった.結論: 本論文の結果は, 銀合金は口腔内環境のなかで腐食しうることを示している. この腐食の程度は変色だけでは評価すべきではない.
著者
上野 千鶴子
出版者
文芸春秋
雑誌
諸君 (ISSN:09173005)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.p66-75, 1995-02

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出版者
情報局
巻号頁・発行日
no.367, 0000
著者
松田 健 渡辺 澄夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J93-A, no.4, pp.300-308, 2010-04-01

混合モデル,ニューラルネットワーク,ベイジアンネットワークなどの特異モデルは情報工学において広く使われている.近年,特異モデルの学習の精度が特異点解消定理による代数幾何学的な方法によって明らかにされた.本論文では,重み付きブローアップによる学習係数の新しい算出方法を提案し,混合多項分布への応用によってその有用性を示した.
著者
吉原 圭介 山田 哲哉 山田 和彦 下田 孝幸 Yoshihara Keisuke Yamada Tetsuya Yamada Kazuhiko Shimoda Takayuki
出版者
宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)
雑誌
第15回宇宙科学シンポジウム 講演集 = Proceedings of the 15th Space Science Symposium
巻号頁・発行日
2015-01

第15回宇宙科学シンポジウム (2015年1月6日-7日. 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(JAXA)(ISAS)相模原キャンパス), 相模原市, 神奈川県

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出版者
情報局
巻号頁・発行日
no.363, 1945-03
著者
星田 義彦 原留 成和 山下 展弘 村上 一郎 宮宅 健司 宮谷 克也 吉野 正
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.692-697, 1995
被引用文献数
4

われわれは, 甲状舌骨嚢胞からの穿刺吸引細胞診によって術前に癌化を診断しえた甲状舌管癌の1例を経験したので報告する. 症例は67歳の女性. 2年前より, のどぼとけのような前頸部の小腫瘤に気付いていたが放置していた. 数ヵ月前より, 急に腫瘤が増大したため, 当院外科を受診し入院となる. 甲状舌骨嚢胞と考えられたが, 嚢胞内の穿刺吸引細胞診を施行したところ一部で核内細胞質封入体を認める乳頭状癌の像を呈した. 甲状舌管癌の診断のもと腫瘍摘出, 所属リンパ節廓清を行った. 摘出腫瘤は直径6cm大で弾性硬, 表面平滑. 割面では嚢胞状部と嚢胞内腔に乳頭状に突出する充実性の腫瘤形成がみられ, 組織学的にも乳頭癌であった. 甲状舌骨嚢胞の癌化の頻度は長嶺らによると1.61%であり, 本邦での報告例は自験例を含めて26例と比較的まれである. 甲状舌骨嚢胞の癌化を腫瘍摘出前に知ることは重要なことであるが, 画像診断のみから良悪性を判定することは難しい. したがって, 甲状舌骨嚢胞の摘出の術前に侵襲の少ない嚢胞穿刺細胞診を行うことは有用であると考える.
著者
石井 僚
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.189-200, 2016 (Released:2018-09-20)
参考文献数
44

本研究では,青年の持つ時間的展望とアイデンティティ形成の関連について,アイデンティティ形成のプロセスおよびプロダクトの両側面に着目して検討した。大学生および専門学生108名を対象に,質問紙調査を行った。プロダクトの指標であるアイデンティティの感覚の高さによって研究参加者を3群に分け,時間的展望の様相および時間的展望とアイデンティティ形成プロセスとの関連を検討したところ,群間で差がみられた。時間的展望の様相の差異からは,アイデンティティの確立には未来への意識や態度が関連しているという先行知見と同様の結果に加え,本研究では,これまで検討が不十分であった過去や現在に対する意識や態度についても関連が示された。各形成プロセスと時間的展望との関連の差異からは,アイデンティティの感覚をどの程度持っているかに応じて,コミットメントやその再考など,青年が行うそれぞれの形成プロセスの意味や働き,またそれらを行う契機が異なることが示唆された。
著者
牛田 智 谷上 由香
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1129-1130, 1998-10-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
3

In the previous paper we reported that natural indigo products can be discriminated from synthetic indigo products by detecting red pigments contained as contaminants in indigo dyestuffs by means of HPLC. However, the HPLC method is difficult to put into practical use due to the high cost of equipment. Herein, the capability of TLC to discriminate between the two was investigated. The red pigment contained as a contaminant only in sukumo, Japanese natural indigo dye, and another red pigment contained as a contaminant only in synthetic indigo could be separated and detected on TLC.This means that the simple TLC method is capable of discriminating between natural indigo dyeing and synthetic indigo dyeing.