著者
榎園 裕崇 伊藤 毅志 古郡 廷治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.53, pp.85-86, 1996-09-04
被引用文献数
1

我々は日常生活において、複数の人間で話し合いの場を持つことがしばしばある (例:「冠婚葬祭の準備」「忘年会の計画」「大掃除の打ち合わせ」など)。これは、一種の意志決定型の会議と見ることができるが、このような会議で扱う議題には、議題がさらにいくつかの副議題に分割される複雑な問題構造を持つものがある(図1:以下、多層構造議題と呼ぶ)。このような多層構造議題を議論する場では、現在話し合っている問題の構造を正確に把握した上で、さらにその議題に固有の世界知識も有している人間が司会進行を行うことにより、より円滑で有意義な会議が期待できるだろう。本研究では、多層構造議題の会議を円滑に進行するために、人間同士の議論に加わり、司会進行を行うシステムの開発を目標にしている。実現するシステムは、地理的に分散した環境下でリアルタイムの会話や議論を行うためのツール上に組み込むことを考えている。実際、phoneやchatといった、複数の人間で文字ベースの会話を行うためのツールなどは、日常のちょっとした話し合いにも一般的に利用されているので、本システムの実現の意義は大きいと考える。本報告では、実際の会議実験で得られたデータから、まず会議空間を3領域に分類し、その中の議論空間を記述するためのモデルについて詳述する。
著者
冨菜 雄介
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.132-143, 2015-09-01 (Released:2015-09-16)
参考文献数
36

発達した付属肢をもつ動物の多くは,採餌行動において目標指向的に制御される巧みなマニピュレーション行動を示す。筆者は目標指向的に制御されるマニピュレーション行動の神経機構の理解を目指し,海産大型甲殻類であるアメリカウミザリガニ(Homarus americanus,ロブスター)を実験動物として採用した。ロブスターでは左右の第一胸脚のうち片方がクラッシャーと呼ばれる大鋏に分化しており,採餌文脈においては貝の殻を割り砕く行動(グリッピング)において使用される。筆者はこのグリッピング行動に着目し,行動に対して餌を提示する報酬型オペラント条件付け実験系を適用することで行動頻度の制御が可能であることを示した。また,光弁別刺激を手がかりとしてそのタイミングを制御可能であることを明らかにした。さらに,慢性筋電図解析を行うことで目標指向的に開始されるグリッピング行動を運動出力レベルで特徴付けることに成功した。本稿で紹介する一連の研究は,微小脳動物における目標指向的なマニピュレーション行動を神経生理学的に解析するための基盤を開発した開拓的取り組みとして位置づけられる。

7 0 0 0 OA 大策士

著者
福地桜痴 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1897
著者
石過 桃子
巻号頁・発行日
2014

筑波大学修士 (図書館情報学) 学位論文・平成26年3月25日授与 (32617号)
著者
馬場 靖憲 渋谷 真人
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.33-47, 2000-10-25
参考文献数
14
被引用文献数
5

われわれは日本のTVゲームソフト産業のダイナミズムは産業クラスターの視点からの分析によって可能になると考え, 先行論文で東京ゲームソフト・クラスターを提案した。本論文ではなぜクラスターが併存することになったのかについて実証分析を行なった。産業クラスターの形成要因としては関連教育機関による開発支援環境の有無, マーケティング情報を入手するためのゲームソフト量販店に対する近接度, 加えて, 放送局, 出版社など知的社会インフラによって構成される開発環境の重要性に着目している。興味深いのは, ゲームソフト企業の母体企業がデジタルコンテンツに適した開発環境に立地する場合であり, 多角化企業とベンチャー企業は同一地域に密集して立地する。ここでは, 開発に関係する情報がリアルタイムで密度高く交換され, 高度化した情報環境は開発者のコミュニティの質を向上させる。良好な開発環境においてクラスターの中核が形成されると, 活性化された情報環境はさまざまな企業のクラスターへの集中化を測深しその形成を加速する。本論文では, このような現象が現在, 山手線クラスターにおいて進行中であることを示した。さらに述べれば, 近年, 同南部クラスターの勢いが強くなりつつあるのが現状である。
著者
倉田 タカシ
出版者
早川書房
雑誌
SFマガジン
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.98-129, 2016-04
著者
近藤浩一路 [著]
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1918
著者
近藤浩一路著作
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1919
著者
日下 正大勇
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.383-390, 1936 (Released:2010-07-23)
参考文献数
8

Seit vier Jahren untersuchte ich bei Marinesoldaten das Vorkommen der Phimosis sowie deren Grade. Bei der gesamten Untersuchungsanzahl von 13804 Männern entdeckte ich 2489 Phimosis besitzende Männern. Dies beträgt also 18.0%Ich habe die Fälle der Phimosis wie in folgender Tabelle klassifiziert;Im Zusammenhang mit der Phimosis habe ich ferner untersucht, ob die betreffenden Personen schon früher an Geschlechtskrankheiten gelitten hatten, oder noch leiden, und ausserdem noch eine andere Art Penis-Erkrankungen besitzen. Hier über habe ich ausführlich geschrieben.
著者
松井 淳 本間 真一 小早川 健 尾上 和穂 佐藤 庄衛 今井 亨 安藤 彰男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.427-435, 2004-02-01
参考文献数
11
被引用文献数
22

スポーツ中継番組の字幕放送を,音声認識によって拡充するため,放送音声を積極的に言い換えるリスピーク方式を提案する.ソルトレークシティオリンピック中継のスキージャンプ団体の放送音声と,本方式により言い換えを行った字幕用音声をそれぞれ音声認識した結果,単語正解精度が45.6%から96.8%に改善した.また,リスピークにおいて積極的に言い換える効果を調べるため,実際の字幕放送と同様の条件下で採取した発話内容について言い換えのパターンを五つに分類し,それぞれのパープレキシティ削減率を比較した結果,語の補完による言い換えが7.3%と最も効果が高かった.字幕放送の実質的な性能を左右する文正解率については,言い換えがおうむ返しによるリスピークに比べて,スピードスケートで8.8%,スキージャンプで6.6%向上した.NHKでは,本方式を利用することにより,口語的な発話スタイルを多く含んだソルトレークシティオリンピック中継(2002年3月),及び,第52目NHK紅白歌合戦(2001年12月)の字幕放送を実現させた.
著者
中村 亨 小山 謙二 西尾 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.73, pp.25-32, 1996-07-26
被引用文献数
2

円滑なコミュニケーションにとって重要な役割を果たすと考えられる「笑い」に注目し,様々な面からの分析を行っている.今回,大衆的,情緒的なメディアの代表例である歌謡曲を取り上げ,歌詞に含まれる笑いの記述(笑い表現)の調査,分析を行った.対象とした人気歌謡曲1423曲を,演歌系とPOPS系(演歌系以外)の歌謡曲に分類し,笑い表現の出現傾向の比較を行った.対象曲の歌詞から抜き出した各笑い表現を,快,不快,社交の3つの基本的な笑いの要素から構成されるものと考え,その割合をみた.さらに笑い手や語り手など人間関係,笑い手の気持ち,時制などを調べた.また,笑いと対照的な感情表現として泣きの記述についても出現傾向を調べた.This paper reports an analysis of laughs expressed in lyrics of Japanese popular songs. Expressions describing laugh were extracted from lyrics of 1423 songs. Each song was classified as either "Enka" (a popular song with a traditional Japanese melody) or not. Differences in these two categories were investigated in various aspects. Each laugh expression was evaluated by the ratio of three fundamental components: laugh of pleasantness, unpleasantness and sociability. Furthermore, other attributes of laugh expressions, such as the human relations, the feeling of the person laughing, and the tense were also examined.