著者
岡本 高宏
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.66-68, 2016 (Released:2016-07-28)
参考文献数
1

今回の取扱い規約改訂はUICC第7版に準拠しつつ,これまでの本規約の歴史を踏まえて妥当と思われる変更を加えたものである。臨床部分の主な変更点は以下のとおりである。T,Ex,そしてNについては術前・術中・術後の各段階で評価を行う。さらに,転移リンパ節が隣接臓器に浸潤する場合には術中のN分類(sN分類)にExを付し,浸潤先の臓器名を併記することとした。また,術中の評価には外科治療の根治性を記載するR分類を新たに設けた。個々の症例の病状把握はもちろん,わが国における甲状腺腫瘍診療の質向上には,本規約が的確に運用されることが大切である。
著者
余田 翔平
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.139-150, 2014

本稿では,再婚率の(1)趨勢,(2)階層差,(3)趨勢変化の階層差に着目して記述的分析を行った.『日本版総合的社会調査(JGSS)』にイベントヒストリーモデルを適用した結果,以下の知見が得られた.第1に,近年の離死別コーホートほど,再婚ハザードは低下している.第2に,男性よりも女性のほうが,低学歴層よりも高学歴層のほうがそれぞれ再婚経験率が高い.第3に,学歴と再婚経験との正の関連は近年の離死別コーホートほど明確に現れており,一方で再婚経験率の性差は縮小傾向にある.<br>以上を踏まえると,日本社会では「離死別者の非再婚化」が進展しており,未婚化・晩婚化のトレンドとあわせて考えれば,無配偶の状態に滞留するリスクがライフコースを通じて高まっていると推測される.さらに,こうしたライフコースの変化は社会全体で一様に広がっているわけではなく,階層差を伴っている.
著者
福本博文著
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
1999
著者
間野 英二
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.189-347, 1983-03-30

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
建築資料研究会 編
出版者
建築資料研究会
巻号頁・発行日
vol.第1囘, 1925
著者
小栗又一 編
出版者
小栗又一
巻号頁・発行日
1930
著者
三島 浩路
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.121-129, 2003-06-30

本研究は,学級内における児童の呼ばれ方と,学級内における児童の相対的な強さやインフォーマル集団との関係について検討したものである。学級内における児童の相対的な強さと呼ばれ方との関係を分析した結果,男子児童の場合には,「くん付け」で呼ばれる児童の方が,他の呼び方で呼ばれる児童に比べて学級内における相対的な強さが一般的に強いという結果が得られた。また,女子児童の場合には,「ちゃん付け]や「あだ名」で呼ばれる児童に比べて,「さん付け」で呼ばれる児童の方が,学級内における相対的な強さが一般的に弱いという結果が得られた。次にインフォーマル集団内での児童の呼ばれ方と,集団外の児童からの呼ばれ方について分析した。その結果,男子児童に比べて女子児童の方が,集団内での呼ばれ方と集団外からの呼ばれ方が異なる児童が多いという結果が得られた。さらに,インフォーマル集団の内外で呼ばれ方が異なる児童について,呼ばれ方がどのように異なるのかを分析した。その結果,女子児童の場合には,集団外の児童からの呼ばれ方がより丁寧であるという結果が得られたが,男子児童の場合には,インフォーマル集団内外からの呼ばれ方にこうしたちがいはみられなかった。
著者
落合 隆
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.81, pp.239-267, 2015

ルソー政治哲学を理解する鍵概念の一つが「一般意志」である。一般意志はルソーの発明にかかるものではなく,17-18世紀のフランスにおいて拡がった概念である。もともとアルノーやパスカルにあっては,一般意志とは,全ての人類を救済しようとする神の意志であった。マルブランシュは,神の一般意志に恩寵の法のみならず自然法則を含ませた。バルベイラック,モンテスキュー,ディドロらを通して一般意志概念は世俗化され社会化された。ルソーに至って人民の政治的意志となった。ルソーの一般意志には,市民が共通認識形成のために特殊意志を一般化する「一般性」のモメントと,市民が従う法を自らつくる「意志性」のモメントがある。ルソーは,主権者人民の一般意志によって,共通の安全のみならず各人の自由を実現する新たな結合およびその維持と,最終的には人類が自ら招き寄せた悪からの救済をめざす。