著者
東京大学社会科学研究所 編
出版者
東京大学出版会
巻号頁・発行日
vol.第1 (戦後宅地住宅の実態), 1952
著者
後藤 嘉宏
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-14, 2010-09-16 (Released:2010-09-16)
参考文献数
22

本稿では三木清の読書論を精読志向と濫読志向の矛盾という観点から読み解こうとした.三木には精読の対象を知るために濫読が必要であるという論と,多読する対象をみる目を養うために精読が必要という逆の発言がある.また三木は古典志向であり,その限りでは当然精読の方に親和的になる.その反面,三木の古典志向は『パスカルにおける人間の研究』での次元の相違の議論や,その延長上にあるスタンダールの結晶作用に由来し,本来他のものが古典に選ばれる可能性があった点を強調しうる.その意味で,古典研究の際,精神のオートマティズムを避けるには古典の周囲に埋もれた作品を読む必要もあり,多読志向は古典を読む際にも必要とされるという議論も成り立つ.さらに三木は古典のみを読む研究者と現代社会を批評する評論家を対比させる際には,後者を現代においてものを作る人として評価する.精読対濫読,古典対現代物,ゆっくり読む対速読という対立項は三木の相互のテキストにおいて矛盾しがちであるが,これは戸坂潤の常識の二側面にも対応する.さらに『パスカルにおける人間の研究』の次元の相違の議論を,時間軸,空間軸それぞれの異質性へと展開するならば,いいかえると知識人が古典を精読することも現代物を濫読することも,知識人としての限界を越える営みと捉えるならば,これらの矛盾は一貫したものとして捉えうる点を,本稿は明らかにし,共通感覚の問題と読書論との繋がりを示した.
著者
小松 裕和 鈴木 越治 土居 弘幸
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.10, pp.851-859, 2009-10-15 (Released:2009-12-28)
参考文献数
9
被引用文献数
1

臨床研究に必要な統計的知識としては,基本属性の比較を行うにあたって「どの場合にどの検定を用いればよいか」がまず整理できることと,「交絡要因の調整」に用いられる多変量解析としてロジスティック回帰分析を理解することが基本となる。そして,臨床研究では生存期間をアウトカムとして用いる研究が多いことから,生存解析についての知識を習得することも必要である。基本属性の比較にあたっては,各種変数が「連続量変数」か「カテゴリー変数」か理解し,「2グループ」で比較するのか「3グループ以上」で比較するかによって用いる検定を決定する。ロジスティック回帰分析はアウトカムが二値の場合に用いられることが多く,曝露の影響をオッズ比として推定することができる。一方,生存解析で用いるCox比例ハザードモデルでは曝露の影響をハザード比として推定することができる。忙しい臨床のなかで臨床研究の知識を身につけるには,「疫学をしっかりと勉強してから,必要な統計的知識を増やしていくこと」が効率的であろう。
著者
上野 秀樹 玉井 顯
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第29回全国大会(2015)
巻号頁・発行日
pp.2M4NFC04b1, 2015 (Released:2018-07-30)

認知症においては、認知機能低下に基づくコミュニケーション能力の低下が、様々な生活上の支障の大きな原因となっている。当院では認知症における行動観察シート(AOS)を開発し、認知症の人を支援するさまざまな場面で専門職、家族、本人の共通言語として活用している。認知症ケアにおけるコミュニケーション支援に関して報告する。
著者
花登 正宏
出版者
日本中国語学会
雑誌
中国語学 (ISSN:05780969)
巻号頁・発行日
vol.1979, no.226, pp.13-16, 1979-11-15 (Released:2010-03-19)
参考文献数
6
著者
小宮 正弘 Masahiro KOMIYA
出版者
静岡産業大学国際情報学部
雑誌
静岡産業大学国際情報学部研究紀要
巻号頁・発行日
no.5, pp.41-52, 2003

10年にわたるフランス革命期はボナパルトの軍事独裁政権の誕生をもって幕を閉じ、やがて帝政が開始される。本稿はまずその革命に源を発するフランス共和国、ついではナポレオン帝政をめぐるヨーロッパ国際環境の態様から始める。そしてフランス政体の権威化の不可避的必要性を集中的に示すものとして、ナポレオンにより選定された紋章に着目、そのエンブレム(象徴的文様)に古代エジプト王権のしるしを認定することで、ナポレオンの反フランス王政、対ヨーロッパ諸国への抵抗表現を示す。ナポレオンにより採用されたエンブレムは蜜蜂であり、筆者は蜜蜂のエンブレムのフランスにおける系譜を歴史学的にたどる一方、フランス王家代々の紋をなした百合のエンブレムについても考察、それら二つのエンブレムが古代エジプトにおいて対比的に扱われた二つの王権のシンボルであったことを説く。最後に、古代エジプト文明とナポレオンの知見との現実的接点として、彼みずからの18世紀末のエジプト遠征、それに先立ってエジプト王権に関する予備的知識を与えたと思われる諸資料、遠征に随伴した第一級の学術団の現地探査、その主たる成果である大冊大著『エジプト誌』23巻通覧の、諸報告を行い、本稿試論の補助学的操作をはかろうとする。
著者
岩下吉衛 著
出版者
明治図書
巻号頁・発行日
1937
著者
梅川 由紀
出版者
社会学研究会
雑誌
ソシオロジ (ISSN:05841380)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.23-40, 2017

<p>本稿の目的は、「ごみ屋敷」の当事者が溜め続けるモノの意味を明らかにし、人間にとってのごみやモノの概念を再考することである。これまで当事者は、社会的孤立/断絶状態にあるとみなされてきた。しかし本稿では、毎日スーパーに出かけ、多くの他者とコミュニケーションを図りながらごみ屋敷で暮らす、当事者Aさんを取り上げる。分析においてはモーリス・アルヴァックスの「モノと記憶」に関する議論に着目した。調査は、当事者Aさんへのインタビューと、片づけ作業およびその後の生活状況に関してフィールドワークを行った。 調査の結果、大きく二つの指摘を行った。第一に、モノを溜め込むことで構築されるアイデンティティを明らかにした。Aさんは他者と良好なコミュニケーションを図ることを「望ましい自己」の姿と捉えていた。そして家に溜め込むモノは「望ましい自己」を達成した「証」として理解されていた。ゆえにAさんがモノを溜め込む理由は、望ましい自己を実現した記憶を、モノという形ある対象に具現化し、記憶を保管するためであることを明らかにした。そして、ごみ屋敷に溜め込まれるモノには、「心情的価値」と名付けられる価値が存在する様子を示した。第二に、モノを捨てることで構築されるアイデンティティを明らかにした。Aさんはモノを捨てることでジレンマを解消でき、新たに望ましい自己の証を手に入れられる場合、モノをごみと捉え、捨てていた。「必要な存在」としてのごみの側面を明らかにした。 ごみ屋敷とは、単なるトラブルという側面を超えて、人間とごみ・モノとの関係性を私たちに問いかける事象であることを明らかにした。</p>
著者
陸軍省 編
出版者
陸軍省
巻号頁・発行日
vol.昭和11年(第48回), 1939

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著者
潮出版社 [編]
出版者
潮出版社
巻号頁・発行日
no.158, 1972-09

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出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
1884
著者
本田南城
出版者
青葉図書出版
雑誌
南宇和郷土史と人々
巻号頁・発行日
1995
被引用文献数
1