著者
小川 祐樹 山本 仁志
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.3_178-3_186, 2014-07-25 (Released:2014-09-10)

本研究では,人は身近な近接他者や集団の多数派から影響をうけるという関連研究をふまえ,Axelrodのシミュレーションモデルを拡張し,集団の集約情報と相互作用するモデルを導入した.そして提案モデルをもとにシミュレーションを行うことで,集約情報が社会における意見や嗜好の分布多様性に与える影響を検討した.シミュレーションの結果,集約情報は文化種類の多様性の維持において有効であるが,集約情報の範囲によってその効果に違いがみられることがわかった.具体的には,局所的・中域的・大域的の異なる範囲における集約情報の効果を分析し,中域的範囲の集約情報が,文化の多様性を維持するうえで有用であることがわかった.
著者
木下 雅敬 コッボス マイケル パブロビッチ ミリヤ
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.502, pp.131-142, 1994
被引用文献数
2

コンクリートが側方より拘束を受ける時, その軸方向の強度及びダクティリティーが大幅に改善される. この様なコンクリートの挙動は一般に三軸圧縮試験等で能動的に拘束を与えることにより調べられているが, 実際の構造物では, 拘束力は受働的に作用する. 本文では, 受働的な拘束を受けるコンクリートの挙動を基礎的な実験により調査し, この様な条件下での強度特性, 弾性定数及び塑性歪み等について検討を加えた.

1 0 0 0 OA 賀茂社記録

出版者
巻号頁・発行日
vol.第48冊,
著者
拓 徹
出版者
人間文化研究機構地域研究推進事業「現代インド地域研究」
雑誌
現代インド研究 (ISSN:21859833)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.159-176, 2011-03

カシミール問題/紛争の分析にしばしば用いられる用語「カシミーリーヤット」が歴史的に初めて登場したのは1970 年代半ばのことである。一般化した現在のカシミーリーヤット概念は主にカシミール人のエスニック・アイデンティティー、もしくはカシミール独特のセキュラーな諸宗教混在文化を指すが、創成期におけるこの用語の意味・用法はこれとはやや異なるものだった。本稿では、これまで顧みられることのほとんどなかったこの用語誕生のいきさつとこれをとり巻くカシミールの政治・文化状況に光を当て、この用語が1970 年代半ばに登場した必然性は何だったのか、そしてこの用語の創成期の意味・用法がその後別のものにとって代わられたことの意味は何なのかについて考察を試みる。The term 'Kashmiriyat' is of relatively recent origin (mid-1970s) and its meaning has undergone several changes since then. Yet during the early 1990s, while the secessionist militancy in Kashmir was at its peak, a set of meanings (secular syncretism as the essence of Kashmiri tradition; ethnic sub-nationalism of Kashmiri Muslims) was given and fixed to the term in the Indian/international public discourse on Kashmir, and this created the dominant usage of the term still prevalent today. This paper traces the little-studied history of the term 'Kashmiriyat' from its birth in the mid-1970s, and contemplates the historical significance of the term's creation.
著者
田口 玄一
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.12-17, 1998-10-01 (Released:2016-12-24)
参考文献数
1

In weather forcasting, a prediction using probability ratio has been widely used. After discussing the validity of the methods, how to calculate the Signal-to-Noise ratio as the measure of prediction accuracy is proposed in this article.
著者
伊達 久 森田 行夫 北村 知子 山城 晃 綿引 奈苗 渡邉 秀和 滝口 規子 堤 祐介 岩永 浩二 千葉 知史
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.238-243, 2018-10-25 (Released:2018-11-07)
参考文献数
13

【目的】慢性疼痛に対しトラマドール含有製剤(以下,トラマドール)が広範に使用されるようになった.そこで日常診療においてトラマドールを長期投与した症例について投与量,効果,副作用などの推移を調査することとした.【方法】当院の診療録を後方視野的に検索し,トラマドールを3年以上長期に投与した症例の投与量,痛みの程度,副作用などについて集計することとした.【結果】トラマドールは2,656例に投与され,そのうち,3年以上継続投与された症例が50例あった.平均年齢は約61歳,痛みの内訳は運動器疾患(腰背部痛)24例,運動器疾患(頸部上肢痛)14例,運動器疾患(下肢痛)7例,帯状疱疹後神経痛4例などであった.痛みの程度については,開始時の視覚アナログスケール(VAS)が平均70.7 mmであったが,投与後3カ月以降はおおむね40 mm以下に推移し,投与後約3年時には平均33.6 mmまでに改善した.おもな副作用はめまい・傾眠・倦怠感,悪心・嘔吐,便秘で,投与期間別に発現頻度をみると,開始後3カ月までの発現率が高かった.【結論】トラマドールを3年間以上継続投与した症例では重大な副作用はなく,トラマドールは患者の観察を行いながら注意深く使用すれば長期に使用できることが確認された.
著者
山中 健司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.133, 2008

現在,消費者の役割が根底から変化しており,消費者がIT技術の発展により情報を持つことで受け身の立場を捨てて積極性を示し,企業,顧客同士との結びつきを強めている.そのため,Prahalad・Ramaswamyも指摘するように企業が価値を創造し消費者に提供する従来型の価値創造ではなく,企業は個々の消費者との相互作用によって価値を生み出すことが重要となっている.つまり,顧客が消費に対してより主観的価値を求めるという変化に対応することが企業の戦略的課題の一つとして挙げられる.本発表ではこのような主観的価値をとらえるために「シンクロニシティ(共時性)」というコンセプトを用いることで新しい発想を生み出す可能性を示唆する.河合隼雄が指摘するように因果関係では説明できない共時的現象に気づいたときに「現象の意味」を見出すことができ,意味を知ることによって新しい展開を生じさせることができると考える.
著者
高柳 敦 若生 謙二 石田 敢 亀山 章
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.25-30, 1991-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1 3

日本人の動物観をとらえるために, 動物に対する態度の類型化の調査をもとにして, アンケートによる全国調査を行った。 アンケートの設問は, S.ケラートがアメリカ人に対して行った同様な調査の設問を日本人に適するような内容に改めて用いた。日本人の動物観の特徴を動物に対する態度からみると, 審美的態度がもっとも高く, ついで宿神論的態度と倫理的度が高い。 このことから動物に対して心理的・情緒的態度が強いことがわかる。 また, 自然主義的態度や生態学的態度などの客観的・論理的態度は相対的に少なく, 実用的態度や支配者的態度などの動物を即物的に扱おうとする態度は少ないことが明らかにされた。
著者
Cathal Gurrin Klaus Schoeffmann Hideo Joho Andreas Leibetseder Liting Zhou Aaron Duane Duc-Tien Dang-Nguyen Michael Riegler Luca Piras Minh-Triet Tran Jakub Lokoč Wolfgang Hürst
出版者
The Institute of Image Information and Television Engineers
雑誌
ITE Transactions on Media Technology and Applications (ISSN:21867364)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.46-59, 2019 (Released:2019-04-01)
参考文献数
31
被引用文献数
69

The Lifelog Search Challenge (LSC) is an international content retrieval competition that evaluates search for personal lifelog data. At the LSC, content-based search is performed over a multi-modal dataset, continuously recorded by a lifelogger over 27 days, consisting of multimedia content, biometric data, human activity data, and information activities data. In this work, we report on the first LSC that took place in Yokohama, Japan in 2018 as a special workshop at ACM International Conference on Multimedia Retrieval 2018 (ICMR 2018). We describe the general idea of this challenge, summarise the participating search systems as well as the evaluation procedure, and analyse the search performance of the teams in various aspects. We try to identify reasons why some systems performed better than others and provide an outlook as well as open issues for upcoming iterations of the challenge.

1 0 0 0 OA 天保撰要類集

出版者
巻号頁・発行日
vol.[49] 第十八 上 御祝儀之部 九,