1 0 0 0 OA 公事吟味留

出版者
巻号頁・発行日
vol.[46] 寺社奉行内寄合手限 二 弘化三,
著者
田中 裕 杉原 麻理恵 津曲 俊太郎 高松 伸枝 栗原 和幸
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1011-1015, 2017 (Released:2017-09-14)
参考文献数
26

症例は12歳の女児.食物摂取後の運動負荷によるアナフィラキシー症状を繰り返したため, 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(food-dependent exercise-induced anaphylaxis, FDEIAn)を疑い原因食物の精査を行った.症状誘発時に摂取頻度の高かった卵・乳・大豆と, FDEIAnの原因食物として頻度の高い小麦について, それぞれの食物摂取後の運動負荷試験を施行したが全て陰性であった.詳細な問診から4回のエピソードで温州みかんを摂取していたことや, 同じ柑橘類であるオレンジ・グレープフルーツの特異的IgEが陽性であったこと, スキンプリックテスト(skin prick test, SPT)が陽性であったことから温州みかんを原因食物として疑い, アスピリンを併用した温州みかん摂取後の運動負荷試験を行ったところアナフィラキシー症状が誘発されたため, 温州みかんによるFDEIAnと診断した.多数の柑橘類でSPT陽性を示したため柑橘類の完全除去を指示したところ, それ以後アナフィラキシー症状は認めていない.FDEIAnの原因食物として柑橘類も認識しておく必要がある.
出版者
京都大学大学院人間・環境学研究科
雑誌
人環フォーラム (ISSN:13423622)
巻号頁・発行日
vol.18, 2006-03-31

<巻頭言>二人の〈女性〉との再会三好郁朗<対談>四則のできない大学生西村和雄, 林哲介<特集 : 心理学 ― 実験室からフィールドまで>脳から心を探る―こころのかたちとしての感情をてがかりに船橋新太郎<特集 : 心理学 ― 実験室からフィールドまで>視覚認知の実験心理学 ― 行動実験、機能的脳イメージング、計算モデル齋木潤<特集 : 心理学 ― 実験室からフィールドまで>公平さと文化 ― 実験社会心理学のアプローチ渡部幹<特集 : 心理学 ― 実験室からフィールドまで>書を持ってフィールドに出る心理学杉万俊夫<リレー満載 : 環境を考える>わが国の年輪年代法最前線光谷拓実<サイエンティストの眼>素晴らしき、穴あき四面体立木秀樹<サイエンティストの眼>古くて新しいクロロフィルの研究 ― クロロフィルは毒である土屋徹<社会を斬る>一身独立して一国独立す西村稔<フロンティア>打とうか打つまいか…一瞬の判断に挑むスラッガーたち来田宣幸<フロンティア>生体内亜鉛イオンを捕捉する機能性分子の開発多喜正泰<京博便り>「曾我蕭白」展に寄せて狩野博幸<世界の街角>ネフスキーを折れてリチェイヌィ通りに入ると…木村崇<フィールド便り>富の所有と分配をめぐるインタラクション松村圭一郎<フィールド便り>北大西洋海底堆積物中の漂流岩屑が語る海洋環境の変遷川村紀子<書評>大澤真幸著『現実の向こう』安立清史<書評>田邊玲子著『Schӧne Kӧrper』弓削尚子<書評>河崎靖著『Eine graphematische Untersuchung zu den Heliand-Handschriften』嶋崎啓<書評>稲垣直樹編著『Fortunes de Victor Hugo』柏木隆雄<書評>片田珠美著『攻撃と殺人の精神分析』津田均<人環図書><瓦版><コラム>「お国の食べ物」国民的シンボルになった料理バイビコフ・エレナ<コラム>Language Trap中森誉之
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1] 文久三亥年五月より十月 分冊ノ一,
著者
鈴木 修平
出版者
山形大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

当該年度においては、代表的なMARTA(多元受容体作用抗精神病薬)の一つであるオランザピンの効果と、別の薬剤Xについての、癌細胞および癌幹細胞に対する治療効果について検討を行った。まずはじめに、オランザピンについての検討であるが、オランザピンは比較的有害事象の少ない抗精神病薬であり、制吐剤や抗せん妄薬として癌患者へ加速度的に用いられ始まっている。今回の実験を通じて、オランザピンが癌細胞の増殖抑制および細胞死増加という効果を誘導することができ、さらには薬剤耐性を減弱させることができることを突き止めた。また、それらの機序の一つとしてサバイビンの発現減弱が関わっている可能性を指摘することができた。それだけでなく、癌幹細胞の分化誘導効果を示すこともでき、それらをスフィアフォーメーションアッセイやウェスタンブロッティングなどによる未分化マーカーの減弱などを通して明らかにした。それらの成果は国際誌へ掲載され(査読有、Anticancer Res. 2017;37(11):6177-6188.)、早くも国際誌のレビューへ引用される(MSI Roney, et al. Archives of pharmacal research, 2018.)など、多くの注目を集めている。別の薬剤X、X’を用いた実験も並行して行っており、サバイビンを介した機序だけでなく、新たな機序Yを通じた、効果Zという興味深い知見が得られており、研究を継続していくだけでなく、動物実験についても順調に推移しており、さらに継続していきたい。
著者
京 将司 中森 正治 黒川 一哉 成田 敏夫
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
材料と環境 : zairyo-to-kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.456-463, 2010-12-15
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

近年,大容量化する微粉炭燃焼ボイラにおいては,より一層の環境対策が求められ,NOx発生量を抑制する設備対策ならびに運用面での低酸素燃焼運転がなされている.その結果,燃焼室では,酸素不足による強い還元性雰囲気となり,H<sub>2</sub>Sによる高温硫化腐食が顕在化している.それに加え,スラグの除去を目的とするデスラッガからの蒸気噴射の影響により摩耗損傷を与え,それらが複合的に作用して損傷が加速する事象が認められた.調査したボイラでの損傷挙動は,ボイラ蒸発管の表面に生成した腐食生成物は,酸化物と硫化物の混在した層と溝状腐食が認められた.これらは,ボイラ燃焼過程における燃焼状態の変化で,わずかな酸素および硫黄分圧の変化により酸化物および硫化物が生成する可能性が熱力学的にFe-S-O系平衡状態図より示唆できた.また,ボイラの運転に伴う,繰り返し熱応力とデスラッガ蒸気の間欠噴射によるメタル/蒸気の温度差により,スケール層が局部的に冷却され,圧縮応力によるクラックが生じ,スケール層の剥離ならびにガス通路が形成される.そのため,基材への腐食性ガスの侵入が容易になり,腐食を進行させ,局部的に加速したものと推定した.
著者
豊田 一
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.263-267, 1995-09-20
参考文献数
8

ステロイド軟膏は, 一時的には劇的に効果を表すかの如く見えるが, 長期の連用により種々の副作用が発現し, 逆に治療の妨げとなる。 また皮膚乾燥防止に使用されているワセリンにも, 近時皮膚障害の報告がみられる。 和剤局方の神仙太乙膏にはステロイド軟膏にみられる副作用はなくアトピー性皮膚炎に対して89.1%の治癒効果が得られたので報告する。
著者
(晉) 杜預 撰
出版者
中江久四郎
巻号頁・発行日
vol.[12], 1777
著者
川島 豪 星 絢也
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.78, no.789, pp.984-987, 2012 (Released:2012-05-25)
参考文献数
3
被引用文献数
1 1

It is necessary to examine what kind of vibration and swinging is comfortable, in order to develop the comfortable human-machine interface using vibration or swinging. This study is focusing on the fluctuation in the period on the rhythm produced by the human; especially the stroke interval of the air stick is examined. The air stick is a simple version of the devil stick which is a kind of street performance. First, the portable measuring system of the stroke interval is developed by sticking two strain gauges on each hand stick and putting a wired battery driven strain amplifier and a portable data recorder in a knapsack which the performer wears. Then, the fluctuation is measured and the power spectrum is examined. As the result, it is clarified that the power spectrum shows the downward-sloping tendency in the low frequency range, and it shows the relation of about 1/f averagely.
著者
阿部 芳平
出版者
The Iron and Steel Institute of Japan
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.2059-2064, 1990-12-01 (Released:2009-06-30)

The report discusses the recent development of spring steel in Japan during last 40 years. There has been a great increase in this steel production with the increase of production of automobiles. The technical trends of spring steel and springs are discussed in connection with hardenability, fatigue, high-stressed design and productivity. Especially, ways of improvement of performance of springs for suspention of automobiles were studied in respect to chemical composition, heat-treatment and manufacturing process.
著者
高橋 昂輝
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

近年,エスニック・タウンの観光地化や機能の変化が指摘されてきた。時間の経過に伴い,エスニック集団の居住機能はエスニック・タウンから離脱するが,域内にはその後もエスニック・ビジネスなど一部の機能が残存する。したがって,エスニック・タウンはその形態を変えるものの,エスニック集団にとって一定の中心性を維持する。Zelinsky and Lee(1998)によれば,現代の都市においてエスニック集団は居住,就業など活動の内容に応じて異なる空間を利用しつつも,エスニシティを共通項として社会的な結合を保持する。エスニック集団の諸機能を要素として,一体のエスニック社会が形づくられることから,居住,エスニック・ビジネス,エスニック組織など各機能の空間配置を複合的に捉えることはエスニック社会の空間構造の変容を明らかにすることに通ずる。<br> 本発表で取り上げる,トロントのポルトガル系集団は移住から約50年を経て,世代交代期を迎えている。本発表の目的はトロントのポルトガル系社会における空間構造の変容を明らかにすることである。<br> 本発表は2012年10~11月,および2013年7~10月の現地調査にもとづく。調査方法には資料収集,聞き取り,質問票調査,景観観察,および参与観察を用いた。<br> 1960年代末~1980年代初頭,ポルトガル系社会の諸機能はトロントのダウンタウンに近接する,リトルポルトガルに集中した。しかし,1980年代以降ポルトガル系人の居住域は市内北部,および西部郊外へと集塊性を維持しつつ拡散した。現在,ポルトガル系人は①リトルポルトガルにくわえ,②市内北部,および③西部郊外にも居住核を形成する。1990年代末以降においては,居住地移動に呼応してエスニック組織が市内北部に相次いで移転した。<br> ポルトガル系事業所は,現在においてもリトルポルトガル内部に一定の集積を維持するものの,2003年以降ホスト社会住民が出店を続け,その数は減少傾向にある。都市のインナーエリアに対する,ホスト社会住民の再評価は地価の上昇を促進し,低所得のポルトガル系人を域外へと押し出している。ポルトガル系集団のリトルポルトガルからの拡散は,ホスト社会への同化過程としてのみならず,ホスト社会による閉め出しという観点からも捉えられる。また,域内の地域自治組織であるBIA(Business Improvement Area)では,2007年の創設以降ポルトガル系社会の中心人物が代表を務めたが,2012年において代表はカナディアンに交代した。まちづくりにおいても,リトルポルトガルからポルトガルのエスニシティは希薄化している。しかし域内の経営者のうち,ポルトガル系人は依然約半数を占め,リトルポルトガルはポルトガル系商業の核心地として機能を維持している。ポルトガル系経営者の大半は市内北部,または西部郊外から通勤する。他方,ポルトガル系顧客は買物のためにそれぞれの居住地からリトルポルトガルを訪れる。<br> 今日,トロントのポルトガル系集団は3つの居住核を中心に居住,就業,買物,組織への参加など活動の内容に応じ,複数の空間を利用する。ポルトガル系集団の諸機能は空間的に拡散したものの,それらはエスニシティに根差した社会的結合を維持しており,一体の空間的ネットワークを形成している。<br>

1 0 0 0 OA 毎日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[212],
著者
白岩 恭一
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

末梢血白血球テロメア長やミトコンドリアDNAコピー数は様々な精神疾患や心理社会的ストレスにより異常を来すため、精神疾患やストレスの病態機序への関連及びバイオマーカーとして注目されているが、精神疾患やストレス負荷の最悪の転帰といえる「自殺」とテロメア・ミトコンドリアDNAについての研究は未だ報告がなかった。H28年度は、自殺者末梢血・死後脳において、テロメア長やミトコンドリアDNAコピー数の異常を見出すことができた。特に若年自殺者におけるテロメア短縮が顕著であった。本成果を学術雑誌Scientific Reportsにて発表した。H29年度は「若年自殺≒若年期における極度のストレス暴露状態」と捉えることにより、幼若期ストレスを負荷したラットをモデル動物として準備し、同ストレスラットの脳・血液試料のテロメア長・ミトコンドリアDNAコピー数を測定した。幼若期ストレスラットの前頭前皮質や海馬のテロメア長は対照群に比して顕著に短縮していた。最終年度は、反復拘束ストレスラットの系でも同様の測定を行い、またテロメラーゼ逆転写酵素の発現についても解析する。また自殺者死後脳・末梢血試料におけるテロメア関連の遺伝子領域(例:テロメラーゼ逆転写酵素、テロメラーゼRNAコンポーネント)のCpGサイト(特にCpGアイランド)についても測定し、非自殺者群との比較を行う。上記データをまとめ、最終的な考察を行う予定である。
著者
高松 みどり Takamatsu Midori タカマツ ミドリ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科教育学系
雑誌
大阪大学教育学年報 (ISSN:13419595)
巻号頁・発行日
no.7, pp.283-290, 2002

研究ノート修士論文では、ヘンティヒの学校理論における経験概念について思想的にアプローチした。その際明らかとなった彼の経験概念は、その学校実践にどういった影響を与えているのか。今後こういった問題を考えるにあたり、本稿では生徒の経験という行為にアプローチする方法について考える。ここで取り上げるのは、クライネスペルらによる現象学的方法、グステットナーらによる規律化論的方法、ヴルフらによる儀礼・パフォーマンス概念を中核に据えた方法である。その結果明らかとなったのは、クライネスペルらの方法も、グステットナーらの方法も、筆者の問題設定には適合しないが、おそらくヴルフらによる方法であれば適用可能であるということである。確かにヴルフらの方法はヘンティヒの「経験の余地」を閉め出しているようにも思えるが、決してそうではないと思われる。というのもヴルフの場合、生徒達が経験の中で新しい共同体を作り出すというダイナミックな儀礼概念が見られ、それはヘンティヒの経験概念にも通じると思われるのである。