著者
Alaaeldin Soliman
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-14, 2009

本論では、標準アラビア語の二重主語構文(Double Subject Construction)を考察し、その特性を述べる。標準アラビア語の二重主語構文は、ゼロ繋辞文の一種であり、その主-述関係は限定関係により成立する。二重主語構文は二重主格表現になっており、一致関係では、第二主語の接尾形所有代名詞は、第一主語の性・数に一致する。また、述語は、第一主語ではなく、第二主語の性・数に一致する。さらに、第一主語と第二主語との統語的関係では、第二主語に接尾形所有代名詞が存在しているため、第一主語と第二主語の語順と意味関係は[全体-部分]、あるいは[所有者-所有物]と定められている。
著者
脇中 起余子
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:13417142)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.5-11, 2017-12

筑波技術大学における1年次必修科目「日本語表現法A」と「日本語表現法B」の中で,聴覚障害学生の日本語に関する困難点を,特に「もらう・くれる」と「いただく・くださる」に焦点をあててまとめた。「あげる」と「もらう」について,助詞は適切に扱えるが,ウチソトとの関連で正否が適切に判断できない学生が相当数見られた。また,「くれる」について,助詞が適切に扱えない学生が相当数見られ,このことが「くださる」や「いただく」における助詞の誤用につながっていると思われた。
著者
渡辺 登
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.520-521, 2010 (Released:2013-07-15)

In order to determine the degree of disturbance of memorization in the consultation room, it is recommended that the physician ask questions about what the patient had for breakfast and how he or she reached the hospital (itinerary using the bus, train, car, etc.). These questions do not offend patients or impair the dignity of elderly patients. The physician may obtain the right answer from the accompanying family member. If the answer given by the patient is wrong, the diagnosis of disturbance of memorization can be made. A simple test may be made by asking the patient to remember three words, such as cherry, cat and train, and to repeat them immediately. Ask questions such as “what date is it today?”, “Where are you now?”, etc., and then, ask the patient to repeat the three words they have just remembered. If they fail to answer correctly, the diagnosis of disturbance of memorization can be made.

1 0 0 0 OA 諸宗作事図帳

出版者
巻号頁・発行日
vol.[18] 百三七 〔二〕 (日蓮宗),
著者
土井, 利意
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1],

1 0 0 0 OA 莠草録

著者
高野, 武貞
出版者
巻号頁・発行日
vol.[11],
著者
田中 求
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.13-24, 2014

コウゾやミツマタなどの国産和紙原料が激減する中で,それを用いた本来の「和紙」そのものも消えつつある。本稿では和紙原料の主要産地であった山村の動態から,和紙原料生産の現状と問題点を明らかにする。対象地域は高知県いの町柳野地区である。柳野地区の和紙原料生産は,生業と作業形態,買い取り価格が変化する中で衰退していた。ミツマタは焼畑で栽培されてきたが,植林によりほぼ消滅した。コウゾも家屋の周囲などでのみ栽培されているに過ぎない。雇用労働への収入源の転換で栽培者が減る中で,作業は労働交換ではなく雇用労働に変わり,コウゾの収入源としての魅力は薄れていった。さらには,台風による被害で輸入コウゾが増加する一方,高齢化で十分な管理が行えないコウゾが増え,買い取り価格は下がり,イノシシのコウゾ食害は農家の栽培意欲を削いだ。そして,土佐コウゾが売りさばけずに余る,という状況に至っていたのである。柳野での和紙原料生産は消滅の危機にあるといえよう。

1 0 0 0 OA 申出書

出版者
巻号頁・発行日
vol.[2] [申上御届向書付留 文久三亥年二月ヨリ十二月迄 分冊之2],
著者
田原 靖彦 佐藤 洋 西谷 修一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.14-23, 2004-12-25 (Released:2017-06-02)
参考文献数
13

エコーが分離して知覚される限界の遅延時間(dTJd)の測定を通じて,聴覚の積分特注が検討された。聴感実験の音源としてインパルス,帯域ノイズパルス,純音パルス,そして日本語の4連音節単語が使用された。本研究により以下の知見を得た。1)聴覚積分による音感覚の減衰過程は,一般的にベキ乗関数によって表現される。しかし,実験音源とエコーレベルの範囲を限定すれば指数関数による表現も可能である。2)エコーが分離知覚されるための直接音とエコーの間の最小空白時間(臨界無音時間)は音源の匪類によらず約9msとなる。3)第2エコーのdTJdは,第1エコーを第2エコーの直接音と見なして,単一エコーの分離知覚モデルを適用することで説明できる。これらの結果を通じて,室内音響評価指標の改良に重要な意味を持つ,聴覚減衰過程の関数型,各種の聴覚パラメータ,エコーの分離知覚メカニズムが明らかとなった。
著者
池内 淳
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.95-108, 1999-11-30 (Released:2017-05-04)

公共財供給の採否を判断するための道具立てである費用便益分析は, これまで, 体における公共図書館設置についての意思決定の問題には用いられてこなかった。これは, その必要性が低かったというよりもむしろ, 行するに足るだけの充分な方法論が確立されてこなかったことに起因するものと考えられる。にも関わらず, そのための理論的な研究は殆ど行われていない。そこで, 本稿は, 費用便益分析を公共図書館に対して適用する際に提起される様々な論点について考察を加えるとともに, 消費余剰の概念に基づいた便益評価を提案し, その妥当性と適用可能性について論じた。