1 0 0 0 SPARK

著者
木村 紘子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.224-228, 2016

創薬領域においては,オープンイノベーションの動きが活発化しており,特に大学に対しては基礎研究のみならず,ヒト臨床試験まで到達した有望な創薬シーズを生み出す役割が期待されるようになった.この流れの中で,スタンフォード大学では,研究者自らがトランスレーショナルリサーチを推進するためのトレーニングプログラム「SPARK」が開発された.本稿では,SPARKプログラムの概要,その国際的な展開状況,および東京大学における取組について一部紹介する.
著者
アバス M.A. レーサム J.
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.65-74, 1969
被引用文献数
28

温度が0&deg;Cから-45&deg;Cまでかえられる箱の中に半径0.106cm~0.134cmの過冷却水滴を絶縁してつるし,その凍結状態を調べた.<br>その結果,もし水滴の表面が電気的または力学的な力でふん砕され,こわれた部分から液体のフィラメントが発生する場合には,0&deg;C~-22&deg;Cの温度範囲で,一定の時間間隔の中で水滴が凍結する割合は,かなり大きいことがわかった.<br>たとえば5分間の実験間隔で,水滴の凍結率は,もし水滴が電場でこわされる時には,-50&deg;C,-10&deg;C,-15&deg;C,-20&deg;Cで夫々0.44,0.62,0.75,0.88であり,もし同じ温度で,水滴の表面に絶縁されている糸又は導線をつっこんだ時には,夫々0.25fO.44,0.50,0.58となるが,もし水滴の表面が,この時間中にこおされたり乱されたりされずに,その破壊点以下のところに相当する強電場の下にそっとおかれるか,水滴をつるしたものを強くふるような場合には,夫々0,0.02,0.07,0.18に留まっていた.<br>この観測はPrupPacher(1963 a, b)によってなされた電場内での凍結についての規準(すなわち,三重相の境界の運動といつも関連しているとするもの)と全く一致しない.この観測はむしろ:Loeb(1963)の示嵯するものと-致している.それは電場内での凍結の最も本質的条件は水滴の.__.部分が細いフィラメントに,ひっばられることによるというのであるが,:Loeb et aL(1938)は既にフィラメントはすぐれた凍結核として働く分子凝集物を含むものであると言っている.これらの結果は,凍結が破壊の起った場所からはじまっているということを示す高速度写真によって裏づけされている.破壊の過程の間に,液体より放出される気泡の凍結確率に対する影響は二次的であることが示される.<br>自然の雲の中でなされた観測によると,電場内での凍結については,はっきりした証據がないとはいえ,かなりの量の間接的な研究からしても,過冷却の雲の中の気温の非常に高いところに氷粒が存在しているという事実のうらがきとなる.そして自然の中で観測された凍結粒の特性は電場内での凍結から期待されるものとよく一致している.
著者
Hatakeyama H.
出版者
Japan Meteorological Agency
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.302-316, 1958
被引用文献数
12

浅間火山の噴煙雲による大気電場のじよう乱を,軽井沢観測所構内(火口からの距離約 9km),前橋測候所構内(火口からの距離約 50km)及び前橋附近の数か所の臨時観測所で観測した.軽井沢観測所では電場のじよう乱は初め小さい正.後に大いき負である.しかし前橋附近ではじよう乱は負だけが多く,正のじよう乱を伴うものはごく少ない.<BR>噴煙雲の中では重力と空気の抵抗力との作用で,高さによる火山灰の粒の大いさのふるい分けが出来ている.小さい灰粒は正電荷をもって雲の上部にあり,大きい灰粒は負電荷をもって雲の下部にある.実際の火山灰を使って大小の灰粒同志が摩擦した時の帯電の実験をやって,大きい灰粒が負の電荷を得,小さい灰粒が正電荷を得ることを確かめた.<BR>火口に近い所では正負両方の電荷の影響が大気電場に現われるが,火口から遠い所では負電荷の影響だけしか現われないことを説明するために2つの仮説を提出した.<BR>この論文は最初" 気象集誌" 第21巻及び" 中央気象台附属気象技術官養成所研究報告" 第1巻に4篇の論文として発表したものであるが,それが邦文であったため外国人学者の注意をひくことが少なかったので,今回それを1つにまとめ,やや簡約にして印欄した次第である.
著者
Kang Sung-Dae 木村 富士男
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.955-968, 1997-10-25
参考文献数
25
被引用文献数
3 11

寒気が暖かい海面に移流してくるときには、しばしば筋状雲が観測される。これらの中で、海岸近くにある山の風下において特に太く長い筋状雲が見られることがある。一般の細い筋状雲の生成にはシアーと成層不安定が重要とされている。しかし、山岳風下の太い筋状雲の生成には成層不安定の他に重要なメカニズムが存在すると考えられる。上記の筋状雲の生成に係わっているであろう2つの要素、成層不安定と地形による力学的擾乱、を高分解能に設定したコロラド州立大学のメソモデルであるRAMS(Regional Atmospheric Modelling System)を使って調べた。数値実験では、基本場として一様な大気安定度と風速の低Froude数の流れを考え、これを風上境界に与えた。上記2つの効果を見るため数値実験は、主として海上の不安定成層の強さを決めている海面温度と、陸上の山岳の有無を変えて数値実験を行った。その結果、海面からの顕熱輸送が大きく、山岳を仮定したときには、モデルによって安定した形状の筋状雲が再現された。筋状雲は高度約1kmで一対の対流性ロールの間に形成される。以下の5つの性質が明らかになった。1)安定した形状の筋状雲が形成されるためには不安定層と地形性の力学擾乱の両方が必要である。2)海面からの顕熱が対流性ロールと筋状雲を維持する主な原因であり、雲の中の凝結による潜熱の解放による効果は無視できる。3)一対の対流性ロールはそれぞれ2つのサブ・ロールの複合体である。サブ・ロールの一つは、大きな半径をもつ弱いロール、もう一つは小さな半径の強いロールである。前者(外部サブ・ロール)は水蒸気を広い範囲から集め、後者(内部サブ・ロール)はロール対の間にある強い上昇流によって水蒸気を上層へ輸送する役割を担っている。内部サブ・ロールの存在が筋状雲の形状を細い状態に保っている。5)静力学平衡の仮定を置いても置かなくても筋状雲の再現は可能である。これは大気の鉛直方向の慣性が本質的には重要な役割をしていないことを意味し、また必ずしも地形の水平規模の大きさによって、筋状雲の生成が制約されるものではないことも示唆している。

1 0 0 0 OA 史伝摘鈔 10巻

著者
鶴峯戊申
出版者
巻号頁・発行日
vol.[6],
著者
内田 實
出版者
札幌大学
雑誌
札幌大学女子短期大学部紀要 (ISSN:02888211)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.21-29, 1989-02-28

日本における人口集中地区で10万人以上の都市は142あり,100万人以上の都市は11である。北海道は東京,横浜,大阪,名古屋に次ぐ第5位の札幌と,10〜30万人の6都市があるにすぎない。本州の都市の成立は近畿の古代都市を除けば,中世の城下町,港町に起源をもつ都市が多いのに対し,北海道の都市は,その発展過程において事情が著しく異なる。ここでは北海道総人口の27%を占める札幌市の成立過程において,計画的植民都市として建設された札幌が,現在のプランにならざるを得なかった社会的背景と,現市域に編入されている旧町村の開拓環境について考察した。明治初期の北海道の人口を洪武政夫明治8年版によってみると,人口1万人以上の都市80(全国)のうち北海道は函館と福山(現在の松前)2ヵ所のみで,総人口17万人のうち渡島・桧山・後志に76%が集中し,札幌は1,785人,同12年でも2,910人に止まる。札幌の都市プランからみると,明治2年北海道と改め,10月鍋島直正に代った東久世通禧が開拓使長官となって箱館へ到着,11月判宮島義勇は札幌の地へきて石狩指図によって本府敷地を定めた。その場所は旧札幌図の用水沿い銭函道の交点付近で,この用水は大友亀太郎(幕臣箱館奉行付)が,石狩開拓のため慶応2年伏籠川流域に元村を建設したときの用水で,御手作揚が康午1の村〜3の村の原形となる。開拓使の本庁作りは島の独走で中断をよぎなくし,同4年判官岩村により市街地割が継続された。大友堀の関門の常に市街地,北に官庁,その間に60間(実際は58間)の防火帯(現在の大通公園)を設け,本庁周辺の道路は20間,その他15間半,13間半,市街は方60間に11間道路をつけた。本庁の西側は公園と玄関からなり琴似村へ接続する。これを京都などの方格都市を範としたものとの説があるが,1町60間四方の区画は,殆んどの日本の都市を支配する地割で,京都の場合40丈となるから一致せず,道幅においても相違する。また新しいプランにも拘らず磁北から1度5分,真北から10度15分西寄する。この原因は大友堀とそれに併走する東側道路を基線としたことにあった。屯田兵村は明治8年琴似に始まり,8年山鼻,発寒,11年江別,18年野幌,20年新琴似,22年径路と,32年条令廃止まで24兵村が全道に設けられるが,その7兵村が札幌を囲繞する。山鼻兵村の道路は旧札幌区に接続するにも拘らず,札幌市街より5度6分傾けて4度45分西寄する。その背景には兵部省(薩摩・長州)と開拓使(佐賀)との軋轢が介在し,中央政庁の内部関係と同様な政争の愚が札幌の都市プランに反映したからに外ならない。現在の都市の道路・区画のあり方が,その時代という以上にその時点でのプランに反映していた植民地ならではの遺産であった。また御雇外国人による近代的な都市プランヘの影響などといわれるが,その痕跡もないこと,及び札幌に移住した人々の出身地の特長等についても若干付言した。
著者
皆木 和義
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.268, pp.102-105, 2007-01

【前回までのあらすじ】武蔵野国の農家に生まれた渋澤榮一は、明治政府の下、大蔵省高官に取り立てられ、日本の近代化を目指す改革に奔走する。だが、政府内で薩摩、長州の派閥対立が深刻化する中で、各省庁の予算争奪戦が激化、財政の均衡を無視した要求が相次ぎ、榮一は落胆させられる。明治六年、榮一はとうとう大蔵省を去った。

1 0 0 0 OA 平妖傳8卷40回

著者
明羅貫中撰
巻号頁・発行日
vol.[7], 1812
著者
Anil Kumar Pinnaka Naga Radha Srinivas Tanuku Sasikala Chintalapati Venkata Ramana Chintalapati Süling Jorg Imhoff Johannes
出版者
Applied Microbiology, Molecular and Cellular Biosciences Research Foundation
雑誌
The Journal of General and Applied Microbiology (ISSN:00221260)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.163-169, 2009
被引用文献数
18

A green sulfur bacterium, strain JAGS6<Sup>T</Sup> was isolated from a marine aquaculture pond located near Kakinada on the east coast of India. Cells of strain JAGS6<Sup>T</Sup> were Gram-negative, non-motile, coccoid, 1-1.2 µm in diameter, with prosthecae. Phylogenetic analysis on the basis of 16S rRNA gene sequences showed that strain JAGS6<Sup>T</Sup> clusters with members of the genus <I>Prosthecochlo</I><I>ris </I>and the sequence similarity with the nearest relative, <I>Prosthecochloris vibrioformis,</I> is 96.7%<I>. </I>Cultures of strain JAGS6<Sup>T</Sup> are green in color and the cells contain bacteriochlorophyll <I>c</I> and most likely carotenoids of the chlorobactene series as photosynthetic pigments. Strain JAGS6<Sup>T</Sup> is mesophilic, halotolerant (up to 7% NaCl) and is obligately phototrophic, utilizing sulfide but not thiosulfate as a photosynthetic electron donor. Sulfur globules are deposited outside the cells during oxidation of sulfide. On the basis of 16S rRNA gene sequence analysis and its morphological and physiological characteristics, strain JAGS6<Sup>T</Sup> is distinct from described species of the genus <I>Prosthecochloris </I>and we propose to describe it as a new species, <I>Prosthecochloris indica,</I> sp. nov. The type strain is JAGS6<Sup>T</Sup> (= JCM 13299<Sup>T </Sup>= ATCC BAA1214<Sup>T</Sup>).
著者
稲木 昭子
出版者
追手門学院大学
雑誌
追手門学院大学文学部紀要 (ISSN:03898695)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.179-191, 1993-05-30
被引用文献数
1
著者
藤井 郁夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.155-161, 1997-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
31

トラス形式の橋梁は日本には明治になって導入され日本の橋の長大支間化の役割を果たした。以後のこの形式の発展を支間長を指標にして振り返ってみた。結果として, 橋形式としては単純形式から, カンチレバー形式連続形式へと変遷をしている。そして又, 長大と言える支間長を明らかにることが出来た。また何故長大橋が架けられたかさらにはその架設法についてもみてみた。
著者
秦 玲子
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

平成24年度には、年次計画に基づき、ニュージーランドの先住民マオリの伝統的タトゥー、モコについて、(1)ニュージーランド国内におけるフィールド調査を行ったほか、昨年度の研究成果を引き継ぎ、(2)地域エリアの領域に焦点を当てた現地稠査、(3)文献資料の収集と調査を行った。また、(4)研究大会やシンポジウムに参加し、成果発表や情報収集を行った。(1)ニュージーランド国内における現地調査モコが彫られる場、そしてモコと非マオリのタトゥーとの接触を考察するため、ニュージーランド国内における長期調査を予定していたが、これを変更して短期の調査を行い、施術の観察とインタビューを行った。今年度の調査における最大の成果は、特に①30代の若い世代の彫師たちの活動と②彫師たちの国内外の客獲得のための宣伝活動について調査を深めることができた点である。(2)地域エリアの領域に焦点を当てた現地調査昨年度ソロモン諸島における太平洋芸術祭の調査を通じて明らかになった、太平洋地域のタトゥーとモコの関わりをより詳細に検討するため、サモアとクック諸島を訪れてフィールド調査を行った。(4)研究大会・シンポジウムへの参加6月の文化人類学会での研究発表のほか、3月のオセアニア学会や日本国内のタトゥー関連シンポジウムに参加し、文化人類学、オセアニァ、タトゥーについての理解を深めた。
著者
束原 史華 影山 志保 太田 実 諸岡 信久
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.92, 2017 (Released:2017-07-08)

目的 甘酒はアミノ酸などが豊富に含まれ、飲む点滴という異名を持つ日本特有の甘味飲料である。現代の日本では冬に温かくして飲まれることが多いが、江戸時代には夏バテ防止に飲む冷やし甘酒が多かった。しかし甘酒には独特の風味があり甘酒が苦手という人も多くいる。そこで甘酒が苦手な人でも飲めるように甘酒と様々な三次機能を持つ牛乳を混合し飲みやすくした飲料を検討した。この飲料は夏の暑い時期、栄養補給ができるバランスの良い栄養飲料として位置付けることをねらった。  方法 福島県の太田酢店の甘酒と酪王乳業の普通牛乳を使用し、糖度計(ASONE APAL-1)、pH測定器(HORIBA SENSOR)、K⁺測定器(HORIBA B-731)、Na⁺測定器(HORIBA B-722)、Ca⁺²測定器(HORIBA B-751)、塩分測定器(HORIBA C-121)を用いた成分検査と官能検査の結果から配合を検討した。また、配合が定まった飲料の添加物についての検討を行った。 結果 甘酒と牛乳の混合比率に関する官能検査では甘酒40%、牛乳60%の比率が最も高評価であった。次にこの比率をもとに試料を水で希釈した所、甘酒20%、牛乳30%、水50%の試料が官能検査では最も高評価であった。この試料の成分分析結果は、Brix 13.8%、pH6.3、Na⁺150 mg/kg、K⁺570 mg/kg、Ca⁺²110 mg/kg、NaCl 0.02 g/mlだった。次にこの試料にNaClを添加したが、味がくどくなったためCaCl₂に変更し、試料に添加した。その結果CaCl₂添加の試料はNaCl添加の試料よりも後味がさわやかになった。CaCl₂添加試料の成分分析の結果はBrix 11.1%、pH5.5、Na⁺210 mg/kg、K⁺750 mg/kg、Ca⁺²350 mg/kg、NaClとして0.02 mg/100mlであった。

1 0 0 0 OA 出来がよさ相

著者
豊国
出版者
錦耕堂
雑誌
今様三十二相
巻号頁・発行日
1859