著者
岡田 幸子 小林 一郎 増山 晃太 田中 尚人
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.76-85, 2016 (Released:2016-08-20)
参考文献数
25

「軌道用敷石」とは,近代の都市交通の主役を担ってきた路面電車に欠かせない「板石舗装」〔1957(昭和32)年には全国の軌道敷舗装の78.84%を占めていた〕の表層に用いられる舗装材である.板石舗装用材として最も普及した軌道用敷石は,路面電車を支えてきた重要な石材だった.本研究ではこれまであまり研究されてこなかった軌道用敷石の体系化の基礎資料として,軌道用敷石の規格と産地を調査し,整理することを目的とした.その結果,軌道用敷石は舗装材の要求性能を満たす仕様(材質,形状,寸法,許容差,仕上げ)が明確な規格品であり,国内の主要6ヶ所の産地(茨城県稲田,群馬県沢入,山梨県塩山,岐阜県恵那,広島県倉橋島,香川県小豆島)から明治から昭和にかけて全国に供給された花崗岩であることが明らかになった.
著者
森光 高大 片岡 洋人 岡田 幸彦
出版者
日本原価計算研究学会
雑誌
原価計算研究 (ISSN:13496530)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.110-122, 2018 (Released:2021-09-15)
参考文献数
31

本稿は,筆者らが 2016 年 6 月から実施した日立製作所における調査・社内資料収集をもとに,当社の「超総原価計算制度」を採りあげ検討する。これは,販管費だけでなく,利子をはじめとする営業外費用を製品単位に配賦するなど,製品原価計算の一般論と異なる特徴を持つ。本稿の検討の結果,当該原価計算は,製品原価の集計のみならず,恒常的に価格決定や製品軸での採算把握に資する情報をも提供していることが明確になった。
著者
岡田 幸子 樋口 明彦 仲間 浩一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.381-388, 2006-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
28

維持管理の時代である今、再使用やリサイクルされる建設材料が増えている。建設材料である石材は、石垣や路盤舗装材などに使われてきた。しかし、文化財などの石造構造物の研究はあるが、石材の流通や再使用に焦点をあてた研究は少ない。本研究は、土木事業における石材の流通や再使用に着目し、北九州市では西鉄路面電車の敷石の生産から利用技術及び別用途での再使用に到る経緯を調査したものである。その結果、併用軌道における舗装技術と舗装に関する歴史的な経緯・過程、敷石の生産・流通・施工・補修の技術、ある時代の流通やストックの方法の全貌を解明した。また、現在77ヵ所 (39ヵ所確認) で再利用の情報を把握した。
著者
小林 三智子 岡田 幸雄 戸田 一雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.11, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 味覚感受性と月経周期との明確な関連性の報告は少ない。我々は、規則的な月経周期の場合には、月経期には電気味覚感受性が有意に低くなることを報告した(1)。本研究では、不規則な月経周期の場合の電気味覚閾値と、認知閾値の変化について検討した。【方法】 19~23歳の健康な女性25名を対象とし、婦人体温計を用いて3ヶ月間基礎体温を記録させた。そのうち、不規則な月経周期をもつ者12名について報告する。味覚感受性の測定には、電気味覚計とろ紙ディスク法を用いた。測定時期は、月経期(月経期間中)・黄体期(月経開始前1週間)・卵胞期(月経終了後1週間)の3期とし、それぞれの期に各1日測定を実施し、3回の平均値を閾値とした。5基本味は、甘味(スクロース)、塩味(塩化ナトリウム)、酸味(酒石酸)、苦味(硫酸キニーネ)及びうま味(グルタミン酸ナトリウム)を用いた。【結果】 電気味覚閾値では、舌尖部の茸状乳頭刺激、舌縁後方の葉状乳頭刺激ともに、月経期は黄体期と卵胞期に比べ高い値となり、月経期には電気味覚感受性が低いことが認められた。一方、ろ紙ディスク法により求めた認知閾値は、甘味・塩味及び苦味では月経周期による有意差は認められなかった。しかし、酸味では茸状乳頭において、月経期 (19.6mM)は黄体期(10.4mM)・卵胞期(14.2mM)に比べ有意に高い値を示し、味覚感受性が低いことが認められた。また、うま味では茸状乳頭において、月経期には黄体期に比べ有意に味覚感受性が高いことが認められた。 (1)小林三智子、岡田幸雄、戸田一雄:日本家政学会第59回大会研究発表要旨集(2007)
著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 淳 岡本 敬三
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.363-371, 1965-10-25

アカマツ、12母樹と8産地およびクロマツ、4産地の種子を施肥量の異なる播種床に直播し、幼苗の生長を調査した。播種床には120×120×18(cm)3の木製枠を用い、底にビニール・シートをしき、放射線育種場構内のアカマツ林地のB層の土壊をつめた。肥料は化成肥料(魯スーパー1号)を使用し、1m2あたり、それぞれ600、300、150および0gを元肥として施肥した。播種約5ヵ月後、幼苗を地際から切りとり、胚軸長、上胚軸長、地上部乾重を測定した。これらの測定値から幼苗単位の平均値を計算し、分散分析をした。母樹別種子のOK・アカマツでは上胚軸長、乾物重について、播種密度、施肥量ともに有意であった。さらに、母樹と施肥量との間に有意な交互作用があった。また産地別種子のProv.アカマツでも上胚軸長、乾物重について、産地と施肥量との間に有意な交互作用があった。しかし、胚軸長については、両アカマツ群とも母樹または産地と施肥量との間の交互作用は有意でなかった。クロマツではいずれの生長形質においても産地と施肥量との交互作用はなかった。これらは直播した幼苗での結果なので、これらの生長反応と樋子重との関係を検討した。胚軸長、上胚軸長および乾物重について、各処理区ごとの繰返し区の平均値と同区内の各子供集団平均値との回帰直線を計算した。この母樹別、産地別の子供集団の回帰係数は各子供集団の肥料反応をしめすものと考えられ、回帰係数が大きいほど肥料に対し鋭敏に反応するとしてよい。そして、回帰係数の信頼限界が互いに重複しない子供集団があった。各子供集団の胚軸長、上胚軸長および乾物重の肥料反応をしめす回帰係数とそれぞれの種子1、000粒重との回帰直線を計算し、回帰係数の検定をしたところ、OK・アカマツの胚軸長および乾物重にのみ種子重が有意にはたらいたことが判り、上胚軸長にみられる母樹、または産地と施肥量間の交互作用には遺伝的な要因が関与しているものと推定される。
著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 惇 岡本 敬三
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.438-443, 1965

約180本/0.1haからなる17年生のスギ人工林において,大,中および小直経級別に,それぞれ, 5本ずつの母樹をえらび, 1963年秋に採種した。この種子を施肥量のちがう播種床に直播し,幼苗の生長を調査した。肥料は化成肥料(〓スーパー1号)を使用し, 1m<sup>2</sup>あたり,それぞれ, 600, 300, 150 および0gr の4段階とした。播種床には120×120×18(cm)<sup>3</sup>の木製木枠を用い,底にビニールシートをしいた。この木粋に関東ロームのやせた土をつめた。播種は線密度とし,長さ50cm, 列間, 6cm, 幅1cm, 深さ約 0.5cm の播種溝に,それぞれ,200粒,100粒および50粒の3段階とし, 4回の繰返区をもうけた。播種約6カ月後,幼苗を地際から切りとり,笛高と地上部乾物重とを測定した。各処理別に発芽率のちがい,または,その他の原因により生存数にちがいがあったので,各繰返し区ごとに密度補正をした。すなわち,母樹別,施肥量別に,乾物重は各繰返し区の生存本数とその平均乾物重の対数とで,また,苗高は各繰返し区の生存本数とその平均苗高とにより回帰直線を計算し,それぞれの回帰直線を用いて50cmの播種溝あたり100, 50および25本の生存数について,平均乾物重,平均苗高の補正値を算出した。施肥量,生存密度の組合せで12の処理区があり,その各処理区に15母樹の実生集団がはいっている。平均乾物重および平均病高について,施肥量,生存密度の組合せの 12処理区のそれぞれの総平均値に対する各処理区内の母樹別平均値を対応させた回帰直線を15母樹について計算した。この回帰係数は母樹別幼苗集団の肥料反応をしめすものと考えられ,回帰係数が大きいほど施肥効率が良いと推定される。直経級別により施肥効率をしめす回帰係数には明らかな関係はないようである。しかし,母樹別には,乾物重,苗高の回帰係数には95%の信頼度でその信頼限界が重複しないものがあった。直播幼苗での生長調査であるため,種子重との関係を,母樹別1,000粒重と母樹別の平均乾物重,平均苗高それぞれの肥料反応をしめす回帰係数との相関を計算し,その回帰係数の有意性を検定したところ,いずれの場合も有意でなかった。
著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 淳 岡本 敬三
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.363-371, 1965

アカマツ, 12母樹と8産地およびクロマツ, 4産地の種子を施肥量の異なる播種床に直播し,幼苗の生長を調査した。播種床には 120×120×18(cm)<sup>3</sup>の木製枠を用い,底にビニール・シートをしき,放射線有種場構内のアカマツ林地のB層の土壊をつめた。肥料は化成肥料(〓スーパー1号) を使用し, 1m<sup>2</sup> あたり,それぞれ600, 300, 150 および0gを元肥として施肥した。播種約5ヵ月後,幼苗を地際から切りとり,胚軸長,土胚軸長,地上部乾重を測定した。これらの測定値から幼苗単位の平均値を計算し,分散分析をした。母樹別種子の, OK・アカマツでは上胚軸長,乾物重について,播種密度,施肥量ともに有意であった。さらに,母樹と施肥重との間に有意な交互作用があった。また産地別種子のProv.アカマツでも上胚軸長,乾物重について,産地と施肥量との間に有意な交互作用があった。しかし,胚軸長については,両アカマツ群とも母樹または産地と施肥量との間の交互作用は有意でなかった。クロマツではいずれの生長形質においても産地と施肥量との交互作用はなかった。<br> これらは直播した幼苗での結果なので,これらの生長反応と種子重との関係を検討した。胚軸長,上胚軸長および乾物重について,各処理区ごとの繰返し区の平均値と同区内の各子供集団平均値との回帰直線を計算した。この母樹別,産地別の子供集団の回帰係数は各子供集鋼の肥料反応をしめすものと考えられ,回帰係数が大きいほど肥料に対し鋭敏に反応するとしてよい。そして,回帰係数の信頼限界が互いに重複しない子供集団があった。各子供集団の胚軸長,上胚軸長および乾物重の肥料反応をしめす回帰係数とそれぞれの種子1,000粒重との回帰直線を計算し,回帰係数の検定をしたところ, OK・アカマツの胚軸長および乾物重にのみ種子重が有意にはたらいたことが判り,上胚軸長にみられる母樹,または産地と施肥量間の交互作用には遺伝的な要因が関与しているものと推定される。
著者
加藤 雅信 青木 清 太田 勝造 河合 幹雄 野口 裕之 藤本 亮 岡田 幸宏 菅原 郁夫 フット ダニエル
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

多くの法科大学院院生は「進学決意時」の職業希望を法科大学院入学後、教育を受けながらも維持していることがあきらかになった。また、そうした理想は理想として、現実的に予想する際にも約3分の2の院生は理想と現実的予想が一致しており、その一致率は年度を追い、微増する傾向が観察された。本調査が執行された段階では、まだ「弁護士の就職難」といわれる現象はメディアがとりあげるような話題にはなっておらず、現在の院生にこのような調査をした場合にはまた異なった回答がなされるであろう。また、実際に司法修習修了後にどういった職種に就いているのか等の追跡調査が今後求められてくるであろう。抽象度の高い法のイメージについての法意識は短期間では大きく変化しないと考えられる。そのため、多くの項目では経年変化はみられなかった。しかし、二年の間をあけた調査問の比較では、より大きな差がいくつかの項目に観察された。このことは三年間のインテンシヴな法科大学院教育がこうした一般的な法意識、法態度にも影響を及ぼすことを示唆している。法科大学院は大学の枠を越えて多くの他大学出身の院生を受入れており、また、受験生も複数の大学院を受験することが通例である。入学前には受験生は全員が適性試験を受験することが義務づけられ、また大学院終了後も全員が司法試験を受験し、司法修習へと進む。したがって個別大学での調査ではなく、本研究のように大学横断的に法科大学院生のさまざまな状況について調査研究することは重要である。
著者
西原 利夫 椹木 義一 岡田 幸雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集 (ISSN:00290270)
巻号頁・発行日
vol.17, no.64, pp.26-31, 1951

In this report the sub-harmonic resonance of the dissipative system with the restoring force represented by a cubic curve is treated. The authors tried to solve this problems by Fourier series and investigate the stability of the solutions, and then acquired the graphical solution which is useful for actual practice We made an experiment to see the validity of the calculation, that is, we could find how the magnitudes of damping force and external force affect occurrence of sub-harmonic resonance in the non-linear system.
著者
清水 晃 岡田 幸助 河野 潤一 寺西 永 木村 重 矢挽 輝武 南條 巌
出版者
神戸大学農学部
雑誌
神戸大学農学部研究報告 (ISSN:04522370)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.p259-267, 1987
被引用文献数
1

兵庫県下の1養豚場で発生した豚の皮膚病について, その発生状況ならびに細菌学的および病理学的検索を行い, 次のような結果を得た。1. 1979年8月, ランドレース種で, 生後2&acd;3日齢の1腹10頭中7頭に皮膚病の発生が認められ, うち3頭が死亡した。2. 皮膚病の症状は, 滲出性表皮炎のそれと極めて類似していた。皮膚の異常は鼻, 眼瞼周囲, 耳の発疹に始まり, 重症例では全身の表皮および被毛に粘稠に富む滲出物が膠着し, 黒褐色を呈した。3. 皮膚炎の病理組織学的変化は, 表皮の細菌塊を伴う滲出物, 錯角化症, 上皮細胞の空胞化と壊死, 棘細胞症などの病像を認め, 滲出性表皮炎と診断された。4. 発症豚の皮膚病変部および死亡豚の心臓, 肝臓, 腎臓, 脾臓からS. hyicus subsp. hyicusを分離した。また, 母豚の乳頭周辺部からも該菌が検出された。5. 分離株のS. hyicus subsp. hyicus型別用セットによるファージ型別では, 供試菌18株中17株が型別され, 型別可能株はS9/S39/S188とS9/S188の2つのファージ型に分けられた。発症豚7頭中5頭はS9/S39/S188のファージ型で, 残り1頭と死亡豚では両ファージ型菌が同時に検出された。また, 健康な母豚の乳頭から分離された菌株も, この2つのファージ型を示した。このことより, 今回の滲出性表皮炎にはこの2菌型が関与していたことが示唆された。6. 分離株18株の3濃度ディスク法による薬剤感受性は, 全株がPC, PcA, PcM, SPM, LCM, CM, TC, KM, GMおよびCERに高度の感受性を示した。7. 発症豚に対し, アルコール, グリセリン, クレゾール混合液を全身に塗布して治療を試みたところ, 軽症例では, 症状は漸次軽減した。本論文の要旨は, 1984年4月, 第97回日本獣医学会において発表した。 / In August, 1979,a type of dermatitis occurred suddenly in 7 newborn pigs of a litter, 2 or 3 days old, on a farm in Hyogo prefecture. Three of the affected pigs died 3-9 days after the onset of the disease. It presented symptoms qutie similar to those of exudative epidermitis. Eczeme and eruption extended from the auricular and abdominal region to all over the body. The surface of the body was covered by the exudate and its color turned dark brown. Histopathologic examination of skin from a dead pig revealed lesions characterized by exudation and accumulation of parakeratotic cellular debris on the epidermal surface, vacuolar degeneration and acanthosis of the epidermis. Coccoid bacterial organisms were abundant in the epidermal exudate. Necrosis and ulceration of epidermis were seen in severe lesions. From the above findings, the pig was diagnosed as exudative epidermitis. Staphylococcus hyicus subsp. hyicus was isolated in pure culture from the skin lesions of the affected pigs, and from parenchymatous organs (heart, liver, kidney and spleen) of the dead pig. The organism was also isolated from the teat of the mother sow of the previously described pigs. A total of 18 isolates of S. hyicus subsp. hyicus from the pigs with exudative epidermitis and the mother sow were subjected to phage typing using the 4 S. hyicus phages, S9,S13,S39,and S188. Seventeen isolates (94.4%) were typable at routine test dilution and were differentiated into 2 phage patterns of S9/S39/S188 (n=11) and S9/S188 (n=6). All of the 18 isolates were highly sensitive to penicillin, oxacillin, ampicillin, erythromycin, spiramycin, lincomycin, chloramphenicol, tetracycline, kanamycin, gentamicin and cephaloridine.
著者
岡田 幸子 樋口 明彦 仲間 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
no.23, pp.381-388, 2006

維持管理の時代である今、再使用やリサイクルされる建設材料が増えている。建設材料である石材は、石垣や路盤舗装材などに使われてきた。しかし、文化財などの石造構造物の研究はあるが、石材の流通や再使用に焦点をあてた研究は少ない。本研究は、土木事業における石材の流通や再使用に着目し、北九州市では西鉄路面電車の敷石の生産から利用技術及び別用途での再使用に到る経緯を調査したものである。<BR>その結果、併用軌道における舗装技術と舗装に関する歴史的な経緯・過程、敷石の生産・流通・施工・補修の技術、ある時代の流通やストックの方法の全貌を解明した。また、現在77ヵ所 (39ヵ所確認) で再利用の情報を把握した。
著者
岡田 幸彦 小池 由美香
出版者
日本簿記学会
雑誌
簿記研究 (ISSN:24341193)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.12-25, 2021-06-30 (Released:2021-08-31)

三式簿記論の基礎理論として,さらには新たな会計理論として期待された井尻雄士教授のMomentum Accountingは,簿記研究や会計研究として新たな分野を確立するような研究の蓄積・発展がなされていないのが現状である。本稿は,1990年代以降にMomentum Accounting研究が蓄積・発展しなかった理由として,井尻理論の史的展開におけるMomentum概念の変化に研究者たちが気づいておらず,本稿で指摘する2つのMomentum概念(Wealth-based MomentumとIncome-based Momentum)が日本語圏と英語圏とで正確に伝わっていない可能性を指摘したい。そしてその背後には,数学的な正しさ,物理学的なもっともらしさ,会計学的な新しさの全てを満たそうとした井尻教授の苦悩があったと推察される。本稿では,Momentum Accounting研究の史的展開をふまえ,その致命的な問題を克服する将来の発展方向として,三式簿記論とMomentum Accountingの新たな世界観を議論・提示する。
著者
岡田 幸彦
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.77, pp.57-60, 2007-11
著者
小林 三智子 岡田 幸雄 戸田 一雄
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.136, 2004

【目的】味覚感受性の測定にはその目的によって種々の方法が用いられるが、臨床の場では電気味覚計を用いた検査と、ろ紙ディスク法の検査が多く使用される。本報告では、両者の測定法を用い、若年女性の味覚感受性を測定することを目的とした。<br>【方法】健康な19歳から21歳の女子学生を対象とし、口腔内には口内炎やう歯による痛みのないこと、食後1時間以上経過していること、非喫煙者であることを確認した。電気味覚検査は電気味覚計(TR-06)を用い、刺激部位は、舌尖より2cmの茸状乳頭領域の左右舌縁(茸状左・茸状右)、舌縁後方葉状乳頭領域の舌根に近い左右(葉状左・葉状右)の部位の計4箇所とした。ろ紙ディスク法検査には直径6mmの円形ろ紙を用い、試料溶液はスクロース、塩化ナトリウム、DL-酒石酸、硫酸キニーネ及びグルタミン酸ナトリウムの五味とした。刺激部位は、舌尖より2cmの左舌縁とした。<br>【結果】電気味覚検査の結果は、茸状左-1.38dBおよび茸状右-1.59dB、葉状左0.4dB、葉状右0.2dBであった。葉状乳頭と茸状乳頭のそれぞれ同じ部位において、左右の差は認められなかった。しかし、部位が異なると、茸状乳頭と葉状乳頭の左右ともに、舌尖部の茸状乳頭のほうが有意に低い値を示し、味覚感受性が高いことが示された。一方、ろ紙ディスク法により求めた五味の閾値はそれぞれ、甘味(スクロース)160mM、塩味(塩化ナトリウム)320mM、酸味(DL-酒石酸)40mM、苦味(硫酸キニーネ)0.625mM及びうま味(グルタミン酸ナトリウム)160mMであった。
著者
桑野 睦敏 片山 芳也 笠嶋 快周 岡田 幸助 Reilly J.D.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.893-900, 2002-10-25
参考文献数
25
被引用文献数
2 22

慢性蹄葉炎では,蹄壁と葉状層の間に黄色調の贅生角質が産生される.贅生角質は大量に産生されると蹄形異常の一要因となるばかりか,蹄真菌症の頻発部位でもあることから,取り除かなければ病態悪化を招く病巣の温床となる.しかしながら,その病態についての研究は全く行われておらず,括削適期すら不明な現状がある.そこで,本研究では,様々な病期の蹄葉炎罹患蹄を用いて,産生される贅生角質の肉眼的な形態変化および組織構築を観察し,贅生角質の形成パターンを調査した.その結果,贅生角質は蹄縦断面では病期約3週間で確認できるようになり,組織学的には異所性の白帯であることがわかった.異所性白帯は,蹄葉炎が治癒しない限り,病期の経過とともに過剰に産生されつづける傾向があった.その括削適期については,まだ十分な量が形成されない発症1ヶ月以内は括削せず,病期1ヵ月を経過した後に括削することが推奨された.
著者
大庭 喜八郎 岡田 幸郎 塩田 勇 武藤 惇 岡本 敬三
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.438-443, 1965-12-25

約180本/0.1haからなる17年生のスギ人工林において、大、中および小直径級別に、それぞれ、5本ずつの母樹をえらび、1963年秋に採種した。この種子を施肥量のちがう播種床に直播し、幼苗の生長を調査した。肥料は化成肥料([○!林]スーパー1号)を使用し、1m^2あたり、それぞれ、600、300、150および0grの4段階とした。播種床には120×120×18(cm^3)の木型木伜を用い、底にビニールシートをしいた。この木枠に閃火ロームのやせた土をつめた。播極は線密度とし、長さ50cm、列間、6cm、幅1cm、深さ約0.5cmの播極溝に、それぞれ、200粒、100壮一汀よび50粒の3段階とし、4回の繰返区をもうけた。播種約6ヵ月後、幼苗を地際から切りとり、苗高と地上部乾物重とを測定した。各処理別に発芽率のちがい、または、その他の原因により生存数にちがいがあったので、各繰返し区ごとに密度補正をした。すなわち、母樹別、施肥量別に、乾物重は各繰返し区の生存本数とその平均乾物垂の対数とで、また、苗高は各繰返し区の生存本数とその平均苗高とにより回帰直線を計算し、それぞれの回帰直線を用いて50cmの播種溝あたり100、50および25本の生存数について、平均乾物垂、平均苗高の補正値を算出した。施肥量、生存密度の組合せで12の処理区があり、その各処理区に15母樹の実生集団がはいっている。平均乾物重および平均苗高について、施肥量、生存密度の組合せの12処理区のそれぞれの総平均値に対する各処理区内の母樹別平均値を対応させた回帰直線を}5母樹について計算した。この回帰係数は母樹別幼苗集団の肥料反応をしめすものと考えられ、回帰係数が大きいほど施肥効率が良いと推定される。直経級別により施肥効率をしめす回帰係数には朋らかな関係はないようである。しかし、母樹別には、乾物重、苗高の回帰係数には95%の信頼度でその信頼限界が重複しないものがあった。直播幼苗での生長調査であるため、種子重との関係を、母樹別1,000粒重と母樹別の平均乾物重、平均苗高それぞれの肥料反応をしめす回帰係数との相関を計算し、その回帰係数の有意性を検定したところ、いずれの場合も有意でなかった。
著者
兼光 弘章 御領 政信 岡田 幸助
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.547-550, 1995
被引用文献数
2

馬2頭 (4歳雌および6歳雄) が1カ月以内の間隔で再度大量の鼻出血を起こし, 死亡あるいは安楽死処分された. 第1症例には鼻腔に壊死性肉芽腫が多発し, 鼻背動脈の破綻による鼻出血と推測された. 第2症例は喉嚢真菌症で, 喉嚢に隣接する内頸動脈の破綻があり, 病巣の大部分は肉芽組織により置換されていた. 両例とも光顕および走査電顕的検索によってAspergillus sp. が病巣から検出・同定された.