著者
鈴木 敏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.624-630, 2005-02-15

辞書の持つ単語と定義文の関係を利用した,単語のベクトル化のための新しい手法を提案する.提案手法は定義文を再帰展開することにより単語ベクトルを生成する手法である.定義文を単語の集合と見なして再帰展開するときの問題は,この展開が無限に続くため,単語頻度などが計算できなくなることにある.しかし,展開時に一定の重みを仮定することで無限級数の形式に変換でき,計算可能となる.提案手法では,この展開を確率モデルとして扱い,計算の各過程における意味を明確にしている.これにより,応用の見通しが良くなるという長所を得ている.本論文では提案手法の詳細を示すとともに,本手法を単語類似度計算へ適用し,TF-IDFに基づく計算結果と比較・検証を行った.その結果は精度・再現率ともに提案手法が優位であるという明確な有効性を示すものであった.
著者
西山 昴志
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.177-178, 2019-02-28

ある画像に対して、その画像内の物体の位置や配置を変更せずに別の画像の画風を反映させることができる。基本的に変換にはそれぞれ変換の基となるコンテンツ画像と画風が抽出されるスタイル画像1枚ずつ用いるため、これらの組み合わせも変換結果に影響を与える1つの要因となる。 画風変換の意図によるが、アニメ画像を別のアニメの画風で変換するとした時に、そのアニメ画像に適したスタイル画像を探すのは非常に手間がかかる上、適切なスタイル画像が存在しない可能性もある。そこで複数のスタイル画像を用いることで対象とするアニメの画風を補完し合い、1枚ずつのペアよりスタイルを反映しやすくする手法について検討を行う。
著者
村岡 幹生
雑誌
中京大学文学会論叢
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.119-144, 2015-03-15
著者
中山 泰一 中野 由章 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 和田 勉 萩谷 昌己 筧 捷彦 Yasuichi Nakayama Yoshiaki Nakano Hiroyasu Kakuda Yasushi Kuno Mitsugu Suzuki Tsutomu Wada Masami Hagiya Katsuhiko Kakehi
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌.教育とコンピュータ = IPSJ transactions. TCE
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.44-51, 2017-06-14

高等学校情報科の教科担任の現状を明らかにするため,都道府県教育委員会における臨時免許状の授与と,免許外教科担任の許可の状況を調査した.情報科では,臨時免許状や免許外教科担任が他の教科に比べて突出して多用されていることが明らかになった.本論文では,その調査結果を報告するとともに,わが国の情報教育の取り組みについて述べる.
著者
井ノ崎 敦子 葛西 真記子 Atsuko INOSAKI Makiko KASAI
出版者
鳴門教育大学地域連携センター
雑誌
鳴門教育大学学校教育研究紀要 = Bulletin of Center for Collaboration in Community Naruto University of Education (ISSN:18806864)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.27-33, 2019-02

本研究は,学生相談における恋愛問題解決支援のあり方を探求するために,国内外の大学生の恋愛に関する心理学的研究を概観することを目的とした。研究1では,学術情報データベースを用いて収集した国内外の査読学術論文を概観した。その結果,国外の研究論文が45本,国内の研究が21本収集された。恋愛関係進展度別に論文数を調べたところ,国外,国内ともに恋愛関係継続時の論文が最も多かった。研究1の結果,国内における事例研究が皆無であったことから,恋愛問題の解決を部分的に支援している事例研究の有無とその特徴を概観することを目的に研究2を実施した。研究2では,青年の事例研究を多く掲載している3つの学術誌(心理臨床学研究,学生相談研究,精神分析研究)から収集した。その結果,39本の論文が収集された。また,女性クライエントが女性セラピストに対して,母親からの情緒的応答の体験不足の影響と思われる恋愛関係継続時の悩みを訴える事例研究が最も多いという特徴が見られた。これらの結果から,学生相談において恋愛問題解決を支援する際には,背景に養育者の情動的応答体験不足があることを理解した上で,セラピストが適切な情動的応答を行なうことが肝要であることが示唆された。