著者
筒井 はる香
出版者
日本人間教育学会
雑誌
人間教育学研究 = Journal for Humanistic Education (ISSN:21889228)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.135-144, 2016-12-01

Abstract:The purpose of this paper is to shed light on one aspect of the introduction of the melodica into elementaryschool education in Japan, by clarifying the improvements that took place in the manufacturing process of melodicasduring the 1960s and 1970s, focusing on articles and advertisements in music education magazines. After melodicas werefirst imported from Germany around 1961, musical instrument manufacturers in Japan also began to manufacture andimprove them. Educators in elementary and junior high schools soon began using the melodica experimentally, praisingits musical possibilities but demanding improvements in quality.Musical instrument manufacturers immediately set out to improve the quality of the instrument in collaboration withelementary schools. As a result, in 1967, the melodica was approved as an educational tool by the Ministry of Education.Further, with an increase in the number of school children and the corresponding shortage of music rooms andequipment in elementary schools, when the Ministry revised its national curriculum guidelines in 1968 and stipulated thescope of“ basic” education, the melodica was considered a useful instrument for the attainment of this basic education,and elementary school students throughout Japan were soon carrying their personal melodicas. This paper shows thatmusical instrument manufacturers played a large role in the process leading up to the widespread introduction of themelodica into elementary school education.
著者
黒田 誠 MAKOTO KURODA
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要 = The journal of Wayo Women's University (ISSN:18846351)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.59-70, 2013-03

本稿はSFというジャンルに代表される科学的世界観を超出した存在/現象理解をプレゼンテーションの基軸に据えた思弁的アニメ作品 Ergo Proxy を対象にして、形而上的映像表現に仮託し得る“意味”の全方位的拡張を模索することにより、現実と仮構を連続体として捕捉する統括的なシステム理論の適用を通して神と人の位格的遷移を辿った神話的表象の註解を試みるものである。そこには存在と現象、概念と質料、記述と創造の相互変換を可能にする仮想的基幹原理を反映した二次創作的記述/論考が企図されている。
著者
八田原 慎悟 藤井 叙人 長江 新平 風井浩志 片寄 晴弘
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.3859-3866, 2008-12-15

脳活動とテレビゲームの関係に注目した関連研究の多くで,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が低下することが報告されてきた.テレビゲームに限らず,メディアインタラクションにおいては年齢,熟達度,さらには嗜好や没入の度合いに応じて,ヒトへの影響に違いが生じると考えるのが自然であろう.本研究ではテレビゲームにおける熟達度に焦点を当て,2つのジャンル(シューティング,リズムアクション)のゲームを実施している際のヒトの脳活動を熟達者,中級者,初心者の3種類の条件でfNIRS(機能的近赤外分光法)によって計測し,比較,検討した.その結果,熟達者においては,テレビゲーム実施時に前頭前野の脳活動が上昇するという関連研究とは異なる状況が観測された.またゲームタイトル,ジャンルを変えた場合の熟達者の脳活動を計測した結果,熟達したゲームにおける脳活動が最も上昇するという結果を得た.
著者
真鍋 順子

近年,日本のスタートアップ・ベンチャー企業を取り巻く環境は,ベンチャーキャピタルや大企業,エンジェル投資家等によって,資金だけでなくオフィスや人材,ノウハウ等様々な経営支援が拡充し,エコシステムが整いつつある。一方で,ユニコーン企業の数は,米国や中国等と比べ未だ桁違いに少ない。日本のスタートアップ・ベンチャー企業が,成功するために何が必要なのか。本稿では,広報の観点から考察した。 スタートアップ・ベンチャー企業が成長過程において直面する主な経営課題は,①ヒト+情報,②モノ+情報,③カネ+情報の3 つに大別でき,成功率を上げるには,予めこれらの経営課題を認識し先手を打つ必要がある。その打ち手として,トップや経営陣が広報の重要性を理解し,広報活動を経営戦略と一体化させることが不可欠である。企業ステージに応じたコミュニケーション施策により経営課題の解決に取り組むことこそが広報の役割である。
著者
牧野 広義
雑誌
阪南論集. 社会科学編
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.297-310, 2016-03
著者
中野 由章 久野 靖 佐久間 拓也 谷 聖一 筧 捷彦 村井 純 植原 啓介 中山 泰一 伊藤 一成 角田 博保 鈴木 貢 辰己 丈夫 永松 礼夫 西田 知博 松永 賢次 山崎 浩二
雑誌
第57回プログラミング・シンポジウム予稿集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.155-169, 2016-01-08

わが国の初等中等教育における情報教育は多くの問題を抱えているが,その中に「どのような評価を行うのがよいかの合意がない」「大学入学試験において情報の内容が出題されることが少ない」という点が挙げられる.筆者らは情報入試研究会として2012 年からこの問題に取り組み,シンポジウムなどを通じて各大学に情報の出題を促すとともに,望ましい情報入試の問題について探究し,公開模擬試験を通じてデータを収集してきた.本発表では,情報入試研究会の活動について紹介するとともに,作題に関する考え方,公開模擬試験で使用した問題や試験結果について紹介し,望ましい情報入試のあり方について議論する.
著者
三枝 昌幸
出版者
千葉商科大学国府台学会
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.155-172, 2021-11-30
著者
吉永大輝 小早川倫広
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.207-208, 2014-03-11

現在、ベルマークは柄、点数の違いを含めると多く存在し、このベルマークを、人間が手作業で、ベルマークが、どの協賛会社から発行されたかと、点数を集計している。本研究では、ベルマーク識別手法の提案をする。ベルマーク画像から、ベルマークの発行協賛会社、点数を識別することを目的とする。画像特徴量の一つであるSURF特徴を用いて、ベルマークの識別実験を行った。未知データとして、正解データ97種を5度ずつ回転させた6,887枚の画像、スケールを50%から150%まで10%ずつ変化させた970枚の画像を用意した。未知データのSURF特徴と正解データのSURF特徴でテンプレートマッチングを行い、類似度によってベルマークを識別した。その結果、平均正答率は、回転させたデータでは97.6%、スケールを変化させたデータでは94.0%となった。
著者
金戸 進 Susumu Kaneto
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.285-290, 1997-03

南極域における気候変動に関する総合研究(ACR)期間の最終年である1991年は, 6月にフィリピンのピナツボ火山が, 8月にはチリのハドソン火山の噴火がおき, 大量の噴出物が成層圏にまで到達して気候システムは大きな影響を受けた。昭和基地で行われた観測結果を全球などの観測結果と比較して, この影響がどのようなものであったかを見た。噴煙の直接的な影響を受ける混濁度観測や日射観測では1991年末から影響が見られた。しかし, 気温やオゾン全量など大循環の結果のような間接的な要素では, 影響がはっきりしなかったり(成層圏気温), 影響と思われる偏差が見られたものの発現時期に全球とのズレが考えられるもの(地上気温やオゾン全量)があった。
著者
塩田 雅弘 伊藤 毅志
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2021論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.42-45, 2021-11-06

京都将棋は 1976 年に田宮克哉によって考案された二人零和有限確定完全情報ゲームである.5×5マスの盤を使用し,駒を一手ごとに裏返すというルールが特徴である.本論文では京都将棋エンジンを開発し,本将棋で広く使われている強化学習アルゴリズムを京都将棋に適用することで十分に強いプレイヤを作成した.そしてこのプレイヤを用いて証明木を効率良く発見した.この結果,京都将棋を弱解決し,本ゲームの初期局面が先手必勝であることを示した.
著者
石倉 幸雄 Yukio Ishikura
雑誌
国際経営・文化研究 = Cross-cultural business and cultural studies (ISSN:13431412)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.29-61, 2005-11-01

The Spanish-American War started on April 23rd ,1898 and ended on August 12th of the same year, resulting in Spain being defeated. The defeat of this war gave Spain the "disaster of 1898", leaving it much to be reformed,and at the same time accelerated international disintegration of the Old World, the framework of which had been deteriorating since the early 19th century. On July 3rd ,1898 the Spanish Squadron was destroyed by the American Fleet off Sanchago de Cuba. The outcome at Sanchago de Cuba converted general trends of the war to be more favorable to the United States, and Spainユs attitude clearly took a different turn from then on. Spain inaugurated the quest for peace behind the scenes.This article attempts to investigate conditions of the so called the "disaster of 1898" of Spain by analyzing the mutual telegraphic communications between the Naval Ministry of Spain and admiral Cervera, commander in chief of the Spanish Squadron. The squadron set sail on April 7th,1898 from Cadiz for Puerto Rico, and was destroyed in the sea engagement off Sanchago de Cuba.With a good understanding of details of the "disaster of 1898", which would indicate how Spain was then, we will study its cause and effect in a context of Spainユs own history as well as in the historical context of international order.There are two collections of telegraphic communications. One is of Cervera's redaction, and the other is of the Naval Ministry of Spain. We will use mainly the former, and secondarily the latter in order to check if the Cervera's collection might include his political bias because he was well known before the war for his viewpoints in opposition to possible confrontation with the United States.