著者
越前 宏俊 大西 明弘
出版者
明治薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

標準的なヘリコバクターピロリ(HP)菌除菌療法はプロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用であるが、抗HP作用の中心であるクラリスロマイシン(CAM)は、シトクロムP450(CYP)3A4分子種の代謝活性を阻害することが知られており、多くのCYP3A4基質薬物との薬物相互作用が報告されている。この薬物相互作用機構をin vitro実験系とHP菌除菌療法施行中の患者で検討した。ヒト肝ミクロゾーム実験系を用いた検討では、CAMはCYP3A4選択的な阻害作用を有するものの、その阻害作用は弱く、治療量のCAMで得られるヒトの血漿中薬物濃度においては、わずか5%内外のCYP3A4活性阻害の影響しか示さないことが判明した。一方、HP除菌療法に標準的に用いられる投与量(400-800mg/day)と投与期間(1週間)で、CYP3A4活性の指標である内因性コルチゾールの6β位水酸化体への代謝クリアランス(CLm_<6・OHC>)が50%程度低下した。この矛盾は、ヒト肝ミクロゾーム実験系における競合的な酵素阻害では評価できない、薬物代謝酵素に対するmechanism-based阻害によるものであることを明らかにした。その結果、CAMは、時間依存的および濃度依存的なmechanism-based機構のCYP3A4阻害作用を有しており、種々の仮定をおいてin vitroからin vivoへの阻害強度の予測を行うと、ほぼin vivoでの阻害強度が予測できた。以上の結果から、標準的なピロリ菌除菌療法に用いられる投与量でのCAMは、肝薬物代謝酵素CYP3Aを有意に阻害するが、その機構はいわゆるmechanism-based阻害機構であり、その強度予測には、通常の基質競合に基づく検討のみならず、mechanism-based阻害の検討が必要であることが明らかとなった。
著者
大津 佐知江 佐伯 圭一郎 草間 朋子
出版者
大分県立看護科学大学看護研究交流センター
雑誌
看護科学研究 (ISSN:24240052)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.21-28, 2009 (Released:2017-11-28)
参考文献数
12

外来看護師が看護師としての専門性を発揮するためにはそれを発揮できる環境整備が不可欠と考える。本研究は、外来看護の質向上のための環境整備をすすめるうえの情報を入手することを目的とし、全国の一般病院の看護部長65名を対象に、「医療情報システム」「診療アシスタント」「診療の補助業務の中央化」など10項目の外来看護環境システムの導入状況を調査した。さらに、外来看護師592名を対象に、環境整備に関する項目の導入状況と「看護職者職業経験の質尺度」を用いた看護職者の質との関連を調査した。今回調査を行なった施設で80%以上導入されていた項目は、「医療情報システム」「診療アシスタント」「診療の補助業務の中央化」であった。また、導入が遅れている項目は、「キャリアラダーによる配置」「人事考課」「専門・認定看護師」「専門外来」「外来機能分離」であった。これらの外来看護環境に関連した項目を導入している施設は、していない施設の外来看護師より「看護経験の質」尺度得点は高く、外来看護の質を保つ上で導入の必要性が示唆された。
著者
内田 学 平田 博紀 堀井 希依子 Manabu Uchida Hirata Hiroki Horii Kieko
巻号頁・発行日
vol.11, pp.93-106, 2013-03-31

現在、家電量販業界では、熾烈な戦いが繰り広げられている。本稿ではその中でマーケットリーダーのヤマダ電機と人材教育に定評があるヨドバシカメラを採りあげる。ヤマダ電機とヨドバシカメラの戦略はマイケル・E・ポーターの3 つの基本戦略に照らし合せると、現在のところ、それぞれコストリーダーシップ戦略、差別化戦略を採って成功している。本論文では、両社のそれぞれの戦略について詳述し、さらに今後の激変する環境の中で両社が採っている戦略をどのような変化させていくのかを検討する。
著者
斎藤 忠志
出版者
愛知学院大学
雑誌
愛知学院大学論叢. 商学研究 (ISSN:02858932)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.11-61, 2004-09-30

家電流通機構は未整備であったが, 戦後, 大量生産体制を確立した家電メーカーは卸売段階, 小売段階に対して各種の指導・援助を提供し家電流通経路を整備した。その結果, 卸売段階はメーカーの販売会社となり, 小売段階は各メーカーの系列店と呼ばれるものになった。業界は成長するが製品普及率の高まりとともに, 複数メーカー製品を扱う非系列の家電専門量販店が誕生し, 品揃えと低価格販売により市場シェアを拡大させた。一方で日米構造協議を契機に業界の取引制度改善が要請されて, 流通系列化政策は見直しを迫られる。バブル崩壊後, 新興大型専門店が出現し中小規模の系列店シェアは縮小し, メーカーは消費者重視の視点から流通業者との間で新しい取引関係の構築が求められる時代になっている。
著者
近畿大学中央図書館
雑誌
図書館だより = Tosyokan Dayori
巻号頁・発行日
no.155, pp.1-4, 2017-12-13
著者
木村 琢磨 伊藤 澄信
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.138-143, 2001-03-20 (Released:2011-10-07)
参考文献数
21

近年, 総合診療部門の臨床教育における役割は増大している. 初期研修では将来の専門領域が何であっても, すべての臨床医に求められる基本的臨床能力の教育が求められている. common problemsやcommon diseasesの問題解決能力の修得には外来研修が有用で, 当科ローテート中の研修医には指導医のチェックのもとで入門的な初診外来研修が実施されている. また, 当科では一般臨床医, 臨床研修指導医の養成を目標とした後期研修も行われている. 研修の場として外来を重視し, commonにみられる内科系疾患についての二次レベルから安定期フォローアップまでの診療能力の修得を目標にした初診外来, 継続外来, 救急外来での研修に加え, 内科系以外の一次レベルの診療能力の修得を目標にした内科系以外の専門外来における研修も行っている. また当科では52床の病棟を有し, 侵襲的な検査・治療を必要としない頻度の高い内科系疾患の病棟研修もなされている.

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出版者
巻号頁・発行日
vol.[14],
著者
社本 英二
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.457-460, 2014-05-05 (Released:2014-05-05)
参考文献数
7
被引用文献数
2 5