著者
松井 明
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.175-182, 2008 (Released:2009-03-13)
参考文献数
7
被引用文献数
1 3

本研究は,新潟県岩船郡関川村に位置する大石ダムを有する大石川において,1994年4~12月にダムの下流河川および上流河川における底生動物群集を調査し,ダムが下流河川に生息する底生動物群集に及ぼす影響およびその要因を検討した.その結果,以下のことが明らかになった.1.ダム上流の底生動物群集の現存量は,カゲロウ目およびカワゲラ目が優占したのに対し,ダム下流ではトビケラ目が優占し,特に造網型トビケラ類のヒゲナガカワトビケラおよびチャバネヒゲナガカワトビケラの現存量が大きかった.2.ダム下流地点では,造網型のヒゲナガカワトビケラ,チャバネヒゲナガカワトビケラ,シマトビケラ科のいずれもが,上流地点と比較して生息密度が大きかった.3.ダム放流水口直下の地点では,夏季に河川水中の浮遊態有機物濃度の増加が観察され,これはダム湖からの植物プランクトンの流下によるものと推察された.また,この地点では夏季にヒゲナガカワトビケラ属若齢幼虫の顕著な増加が確認された.4.ダム湖から供給される植物プランクトンは,ダム下流域のヒゲナガカワトビケラ属の個体群に正の影響をもたらしている可能性がある.
著者
尾内 一信
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.290-294, 2016 (Released:2017-03-23)
参考文献数
4

近年耐性菌が増加しているが,抗菌薬の開発は進まず世界的に深刻な問題となっている。日本政府は,WHOの要請を受けて薬剤耐性対策アクションプランを閣議決定した。2020年までに抗菌薬の使用を1/3削減する目標を立てている。今後更なる抗菌薬の適性使用が求められる。小児感染症に対する適切な抗菌薬の使用は,適切な病型診断と原因微生物の推定,原因細菌の薬剤感受性動向の把握,薬物動態(PK)と薬力学(PD)の理解,抗菌薬のミキシング,標準的な治療期間を遵守,耐性菌リスクを考慮し不必要な抗菌薬を投与しないなど基本的な事項であるが,数多くて複雑である。小児感染症専門医でもアップデートはなかなか困難である。したがって,これらの基本的な事項に配慮して作成されたガイドラインを使って治療することがより現実的であり,最適治療の近道である。ガイドラインに従って,耐性菌を増やさないように意識して抗菌薬の適性使用に心掛けたい。
著者
赤木須 留喜
出版者
日本行政学会
雑誌
年報行政研究 (ISSN:05481570)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.17, pp.345-362, 1983-03-31 (Released:2012-09-24)
著者
Kakitsuba Naoshi Mekjavic Igor B. Katsuura Tetsuo
出版者
日本生理人類学会
雑誌
Journal of physiological anthropology (ISSN:18806791)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.275-281, 2009-11
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

For evaluating the effect of body physique, somatotype, and physical constitution on individual variability in the core interthreshold zone (CIZ), data from 22 healthy young Japanese male subjects were examined. The experiment was carried out in a climatic chamber in which air temperature was maintained at 20-24℃. The subjects' body physique and the maximum work load were measured. Somatotype was predicted from the Heath-Carter Somatotype method. In addition, factors reflecting physical constitution, for example, susceptibility to heat and cold, and quality of sleep were obtained by questionnaire. The subjects wore a water-perfused suit which was perfused with water at a temperature of 25℃ and at a rate of 600cc/min, and exercised on an ergometer at 50% of their maximum work rate for 10-15min until their sweating rate increased. They then remained continuously seated without exercise until shivering increased. Rectal temperature (T_<re>) and skin temperatures at four sites were monitored by thermistors, and sweating rate was measured at the forehead with a sweat rate monitor. Oxygen uptake was monitored with a gas analyzer. The results showed individual variability in the CIZ. According to the reciprocal cross-inhibition (RCI) theory, thermoafferent information from peripheral and core sensors is activated by T_<re>, mean skin temperature (T^^-_<sk>), and their changes. Since T^^-_<sk> was relatively unchanged, the data were selected to eliminate the influence of the core cooling rate on the sensor-to-effector pathway before RCI, and the relationship between the CIZ and the various factors was then analyzed. The results revealed that susceptibility to heat showed a good correlation with the CIZ, indicating that individual awareness of heat may change the CIZ due to thermoregulatory behavior.
著者
Oh Hyunwoo Budianto Teguh Ding Yi Long Zi 宇津呂 武仁
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

本論文では,RTSの一つであるStarCraft IIを題材として,大規模なゲームログ データを対象として,プレー中の戦略を同定するタスクについて研究を行う.特 に,本論文では,RTSゲームの戦略の中でも,検出が容易であると考えられる Rush戦略に焦点を当て,Rush戦略が用いられているゲームのログを選択的に同定 する方式を提案する.

1 0 0 0 OA 宇宙線雪量計

著者
小玉 正弘
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.207-211, 1977-12-30 (Released:2009-09-04)
参考文献数
9

1 0 0 0 OA 宇宙線と気象

著者
和田 雅美 須田 友重
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.21, no.8, pp.563-574, 1966-08-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
70
著者
高橋 文行 水野 忠則 菅澤 喜男
出版者
特定非営利活動法人 日本コンペティティブ・インテリジェンス学会
雑誌
インテリジェンス・マネジメント (ISSN:21866252)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-48, 2010-09-18 (Released:2013-01-31)
参考文献数
19

本論文では,中国国内で収集したCI関連の公開情報及び文献を基に,中国におけるCI研究の現状と展望を概説する。特に中国におけるCI研究に関する公的機関と企業間を横断的に連結した情報交換システム,そして企業向けCIソフトウェア開発と活用の実態を明らかにする。さらに中国のCI研究と展望を描く中で,中国市場に進出を策する,又は既に進出して現地での競争に苦慮する日本企業が,いかにして中国市場に関する競争情報を収集し,堅実な経営成果をあげるかについて具体的問題を提起し,実務的方策を提言する。
著者
横山 草介
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究 (ISSN:21896933)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-8, 2016 (Released:2017-04-21)
参考文献数
7

本稿の目的は,教育実践研究の中にフォークペタゴジーという概念を導入することを提案するものである.フォークペタゴジーとは,広く教育という営みに従事する際に,それに携わる諸個人や集団が有している教育についての考え方や信念を包括する概念である.ある教育実践が個的にも,集団的にも,その担い手の保持するフォークペタゴジーに基づいて為されていると仮定する限りにおいて,当該の実践についての検討はそこに機能しているフォークペタゴジーを考慮する必要性を有する.本稿では以上に要約されるフォークペタゴジーという考え方を理解するための手だてとして,Deweyの『民主主義と教育』における「成長としての教育」という考え方,ならびに『学校と社会』に示された彼の実験室学校(laboratory school)における教育活動に係る議論を例に考察を進める.最後に我々は,特定の集団や諸個人が保持するフォークペタゴジーは彼らが日々の実践のなかで,あるいは日々の実践について語る言葉の内容や様式に反映されることを指摘する.この指摘によってフォークペタゴジーの研究は日常生活の中での人々の様々な「語り」を研究対象として行うことができることを示唆する.諸種の教育活動の背後に根付いているフォークペタゴジーの研究は,教育実践研究を教育の臨場と切り離さずに行うための一つの有効な手だてとなり得るはずである.
著者
岩澤聡
出版者
国立国会図書館
雑誌
再生可能エネルギーをめぐる諸相
巻号頁・発行日
vol.科学技術に関する調査プロジェクト 調査報告書, 2014-03
著者
諏訪教育会 編
出版者
諏訪教育会
巻号頁・発行日
vol.巻33, 1942