著者
依藤 光代 松村 暢彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_363-I_372, 2013

大都市近郊に位置する都市の中心市街地に立地する商店街である生駒駅前商店街において,継続的な活性化の運営の変遷および継承の要因を,担い手個人レベルに着目しながら明らかにすることを目的として,文献およびヒアリング調査を実施した.その結果,特徴的な4つの運営の時代に分けられ,ハード整備事業が中心の行政主導の運営から,ソフト事業に比重が移され,その運営の担い手が,商工会議所主導,商店街役員主導,商店街役員及び多くの個店主導と変遷してきたことが分かった.<br>ハード整備実施後に活性化活動が途切れることなく,ソフト的な活性化活動にスムーズに結びついていくためには,商店主らが共同で定例的に行う取組によるつながり,及び活性化活動の実践の中で商店街役員らの間に形成されるつながりが重要であると考えられる.
著者
アダル ラジャ
出版者
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
雑誌
アジア・アフリカ地域研究 (ISSN:13462466)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.300-307, 2001

<p>This research note explores an innovative methodological approach to the study of Shakib Arslan. Often perceived as a redoubtable anti-colonial activist, Arslan also earned a place in the pantheon of Arab nationalism, and has recently been rediscovered as the central figure of interwar Europe's transnational Islamic movements. This research seeks to integrate these multiple fractionalized images of Arslan within an integrative approach. It begins by placing Arslan within the context of a unified Islamic consciousness unconcerned with national, regional and cultural frontiers. Although this vision of a united Islamic umma permeated Arslan's self-consciousness, the relationship between Arslan's Islamic revivalist thought and his Arab nationalist thought has all too often been understood within the context of the nationalist paradigm. Rather than understanding religion as one element of the nationalist consciousness, this research proposes a three-vectored approach uniting Arab nationalism, the Islamic Revival, and Westernization-modernization within a dynamically integrated system of mutually interactive vectors. This tripartite system both analyzes Arslan's thought along these three axes, and makes each strand of thought dependent on the two others. Depending on time, place, and a multiplicity of factors in Arslan's existence, each intellectual current evolves in dynamic relation with the other intellectual currents, resulting in a unique symbiosis integrating elements of Arab nationalism, Westernization-modernization, and the Islamic revival within a single world view. </p>
著者
秋葉 圭一郎 上妻 幹旺
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.89-93, 2010-02-05

光子は最も速く伝播し堅牢な量子情報のキャリアであるが,光子を止めることができないことから,情報処理を行うにあたって光子の量子メモリが必要となる.我々は量子情報処理において多用されているパラメトリック下方変換光を電磁誘起透明化により冷却原子集団に保存し再生することに成功し,またその際の非古典性の保持を確認した.本稿ではこの実験について紹介する.
著者
沖田 英人 村元 雅之 藤田 恭明 上原 恵子 榊原 香代子 金原 真紀 佐藤 由美子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第60回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.409, 2011 (Released:2012-02-13)

アルブミンとCRPの関係について<BR>知多厚生病院NST<BR>沖田英人・村元雅之・藤田恭明・上原恵子・榊原香代子・金原真紀・佐藤由美子<BR>褥瘡治療の大きな壁は誤嚥性肺炎である。感染症でCRPが増加する際にはアルブミン(以下Alb)も低値を示しやすく、一般には感染により増加したストレス係数の分だけ投与エネルギーを増量する。逆に近年は、AlbとCRPは負の相関にあり、CRPの増加する感染時には宿命的に内因性エネルギーが産生されているため、overfeedingにならないよう外因性エネルギー投与量は控えるべき、との意見がある。そこで我々は、スキンケア委員会(褥瘡委員会)とNSTで半年以上観察した重度褥瘡患者11名を対象にAlb、CRP、投与エネルギー量を検討し相関性を調査した。AlbとCRPの相関関係数はほぼ全例で負となり、うち負の相関が得られたのは1例で、その相関係数は-0.86であった。また投与エネルギー量との相関は、ほぼ全例でAlbよりも希薄であった。<BR>今回の調査では、予想していたほどはAlbとCRPの逆相関は得られなかったが、感染や浸襲時には骨格筋が崩壊して肝はCRPを作るためAlb合成がおろそかとなり、この時外因性にエネルギーを投与しても蛋白異化抑制できず、従って感染の消退までエネルギー量を控える、とする考え方は妥当であると思われた。
著者
垂見 明子 三松 早記 森田 達也 内藤 明美 坂本 康成 奥坂 拓志 清水 千佳子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.301-305, 2016 (Released:2016-01-07)
参考文献数
12
被引用文献数
2

終末期についての話し合いは患者家族のquality of lifeを規定する重要な要因である.本研究はがん治療医を対象とした質問紙調査の自由記述の質的分析から,終末期の話し合いにおける課題に関するがん治療医の意見を収集した.質問紙は864名に送付し490名から回答を得た.自由記述から合計420意味単位を分析対象とした.がん治療医が終末期の話し合いを行う際の問題として(1)患者家族の課題(【患者家族の個別性に対応することの難しさ】【病状理解の難しさ】)(2)医療者に起因する課題(【患者家族・医療者双方への精神的サポートの不足】【医療者間の考え方の相違】など)(3)システムと体制に関する問題(【時間・人的リソースの不足】【教育・研究の不足】など)が抽出された.本研究の知見は,今後緩和ケア医とがん治療医が共同してがん患者との終末期の話し合いを行う際の相互理解に役立つと考えられる.
著者
波多野 義郎 服部 豊示
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.213-219, 1976-02-15
被引用文献数
1

ハンドボールにおける, とびこみ倒れこみシュート, 即ちプロンジョンシュートの身体運動学的特性を摘出し, その指導上のポイントを探ることを目的として, 当該技術の写真分析を行なった. そのため, 熟練者と未熟者, 並びに男子選手と女子選手をそれぞれ対比させて, 身体運動の軌跡を比較検討した. その結果, プロンジョンシュートの指導上のポイントとして, 例えば次のような項目があげられた. 1. 踏切り動作はすばやく行ない, ボールは, ゴールエリア内に敏速に移動する. 2. 踏切りは, 長いシュート距離が得られるような, 強力な蹴りを必要とする. 3. バックスウィングは, ゴールエリア内にとび込んでから, ボールを身体の前を通すようにして行なう. 4. シュートでは, 身体を側方に倒した姿勢が有利である.
著者
金 炫
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林
雑誌
東京大学農学部演習林報告 (ISSN:03716007)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.1-69, 1999

本研究は5章から構成されている。第I章では,本研究の背景,目的,対象地について述べ,さらに研究の進め方の立脚点を明確にして,温泉地研究の中での本研究の位置づけを行った。本研究の目的は,(1)韓国の温泉地開発の現状を把握するとともに,法制度を中心とした韓日両国の相違点の分析を通して韓国における温泉地開発の特徴を明らかにし,韓国での温泉地開発の今後の課題を考察する。(2)韓日の温泉地における街路空間と街路景観の実態を明らかにし,現状の温泉地景観の特徴を把握する。(3)韓日両国の温泉地の景観評価構造と両国の差異を明らかにし,韓国における今後の温泉リゾート地の景観のあり方に関して考察することの3点である。研究の対象地としては,韓国において,宿泊施設やレクリエーション施設などの集積があり,それが資源となって明確な温泉街が形成されている水安堡温泉,白岩温泉,釜谷温泉を選定した。一方日本においては,伝統的な温泉地景観を有する代表格であり,独自に景観条例を制定し,伝統的な町並みの保存に努めている城崎温泉を対象地とした。
著者
中野久夫著
出版者
造形社
巻号頁・発行日
1970