著者
大井 信明 白岩 善博
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.255-264, 2015-04-15 (Released:2015-04-28)
参考文献数
20

微細藻類を用いたバイオ燃料創出のための技術開発が精力的に行われている。その実現のためには,オイル含有量の高い新規微細藻類株の自然界からの単離,培養条件の最適化によるオイル生成速度と蓄積量の増大,遺伝子工学や代謝工学による有用燃料脂質の合成能の向上や代謝改変技術の確立等を実現する必要がある。そのためには,微細藻類の有用脂質代謝経路に関する基礎情報が不可欠となるが,その詳細な解析技術は不十分である。そこで,イオントラップ型質量分析計を導入して,微細藻類のための脂質メタボロミクス手法の開発を試みた。その結果,海洋優占種の1種であるハプト藻Emiliania huxleyiを用いて,油溶性画分から10脂質種600以上の脂質分子種を同定する解析系の確立に成功した。
著者
笠井 俊信 永野 和男 溝口 理一郎
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.570-584, 2015-05-01 (Released:2015-05-01)
参考文献数
22

In order to facilitate learners' knowledge refinement process, it is effective to let them externalize their knowledge. However, in a domain of the instructional design in which existence of knowledge and its necessity are not sufficiently articulated or recognized, it is not easy for teachers who are also learners of how to externalize their knowledge. In this study, we have built a system called ``FIMA-Light'' which uncovers knowledge that teachers must have applied in their lesson plans from global to local viewpoints instead of them. FIMA-Light makes use of the OMNIBUS ontology which describes various instructional knowledge for attaining educational goals extracted from instructional/ learning theories. And, FIMA-Light automatically generates what we call I_L event decomposition trees by interpreting a given lesson plan based on the OMNIBUS ontology. Then, FIMA-Light facilitates teachers' deep reflection and helps them to refine their lesson plans by providing them with decomposition trees. We report some results of an experiment carried out for evaluation of the quality and the effectiveness of I_L event decomposition trees.
著者
三家 登喜夫
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.293-300, 2015 (Released:2015-05-01)
参考文献数
13

糖尿病とは、「インスリン作用不足により持続的な高血糖をきたした状態」であり、放置すると様々な慢性合併症を引き起こす疾患である。この患者数はいまだ増加の一途をたどっており、大きな社会問題となっている。したがって、健康診断などにより積極的に糖尿病を診断することの意義は大きい。本稿では、糖尿病の臨床診断に関して以下のように日本糖尿病学会の考え方を中心に述べた。 糖尿病を診断するためには「持続する高血糖」の存在を明らかにすることである。そのための重要な検査として血糖値(①空腹時血糖値:126mg/dL以上、②随時血糖値:200mg/dL以上、③75gOGTTにおける血糖2時間値:200mg/dL以上)とHbA1c値(6.5%以上)がある。上記の血糖値のいずれかあるいはHbA1c値が判定基準を満たした場合「糖尿病型」とし、初回検査に加えて別の日に行った検査で、糖尿病型が再確認できれば「糖尿病」と診断できる。ただし、2回の検査のいずれかに血糖値による検査が含まれていることが必須である。ただし、血糖値とHbA1cとを同時測定し、いずれもが糖尿病型であれば、1回の検査のみで「糖尿病」と診断できる。また、血糖値が「糖尿病型」を示し、かつ糖尿病の典型的な臨床症状認められるかあるいは確実な糖尿病網膜症が存在すれば、1回の検査だけでも「糖尿病」と診断できる。

1 0 0 0 OA 新編閨閤伝

著者
中山幽夢 著
出版者
叢書閣
巻号頁・発行日
1885
著者
吉本 暁文 新保 仁 原 一夫 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-6, 2015-05-18

一般的に依存構造解析のアルゴリズムでは,句構造を扱わないために並列構造を考慮することが難しい.そこで,依存構造解析のための Eisner アルゴリズムを,並列構造解析ができるように拡張した.その規則の導出木は,既存の依存構造のアノテーションから導出することができる.
著者
四方田 犬彦
出版者
潮出版社
雑誌
巻号頁・発行日
no.676, pp.288-295, 2015-06
著者
橋本 雄太
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.11, pp.1-4, 2015-05-09

ここ数年の急激な普及によって,スマートフォンやタブレットなどの高機能モバイルデバイスは多くの人間にとって 「もっとも身近なコンピューター」 となった.これに伴って,デジタルアーカイブで公開されている歴史資料を,スマートフォンやタブレット上で閲覧するための環境を求める声が強くなっている.一方で,現在稼働しているデジタルアーカイブの大多数はデスクトップ PC 上での利用を想定して設計されており,そこで公開されている資料をモバイルデバイス上で快適に閲覧する上では様々な技術的障壁が存在する.筆者は,国立国会図書館の運営する 『近代デジタルライブラリー』 の閲覧用モバイル・アプリケーション 『近デジリーダー』 を開発・公開しており,こうした技術的問題の解決に取り組んできた.本稿では,『近デジリーダー』 の主要機能と使用技術を紹介するとともに,モバイルデバイス上で歴史資料画像を閲覧する環境を構築するために筆者が利用した諸技術について解説する.
著者
髙野 哲也 タカノ テツヤ TAKANO Tetsuya
出版者
鹿児島大学
雑誌
地域政策科学研究 (ISSN:13490699)
巻号頁・発行日
no.12, pp.133-158, 2015-03

The purpose of this paper is to suggest a realistic policy to sustain non-city rural communities through a case study of the rural districts in Satsumasendai, Kagoshima Prefecture. Contrary to common belief that not only relatively small-scale countries such as Japan but also small rural communities are out of reach of the center system theory, the novelty of this case study illustrates there is a possibility to deal with centricity in smallscale communities. This point leads us to evolve a center system theory to be able to redefine small community business through the argument about evenly placed small business activities, which are an underlying foundation of the theory. Small community businesses in this case study make the most of regional resources, and play a significant role in maintaining local population to a certain degree. This case study focuses on four rural towns in the eastern part of the municipality of Satsumasendai, namely Hiwaki, Iriki, Kedoin and Tōgō. These towns were chosen because: 1) we can extract specific location regulations or patterns of small-scale business activities, and 2) we can examine the sustainability of depopulating areas from the viewpoint of private goods or services. Usually, it is not easy to foresee the continuation of autonomous management bodies if they do not meet certain economic geography conditions.本論文の目的は,人口減少が進む非都市域のコミュニティを消滅させない現実的な方策を探求することである。そのため,過疎地域のモデル例として薩摩川内市の郡部を選び,経済活動の指標として小規模な経済経営の立地にどのような規則性があるか吟味し,人口減少が進む地域における民間財・サービス面から地域の存立可能性を明らかにする。経済地理学から見た一定の要件を満たさなければ,通常,自立的な経営体の存続見通しは立たない。分析の対象を生活に必需的でかつ移出性のない財サービス提供の経済経営体として,本土過疎市域において,それぞれの町に包含される等間隔分布性の検証という切り口を採用する。分析基軸として用いる概念は,経済距離の供給原理にもとづいた中心地システム論である。本稿では中心性が対象フィールドに存在すると想定し,中心地システム論の基礎にある等間隔分布性でコミュニティビジネスを再定義することを企図する。どうにか人々がそこに定住することを支えているのは小さな経済経営で,それが無くなれば定住の要件を失うことになろう。薩摩川内市東部の樋脇,入来,東郷,祁答院は,モデルとしては過疎地域と位置づけられる。平成の大合併から4町が統合され,甑島を含むと県内最大の行政面積を有する鹿児島県の北西部にある薩摩川内市の周辺地域は,旧役場が支所となり政策及び経済機能が縮小する。日本の地方を見渡せば,人口が下降局面に入る中,特に,非都市地域において過疎化,少子化の進行は顕著であるばかりか,機能の維持存続すら危ぶまれている。過疎化する地域社会において,条件次第で成立するビジネスが存在するかもしれない。本稿は,地域社会の問題に地域資源を活かしながらビジネス手法で解消させるために地域から必要とされて,地域によって支えられている経営をコミュニティビジネスと定義する。経営体の等間隔分布性に依拠して,地域における人々の生活を考察し,人口減少が進む地域における民間財・サービス面からの存立可能性を探る。
著者
竹川 佳成 松村 耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.472-477, 2015-04-15

本記事では,デモ・ポスター発表開始直前に実施されるティザーセッション(学会参加者がデモ・ポスターセッションで発表される研究を一覧することを目的とし,発表者が1分間程度で自身の研究の概要を説明するセッション)を生中継するための「ウェアラブル実況中継システム」を紹介します.生中継を導入することで,デモ・ポスター発表者は実機やポスターを利用しながら自身の研究概要を参加者に説明できます.提案システムには,機動性や安定性などを配慮して,少ないスタッフでありながらも高品質なコンテンツを提供できる機能をもたせました.インタラクション系の査読付国内会議WISS2014にて提案システムを実運用した結果をもとに,提案システムの有用性や今後の展望について解説します.
著者
竹川 佳成 松村 耕平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.472-477, 2015-04-15

本記事では,デモ・ポスター発表開始直前に実施されるティザーセッション(学会参加者がデモ・ポスターセッションで発表される研究を一覧することを目的とし,発表者が1分間程度で自身の研究の概要を説明するセッション)を生中継するための「ウェアラブル実況中継システム」を紹介します.生中継を導入することで,デモ・ポスター発表者は実機やポスターを利用しながら自身の研究概要を参加者に説明できます.提案システムには,機動性や安定性などを配慮して,少ないスタッフでありながらも高品質なコンテンツを提供できる機能をもたせました.インタラクション系の査読付国内会議WISS2014にて提案システムを実運用した結果をもとに,提案システムの有用性や今後の展望について解説します.
著者
大島 千佳 安田 清
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.567-569, 2015-06

認知症者は日常生活で行うべきことを忘れがちである.これまで,ICT 機器を使って,記憶障害を支援する方法が提案されてきた.しかし認知症者は,設定や操作が面倒であり,持ち運ぶことも忘れがちである.さらに機器類の無機質感から,一方的な指示に従うことに抵抗がある.そこで,癒しにもなっている飼い犬に簡単なトレーニングを行うことで,必要なときに認知症者に機器を届けたり,気分を変えたり,必要な情報を遠隔にいる介護者に届けたりできる「認知症支援犬」を提案した.本稿では,アラームが鳴ると,スマートフォンを担いだ犬が,飼い主のもとに駆けつける実験や,今後の展開について解説する.
著者
新井 大地 鳥居 秋彦 奥富 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-5, 2015-05-11

本研究では,SfM (Structure from Motion) を用いた建物の 3 次元復元結果と地図データの位置合わせを行う手法を提案する.はじめに,3 次元復元結果を重力方向へ投影し,点群の位置と,カメラと点群を結ぶ視線情報を用いて建物の境界らしさを表す画像を作成する.次に,地図データから建物の境界を表す画像を生成する.そして,建物の境界を表す 2 つの画像から目的関数を定義し,勾配法を用いて最適化することにより位置合わせを行う.実際に SfM から得られる 3 次元復元結果を用い,建物の初期位置を与えることで,十分な精度で位置推定が可能であることを示す.