著者
松尾 智英 白藤 梨可
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

魚類以外の脊椎動物に寄生し、大量吸血と共に幅広い病原微生物の媒介能を有するマダニ類が類い希な飢餓耐性を持つことから、その飢餓耐性を裏付ける能力としてオートファジーに着目して研究を行った。その結果、いくつかのオートファジー関連遺伝子がフタトゲチマダニを用いて同定され、それらは未吸血期および脱皮を行う変態期に発現していたことから、マダニ類の飢餓耐性に重要な役割を持つことが示された。
著者
橋本 剛
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.94-102, 2000-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
29
被引用文献数
4 4

教育場面においても対人関係の否定的側面が精神的健康に及ぼす影響は重大な問題であると考えられる。本研究では (1) 社会的スキルと対人ストレスイベント (ストレッサーとなり得る対人関係上の出来事) の関連,(2) 対人方略 (他者との関わり方/スタイル) と対人ストレスイベントの関連,(3) 対人方略と社会的スキルの関連, を検討することを目的とした。分析対象は大学生計200名 (男性105名, 女性95名, 平均年齢19.38歳) であった。分析の結果, 社会的スキルは対人劣等とは負の関連を持つという仮説は支持されたが, 対人摩耗とは正の相関を示すという仮説は必ずしも支持されなかった。また, 社会的スキルの対人ストレス緩衝効果は示されず, 部分的に直接効果が示された。対人方略と対人ストレスイベントの関連については, 内省傾向が否定的影響力をもつことが確認された。対人方略と社会的スキルの関連については, 対人関係の深化を回避する傾向が社会的スキルと負の関連を持つことが確認された。最後にこれらの知見を受けて, 今後の課題などが議論された。
著者
隅越 かつ子 上坊 敏子 新井 努 川口 美和 渡辺 純 蔵本 博行
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.521-526, 2000-11-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

背景: 子宮頸部乳頭状扁平上皮癌は, 組織学的にまれな乳頭状構造を示す扁平上皮癌であり, 生検で浸潤病変を診断することは困難なことが多いとされている.症例: 61歳, 2経妊1経産.肉眼的に子宮頸部に乳頭状に隆起した腫瘍を認め, 浸潤癌を疑う所見であった.細胞所見としては (1) 著明な腫瘍壊死性背景の中に孤立性または大小の集塊を形成して多数の異型細胞が出現していた.(2) 異型細胞は比較的小型であるが多形性に富み核大小不同もみられた.(3) 核は円形-長円形でクロマチンは増量し細顆粒状であった.(4) 核小体は余り目立たず, 小型なものが1, 2個みられる程度であった.(5) 細胞質は厚く, ライトグリーン好染性であった.(6) 一部のクラスターでは乳頭状構造が目立ち, 血管を含む間質の介在を認めた.生検組織所見では浸潤所見は明らかではなかったが, 手術標本では, 腫瘍組織は著明な乳頭状増殖を示し, 血管の増生を伴う間質組織を覆うように腫瘍細胞が認められた.また深部では非角化型扁平上皮癌が間質へ浸潤していた.結論: 細胞診では明らかな浸潤癌の所見であったが組織診では浸潤が確認できなかったことから, 本疾患における浸潤の診断においては細胞所見が有用である
著者
真野 佳典 豊泉 長 藤井 和之 菊池 義公 永田 一郎 堂本 英治 寺畑 信太郎 玉井 誠一
出版者
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.239-243, 1999-05-22 (Released:2011-11-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

子宮頸部扁平上皮癌のまれな一亜型である子宮頸部乳頭状扁平上皮癌の1例を経験したので, その細胞学的特徴を, ヒト乳頭腫ウイルス (HPV) の検索結果を含め報告する. 症例は36歳女性. 肉眼的には, 子宮頸部からカリフラワー状に外向性発育を示す, 易出血性な腫瘍がみられ, 強く悪性が疑われた. しかしながら細胞学的には, 高度異型成から上皮内癌程度の細胞所見で, 浸潤癌を示唆する細胞所見は得られなかった.摘出標本による組織学的検討では, 狭細な血管線維性間質を伴い, 乳頭状に外向性発育を示すとともに, 一部に間質浸潤がみられ, 乳頭状扁平上皮癌 (FIGO Stage Ib 2) と診断された. またPCR法によりHPVの検索を行ったところHPV 16型 (High-risk type) が検出された. 同症例では細胞診および生検で, 浸潤癌の術前診断が困難な例が多く, 上皮内癌とunderdiagnosisされる可能性が想定される. しかしながら肉眼像およびコルポスコピー所見で, 子宮頸部乳頭状扁平上皮癌を鑑別にあげることができれば, 細胞診における豊富な腫瘍細胞量, 細胞集塊, 個々の細胞異型などの所見と生検を併用することで, 術前に確診に至ることも可能と思われる.
著者
伊藤 昭
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 = Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.77-87, 1999-03-01
被引用文献数
6

Recently, mindreading ability is the topic of intensive investigations, fired by the “Theory of Mind” research by Premack & Woodruff. Few researchers, however, tried to define “mindreading” algorithmically. We mindread other people everyday, and think we know what mindreading really is—e.g. to reproduce in ourselves the “thought” existing in other's mind. Unfortunately, this definition cannot be applied for machine systems. Even for human beings or animals we cannot examine the thought in other's mind directly, and there is no method to verify the coincidence. We propose a definition of “mindreading” independent of the inner representation (thought) of mindreaders and mindreads. Next, Multi-player Prisoner's Dilemma Game (MPD) is proposed as a task where mindreading is expected to be effective for the survival of the players. Computer simulation shows “(by our definition) mindreading programs” are actually acquired through evolution in the MPD society. Lastly the validity of our definition of mindreading, the implication of our definition, and condition for the emergence of mindreading are discussed.
著者
大山 健
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.292-292, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
2
被引用文献数
2 2
著者
米盛 重保
出版者
琉球大学農学部
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
no.31, pp.p201-205, 1984-12
被引用文献数
1

(1)pHが8.15∿9.2の強アルカリ性の沖縄の海砂を培地に使用して過去4年に亘りトマトの砂栽培を試みた。(2)肥料はOKF-1の500倍液(PH6∿7,EC2.1)を5l/m^2で, 週2∿3回施用した。(3)栽培ベットは第1図の通り舟底型の隔離ベットで底部に砂利を敷きその上に15∿20cm厚の砂を敷き詰め栽培床とした。(4)排水が良くなり湿害は皆無でアルカリ障害や微量要素欠乏症の発生が全く認められなかった。(5)茎・葉の生育や果実の着果肥大は順調に行なわれ各果房の平均着果数は4.6個, 平均果重は237gで尻ぐされ病等の発生は全く認められなかった。(6)強アルカリ性の海砂でのトマト栽培が可能となり, 土耕に比較して湿害, 塩類集積, 連作障害が解消され, また養液栽培に比較して培養液調節, 培養液温度調節, 酸素補給が不要である。したがって本栽培法は土耕栽培法および養液栽培法の問題点を補う新しい栽培法と言えよう。(7)本栽培は土壌が不要であるため劣悪土壌地帯や市街地のベランダや屋上での栽培, 施設園芸の新しい培地として有望である。
著者
保木邦仁
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL)
巻号頁・発行日
vol.2012-AL-139, no.5, pp.1, 2012-03-07

将棋は西洋のチェスと同じルーツを持つゲームと考えられている。そのため、将棋とチェスのルールには類似点が多い。その一方で、持ち駒ルールのように異なった性質もある。このようなルール上の違いは、人工知能及びアルゴリズム設計の難易度に大きな影響を与えた。実際、IBM ディープ・ブルーが 1997 年にチェスの世界チャンピオンを破った時でも、当時のコンピュータ将棋の棋力は通常のアマチュアプレイヤー以下であった。コンピュータ将棋が人間トップに迫るほどの棋力を獲得したのはごく最近である。2010 年はあから 2010 が清水市代女流王将に勝利し、2011 年には Ponanza が著名なインターネット対局場 (将棋倶楽部 24) の短時間対局で最高レーティングを獲得、また 2012 年にはボンクラーズが米長邦雄永世棋聖に勝利した。本公演では、最近のコンピュータ将棋の動向に加えて、強いプログラムの一つである Bonanza の思考の仕組みを紹介する。高精度評価関数の最適化や、力ずく探索の枝刈り手法について、将棋とチェスの違いを示す。
著者
中川聖也 孟林 山崎勝弘
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.603-604, 2014-03-11

近年、コンピュータ将棋はすさまじい成長を遂げ、遂にプロ棋士と互角に勝負をするまでになった。しかし初心者からみれば、強くなるにはどのような勉強をすればいいか分からず、コンピュータは強くなりすぎて練習相手に使えないということが起こってしまいがちである。近い将来、コンピュータ将棋の役割は人間と戦うことから、いかにして人間が成長することを手助けする方法を考えることが求められる時代になると考えられる。本論文では、初心者から上級者まで幅広い人に、棋力に基づいて手筋を学んでもらうためのシステムを設計し、試作する。

1 0 0 0 OA 最新科学図鑑

出版者
アルス
巻号頁・発行日
vol.6, 1932
著者
東 達軌 武田 正之
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, pp.30-30, 2010-12-10

近年では,計算の対象としてあげられる問題は多様化しており,様々な問題領域の構文や意味論を任意に設定可能であるようなプログラミング環境が望まれている.本研究では,そのような汎用のメタプログラミング環境の構築を目的としている.本発表ではそのような環境で用いる計算モデルの1つとして,リフレクティブなグラフ書換え言語REGRELを提案する.REGRELは頂点と接続の両方にラベルを持つ有向グラフを書換え対象とするグラフ書換え系である.プログラムの構造やその値をグラフで表現し,計算の意味を書換え規則で表現する.書換え規則自体もまたグラフで表現されているため,高階書換えを行うことが可能である.そして,高階書換えによってリフレクションを表現することができる.REGRELの動作は並行動作,非決定性動作を基本としている.逐次動作,決定性動作はその特別な場合として扱う.また,分類と呼ばれる機構を持ち,書換え規則の適用範囲を制限することができる.本発表ではREGRELの定義を示し,その応用としてアクターモデルなどいくつかの計算モデルの表現方法を示す.また,評価戦略の決定や計算順序の制御など基本的な言語機能の表現を,REGRELの基本機能によって表現できることを示す.最後に,他のグラフ書換え系との比較について論じる.Domains for computational application become diverse and programming environment that can use various syntax and semantics for such domains is required. We propose reflective graph rewriting language REGREL to implement such multipurpose meta programming environment. REGREL is graph rewriting system, which rewrite digraphs that have labeled nodes and arcs. Program structures and values are represented by graph, and semantics is represented by rewriting rules. Rewriting rules are also expressed by graphs. Thus, higher-order rewriting rules are able to realize reflection. The REGREL's behaviors are based on concurrent and nondeterministic operations, and sequential/deterministic behaviors are special cases for them. And, REGREL has a classification mechanism, which limit the scope of rules. In this presentation, we show definitions of REGREL at first, and describe to express other computational models such as the actor model by REGREL. It is shown that REGREL can controll computational sequences and customize the evaluation strategies using basic functions. At last, we discuss comparisons between REGREL and other graph rewriting systems.
著者
箕作佳吉 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
1900

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1909年09月18日, 1909-09-18

1 0 0 0 OA 通俗動物新論

著者
箕作佳吉 著
出版者
敬業社
巻号頁・発行日
1895
著者
箕作佳吉 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
1901
著者
箕作佳吉 著
出版者
開成館
巻号頁・発行日
1902