著者
辻本 雄次
出版者
Osaka Urban Living and Health Association
雑誌
生活衛生 (ISSN:05824176)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.211-225, 2009-10-30 (Released:2009-11-10)
参考文献数
48

In 2006, the Japanese Government announced that benzene might form in beverages to which had been added both benzoic acid (preservative) and L-ascorbic acid (antioxidant, fortifier). While the mechanism of benzene formation is not well understood, reactive oxygen species (ROS) are considered to participate. ROS are known to induce food deterioration such as lipid peroxidation and controlling their formation is a challenge for the food industry. The present review focuses on transition metal-assisted ROS formation and mitigation thereof in beverages and beverage model systems.Hydrogen peroxide has been detected in some beverage preparations and products, such as green tea, black tea, and coffee. Its formation is ascribed to prooxidant action by tea constituents (catechins) or added L-ascorbic acid. The prooxidation of these antioxidants is considered to involve transition metal catalysis.Transition metals such as iron and copper play an important role in ROS formation. In iron, oxidation of ferrous iron to a ferric state is probably the initiation step and produces superoxide. Many investigations on non-heme iron indicate that the oxidation is dependent on the sterically bulky character of the chelator (ligand) as well as the thermodynamic stability of the ferric chelate. This is typically exemplified by the chelators of EDTA and DTPA. The importance of the steric factor is also stressed in the oxidation of heme iron and in the reduction of ferric iron using superoxide to hydroxyl radical via the Harber-Weiss reaction. The discussions in the present review may be helpful for the development of new iron fortifiers for beverages that generate less ROS.
著者
内田 育恵
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.155-162, 2021-04-28 (Released:2021-05-19)
参考文献数
25

要旨: 脳内に病的な変化を有していても, 臨床的に認知症を発症せずに機能を保つ能力として, 認知予備能 (cognitive reserve), 脳予備能 (brain reserve), 脳の維持 (brain maintenance) などの概念がある。脳の衰えへの耐性を想定する予備能仮説で, 予備能の代理尺度として用いられる指標には, 比較的測定が容易な脳容積や頭囲, 脳重量という形態学的パラメーター, 教育 (教育年数や教育の質), 職業内容の複雑さ, IQ や識字率, 精神的活動, 社会的活動, 身体的活動などがある。難聴があると, 脳容積萎縮速度, より高度な学業達成率, 就労の継続, 社会交流などの側面で不利であることを示す多種の研究報告がある。認知症発症を遅らせる可能性のある予備能の強化にとって, 難聴や, 難聴が関与する事象が妨げとなるとすれば, 難聴対策はこれまで以上に重要になると考える。

38 0 0 0 OA 〔江戸切絵図〕

著者
景山致恭,戸松昌訓,井山能知//編
出版者
尾張屋清七
巻号頁・発行日
vol.御江戸大名小路絵図, 1849

38 0 0 0 OA 機械翻訳

著者
和田 弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, 1962-05-15
著者
山内 健生
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.113-119, 2016-08-01 (Released:2016-10-20)
参考文献数
66
著者
今関 美喜子 片岡 弥恵子 櫻井 綾香
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.22-34, 2015 (Released:2015-08-29)
参考文献数
19

目 的 女性に対する暴力スクリーニング尺度(VAWS)は,日本で作成されたDVのスクリーニングツールである。より正確で臨床適用性の高いツールを開発するため,本研究は,妊娠期にDVスクリーニングで用いたVAWSの項目について産褥期にインタビュを行い,質問項目への回答と想起された状況を明らかにすることを目的とした。対象と方法 7項目で構成される原版VAWSに,精神的暴力に関する5項目を加え12項目の改訂版VAWS(案)を作成した。研究参加者は,妊娠期にDVスクリーニングを行った褥婦43名であった。産褥入院中に,改訂版VAWS(案)の質問項目から想起された女性とパートナーの状況等について半構成的インタビュを行った。分析は,内容分析の方法を用いた。本研究は,聖路加看護大学研究倫理審査委員会の承諾を得て実施した。結 果 改訂版VAWS(案)の項目のうち,精神的暴力を問う項目は多様な認識が認められた。「もめごとが起こったとき,話し合いで解決するのは難しいか」という質問項目に関しては2カテゴリ【言い争いになる】【話し合いができない】が抽出され,「話し合い」には,一方的とお互いにという両方の文脈で語られていた。「大きな声で怒鳴ったりすることはあるか」「パートナーとの関係性の中で安心が得られているか」「彼にコントロールされていると感じるか」「あなたの気持ちを無視するか」の精神的暴力を示した項目については,3つ以上のカテゴリが抽出され,開発者の意図とは異なる認識が含まれた。さらにこれらの項目には【選択肢を間違えた】【判断に悩んだ】が含まれているものがあった。一方,精神的暴力を示す「パートナーのやることや言うことを怖いと感じるか」は複数のカテゴリが抽出されたが怖いと感じた状況が語られた点で類似しており,「壁をたたいたり,物を投げたりすることはあるか」および身体的暴力と性的暴力を示す項目は,1つのカテゴリのみ抽出された。結 論 精神的暴力を示す質問項目については,研究参加者によって様々な認識があることがわかった。今後本研究結果に加えて,量的データから正確度を検討し,より臨床適用性の高いDVスクリーニングツールに改訂する必要がある。
著者
勝部 伸夫
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第86集 株式会社の本質を問う-21世紀の企業像 (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.14-21, 2016 (Released:2017-03-23)

株式会社は資本集中という機能をフルに発揮して巨大化し,今や社会に不可欠な制度となった。では専門経営者に率いられた巨大株式会社は誰のために,どのように動かされるのか。また大企業はどのようにチェックされるのか。これはコーポレート・ガバナンスの問題であるが,それは実際には,経営者資本主義から株主資本主義への転換を推進するものとして登場した。すなわち資本主義の危機が進行する中,グローバリゼーションの進展と新自由主義思想の台頭を背景として,株主利益の最優先が声高に叫ばれ,国もそれを法制度改革等の面からサポートする流れが加速した。しかし,会社は株主のものだ,と言って済ますことはできない。株主の責任,株式会社の責任が問われる事態が進行しており,改めて株式会社とは何であり,その本質はどこにあるかを根本から問い直す必要が出てきていると言えよう。
著者
陸軍兵器学校 編著
出版者
軍事工業新聞出版局
巻号頁・発行日
vol.第14巻 (発動機 其ノ2), 1944
著者
ラッセル ジョン・G RUSSELL John G.
出版者
中部哲学会
雑誌
中部哲学会年報 (ISSN:13439138)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.83-98, 2019-07-20

シンポジウム「『平等』の限界と可能性 : グローバル社会における差別の問題を踏まえて」=「The Limits and Possibilities of "Equality" : From the Perspective of Discrimination Problem in Global Society」
著者
黒河 昌起 山本 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.412, pp.5-7, 2014-01-27

超音波が微生物の破壊に用いられることはよく知られているが,その機構は未解明な点が多い.本研究では,微細生物であるChaetoceros calcitrans, Chaetoceros gracilis及びNannochloropsis sp.の懸濁液に,周波数が20kHz,400kHz,1.0MHz,2.2MHz,3.3MHz及び4.3MHzの超音波を照射することにより,破壊効率が周波数に依存することが分かった.Chaetoceros calcitrans, Chaetoceros gracilis及びNannochloropsis sp.の超音波処理で,最も高効率を示した周波数はそれぞれ3.3MHz,2.2MHz及び4.3MHzであった.微生物破壊の周波数依存性は,微生物細胞と超音波によるキャビテーション気泡の物理的な相互作用に起因すると考える.
著者
小保方 晴子
出版者
早稲田大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

再生医療研究において、作製された医療材料の生態親和性を評価することは極めて重要な実験項目である。ヒト細胞を用いた研究においては免疫拒絶反応を回避するため、ヌードマウスを用いた移植実験が多く行われてきた。ヌードマウスにヒト細胞で作成された組織を移植すると、組織再生が促され、比較的長期に生体内で維持されることが多く報告されている。ヒト細胞のヌードマウスへの移植系はヒトへの自家移植系の模擬実験系と認識されている。そのため、ヒト細胞のヌードマウスへの移植結果は、ヒト臨床研究に移行する前の重要な参考データとなっている。本研究課題はこのような組織工学・再生医療研究の歴史を踏まえ、皮下移植後のヒト組織再生を促進させる因子の探索と、ヒト臨床研究に向けて、ヒトへの移植後どのような反応が起こるのかを正確に予測できるような動物実験モデルを構築することを目的として研究を進めている。特別研究員採用期間に行った研究から、再現性の高い皮下移植法を開発し、野生型マウスとヌードマウスの皮下移植後の免疫応答の違いや、汚職組織の組織再生能の違いについての形態学的・遺伝子学的に解析を行い新たな知見を多く見出してきた。また免疫応答をコントロールするため免疫抑制剤で免疫応答を抑制した野生型マウスとヌードマウスの皮下移植後の組織と免疫応答の比較研究も行ってきた。本年度はこれまでの研究成果を論文にまとめ、研究成果から見出された新規の体性幹細胞の研究にも取り組んでいる。