著者
新藤 篤史
雑誌
大正大學研究紀要
巻号頁・発行日
no.108, pp.261-280, 2023-03-15
著者
永崎 研宣 青池 亨 本間 淳
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2022-CH-129, no.13, pp.1-3, 2022-05-14

現在のデジタルアーカイブの多くは,実物をデジタル撮影した画像を掲載している.そのなかでは,現物のサイズを確認できるように定規を画像に写し込んでいるものが多く見られる.これは目視でサイズを想定しながらデジタル化資料を閲覧する際にはきわめて有用である.一方,関連のある複数の画像を対比したり重ねて透過したりすることは,デジタルアーカイブに搭載されたコンテンツの利活用方法として有効であるものの,この場合には,この画像中の定規は,目視でサイズをあわせるべく画像を縮小拡大しながら調整する際の参考情報でしかなかった.そこで,筆者らは,二つの画像に写し込まれたそれぞれの定規を画像認識によって比較し,画像サイズを自動的に調整するモデルを考案し,それに沿った実装を開発した.本発表では,このモデルと実装について報告し,今後の課題を提示する.
著者
尾形 大
出版者
山梨大学教育学部
雑誌
山梨大学教育学部紀要 (ISSN:24330418)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.v1-14, 2023-02-21

一九五〇年に小山書店から刊行されたD・H・ロレンスの長編小説『チャタレイ夫人の恋人』の訳書が、同年六月に刑法第百七十五条「猥褻文書販売罪」の廉で摘発された。翻訳者・伊藤整と小山書店社長の小山久二郎が起訴され、一九五一年五月の第一回公判から一九五七年三月の最高裁判決まで約七年におよぶチャタレイ事件が幕を開けた。突如裁判の当事者になった伊藤は、東京地裁での第一審の内容を小説『裁判』としてまとめた。この『裁判』は、初出稿と初刊本で大きく加筆修正と増補がなされている。これら二つのテクストの間の異同に加えて、伊藤が執筆時に資料として利用した速記録(『「チャタレイ夫人の恋人」に関する公判ノート』)が存在する。これらの比較・分析をとおして、伊藤が「体験」および「記録」をどのように「文学」に作り変えたのか、その方法と意図を考察し、『裁判』の意義を検討した。
著者
ノット ジェフリー
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国文学研究資料館紀要 文学研究篇 = The Bulletin of The National Institure of Japanese Literature (ISSN:24363316)
巻号頁・発行日
no.48, pp.288-354, 2022-03-18

本稿は、早稲田大学図書館の伊地知鉄男文庫に所蔵される宗祇『帚木別注』の一伝本(「伊地知本」)が独自に伝える、大量かつ特徴的な増補注記群を翻刻したものである。 This article presents a transcription of the unique, extensive layer of supplementarycommentary found in the Ijichi Tetsuo Collection MS of Sōgi's Hahakigi betchūhoused at Waseda University.