著者
棚瀬 正和
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.73, no.7, pp.666-670, 1997-07-25
参考文献数
8

Tritium, a developmental fuel for use in fusion reactors, has been produced in fission research reactors in Japan by extraction from neutron-irradiated ^6Li-targets. This paper describes the preliminary design of a large-scale production facility capable of producing 500 g of tritium annually. The present status of tritium production technology in Japan is also discussed.
著者
船越 公威 大沢 夕志 大沢 啓子
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.179-184, 2012 (Released:2013-02-06)
参考文献数
16

これまで沖永良部島においてはオオコウモリの分布記載がなく,また生息についても断片的な情報しか得られておらず,生息の有無を確定することができなかった.しかし,住民への聞き取りおよび記録写真等で2003年3月にオリイオオコウモリPteropus dasymallus inopinatusの生息が判明した.また,2011年6月に本種の成獣雄個体が捕獲された.同年10月と12月,2012年1月に本種が目撃された.加えて,2012年2月における精査で,少なくとも4頭の生息を確認し,この時期の食物としてギョボクCrataeva religiosa,オオバイヌビワFicus septica,モモタマナTerminalia catappaおよびアコウFicus superbaの果実が利用されていた.以上の観察結果等から,オリイオオコウモリは沖永良部島において個体数は極めて少ないものの,1年を通じて他の島への季節的な移動もなく定住しうると考えられた.
著者
船越 公威 大沢 夕志 大沢 啓子
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.29-34, 2006 (Released:2007-06-26)
参考文献数
6
被引用文献数
2

オリイオオコウモリPteropus dasymallus inopinatusについて, 沖縄島周辺島嶼での1994~2005年にわたる直接観察, 食痕・ペリットの有無および聞き取り調査によって, 古宇利島, 伊江島, 水納島, 伊計島, 宮城島, 平安座島, 浜比嘉島, 津堅島および久高島に生息することを確認した. 与論島のオオコウモリに関して, 入手された標本・資料の検討結果からオリイオオコウモリと同定し, 与論島が本亜種の新分布地として追加された. さらに同島では詳細な生態的調査も行い, 2004年9月と2005年2月に少なくとも5頭の生息を確認した. 特に夏~秋季には親子も見られた. 食物としては, 春季にはアコウFicus superbaやモモタマナTerminalia catappaの果実, 夏~秋季にはシマグワMorus australisやフクギGarcinia subellipticaの果実, 冬季にはガジュマルF. microcarpaやアコウの果実が利用されていた. 以上の観察結果からオリイオオコウモリは, 個体数が少ないながらも, 一年を通して与論島に定住し繁殖しているものと考えられる.
著者
坪内 孝司 金山 裕 油田 信一
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.220-230, 1986-06-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

建物内部のような人工的環境では, ロボットの視覚の対象となるシーンはほとんど直線からなると考えられる.本論文では, ロボットの視覚のための, 濃淡画像から線分を抽出する新しいアルゴリズムを提案する.このアルゴリズムでは, 原画像における対象物の直線状の境界線上でその濃度勾配がほぼ等しいことに着目し, まず, 原画像中の画素のうち, 以下の性質をもつ画素を連結し, 小領域を生成する.(1) その画素の濃度勾配の大きさが与えられたしきい値より大きい.(2) その画素の濃度勾配の方向が与えられた範囲内におさまる.(3) 画素同志が互いに隣接しあう.この小領域は原画像上の対象物の境界線上に細長く生成される.このような小領域に最小二乗法を適用して線分をあてはめることにより線分を抽出することができる.本手法の特徴は以下のとおりである.(1) 原画像に対するただ1回の走査ですべての小領域を生成することができるため, 短時間で画像処理をするのに適当である.(2) 得られた小領域に対して線分をあてはめる際に統計的な計算を用いるため局所的な雑音に強い.(3) 生成された小領域の慣性等価だ円のだ円率によって, その小領域の細長さ, すなわち線分らしさが評価できる.本論文では, 提案した手法により画像を処理した実験例も示し, 本手法が有効であることを実証する.
著者
田中 周平
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学看護学部紀要 (ISSN:13430904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.91-99, 2005-03

本論は、救急看護におけるフィンクの危機モデルの活用実態を分析することで、その特徴から臨床応用への留意点を導き出し、危機的な状況にある対象への個別的な看護ケアの在り方の手がかりを得ることを目的とした。フィンクの危機モデルは、中途障害者の危機への適応の過程をモデル化し、治療的介入とマズローの動機づけ理論との関係性を示したものである。このモデルの活用における特徴を明らかにするため、モデルの概要を踏まえ、1994年以降の医学中央雑誌Webのデータベースから抽出した先行研究10件のレビュー分析を行い、検討した。結果としては、このモデルを概念モデルとして活用した事例研究がほとんどであり、研究対象や危機状況・場面などにおいて、本来のモデル通りの活用だけではなく、異なる対象、状況・場面への活用もされている現状であった。さらに、分析過程においても、多くの先行研究でモデル構築の土台となった理論や視点を踏まえていなかった。以上のことから、救急看護におけるフィンクの危機モデルの活用には、対象、状況・場面などに関する構築背景への理解が必要である。これらが軽視されると、臨床現場での活用は機械的なものとなり、その結果、危機状況を十分に考慮した個別的な看護ケア実践が障害される可能性がある。
出版者
赤穂村
巻号頁・発行日
1922
著者
下仲 順子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.303-309, 1980-12-30

本研究は,文章完成テストに投映された老年群と青年の自己認知概念を中心にした心理特徴面を比較することにより,老年期の自己概念の諸特徴を世代差,性差の観点から追求することを目的として行われた。 対象者は,青年群は私立大学生男112,女112,計224名である(年齢範囲18∼25才)。老年群は居宅老人男110,女89,計199名である(年齢範囲69∼71才)。社会経済条件は両群共平均かそれ以上に属している。 結果:家庭イメージでは,両群共約半数の者は肯定的表現をしているが否定的反応では青年群の方が多く,中立的客観的反応では老年群の方が多い。友人イメージにおいて,肯定的反応は青年群女に多い。老年群では肯定反応とほぼ同率で客観的反応がなされておりそれは老人女に多い。体イメージでは,青年女子が健康等の肯定反応が多く,老年群では否定的な表明は老人女性に多い。加齢イメージにおいては性差,世代差は示されなかった。 過去および現在の自己イメージでは青年群に否定的自己記述が多く示された。だが未来の自己イメージでは,老年群は肯定および否定反応に集中しているが,青年群は過半数の者が肯定的な未来志向を示していた。 生と死イメージは,老年群のみに性差が示され,とくに女性老人の否定的表明が特徴的であった。次に生きる喜びを老年群は家族との交流や自己の健康面に求めているが青年群は物事の達成による充実感覚に喜びを求めている。また青年群は自分の人生に対して肯定的表明を示しているのに比し老年群は客観的記述が多い。 以上の両群の諸特徴は世代差,性差の観点から考察された。すなわち世代的差違として青年群に示された心理特徴面は,成人として自我を確立してゆく過程の中で,種々の観点からの自己省察の機制が反映していると解釈された。これに対し老年群の肯定した自己の受け入れ等の特徴は,自我の統合性の段階を反映していると推定される反面,自己の未来に対して冷静,否定的であるといった面や家族という縮少した世界の中で安定しているという面は日本の老年期特有の心的特性が表明されていると考察された。 次に両群で示された性差特徴としては,青年群で友人イメージ,自己の体イメージ等においてのみ性差が示され,それは青年女子に肯定的表明が多かった。これらは若さに対する社会的評価および男女の性役割の違いが影響していると推察された。一方老年群の性差は女性老人に特徴的であり,家族という枠組みの中で,内面的には未来への不安感を抱きつつ消極的安定をしているという特徴が示された。
著者
石川 謙
出版者
至文堂
雑誌
国語と国文学 (ISSN:03873110)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.1-7, 1954-04
著者
安藤 精一
出版者
日本書院
雑誌
歴史教育 (ISSN:0557837X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, 1955-10