著者
大塚 萌 オオツカ モエ OTSUKA Moe
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.32, pp.159-179, 2016-03

本論ではドイツ語に翻訳された日本マンガのテクスト比較分析を行う。作品に登場するものには、日本ではなじみの深いものであっても、翻訳版受容側の文化にとってはあまりなじみのないものも含まれる。それらを翻訳する際に、どのように翻訳語が選択されているかを本研究では分析する。また、翻訳語選択の背景となる文化はどのようなものかを先行研究から考察する。分析には、『よつばと!』を用いる。対象となる要素は、「セミ」に関する語とする。先行研究から、ドイツにはセミは生息しておらず、鳴く昆虫という程度の認識しかないことが明らかになった。『よつばと!』の翻訳例においては、„Grille"と„Zikade"を文脈に合わせて使い分けていることが分かった。さらに単なる翻訳語の使い分けという問題ではなく、単語の対応関係の構成変更やオノマトペ翻訳、文字テクストからの要素削除の問題も関わることが分かった。
著者
鎌田 洋一
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.47-52, 2012-03-30 (Released:2012-08-23)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
牧 信行 小杉 一江 永嶋 智香 中村 美鈴
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.150-156, 2016 (Released:2016-09-21)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的 : 終末期の延命治療に対する家族の代理意思決定について, 高齢者自身の認識を明らかにする.方法 : 60歳以上の高齢者30名を対象に半構造化面接を実施し, 代理意思決定への信頼感とその根拠を聴取した. それぞれの文章をカテゴリー分類し, 信頼感別の根拠を分析した.結果 : 回答者の70%は代理意思決定を信頼していた. 根拠は信頼感によらず直接の意思伝達が必要としたものが最多で, 次いで信頼あり群では高齢者自身の思いや代理人の特性, 不安あり又は信頼と不安の両者がある群では終末期の代理人の気持ち, 医療者の影響, 終末期の状況が多かった.結論 : 終末期の延命治療に対する意思決定の問題解決のために, プライマリ・ケア現場での意思伝達の動機づけ, 明確な伝達の支援は有用である. さらに, 終末期医療に関する知見の集積, 法・制度面の整備, 倫理面の検討も必要である.
著者
ニコルソン ショーン
出版者
明治大学大学院
雑誌
文学研究論集 (ISSN:13409174)
巻号頁・発行日
no.38, pp.139-153, 2012
著者
井上 真規 小河原 昇 田辺 輝彦 大石 公直 佃 守
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.533-537, 2011

昭和60年以降に当科で診断された若年型喉頭乳頭腫4例において臨床症状・喉頭所見・治療内容・治療経過・分娩方法・出生順位で検討を行った。全例に嗄声を認め腫瘤は喉頭に多発していた。LMS·CO<sub>2</sub>レーザー治療施行後も全例で喉頭に再発がみられたが数回のLMS·CO<sub>2</sub>レーザー治療で2例は治癒した。1例は転居のため経過は不明で1例は経過観察中である。本疾患の病因はHPV (human papilloma virus) の経産道感染といわれ,発症の危険因子として経膣分娩や第1子などがあげられる。当科での4例では全例経膣分娩で2例が第2子,他は第1子,第3子であった。若年性喉頭乳頭腫は多発性で再発を繰り返し治療に難渋することが多いが,再発を繰り返した症例において,短期集中のLMS·CO<sub>2</sub>レーザー治療が有効であると思われた。
著者
杣 正夫
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.25-69, 1976-06-20
著者
杣 正夫
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.165-198, 1975-12-25

5 0 0 0 故実叢書

著者
今泉定介 編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
vol.歴世服飾考(田中尚房), 1906
著者
長塩 智恵
巻号頁・発行日
2016-03-15
著者
渡辺 修
巻号頁・発行日
2015-08-24 (Released:2015-08-24)

第1部「神宮伝奏の成立」第1章「神宮上卿の成立」:その成立は、康和4(1102)年に伊勢神宮で発生した大事件に驚愕した堀河天皇が、急遽、神宮についての仗議開催を蔵人に指示し、外叔にあたり、信頼する久我雅実に対して仗議を取り仕切るように命じたことであった。次に神宮上卿が常置化された、永暦2(1161)年から文治2(1186)年迄の時期は後白河院政下であり、当時の神宮上卿人事は院司などその近臣公卿を軸として行われ、神宮行政は法皇の決裁によって行われていた。鎌倉期における建久4(1193)年から文永11(1274)年迄の時期は、延べ12名しか確認することができず、神宮上卿制度が次第に衰退した。第2章「神宮伝奏の成立」:後白河院政期において成立した伝奏制度が分化したことにより、弘安2(1279)年に神宮伝奏の活動を初めて確認できる。その補任と活動が顕著にみられるのは、15世紀以降のことである。その半ば迄は神宮伝奏と神宮上卿が併置されており、神宮行政のなかでも「雑訴」「伝奏奉書」「奏聞」は神宮伝奏が担当し、「官符請印」「日時定」「軒廊御卜」は神宮上卿が担当しており、両者の間で役割分担がなされていたことを指摘できる。第3章「神宮奏事始の成立」:光厳院政下における伝奏制度の強化と拡大は必然的にその主要な機能であった「奏事」の政務における位置づけの上昇をもたらし、同院政下の観応2(1351)年、平安時代の政始を引き継ぎ、年頭にあたり、政務を開始する意義をもった「奏事始」が成立した。その後、それらが神宮奏事始、賀茂奏事始に分化したが、神宮奏事始は、永和2(1376)年までに成立した。第2部「神宮伝奏の補任」第1章「近世神宮伝奏の補任」:江戸時代における神宮伝奏・神宮上卿の補任について検討した結果、注目すべきことは、安永8(1779)年の光格天皇即位以降、就任者に占める清華家公卿の割合が増加し、神宮上卿職を清華家と特定の羽林家公卿が独占し、同職の家職化が進んだり、就任者に占める議奏就任者の割合も増加したりしたことである。清華家公卿の割合増加については、平安末期の神宮上卿は、清華家公卿が約6割を占めていたことからも、名称変更をはじめとする、古代的な神宮上卿に復古させようとする動きの一環であったと考える。近世における神宮伝奏・神宮上卿の補任と退任について検討すると、文禄・寛永年間の事例から神宮伝奏の人事が円滑に進まなかったことがわかる。そこで、その要因について神宮伝奏の退任理由をみることによって明らかにした。それらは、親族の死去、親族にできた服仮、本人、親族、家人の病気、娘の出産、触穢の際には辞職したことであり、厳格に清浄性を保つことが求められた役職であったことであると考える。第2章「近世神宮伝奏の行動規範」:近世前期においては神宮伝奏も就任直後に彼らに対して同職在任中に避けるべき触穢の内容について質問した。その質問と回答が詳細に記されているのが、寛文13(1673)年9月に神祇伯白川雅喬王が記した『神宮伝奏之間事 転法輪相談条々』である。神宮伝奏の就任者が頻繁に交代した最大の理由は、こうした日常生活における厳格な規範の存在であったことを指摘できる。第3章「近世神宮伝奏の記録」:18世紀半ばから19世紀後半にかけて、多くの神宮上卿が盛んにその記録の作成、親族を始めとする神宮上卿経験者の記録の披見、書写を行った。特に中山愛親が定めた神宮上卿在任中の心得であった「神宮定条々」は延べ6人の神宮上卿によって半世紀以上にわたり、披見、書写され続けた。第3部「神宮伝奏の機能」第1章「戦国織豊期の神宮伝奏」:中御門宣胤や柳原資定の神宮伝奏としての活動をみると、朝廷・幕府ともに衰微するなかで神宮式年遷宮が途絶、仮殿遷宮も容易ではなかった当時においても、朝廷における神宮行政は、天皇―神宮伝奏のラインによって行われ、宣胤や資定は、主体的に神宮伝奏を勤め、単に奏請と伝宣を行うだけではなく、神宮行政の責任者として積極的にその牽引役を果たしていたことを指摘できる。第2章「近世の神宮奏事始」:江戸幕府が成立すると、神宮伝奏および神宮行政の在り方も大きく変化した。天和4(1684)年から貞享5(1688)年にかけて一条兼輝が行った関白参勤の再興、神宮伝奏への儀式所作の指示、摂政による奏事目録の内覧によって、神宮奏事始の性格は神宮伝奏が主体となって行う儀式から摂政、関白の指示により神宮伝奏が行う儀式へと変化した。第3章「近世神宮神主への叙位」:天保15(1844)年の内宮四禰宜による従三位申請について注目すべきことは、祭主がその叙位を先例に基づいて強く主張し、関白も賀茂社禰宜に同様の先例があることにより、容易に認めたことである。このことは寛文10(1670)年の内宮一禰宜に対する正三位叙位、延享4(1747)年の大宮司に対する従三位叙位の過程と比較して祭主の発言力が強化したことを指摘できる。第4章「近世朝廷と神宮式年遷宮」:江戸時代の朝廷における神宮式年遷宮の準備過程について次のことに注目すべきである。寛文9(1669)年度の場合、関白が遷宮祭祀日時定の執行日決定に際して武家伝奏の内諾を求め、さらに、武家伝奏は幕府の意向として執行日の変更を要請し、それが変更された。これに対して、文化7(1810)年の準備過程において、光格天皇の意向により、初めて同祭祀の執行日が祭主藤波の内諾を得て決定され、仁孝天皇下の文政12(1829)年度の場合も遷宮祭祀の執行日決定に際して祭主は祭祀内勘文日時に関する自らの内諾を得ることを朝廷に要請し、天皇もその内諾を求め、関白が祭主の要請によって正遷宮祭の執行日を変更したことである。第5章「近世の神宮例幣使発遣」:江戸時代における神宮例幣使発遣の準備過程における神宮上卿の活動について注目すべきことは、安永8(1779)年に神宮上卿正親町公明の意見具申によって、神宮例幣使発遣儀式の準備過程が、旧例に復され、幣帛奉納に際して両宮で行われる直会饗膳における勧盃順序が是正されたことである。
著者
間野 英二
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.29-231, 1984-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
細田 正洋 井上 一雅 岡 光昭 大森 康孝 岩岡 和輝 床次 眞司
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.27-40, 2016 (Released:2016-07-06)
参考文献数
55
被引用文献数
1

Many nuclear facilities are located in Aomori Prefecture, Japan. However, no detailed dose rate distribution map of Aomori Prefecture, including its mountain regions has been reported since the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (FDNPP) accident. Thus, a car-borne survey which used a 3-in × 3-in NaI(Tl) scintillation spectrometer was done throughout the prefecture for the purposes of making a dose distribution map and estimating the annual external dose. These results have been published in the same issue of this journal. On the other hand, many researchers have performed car-borne surveys in Fukushima Prefecture after the FDNPP accident. In this paper, the methods of car-borne survey of the present author are explained in detail. 1) The relationship between the total counts per minute of a gamma-ray pulse height distribution and an absorbed dose rate in air is examined for the estimation of dose rate conversion factor. 2) The relationship between count rates outside and inside the car is examined for the estimation of the shielding factor by car body. 3) The uncertainties to the counts inside the car, the dose rate conversion factor and the shielding factor are evaluated according to the Guide to the Expression of Uncertainty in Measurement published by the Joint Committee for Guides in Metrology. 4) The gamma-ray pulse height distributions are unfolded using a 22 × 22 response matrix for the analysis of activity concentrations in soil of 40K, 238U and 232Th and the contributions of their nuclides to absorbed dose rate in air. 5) The distribution map of absorbed dose rate in air of Aomori Prefecture is drawn using the Generic Mapping Tool which was developed by Hawaii University.