著者
高草木 薫
雑誌
Brain Medical (ISSN:09155759)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.307-315, 2007-12
被引用文献数
4

著者版歩行には3つのプロセスがある。第1は、正確な制御を必要とする随意的プロセスであり、これは大脳皮質からの随意的な信号により遂行される。第2は、捕食や逃避、逃走など情動的プロセスであり、辺縁系や視床下部から脳幹への投射系が関与する。第3は、歩行時のリズミカルな肢運動や姿勢調節など、無意識に遂行される自動的プロセスであり、脳幹と脊髄におけるsensori-motor integrationが重要な役割を果たす。大脳基底核や小脳は、大脳皮質、辺縁系・視床下部、そして脳幹に作用して歩行を制御する。
著者
金政 祐司 大坊 郁夫
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.59-76, 2003

This study was conducted to examine the effects of early adult attachment styles on intimate opposite-sex relationships. In particular, this study focused on the theoretical duality of attachment. Thus, for examining the validity and adjustability of attachment styles on both relational and general distinctions, the images toward romantic love and experiences in a specific relationship were distinguished in this study. Subjects were 449 undergraduates. The results revealed that (a) "secure" individuals tended to have relatively positive images toward romantic love, showed high scores on Sternberg's three components of love, and valued the importance of the relationship highly, (b) oppositely, "avoidant" individuals had relatively negative images toward romantic love, showed low scores on the three components of love, and did not regard the relationship as important, and (c) "ambivalent" individuals tended to hold an image of romantic love as one which imposes restraints from their partner. Moreover, causal models of the influence process among variables were constructed and analyzed for each attachment style, and the results showed that three attachment styles had different influence processes respectively. These indicated the self-fulfillment of attachment styles. These results are discussed in terms of the validity and continuity of attachment styles.
著者
廣田 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.540, pp.55-60, 2008-03-03
被引用文献数
1

著者は2004年度から、九州産業大学情報科学部において、システム開発演習を実施してきた。その経験からさまざまな情報システム開発教育の問題点が明らかになった。それらの問題点を3つの観点で整理した。第1にシステム開発の観点で、学生にどのようなシステムをどのように開発させるかが重要である。第2にプロジェクト演習の観点で、学生に適切にプロジェクトを実施させることは容易ではない。第3にプロジェクト管理の観点で、演習の進行を把握し、制御することは、教員と学生の双方の課題である。2007年度はこれらの問題点の解決を目指して、パーソナルソフトウェアプロセスやアーンドバリューマネジメントの導入など、さまざまな試みを実施した。
著者
成田 吉弘
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2004, no.6, pp.25-26, 2004-09-04

A survey was made to cover the recent development in the finite element analysis of shell structures. It was found that the considerable efforts have been made in the past five years to create new types of finite elements for analyzing various mechanical behaviors of shell structures, particularly of composite shell structures.
著者
城所 正洋 小林 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.148, pp.31-36, 2006-07-05
参考文献数
11

本稿では,一般のパーソナルコンピュータ(PC)所有者にとっては作成した携帯電話用のコンテンツを手軽に発表や提供ができ,携帯電話所有者にとっては希望する種類のコンテンツを容易に入手できるような場を提供するための,Peer-to-Peer(P2P)ネットワークとサーバを用いたハイブリッド型のコンテンツサービスシステムを提案する.例として,携帯電話用の待ち受け画像のサービスシステムを取り上げ,試験的に開発も行った.携帯用電話のコンテンツを充実させるためには,今後は,商用のサイトでの提供だけでなく,個人が作成するコンテンツを容易に流通させるための場も必要と考えられ,そのための一つの取り組みとして本方式の提案を行う.
著者
大熊 浩示 南出 靖彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. プログラミング (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, 2005-04-15

正しいコンパイラを得るためには, コンパイラの形式化が正しいだけでなく, その実装の正しさも検証しなければならない.我々は定理証明システムIsabelle/HOLを用いてコンパイラを形式化し, その正しさを検証した.さらに, Isabelle/HOLのコード生成機能を用い, Isabelle/HOLで記述されたコンパイラを実行可能なプログラムへ変換した.このコード生成機能はIsabelle/HOLの構文をStandard MLの構文に単純に変換するもので, 生成されたプログラムの信頼性は高いといえる.コンパイラは構文解析を除くすべてのフェーズがIsabelle/HOLで記述されており, コード生成機能で変換されたプログラムに構文解析プログラムなどを加えることにより実行可能な検証されたコンパイラを得ることができる.コンパイラはScheme構文を持つ関数型プログラミング言語を入力とし, Java仮想機械のアセンブリ言語を生成する.今回形式化したコンパイラはクロージャ変換やインライン展開など, これまで検証されたコンパイラでは扱われていない高度なプログラム変換を行っている.また, コンパイラの記述ではコンパイル時間も考慮し, 効率の良いデータ構造を採用した.得られたコンパイラをいくつかのSchemeプログラムに対して適用した結果, コンパイル時間, 生成されたプログラムの実行時間ともに既存のコンパイラに劣らない結果が得られた.
著者
大石 哲也 峯 恒憲 長谷川 隆三 藤田 博 越村 三幸 倉元 俊介 永田 廣人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.473, pp.37-42, 2007-01-16

これまでユーザに特化したWeb検索に関する研究が多数行われてきたが,ユーザの視点や状況に注目したWeb検索に関する研究は,まだ十分に行われていない.ユーザが必要とするときに必要な情報へ容易にアクセスできるようにする機能は,これからのユビキタス情報環境を構築する上で,最も重要な機能のうちの一つと言える.そこで,本稿では,ユーザの視点や状況を時間に沿って把握するための情報源として,時間の要素とユーザの趣向を併せ持ったスケジュールデータを用いた情報推薦システムを提案するとともに,そのシステムの概念について具体例を用いて説明する.
著者
赤上 裕幸
出版者
京都大学大学院教育学研究科生涯教育学講座
雑誌
京都大学生涯教育学・図書館情報学研究 (ISSN:13471562)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.43-52, 2007-03-31

GHQ(General Headquarters、連合国総司令部)による占領期から特にその終結期にかけて「戦後反戦映画」が多数作られ、興行的にも大きな成功を収めている。1950年の『また逢う目まで』、『暁の脱走』、『きけわだつみの声』、1953年の『ひめゆりの塔』、『君の名は(第1・2部)』、1954年の『二十四の瞳』、『君の名は(第3部)』などがそれにあたる。 これらの反戦映画が、戦時中の映画体制との関わりの中で語られることはほとんどない。しかし、戦意高揚映画が多数作られ戦争に邁進していった戦中と、反戦映画が多数作られ平和国家建設に邁進していった戦後と、一体どれほどの違いがあるというのだろうか。近年のメディア史研究においては、戦前戦後の間に「断絶」ではなく「連続性」が存在すること、すなわち戦後のマス・コミュニケーション学のパラダイムが、戦中の総力戦体制に由来するということが指摘されている。 本論文では、この「総力戦の継続」という視点に着目し、占領期を中心とした時期(1945年~54年)を「戦後総力戦体制」と定義し、戦中も含めたメディア史の流れの中で、いかに「戦後反戦映画」を位置付けることができるかに重点をおいて分析していく。
著者
上横手 雅敬
出版者
京都大学附属図書館
雑誌
静脩 (ISSN:05824478)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-3, 1993-06
著者
政井 英昭 一 慶昭 岩永 英子 MASAI Hideaki ICHI Yoshiaki IWANAGA Eiko
出版者
福井大学教育地域科学部附属教育実践総合センター
雑誌
福井大学教育実践研究 (ISSN:13427261)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.163-174, 2009-01-31

ADHD を疑われる知的障害特別支援学校高等部3年生の知的障害児(A)への教育的支援について「くらし」「仕事」「縦割り集団活動」の三つの指導形態において対応した記録をまとめる。A は,感情にまかせて我を通す姿がよく見られたが,「仕事」では自ら希望した「織り物」の活動において自己の課題に取り組み,また,「縦割り集団活動」では好きな木工関係の活動で小中学部の児童生徒に対してリーダーシップを発揮する場面の中で,それぞれ自己調整力の育成を図ってきた。担任とは,「くらし」の時間を中心に活動した。これらの活動の中でA にとっては,何が中心的課題で,周囲はどんな点に配慮して活動を進めてきたか,また,進めるべきだったかなどについて,事実に即してまとめる。また,進路指導主事のアドバイスの下で繰り返し行った現場実習の結果得られた卒業後についても触れる。
著者
伊東 暁人
出版者
静岡大学
巻号頁・発行日
pp.1-427, 2005-03

平成14年度~平成16年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(1))研究成果報告書 p41-254は未掲載
著者
塩村 耕 SHIOMURA Kou
出版者
東海地区大学図書館協議会
雑誌
東海地区大学図書館協議会誌
巻号頁・発行日
vol.53, pp.39-47, 2008-12-25 (Released:2008-12-25)
著者
王 書瑋 WANG Shuwei オウ ショイ
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-12, 2009-03-20

日本近代文学館発行の『芥川龍之介文庫目録』を見ると、和漢書四六五点一八二二冊のうち、五十七点の漢籍は、一九一二(民国元)年から一九二六(民国十五)年の間に出版されたものである。これらの近代中国書を分類してみると、詩に関する蔵書は十六点の七十六冊があり、近代書の約四分の一を占めていることが分かる。小説・物語集に関する蔵書は、十六点の一五八冊もあって、その数が『芥川龍之介文庫目録』にある近代蔵書の中で、もっとも多い。書道に関する本が十二点ある。それから以上の種類以外の本であり、全部で十三点がある。周知の事実であるが、芥川は種本を使って創作する作家であるため、芥川文学を理解するために、彼の読書経歴を明らかにすることは必要な作業である。本論文は、近代以後に出版された蔵書を対象とし、芥川の一九二一年の中国旅行と、近代に対する彼の態度を読み取りたい。
著者
川島 真
巻号頁・発行日
2006-05-18

国会図書館憲政資料室説明聴取会