出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.文学部 第6巻の上, 1932
著者
岡本 依子 菅野 幸恵 東海林 麗香 高橋 千枝 八木下(川田) 暁子 青木 弥生 石川 あゆち 亀井 美弥子 川田 学 須田 治
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-37, 2014 (Released:2016-03-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1

親はまだしゃべらない乳児と,どのようにやりとりができるのだろうか。本研究は,前言語期の親子コミュニケーションにおける代弁の月齢変化とその機能について検討するため,生後0~15ヶ月の乳児と母親とのやりとりについて,代弁の量的および質的分析,および,非代弁についての質的分析を行った。その結果,代弁は,「促進」や「消極的な方向付け」,「時間埋め」,「親自身の場の認識化」といった12カテゴリーに該当する機能が見いだされた。それらは,「子どもに合わせた代弁」や「子どもを方向付ける代弁」,および,「状況へのはたらきかけとしての代弁」や「親の解釈補助としての代弁」としてまとめられ,そこから,代弁は子どものために用いられるだけでなく,親のためにも用いられていることがわかった。また,代弁の月齢変化についての考察から,(1)0~3ヶ月;代弁を試行錯誤しながら用いられ,徐々に増える期間,(2)6~9ヶ月;代弁が子どもの意図の発達に応じて機能が限られてくる期間,(3)12~15ヶ月;代弁が用いられることは減るが,特化された場面では用いられる期間の,3つで捉えられることが示唆された。そのうえで,代弁を介した文化的声の外化と内化のプロセスについて議論を試みた。
著者
菅野 理子 本多 庸悟 金子 俊一
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.25(1992-CVIM-082), pp.95-102, 1993-03-18

ゴッホやマティスなどの絵画は、それを見れば容易に描いた画家を推測できるような、タッチ(筆触)やマチェール、ヴァルールなどにおける独自の特徴を持っている。本研究は油絵におけるタッチに的をしぼり、タッチを自動的に抽出して、その特徴を定量的に記述することを目的とする。ここでは、タッチが色彩によって抽出できるものとし、人間の色知覚に基づいたマンセル表色系を用い、タッチをその色相に基づく領域として抽出し、実験を行った。研究の過程において、色補正変換を含むRGB/マンセル表色系変換システムも作成して用いた。実験の結果、タッチを色相だけから抽出することの可能性と困難さが示されたが、一応の知見が得られたので報告する。
著者
森 晃爾 永田 智久 梶木 繁之 日野  義之 永田 昌子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.145-153, 2013 (Released:2013-10-23)
参考文献数
12
被引用文献数
1

目的:昨今,企業全体で整合性の取れた産業保健活動の展開が必要になってきており,そのためには,活動方針の明確化,活動基準の策定,産業保健スタッフの配置や意思疎通を企業全体で行っていく必要がある.その際,産業保健分野の高度な専門性を有し,統括産業医や総括産業医等(以下,統括産業医)の名称を与えられ,企業全体の産業保健活動をリードする産業医が任命されるようになってきた.しかし,これまで国内において,統括産業医の実態や機能に関する実態調査やそれに基づく検討はまったく行われていない.そこで我々は,統括産業医の機能と企業内での位置づけについての実態を明らかにすることを目的として,実際に大企業において統括産業医として任命されている産業医に対するインタビュー調査を行った.対象と方法:従業員数5,000名以上で,「複数の事業場と複数の産業医が存在する企業において,企業単位での産業保健活動の方針や活動の管理の役割を果たす産業医」を調査対象とし,条件を満たす統括産業医14名にインタビューを行った.インタビューのスクリプトをコード化し,統括産業医として果たしている具体的な機能と企業内での対象者の位置づけについて分析を行った.結果:分析の結果,5つの事項が示唆された.機能としては,1) 統括産業医は産業保健に関する全社的な方針,基準,計画の策定に主体的に貢献していること,2) 産業保健に関する全社方針や基準等は,その実行性を確保するために,事業拠点を統括する本社の事業部門等から出されるとともに,統括産業医が事業拠点の産業医や産業保健スタッフに対して指導や情報提供をしていること,3) 労働安全衛生マネジメントの内部監査や業務監査の一環で実行状況の評価が行われている企業があり,統括産業医が専門的に貢献していること,4) 産業医や産業保健スタッフの会議を主宰するなどの方法で意思疎通を行ったり,基準の技術的事項などについて全社的な研修を行う努力をしていることが示唆された.また,5) 総括産業医が役割を果たすためには,意思決定者である人事担当役員等の職位の経営層に直接または間接的に提案できるような位置づけや関与が重要であることが示唆された.考察:企業全体での整合性が取れた産業保健活動を推進している企業では,企業活動の意思決定や指揮命令等の機能を用いるとともに,統括産業医のもつ産業保健に関する専門的な知識を活用していると考えられた.また統括産業医が,産業保健専門職の確保や意思疎通に大きな役割を果たしていることが考えられた.今後,統括産業医業務の事例収集,統括産業医のコンピテンシーの明確化などを行った上で,研修プログラムの開発と提供が必要と考えらえる.
著者
菅原 浩
出版者
長岡造形大学
雑誌
長岡造形大学研究紀要 = Nagaoka Institute of Design Bulletin (ISSN:13499033)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.30-35, 2022-03

Here we discussed the significance of animism in haiku poetry. We focused the “monistic animism” suggested by Nakazawa Shinʼichi, which states that animism can capture the invisible realm that the modern Western culture have failed to think about. We argue that haiku poems aim to become “the thing itself,” thereby creating poetic language to open the “communication” to something fundamental beyond human perception. From this perspective we read animistic haiku poetry by various poets, arguing that animist haiku culminated in Natsuishi Banʼyaʼs Science of Giant Rocks and Trees.
著者
西川 克之
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
観光創造研究
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-13, 2009-11-20

以下の小論においては、主に18 世紀後半から19 世紀前半にかけてのイギリス社会における社会統制のある断面を考察の対象とする。この時期、イギリスは社会や産業の近代化を達成することになるが、そのプロセスの中で労働の様態も根本的に変化し大規模化・規律化されていく。その結果、労働と余暇は時間的にも空間的にも分節化され、労働者にも余暇時間が拡大していく。一方でまたこの時代には、社会的にも文化的にも影響力を強め始めた中流市民層によって、祝祭性を伴うことも多かった民衆娯楽や伝統行事のいくつかが「野蛮」「非文明的」であるとして抑圧され、それに替わって「合理的な」レクリエーションが盛んに推奨されるようになる。大衆の余暇時間の過ごし方に対するこうした抑圧や誘導は、人道主義的な慈善に由来するように見えながら、暴動を起こすなどして社会秩序を乱しかねない労働者を馴致しようという意図に基づいた社会統制であったと考えられる。 This paper discusses how a form of social control was exercised in England in the late 18th and early 19th centuries. In the process of social and industrial modernization, the mode of work was also fundamentally transformed in the way work was more and more concentrated and disciplined. As a result, work and leisure were segmented both in temporal and spatial terms and leisure was extended to workers. In this period, meanwhile, some popular entertainments and traditional events which had often unleashed festivity were suppressed as "savage" and "uncivilized" and instead "rational" recreation was strongly recommended by the bourgeois middle class gaining more social and cultural influence. This regulation and induction of how spare time should be used seems, as alleged, to derive from humanitarian compassion but in fact can be regarded as a form of social control based on the intention to domesticate the working class who were feared to disturb the social order by uprisings.

4 0 0 0 生産技術

著者
生産技術協会 [編]
出版者
生産技術協会
巻号頁・発行日
vol.5(6), no.41, 1950-06
著者
千田 譲 伊東 慶一 大山 健 米山 典孝 原 一洋 中村 亮一 野田 智子 橋詰 淳 熱田 直樹 伊藤 瑞規 渡辺 宏久 安井 敬三 小竹 伴照 木田 義久 岸本 秀雄 祖父江 元
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.441-447, 2013-11-25 (Released:2013-11-25)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

要旨:【目的】回復期入院リハビリテーション(リハビリ)での脳梗塞branch atheromatous disease(BAD)の治療成績を検討した.【対象と方法】レンズ核線条体動脈領域(LSA-BAD)90 例と傍正中橋動脈領域(PPA-BAD)21 例に対し,入院時・退院時の脳卒中重症度(NIHSS),機能的自立度評価法(FIM),上肢・手指・下肢各Brunnstrom stage(BRS)を検討した.【結果】LSABAD群はPPA-BAD 群に比べ入退院時NIHSS は有意に重症であり,手指・上肢の機能改善は不良であった(p<0.05).LSA-BAD 群は入院時上肢・手指BRS の退院時3 段階以上の回復は稀だったが,両群とも退院時FIM は多くが100 点以上であった.【結論】回復期リハビリでのBAD を分類し検討することで,皮質脊髄路障害部位の違いによる運動麻痺と機能的自立度評価の回復過程を評価できた.
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
vol.2014年, no.(639), 2014-06-20
著者
伊藤 紘圭 Hiroyoshi Ito
出版者
学習院大学文学部国語国文学会
雑誌
学習院大学国語国文学会誌 (ISSN:02864436)
巻号頁・発行日
no.65, pp.78-92, 2022-03-15

佐々木隆先生古稀記念特輯号
著者
Naoki Tanaka Yasutomo Sakai Yosuke Maruyama Tetsuro Hirayama Wataru Iwamoto Koji Wagatsuma
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.22-25, 2022 (Released:2022-01-12)
参考文献数
17

[Purpose] The purpose of this study was to investigate changes in the shoulder and elbow joint angles, upper limb angular velocities, and elbow varus torque when throwing balls of two different sizes. [Participants and Methods] The pitching motion of 26 junior baseball players was analyzed using an optical motion capture system. The balls used were a standard baseball and a small ball of equal weight. Shoulder external rotation/abduction and elbow flexion were measured. The maximum values of shoulder joint internal rotation, elbow joint extension, wrist flexion angular velocity, and elbow joint varus torque were also evaluated. The ball velocity was determined as an index of pitching performance. [Results] The shoulder external rotation and elbow flexion angles were higher when pitching with a small ball. The joint angular velocity was also significantly higher when pitching with a small ball for all items examined. The ball speed was significantly higher with the small ball. The maximum varus torque of the elbow joint divided by the ball velocity was significantly lower for the small ball. [Conclusion] For a junior baseball player with a small hand length, using a small ball enables pitching with low stress on the elbow joint.