著者
澤原 光彦 村上 伸治 青木 省三
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.51-58, 2017 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6

本稿では, 成人の心身症を含む精神医学的諸問題とその背景にある発達障害的特性について, いくつかの代表的な症状を呈した症例の素描を提示し, 筆者の見解を述べた. 発達障害を背景に生じうる状態像として, ①統合失調症類似の状態, ②うつ病・抑うつ状態, ③双極性障害・双極Ⅱ型障害, ④心身症, ⑤心気症的こだわり, ⑥強迫性障害, ⑦摂食障害, ⑧境界性パーソナリティ障害, を挙げた. これら精神医学的な各症状においては, 症状の表層にのみ関心を奪われ, 背景の発達障害的問題に配慮した支援を行わなければ, 難治化・遷延化の危険がある. 診断においては, 常に成育史に関心を払い, 患者の症状がその疾患の典型病像とどのように異なっているかを細心の注意をもって吟味する必要がある.
著者
渡部 幹 山岸 俊男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.65-72, 1993-12-25 (Released:2016-12-02)

The purpose of this research is to examine whether or not people prefer the trigger strategy when given a chance to choose between various kinds of strategies in a social dilemma (SD) situation. The experiment was run as a 4-person iterated SD situation with three conditions. The results show that Ss did not select morefrequently the trigger strategy in either condition. These results are inconsistent with the one found in an ealier study (Watabe, 1992). Changes in experimental design are needed in order to examine possible reasons of this inconsistency.
著者
宮地 佐保 寺嶋 梓
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.2124, 2021-11-30 (Released:2021-11-27)

大阪大学では,2019年12月にケンブリッジ大学出版と「Read & Publish モデル」の契約を締結した。これは2019年に大学図書館コンソーシアム連合とケンブリッジ大学出版との間で合意された提案に基づく契約であり,既存の購読モデルにOA 出版の内容を加えた新しいタイプの契約モデルである。本稿では,Read & Publish モデルが提案された背景を踏まえつつ,契約に至るまでに契約担当者が行った検討内容,契約後に行っている実務,今後検討すべき課題について報告する。
著者
富井 規雄 佐藤 圭介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1254-1261, 2013-11-15

鉄道において,事故等によってダイヤに乱れが生じた時の対応(運転整理)について,現状と今後のあり方を述べる.運転整理は,複雑で大規模な組合せ問題であり,また,迅速な対応が求められること,さまざまな状況を加味した評価関数の確立が難しいこと,予期せぬ事態の発生にそなえなければならないことなどといった難しさがあり,そのために,現状においては,ほぼ人手によって行なわれている.本稿では,利用者の視点にたった運転整理が重要であることを指摘し,そのような観点からの研究開発事例を紹介するとともに,今後望まれる研究開発項目を述べる.

4 0 0 0 小学三年

出版者
二葉書店
巻号頁・発行日
vol.4, no.10, 1949-10
著者
古川 智範 上野 伸哉 下山 修司 二階堂 義和
出版者
弘前大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、慢性的なベンゾジアゼピン系薬剤の使用によって認知機能が低下するメカニズムを探るため、ジアゼパム(DZP)長期投与マウスを用いて研究を行った。行動評価解析結果から、想起能力の低下がDZP長期投与した老齢マウスにおいて認められた。また、DZPを長期投与した老齢マウスでは、想起能力の低下や、CA1およびCA3領域におけるスパインの密度の減少が認められた。一方、海馬CA1領域におけるLTPやアポトーシス、細胞新生に対するDZP長期投与の影響は認められなかった。老齢マウスでは、DZP長期投与によりCA3領域のスパインが減少することで想起能力が低下する可能性が示唆された。
著者
兼子 純
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.11, pp.783-801, 2000-11-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
22
被引用文献数
2

本研究は,ホームセンター (HC) チェーンにおける出店・配送システムの空間構造を解明することを目的とする.新潟県に本部を置くK社を事例企業として,その施設の立地展開と,商品の配送システムを分析した.その結果,発注情報が事業本部への一極集中型を示すのに対して,配送はその商品特性により,重層的な空間構造を形成していることが明らかになった.物流センターから各店舗への配送では,夜間,午前,午後の配送時間帯による配送範囲の形成が認められた.これは, (1)商品回転率が低いこと,(2)食品を扱わないこと,(3)配送時に混載が可能であること,(4)配送時間帯が柔軟であること,といったHCの商品特性により,物流費を削減する取り組みを反映した結果である.商品の鮮度や形状を重視する園芸関連商品や重量のある建築用ブロックは, K社物流センターには集約されず相対的に配送範囲が細分化されている. HCチェーンの運営は,物流費の低減にその重点が置かれており,多店舗化・広域化という出店行動を規定している.

4 0 0 0 OA 創発システム

著者
北村 新三 喜多 一
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.94-99, 2001-01-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
27
被引用文献数
3
著者
池添 博彦
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
no.46, pp.29-36, 2009-03-31

精神保健福祉は比較的新しい分野であり、多くの外来語が用いられている。外来語の多くは英語に由来するもので、日本語の訳語が定着していないものも多い。 用いられる外来語の示す内容を正確に把握するためにも、原語の意味内容を正しく理解しておく必要があると考え、外来語の語源を検索してみた。 英語語彙の多くはラテン語およびギリシャ語が起源であり、古くはサンスクリット語に由来している。今回はラテン語およびギリシャ語まで語源を遡ってみた。 意味上の繋りでラテン語、ギリシャ語に由来しないものでは、ゲルマン語起源のものはドイツ語を、ロマンス語起源のものはフランス語またはイタリア語、スペイン語を挙げている。