著者
福井 勉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.135-139, 2003 (Released:2003-08-13)
参考文献数
8
被引用文献数
1

膝関節は身体を床に近づけたりあるいは床から遠ざけたりする能力を持ち,大腿部と下腿部の動きを調整する役割も有する。膝関節可動性が損なわれると移動を主体とした日常生活に不利益を被り,重心上下移動に関しては他の下肢関節以上に大きい影響がある。疾患を有する人の全身の動きには特徴があり,スポーツ障害などのように分析している「動きそのもの」が疾患の原因と考えられる場合も多い。したがって,各疾患の成因に踏み込む必要があり,原因療法あるいは予防へと展開する必要性がある。理学療法の観点からは,成因に近づくために,関節角度だけではなく,関節モーメントなどの視覚的分析の必要性があると考えている。
著者
Gaku Yamamoto Sho Toshino
出版者
The Plankton Society of Japan, The Japanese Association of Benthology
雑誌
Plankton and Benthos Research (ISSN:18808247)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.129-138, 2021-05-27 (Released:2021-06-11)
参考文献数
32
被引用文献数
1

A new hydromedusa belonging to the order Anthoathecata is reported from Sagami Bay, eastern Japan. Tiaricodon orientalis sp. nov. can be distinguished from other Tiaricodon species by the umbrella size of the medusa, manubrium length, interradial peaks in the subumbrella, and a red band on the upper part of the manubrium. A comparative table of the primary diagnostic characters of the genus is provided. Our morphological and molecular phylogenetic analyses suggest that Tiaricodon from China is not Tiaricodon coeruleus but Tiaricodon orientalis.
著者
井上 桂
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.37-39, 1957 (Released:2014-11-11)
参考文献数
1

In this report we observed the time lag in ignition and flame up when the leaves of grass and tree were exposed under several conditions of the temperature and moisture. These leaves were gathered from the Nopporo experimental forest in May 1955.The leaves of twenty species were tested.(1) The leaves of the grass are more susceptible to ignition than those of tree. Specially Pteridophyta is most susceptible. Sasa is easy to flame up in lower temperature.(2) The dead leaf is easy to ignite than live one. The younger the leaf, the more inflammable. Probably this is due to the thickness of the leaf in addition to its types and chemical composition.
著者
石井 正彦
出版者
筑摩書房
雑誌
言語生活 (ISSN:04352955)
巻号頁・発行日
no.421, pp.p62-65, 1986-12
著者
志賀 文哉
出版者
富山大学人間発達科学部発達教育学科発達福祉コース
雑誌
とやま発達福祉学年報 (ISSN:21850801)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.13-20, 2019-05

こども食堂は全国に広がり、様々な背景や実施方法が用いられ約3500にもなっている。こども食堂は「食」を提供するものであるが、対象は多様であり、そのための営みや学習支援等の付加的な活動を通じて交流を創り、居場所を形成している。人間浴と呼ばれる人の交流や関係の構築は「安全でありかつ安心できる」場所を創出しているのである。子ども食堂の課題は資金面や人材面の不十分さのほか、期待通りの参加を得ることのむずかしさ、また給食の実施を含め、食自体の質を向上するためのアクションが不足していることなどがある。これらの活動にソーシャルワークが貢献する可能性があり、従来の地域福祉と家庭福祉のアプローチをつなぐ「まちの子どもソーシャルワーク」の提唱がなされている。人口減少の社会において、こども食堂の活動が地域の拠点となる可能性がある。
著者
原口 耕一郎
出版者
名古屋市立大学大学院人間文化研究科
雑誌
名古屋市立大学大学院人間文化研究科人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
no.15, pp.232-204, 2011-06

『古事記』『日本書紀』においては、かなり古い時代の記事から隼人は登場する。この隼人関係記事の信憑性をめぐって、大きく二つの議論がある。一つは天武朝以降の記事からならば、それなりに信を置くことができるとする理解であり、これは現在の通説になっているといえよう。もう一つは、天武朝より前の時期の記事にも史実性を認めようとする理解である。小論は、これまでの隼人研究史を回顧し、隼人概念の明確化をはかり、『記・紀』に史料批判を加え、天武朝より前の隼人関係記事については、ストレートには信を置きがたいことを論じようとするものである。つまり、可能な限り通説の擁護を目指すことが小論の目的である。まず、文献上にあらわれる隼人像を整理し、隼人概念の明確化を行う。次に考古資料と隼人概念との対比を、最近の考古学研究者の見解を踏まえながら行う。さらに畿内隼人の成立について触れる。その結果、『記・紀』編纂時における政治的状況、すなわち日本型中華思想の高まりの中で、政治的に創出された存在としての隼人の姿が明らかにされるであろう。このような、現在の隼人理解において中核的なテーゼをなす、「隼人とは政治的概念である」という主張を確認したうえで、天武朝より前の隼人関係記事は漢籍や中国思想により潤色/造作を受けていることを明らかにする。
著者
原口 耕一郎
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.232-204, 2011-06-30

『古事記』『日本書紀』においては、かなり古い時代の記事から隼人は登場する。この隼人関係記事の信憑性をめぐって、大きく二つの議論がある。一つは天武朝以降の記事からならば、それなりに信を置くことができるとする理解であり、これは現在の通説になっているといえよう。もう一つは、天武朝より前の時期の記事にも史実性を認めようとする理解である。小論は、これまでの隼人研究史を回顧し、隼人概念の明確化をはかり、『記・紀』に史料批判を加え、天武朝より前の隼人関係記事については、ストレートには信を置きがたいことを論じようとするものである。つまり、可能な限り通説の擁護を目指すことが小論の目的である。まず、文献上にあらわれる隼人像を整理し、隼人概念の明確化を行う。次に考古資料と隼人概念との対比を、最近の考古学研究者の見解を踏まえながら行う。さらに畿内隼人の成立について触れる。その結果、『記・紀』編纂時における政治的状況、すなわち日本型中華思想の高まりの中で、政治的に創出された存在としての隼人の姿が明らかにされるであろう。このような、現在の隼人理解において中核的なテーゼをなす、「隼人とは政治的概念である」という主張を確認したうえで、天武朝より前の隼人関係記事は漢籍や中国思想により潤色/造作を受けていることを明らかにする。
著者
鈴木 朋子 山東 勤弥 Tomoko SUZUKI Kinya SANDO
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 = Research Bulletin of Osaka Shoin Women's University
巻号頁・発行日
vol.6, pp.253-263, 2016-01-31

本研究は、広くダイエット法として普及している低炭水化物ダイエット(Low Carbohydrate Diet: LCD)の 減量効果および安全性について検討することを目的とする。方法は、1)LCD の方法について概観し、2)LCD の体 重減少効果について報告した学術論文を収集し、文献的に検討した。その結果、LCD の特徴は、炭水化物(糖質)を 含む食品の摂取は制限するが、たんぱく質および脂質を主成分とする食品に対する制限は設けられていなかった。医 学系学術論文データベースを用いて検索し、21 論文を検討対象とした。体重減少効果は、1)観察期間が長いほど、 2)炭水化物熱量比が低いほど、高くなる傾向が観察された。また、3)Blackburn の体重減少の評価法を参照する と、約70%の研究で高度な体重減少が観察され、安全性への疑問が示唆された。LCD は、一般的に健康的な食事と して推奨される食事の熱量構成比と大きく異なること、糖尿病性腎症患者においては腎機能を悪化させる危険を伴う ことをはじめ、適正かつ注意喚起を促す情報をあわせて普及していくことの重要性が窺われる。