著者
樋口 陽一
出版者
The Japanese Association of Sociology of Law
雑誌
法社会学 (ISSN:04376161)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53, pp.46-55,246, 2000-12-20 (Released:2009-01-15)
参考文献数
4

Sous la Constitution de 1946, le pouvoir judiciaire bénéficie du statut de l'autonomie presque parfaite à l'égard des autres organes de l'Etat. Quant au barreau, il a obtenu une autonomie beaucoup plus élargie qu'avant la guerre et son statut a été si considérablement valorisé qu'il est d'usage de recourrir, au sujet de grands problèmes juridiques et judiciaires, à la concertation de trois organes de profession légale: Cour suprême, Ministère de justice et Confédération japonaise des barreau. En ce sens, on peut parler de la justice en tant que corps. Or, des promoteurs et partisans de la "Réforme judiciaire" en préparation exigent, du tribunal ainsi que du barreau, "plus d'ouverture" au bénéfice des justiciables. Cette exigence puise sa propre légitimité finalement dans deux notions-clé: logique du marché au profit des consomateurs de la justice, et responsabilité devant la nation en tant que souverain.Quel choix peut-on imaginer en face de cette exigence? L'accepter pour renoncer à la caractéristique des professions légales en tant que corps, ou la refuser pour défendre de ce dernier? Il faudrait, de toute facon, savoir la signification que chaque coix pourrait avoir pour l'avenir du constitutionnalisme et de l'Etat de droit.
著者
雲財 寛 山根 悠平 西内 舞 中村 大輝
出版者
日本体育大学大学院教育学研究科
雑誌
日本体育大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:24338656)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.245-254, 2020-03-30

本稿の目的は,教科教育学における量的研究を分類するとともに,帰無仮説検定の問題点を踏まえて,教科教育学における量的研究を行う際の留意点を導出することである。本稿では,教科教育学における量的研究を1.評価方法を開発する研究,2.子供や教師の実態を明らかにする研究,3.教育実践の効果を明らかにする研究,4.研究成果を統合する研究に分類した。そして,量的研究を行う際の留意点として,有意であるか否かといった二分法による安易な判断を避けること,帰無仮説検定における前提を意識すること,問題のある研究実践になっていないか振り返ることの3点を導出した。
著者
田中 実
出版者
人体科学会
雑誌
人体科学 (ISSN:09182489)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.31-40, 2019-07-15 (Released:2019-12-25)
参考文献数
25

発生学的に、細胞では細胞膜が内部陥入して核膜や細胞小器官の膜を形成すると共に、原始本能的脳として機能する。相似的に、人体では表層細胞層(広義の皮膚)が内部陥入して腸(原腸)さらに諸内臓を形成し、原始本能的・情動的・直感的脳として機能する。このような脳として振る舞う細胞膜や皮膚・腸・内臓が、「心しんぽう包・三さんしょう焦は共に名ありて形なし」、「三焦は孤腑、全身をつなぐ油膜」等とされてきた心包(六番目の臓)や三焦(六番目の腑)の実体と考えられることは既に報告した。本報告では、両手両上肢から前胸部の膻だんちゅう中穴へとつながる心包・三焦両経のルートに関する考察を通じて、両臓腑が前傾合掌に象徴される祈りや祭祀そして天人合一(東洋毉 (註1) 学の理想)への道を開くうえで重要な役割を果たす可能性を述べる。
著者
朴 進午 鶴 哲郎 野 徹雄 瀧渾 薫 佐藤 壮 金田 義行
出版者
The Society of Exploration Geophysicists of Japan
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.231-241, 2008
被引用文献数
8

IODP南海トラフ地震発生帯掘削計画として紀伊半島沖東南海地震(マグニチュード8.1)の震源域掘削が2007年秋頃から始まる。それに先立ち,我々は2006年3月,紀伊半島南東沖南海トラフ付近における地殻構造の高精度イメージングのため,深海調査研究船「かいれい」のマルチチャンネル反射法地震探査システムを用いた高分解能3次元反射法地震探査を行った(KR06-02航海)。「かいれい」3次元探査域は3ヶ所の掘削サイトをカバーしており,本調査には長さ約5kmのストリーマーケーブル(204チャンネル)と,約100 m 離れた2式の震源アレイを用いた。高分解能調査のため用いた各々の震源アレイはGガン2基とGIガン1基の組合せである。特に,ストリーマーケーブル1本のみを曳航する本調査では,左右震源アレイを交互に発震するFlip-flop方式を導入することで,1 sail line につき2 CMP line のデータ取得が可能となり,データ取得作業の効率が倍増した。最終的な3次元データ取得範囲は3.5×52 km となった。データ記録長は10秒,サンプリング間隔は1 msec である。また,震源アレイとストリーマーケーブルの曳航深度は,それぞれ5mと8mに制御した。発震点および受振点の測位のため, SPECTRAとREFLEXを使用した。調査期間中に船上QCなどの結果,良好なデータ取得が確認できた。調査終了後,陸上での3次元ビンニングなどの前処理を終えたCMPデータを用い,3次元重合前深度マイグレーション処理を行った。最終的に,3次元区間速度モデルと高分解能の地殻構造イメージが得られた。速度不確定性を推定するために行った3D PSDM速度テストの結果より,最終速度モデルは,約6kmの深度において最大±5%の速度不確定性を持つことがわかった。得られた3次元地殻構造の解釈の結果,南海トラフ底で沈み込んでいる,3つの音響ユニットから成る四国海盆堆積層の層厚変化が明らかとなった。特に,最上位のユニットCは,トラフ底から陸側への有意義な層厚増加や背斜構造によって特徴付けられ,また,ユニットCの中央には強振幅の反射面Rの存在が認められる。この反射面Rは斜めスリップ断層面として解釈され,このスラスト断層運動によって,ユニットCが重なり,陸側へ厚くなっていることが考えられる。<br>
著者
伊藤 大幸
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.297-312, 2010 (Released:2010-12-17)
参考文献数
52
被引用文献数
4

Incongruity theory holds a dominant position in explaining the mechanisms behind humor as a transient emotional reaction accompanied by laughing or smiling. However, there are two opposing models of this theory: the incongruity model and the incongruity-resolution model. This study looks at the differences in the role of the incongruity concept in each model and proposes an integrative model that clearly differentiates between structural incongruity as peculiarity and logical incongruity as the lack of causal relation between information. To test this integrative model, I manipulated these two different incongruities separately by changing the descriptions in the stimulus episodes. The results showed that each type of incongruity independently influenced the elicitation of humor. The possibility of confounding between the two factors was clearly negated by the results of the manipulation check and the general linear model analysis. These indicated the validity of the conceptualization of my integrative model, which can provide a unified theoretical framework for future humor studies.
著者
小野 哲男 水谷 英二 李 羽中 菓子野 康浩 若山 照彦
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集 第102回日本繁殖生物学会大会
巻号頁・発行日
pp.1033, 2009 (Released:2009-09-08)

【目的】葉緑体は植物や藻類にみられる細胞内小器官だが、その起源はシアノバクテリアの一種と考えられており、10数億年前に真核生物に1度だけ細胞内共生(1次共生)して葉緑体になったといわれている。本実験では、シアノバクテリアをマウス卵に注入することで人為的に一次共生を再現し、共生の条件検討および胚発生に与える影響を調べた。【方法】まず、注入用培地の検討を行うため、シアノバクテリア(Synechocystis sp. PCC 6803)を10%PVP-H-CZB、H-CZB、NIMに懸濁後、1個、5-10個、20個、それ以上(~100個)をB6D2F1マウスの未受精卵に注入し、生存率、単為発生後の発生率および注入数の影響を調べた。次に注入先の環境の影響を調べるために、未受精卵、単為発生胚(1nあるいは2n)、および受精卵へ注入し、同様な観察を行った。受精卵については細胞質内だけでなく前核内への注入も試みた。注入後に胚盤胞期まで発生した胚は培養を継続し、シアノバクテリアを細胞内にもつES細胞の樹立を試みた。【結果】シアノバクテリアはマニュピュレーターで卵子内へ注入可能であり、またクロロフィルの自家蛍光により染色なしで存在を観察できた。注入用培地の違い、および受容する胚の違いによる胚発生への影響は見られなかった。しかし注入数に関係なく胚の中でシアノバクテリアの増殖は見られず、50個以上のシアノバクテリアを注入した胚の多くは発生が阻害された。さらに、胚盤胞期でシアノバクテリアの存在が確認された胚からES細胞の樹立を試みたが、細胞内にシアノバクテリアの存在が確認できたものの、ここでもやはり増殖は見られなかった。また、発生過程でのシアノバクテリアの細胞質内分布はランダムで、細胞分裂に伴って各娘細胞へ伝わっているのが観察された。今後培養温度や、培養中に光合成可能な光を当てるなどさらなる改良を加えることで卵子内のシアノバクテリアを増殖させることができれば、葉緑体マウスの作出も可能になるかもしれない。
著者
豊田 智宏 樋口 哲也
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.27-31, 2019-04-10

summary固定疹は原因物質の摂取のたびに同一部位に繰り返し生じる皮疹である.原因として薬剤による頻度が高いが,食物など薬剤以外によるものでも引き起こされることが知られている.非薬剤性の場合,原因物質の特定が困難な場合が多く,診断に時間を要してしまうことが多い.薬剤内服歴がなければ早期診断のために詳細な問診を行うことが重要であり,確定診断には負荷試験が最も有用である.トニックウォーターによる固定疹はトニックウォーター中に含まれるキニーネにより引き起こされることが報告されている.キニーネを含む水は紫外線照射で青く発光するため容易に検査することができ,国内で流通しているトニックウォーターにはキニーネを含んでいる製品も認められている.今日ではトニックウォーターを使用したカクテルなどの種類も豊富であり,知らずにキニーネを摂取してしまう機会が多くなっているため注意が必要である.
著者
齋藤 京
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1047-1051, 2019-12-01

要約 42歳,女性.既往に憩室炎,単純ヘルペス,クラムチャウダーでの口唇アレルギーがある.左手指に発赤,遅れて喉の違和感や軽度の腹痛,口唇の腫れも生じたため紹介された.左手指と左頰に紅斑,右下口唇には水疱も出現したが,受診時すでに軽快中であった.1か月後に,発症時と同じファミリーレストランでの食後に同じ皮疹が再燃し再受診,臨床および病理検査で固定疹と診断した.原因として普段飲まないドリンクバーでのトニックウォーターを疑い,試飲によるチャレンジテストを施行し陽性だった.トニックウォーターはメーカーによっては苦み成分のキナ抽出物が含有されており,それによる固定疹の報告が散見される.その認知度はまだ低く,診断確定には時間を要することが多いが,今回は速やかに診断できた.飲食店によってはトニックウォーターがアルコールに限らず清涼飲料としても提供されていることから,周知が必要である.
著者
種子島 智彦 池田 信昭 井上 雄介 相原 道子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.207-210, 2014-03-01

要約 26歳,男性.5年前より口唇に疼痛を伴う水疱形成を繰り返していた.2008年8月中旬,左口唇に小水疱が出現した.近医にて口唇ヘルペスを疑われバラシクロビルを処方されたが改善しなかったため,当科を受診した.肛門,亀頭部にもびらんがみられTzanckテストを施行したが陰性であった.その後,自然軽快した.以後2回ほど同様の皮疹が出現し,下顎,両手背に有痛性の紅斑も出現するようになったが自然軽快した.2011年4月中旬,同症状が再度出現し,詳細な問診の結果,トニックウォーターを含むカクテルの摂取後に症状が出現していたことが明らかになった.ジントニック1杯に含まれるトニックウォーターの半量(60ml)による誘発試験を施行したところ,摂取2時間後に症状が出現し,トニックウォーターによる固定疹と診断した.薬剤内服歴のない若年者に同部位に繰り返す皮疹を認めた場合,トニックウォーターによる固定疹も鑑別に挙げることが重要であると考えた.
著者
富山 新一
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1291-1296, 1974-12-25 (Released:2008-02-29)
参考文献数
7
被引用文献数
5 8

When fish were exposed to a solution containing RSO3-, RSO4-type surfactants, these surfactants were particularly adsorbed on to the surface of fish gills, causing increased numbers of red blood cells in the treated fish. Death caused by these types of surface active agents was delayed by the addition of protein to the surfactant solution.These results suggest that the toxicity of RSO3-, RSO4-type surfactants for fish might be due to the formation of a surfactant-protein complex upon contact with gill protein.
著者
王 海
出版者
Institute for Cultural Interaction Studies, Kansai University
雑誌
近代世界の「言説」と「意象」 : 越境的文化交渉学の視点から
巻号頁・発行日
pp.161-178, 2012-01-31

It is widely believed that Shiba Ryōtarō made his first decision to learn Mongolian at Osaka Foreign School as major, because he was so interested at literature about the Nomads. In fact, Shiba was failed in the previous entrance exams for Osaka High School 大阪高等学校 and Hirosaki High School 弘前高等学校. After the 9.18 Incident and the establishment of Manchuria, more Japanesegraduates were sent to work at Manchurian and Mongolian area, especially the Mongolian major students. After the frustration of the exams, it was possible for Shiba too, to dream to open a new life there. From those above, it is necessary to explore Shiba's motivation from the perspective of imperial Japan. Osaka Foreign Scholl was founded to enhance the economic communication withAsian continent at the beginning. However, with the proceedings of Japan imperialism, the school started to change its position to meet the needs for "North Expansion". Students and teachers actively participated in politics. They organized speeches, donations to support the war. Although Shiba didn't like the life in the camp, he wished to work at the secret service in Mongolia. We can see the obedience and resistance in the time from Shiba. Mongolian department published a magazine called "sakuhu". "sakuhu" was believed to inherited Oriental Studies. It demonstrates Asia history as the offense and defense between the cultivation and nomadism. Shiba was influenced by this view of history.
著者
竹中 直人
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.852, pp.66-70, 1996-08-12

高視聴率を続けるNHK大河ドラマ「秀吉」で主役を演じる。"汚い"ヒーローを演じようという想いが多くの視聴者に支持された。最初から受けを狙うのでなく,自分の好きなことを貫くのが大切と説く。過程を重視し,結果は後からついてくるものと信じる。(聞き手は本誌編集長,永野健二)問主演されているNHKの大河ドラマ「秀吉」が,空前の視聴率を上げています。
著者
坂上 嶺 佐藤 駿 松重 一輝 安武 由矢 日比野 友亮 眞鍋 美幸 内田 和男 望岡 典隆
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.255-264, 2021-05-15 (Released:2021-05-23)
参考文献数
42
被引用文献数
5

ニホンウナギ資源減少の原因の1つとして,鳥類からの被食リスクを低減する隠れ場所となると考えられる浮き石の,河川改修による減少が挙げられる。本研究では,浮き石による間隙の存在が,本種の生残に影響を与えるかを検証するために,間隙が利用可能な池と利用不可能な池の2群における生残率と肥満度の変化量を比較する実験を行った。その結果,間隙が利用可能な池では供試魚の生残率が有意に高く,浮き石による間隙は捕食者である鳥類から餌として発見される可能性を下げる効果があることが確認された。