著者
寺本 婉雅
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.44-83, 1931-12
著者
上野 昌之 Masayuki UENO
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要. 人間学部篇 = Bulletin of Saitama Gakuen University. Faculty of Humanities (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.211-224, 2011-12-01

アイヌ語は、アイヌ民族の独自言語である。かつて樺太、千島、北海道の三方言があったと言われるが、現在母語話者が残っているのは北海道方言のみとなっており、その母語話者も人数としては極めて少ない。こうした状況は言語学的には危機言語、つまり消滅の危機に瀕した言語として考えられている。アイヌ語の母語話者が減少した背景には、歴史的な要因が大きく関わっている。幕末から明治期の対アイヌ政策がもとらした帰結といえる。アイヌ語の衰退は、アイヌ民族の日本語への転換、日本化が進行してたことを意味する。言語を媒体とした相互の意志・思想・感情の世代間の継承行動の喪失が生じ、民族共同体に統一性が失われ、これまでの日常性が崩壊し、伝統的共同体の解体へと至ることになる。民族的アイデンティティが揺らぎ民族の存在が危ぶまれる状況になっていった。しかし、今日アイヌ民族は民族の権利回復をめざす活動を行っている。その中でアイヌ語の復興活動の持つ意味は大きいものになっている。本稿では、アイヌ語の衰退を歴史的な事実からたどり、アイヌ民族への教化により彼らの習慣、生活様式が変質を強いられていく過程を概観し、その際学校教育がアイヌ語の衰退に大きく関与していたことを明らかにする。次にアイヌ語のように危機言語と位置づけられる言語が衰退に導かれるプロセスを追い、その意味を考察する。そして、民族集団の持つ言語の権利を踏まえ、言語保護のための国際的潮流を参照する。そして最後に、アイヌ語の復興活動の一つとして地域的に繰り広げられているアイヌ語教室について、平取二風谷アイヌ語を例にその活動を概観し、行われている活動の中からアイヌ語復興にとって必要な事柄、復興の意義を考えることにする。
著者
山本 和明
出版者
人間文化研究機構国文学研究資料館
雑誌
Leaflet on Digital Object Identifier (DOI) = Leaflet on Digital Object Identifier (DOI)
巻号頁・発行日
2016-03-25

DOI(ディー・オー・アイ)って何:Digital Object Identifier の略。恒久的にデジタル情報を特定できる、国際的な識別子、それがDOIです。対象は、書籍や論文にとどまらず、研究データ、さらに映画やテレビ番組などの情報資産にも、広がり続けています。インターネット上にあるデジタルコンテンツの所在情報は、一般的にURLによって示されています。しかしページやコンテンツの場所などが変わるたびにURLも変更になり、わずか数年で、対象のサイトに行き着けないということがしばしば。そこで、デジタルコンテンツへの永続的なアクセスを実現するため考案されたのが、DOIです。日本では、大学図書館や国立情報学研究所、国立国会図書館が古典籍のデジタル画像へのDOI付与に先進的に取り組んでいます。国立国会図書館では、博士論文(14万件)等への付与に加えて、2015年2月から、約9万件の古典籍画像にもDOIが付与されました。DOIは、いま研究者が知っておくべき識別子なのです。
著者
山田 奨治
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 : 国際日本文化研究センター紀要 (ISSN:09150900)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.15-34, 1999-06-30

オイゲン・ヘリゲル著『弓と禅』は、日本文化論として広く読まれている。この論文では、ヘリゲルのテクストやその周辺資料を読み直し、再構成することによって、『弓と禅』の神話が創出されていった過程を整理した。はじめに弓術略史を示し、ヘリゲルが弓術を習った時点の弓術史上の位置づけを行った。ついでヘリゲルの師であった阿波研造の生涯を要約した。ヘリゲルが入門したのは、阿波が自身の神秘体験をもとに特異な思想を形成し始めた時期であった。阿波自身は禅の経験がなく、無条件に禅を肯定していたわけでもなかった。一方ヘリゲルは禅的なものを求めて来日し、禅の予備門として弓術を選んだ。続いて『弓と禅』の中で中心的かつ神秘的な二つのエピソードを選んで批判的検討を加えた。そこで明らかになったことは、阿波―ヘリゲル間の言語障壁の問題であった。『弓と禅』で語られている神秘的で難解なエピソードは、通訳が不在の時に起きているか、通訳の意図的な意訳を通してヘリゲルに理解されたものであったことが、通訳の証言などから裏付けられた。単なる偶然によって生じた事象や、通訳の過程で生じた意味のずれに、禅的なものを求めたいというヘリゲル個人の意志が働いたことにより、『弓と禅』の神話が生まれた。ヘリゲルとナチズムの関係、阿波―ヘリゲルの弓術思想が伝統的なものと錯覚されて、日本に逆輸入、伝播されていった過程を明らかにすることが今後の研究課題である。
著者
中野 礼菜
出版者
道北福祉研究会
雑誌
道北福祉
巻号頁・発行日
no.3, pp.11-21, 2013-03-31
著者
田中 高史
出版者
国立極地研究所
巻号頁・発行日
2020-03-31