著者
笈入 建志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.328-334, 2013-08-01

今は小規模かつ個人経営の小売店舗は書店に限らず減少し,一方でコンビニエンスストアやチェーン店,大資本による大型店舗やショッピングセンターなどが目立つ時代である。個人経営の書店が生き残っていくためには何が必要なのか。現在行っている仕事を整理しなおし,それぞれ将来性や重要度をもう一度検討する。接客,仕入れ,商品開発,販売促進,PR,イベントなどの各分野に含まれる仕事の,どれを最重要と位置付けて力を注ぐのか。新しい時代の書店がここから生まれる。
著者
八木 良太
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.17-36, 2012-03

本稿は、企業のイノベーション戦略の選択における産業構造分析の有用性について論じている。具体的には、ファイヴ・フォース分析と産業進化の4類型という2つのフレームワークの理論的な貢献と限界について論じ、産業構造分析の理論的展開を整理しつつ、産業進化の4類型による音楽産業の産業構造分析を行う。その結果、産業進化の4類型が、ファイヴ・フォース分析の理論的問題点を補完するとともに、企業による最適なイノベーション戦略の選択に必要な3つの要素((1)産業の変化パターンの理解、(2)産業の発展の方向性の予測、(3)経営資源の陳腐化の状態の把握)を提供するフレームワークであることが明らかになる。そこで、これら3つの要素を手がかりに、現在の音楽産業の企業にとって有効なイノベーション戦略について考察する。
著者
小磯 花絵
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.57-69, 2014-04-30

In this paper, we investigate the relationship between syntactic structures and boundary pitch movements (BPMs) of accentual phrases such as rising and rising-falling tones based on a quantitative analysis of spontaneous Jananese monologs. We found that BPMs tend to occur more frequently at syntactically and semantically deep boundaries, and also that the BPM rate at syntactically shallow boundaries tends to increase as the distance from the weak or non-clause boundary to its modified bunsetsu phrases increases. These results suggest that BPMs could have the function of indicating the continuation of the utterance. We also discuss the relationship between the occurrence of BPMs and cognitive load in speech planning.
著者
鳥海 不二夫 神谷 達幸 石井 健一郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.11, pp.1740-1750, 2011-11-01

近年,SNS (Social Networking Service)やBlog,Twitterなどのインターネットを利用したコミュニケーションツールの利用が拡大している.SNSのユーザは友人登録機能によってSNS上での他のユーザとの関係を表現する.このようにSNS上に現れる友人関係は,実社会において観測することの困難な人間関係を限定的ではあるが具現化する可能性がある.本研究では性質の異なる多数の小規模SNSを表現可能なネットワーク生成モデルを提案した.提案モデルは,SNSの成長モデルとして知られているCNN+Fitnessモデルに,管理者優先モデル,トライアドフォーメーションモデル,優先的近傍接続モデルを組み合わせて作られた.そして,それぞれのモデル適用率をパラメータとし,モデル化したいSNSに特化して最適化することで,現実の友人ネットワークの構造を近似する.パラメータの最適化にはSimulated Annealingを利用した.また,提案モデルの近似性能を確認するために,ネットワーク指標間の距離に基づいた評価関数を提案した.提案モデルを279の小規模SNSに適用し,提案評価関数で評価した結果,従来のモデルよりも高い精度で小規模SNSの友人ネットワークを近似できることを確認した.また,提案した3種類のモデルについて有効性を確認したところ,管理者優先モデル,優先的近傍接続モデルは友人ネットワーク生成モデル構築上重要であったが,トライアドフォーメーションモデルはネットワークの生成にほとんど寄与しないことが明らかとなった.
著者
岡田 三津子 長谷川 勝久 小橋 愛子 鈴木 弥生 原之薗 裕三枝 大田 恵子 筒井 康子 角田 智恵美 岡 敏江
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:0916216X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.63-78, 2008

昨年、我が国では10〜20代を中心に麻疹が流行し、高校や大学の休校が相次いだ。九州女子短期大学および九州女子大学では、麻疹対策のために2007年と2008年に無料で学生に抗体価測定を実施した。抗体測定にはHI法またはEIA法を用い、麻疹抗体が陰性と判定された学生(HI抗体価:8未満、IgG抗体価:4未満)に対してはワクチン接種を勧奨した。本研究では九州女子短期大学養護教育科に所属する学生の麻疹ウィルス抗体保有状況を把握するために質問票調査を行った。麻疹の既往や過去のワクチン接種に関しても同時に調査した。質問票の回収率は94.5%だった。解析の対象はウィルス抗体価を測定し、質問票に回答した九州女子短期大学養護教育科学生209人であり、そのうちHI抗体価測定者は70人、IgG抗体価測定者は139人いた。HI抗体価を測定した学生の約47.9%が8以上で陽性と判定されたのに対し、IgG抗体価測定者では、約77%が抗体価4以上で陽性あった。HI抗体価においてもIgG抗体価においても麻疹の既往は抗体保有に関連している傾向があった。幼児期の麻疹ワクチン接種は、麻疹の既往のない学生において、抗体保有との関連が認められなかった。一方、例数が少ないが、麻疹既往がある学生においては幼児期ワクチン接種者のほうが抗体価の維持ができていない可能性が示唆された。
著者
松薗 斉
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究
巻号頁・発行日
vol.44, pp.407-424, 2011-10-23

従来、総体的な把握がなされてこなかった中世後期の日記についてその特色を述べたものである。まず室町期について、前代より継続して記される公家の日記は、南北朝期に生じた朝廷の儀式の断絶や以後顕然化したその衰退及び経済的基盤を失って生じた公家たちの疲弊が、その「家」の日記の作成活動に停滞をもたらし、彼らの日記が前代にもっていた国家的な情報装置としての役割を低下させたことを指摘した。
著者
中川 聖一 山本 誠治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2139-2145, 1996-12-25
被引用文献数
9

本論文では,対話方法と被験者の違いによる振舞いや主観の違いの検討を行うために,"Wizard of Oz法"でインプリメントしたシステムを用いて評価実験を行った."Wizard of Oz法"とは,システムに精通した人(ウィザード)がシステムの代わりに処理を行うことによって,あたかもシステムが存在しているかのように見せかける実験方法である.評価実験で用いたタスクは,"富士五湖周辺の宿泊施設案内"で,対話方法としてはシステム主導型とユーザ主導型の二つを用意した.また,被験者として情報工学系の学生と工学系でない一般の女性を選び,合計16人で実験を行った.評価実験で得られた対話データをもとにユーザの平均発話数,1発話当りのユーザのシステム占有時間,聞き直し,間投詞,言い直し,単語カバー率について詳しく検討した.その結果,ユーザの平均発話数はシステム主導型の方が多くなるが,ユーザのシステム占有時間はユーザ主導型の方が長くなることわかった.また,間投詞,言い直しはユーザ主導型の方が多く出現することわかった.更に,システム主導による入力の方がユーザ主導に比べて使用される単語にかなりの制限が加えられることが確認できた.
著者
川上 一貴 岡部 晋典 鈴木 誠一郎
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.245-250, 2011-05-28
被引用文献数
3

本報では地域情報をWeb上にアーカイブし公開する「地域映像アーカイブ」を対象に,2008年にアンケート調査を行い,加えて,2011年にアンケート対象アーカイブの存続度合いを調査した.結果,アクセス解析の有無には自アーカイブに対する更新の姿勢が異なることが関係すること,2004年の先行研究で行われた自アーカイブへの問題点の指摘は2008年の時点では別の問題として変質したこと,自治体が設置母体のデジタルアーカイブは推進団体によるそれよりむしろ消滅しやすいこと等の知見を得た.

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著者
日置謙 編
出版者
金沢文化協会
巻号頁・発行日
1944
著者
茂出木 理子
出版者
東京大学教養学部等事務部図書課
巻号頁・発行日
2010-10-15

東京大学若手図書館職員自主研修会, 2010.10.15, 東京大学
著者
田中有美 編
出版者
田中有美
巻号頁・発行日
vol.巻4, 1915
著者
坂西 友秀
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.105-115, 1995

rights: 日本社会心理学会 rights: 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである relation: isVersionOf: http://ci.nii.ac.jp/naid/110002785269This study has the following two aims. First, it is aimed at investigating the effect of a victim's coping style with bullying with regard to resolving bullying problems. Second, it is aimed at exploring long term effects of bullying on a victim. The main results of the first part of this study were as follows: 1. The active reaction of victim's to the assailant increased the rate of improvement or complete resolution of the bullying problem. When a victim asked somebody (for example, his/her school mates, family, teacher, or all of the above) to help, the results indicated improvement or complete resolution. However, no resistance by a victim increased the possibility of continuing bullying. 2. Bullied experiences have long term influences on a victim in various ways such as physical, active, social, and psychological. In the second study, the victim's self-perception and his/her perception of other victims concerning the long term influence of bullying were compared. The victim's self-evaluation was significantly smaller than his/her evaluation of other victims. These results were analysed from victim's defensive attitude, and differences in perception between actor and observer.
著者
荻原 和夫
出版者
上田女子短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:09114238)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.149-156, 1990-03-31

若い女性のアルコール飲料に対する感受性(耐性)並びに嗜好傾向などについて調査し,次のような結果を得た。(1)アルコール飲料を好きと答えた者の比率は16%であり,嫌いと答えた者が12.5%であり,あとの72%は飲める程度との回答であった。(2)アルコール飲料を飲める体質であると自認している者の比率は約73%,飲めない体質と答えた者は約24%であった。(3)アルコール飲料を飲んだとき赤くなる体質の者は55%程である。そして飲める体質の人でも赤くなる者が48.8%おり,アルコール好きの者で赤くなく体質は37%であった。(4)アルコール飲料を飲んだとき起こす症状として多くみられることは陽気になる56%,体があつくなる35%,眠くなる34%などであった。(5)アルコール飲料に対する耐性や好みは遺伝的な面もあるが,その他の要因も複雑に関与している。