著者
吉次 公介
出版者
沖縄国際大学
雑誌
沖縄法政研究 (ISSN:13448242)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.167-212, 2003-03-30
著者
宮崎 かすみ
出版者
和光大学表現学部
雑誌
表現学部紀要 (ISSN:13463470)
巻号頁・発行日
no.16, pp.127-146, 2015

本稿では、変質論と推理小説の親和性を論証した。まず19世紀半ばにフランスで精神医学の理論として発表された変質論がもっと前の時代の、人類学における人種論としての議論にまで遡り系譜をたどった。その上で、ロンブローゾの犯罪人類学の理論的骨格となっている変質論が、人種論に由来するものであることを明らかにした。後者の変質論は、ダーウィニズムの影響が色濃く、退化や先祖がえりといった概念を特徴とするが、アーサー・コナン・ドイルのホームズ・シリーズを、この変質論のパラダイムから読み解いた。そして、ホームズ物語は、犯罪という現象の原因にある政治や社会問題を、犯罪者の変質した身体の問題へと収斂させるというプロットを内在させていったことを指摘した上で、そのベクトルを変質論から援用していたという結論に至った。
著者
海津 一朗
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 人文科学 (ISSN:1342582X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.81-86, 2018-01-31

所謂「元寇」「弘安の役」において高野山の住僧集団が博多志賀島に下向して異国降伏祈禱を行なったという南院浪切不動伝説についての言説を史料批判する。高野山には鎌倉幕府の出先機関・金剛三昧院があり、恩賞奉行の安達泰盛勢力はそこを拠点に対元戦争の戦争指導を行っていた。その中心人物こそ高野検校賢隆であり、彼が破格の出世を遂げた背景は、志賀島下向をおいてほかにはないことを論証した。志賀島の神戦は真実であった。
著者
小林 幸夫 小島 直樹 Yukio KOBAYASHI Naoki OJIMA 平成16年度専攻科電子システム工学:(現)日本ビクター株式会社
出版者
小山工業高等専門学校
雑誌
小山工業高等専門学校研究紀要 = The research reports of Oyama Technical College (ISSN:02882825)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.71-75, 2006-03-10

It is few that phase information is handled as a research on tone color. Because it has been thought that the phase is unrelated to the tone color. However, the result that the human can detect the phase difference is also reported, when the phase difference between each component sound of complex tone was changed. In one of the auditory sense psychological phenomenon, by the change of the harmonic composition the tone color changes, and it is not change sound pitch. This phenomenon is called "Phenomenon of the missing fundamental (MF)". As we paid attention to this phenomenon in this research, we confirmed the mechanism and examined the influence of the phase change between the component sounds to the perception of MF. As the result, it has been found that the changes of the pitch and the tone color take place in the perception by giving the phase difference. So, we concluded that not only each frequency component but also phase is largely related to a tone color.
著者
柳瀬 陽一
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.824-874, 2012-01-05

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
佐藤 一男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.354-357, 2011

本稿は,日立市において小学生と中学生の理数学力向上のために企業OBたちが展開しているボランティア活動の報告である。NPO法人日立理科クラブが誕生するまでには多くの困難があったが,産官学が一体になってこれを進めてきた。日立市および教育委員会の真剣な対応と学校現場の理解,そして日立製作所の強い支援と在住する企業OBたちの豊富な人材があってこの計画が順調に立ち上がりつつあり,「モノづくりと実験」を基本とするこの教育支援は効果をあげつつある。科学創造立国・日本を堅持するためにも,知識と経験のある企業OBのさらなる活躍に期待したい。
著者
村田 浩一
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.145-148, 2002-09
参考文献数
6

飼育下アジアゾウ(Elephas maximus)3個体の体表にゾウハジラミ(Haematomyzus elephantis)寄生を認めた。感染個体は高度の〓痒感を示し,室内の壁面や床面に体を擦り付ける行動が見られたが,これによる擦過傷や丘疹の発生は認めなかった。合成ピレスロイド系薬剤の寄生部位への局所投与には効果がなかった。カーバメイト系シャンプー剤による全身洗浄を約2か月間に5〜7回行ったところ著効が認められた。ゾウの検疫にはゾウハジラミ寄生にも注意を払う必要がある。
著者
小竹 悟
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.156-163, 2016-03

調和振動子の量子力学ではエルミート多項式,水素原子の量子力学ではラゲール多項式という具合に,直交多項式は量子力学の問題を扱う際に頻繁に現れる欠かせない存在である.これら直交多項式は数学者によって詳しく調べられてきた.物理学にとって大切な2階微分方程式を満たす直交多項式はエルミート,ラゲール,ヤコビ多項式に限られる事が古くから知られており,2階差分方程式を満たす直交多項式も(q-)超幾何直交多項式のアスキースキームとして1980年代にまとめられている.このように書くともう何も研究する事が無いように思われるかもしれないが,中々どうして最近もまだ進展があり,その内の2つ,生成消滅演算子の自然な構成と,新しい種類の直交多項式について解説する.この発見の原動力となったのが解ける量子力学模型によるアプローチで,その利点は量子力学の研究で培われた知識・手法を用いる事ができる点である.また,直交多項式の性質に統一的な視点を与える事もできた.例えば,アスキースキームの直交多項式が満たしている前方・後方ずらし関係式は個別に述べられているだけであったが,量子力学の観点からは模型の形状不変性の帰結として統一的に理解できる.解ける量子力学模型の生成消滅演算子に関する研究は色々と行われてきたが,それらは具体的な微分演算子としてではなく形式的な演算子に過ぎなかった.前方・後方ずらし関係式はパラメータをずらしてしまうので,調和振動子以外では生成消滅演算子とは別物である.調和振動子の生成消滅演算子が座標のハイゼンベルク解の負・正振動数部分の係数として得られていたのを真似て,アスキースキームの直交多項式が固有関数に現れる量子力学模型に対して生成消滅演算子を微分演算子(差分演算子)として自然な形で構成する事が2006年にできた.これには,閉関係式と名付けられた性質を用いて,正弦的座標と呼ばれる特別な座標のハイゼンベルク解が厳密に求められる事が利用された.通常の直交多項式は全ての次数が揃っている事から完全系をなしているが,次数に欠落があるにも拘らず完全系をなしているものが新しい種類の直交多項式である.2階微分方程式を満たす(通常の)直交多項式はエルミート,ラゲール,ヤコビ多項式に限られるという定理を逃れる試みとして,微分方程式を差分方程式に変更する事でアスキースキームの直交多項式が得られていたが,多項式の次数を見直すという新しい方向への変更である.0次式が存在せず1次式から始まるが完全系をなす最初の例が2008年に与えられ,例外直交多項式と名付けられた.新しい種類の直交多項式を固有関数として持つ解ける量子力学模型を形状不変性や他の手法を用いて構成する事により,新しい種類の直交多項式が無限に多く得られ,多添字直交多項式と名付けられた.この新しい種類の直交多項式の発見は,多少大げさかもしれないが,エルミート・ラゲール・ヤコビ以来の大きな進展と言えよう.差分方程式を満たす直交多項式に対しても多添字直交多項式を構成する事ができ,これらの構成において量子力学的定式化がおおいに役立った.直交多項式に新たな分野を切り開いたこれらの新しい多項式は現在活発に研究が行われている.