著者
森田 昭彦 石原 正樹 亀井 聡
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.262-264, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
5

A detailed survey to investigate the prevalence, clinical features, associated outcomes, and prognostic factors in adult patients with influenza–associated acute encephalopathy was performed. The estimated annual incidence of adult IAE was 0.98/1,000,000 population in Japan. Baseline patient characteristics were 50% male, median age at onset of 54.5 years, and median hospital stay of 15 days. As initial symptoms, 93% of patients showed disturbance of consciousness. Convulsions and delirious behavior were shown in 26% and 40% of patients, respectively. 65% of patients received pulse corticosteroid therapy with methylprednisolone and 21% of patients received intravenous gamma–globulin therapy. Additionally, 21% of patients required mechanical ventilation. 63% of patients achieved a good recovery, but 7% died. Plasma glucose level was significantly associated with poor outcome. Hyperglycemia might be an independent predictor of poor prognosis in IAE patients and reflect systemic hypercytokinemia in IAE pathogenesis.
著者
彦 聖美 大木 秀一
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa journal of nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.1-10, 2016

男性介護者は女性介護者と比較して,介護生活が破綻しやすいハイリスク集団である.増加する男性介護者が性別特徴による課題を有する集団として注目されたのは最近のことである.男性介護者の健康支援を考える場合には,社会学等で先行する多くの知見を加味する必要がある.男性介護者の健康は,個人レベルでは,性差,婚姻,経済状況,就業,生活習慣,心理状態,社会的サポート,社会的ネットワークなど,集団レベルでは,ジェンダー,性別役割,家族形態の変化,ワーク・ライフ・バランス,介護保険制度,ソーシャル・キャピタル,地域差などの様々な社会的要因が関与する.今回,これらの要因について現在までに得られている知見をまとめた.男性介護者に対する個人レベル・集団レベルでの包括的な健康支援は,介護者全体を取り巻くより本質的な問題の解決につながり,その結果,性別を問わず,介護者全体が健康に暮らせるような社会につながる可能性が期待できる.
著者
海谷 慧 岡野 こずえ 松浦 亜由美 宮原 悠太 荒木 三奈子 中野 かおり
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.14-21, 2015-01-25 (Released:2015-03-10)
参考文献数
7

播種性血管内凝固症候群(DIC)の原因の一つとして敗血症が知られている。その原因成分としてグラム陰性菌細胞壁構成成分であるLipopolysaccharide(LPS)が最重要視されている。LPSは単球や血管内皮細胞に炎症性サイトカインや組織因子(tissue factor:TF)を産生させ,DIC発症に影響を与えるとされるが,LPSを持たないグラム陽性菌や真菌も敗血症性DICの原因菌となることも報告されている。我々は,敗血症の原因菌の菌種および菌株の違いがDICの発症機序や病態にどのような影響を及ぼすのかを検索するために,グラム陰性桿菌(Escherichia coli,Klebsiella pneumoniae),グラム陽性球菌(Staphylococcus aureus,Coagulase-Negative-Staphylococci),真菌(Candida albicans)を用いて,ヒト単球細胞株U937細胞とヒト末梢血単核球(PBMC)を刺激した。それらの反応性についてフローサイトメトリー法を用いてTF とInterleukin-6(IL-6)の各細胞の陽性率を比較し,細菌由来刺激物質と各種細胞反応性との関連を証明することを試みた。また,細菌由来刺激物質として,細菌菌体と細菌菌体抽出物の両方を比較検討した。グラム陰性桿菌,グラム陽性球菌,真菌すべてがU937細胞とPBMCにIL-6およびTFを産生させた。U937では,TF陽性率はEsherichia coli,IL-6陽性率はCoaglase-Negative-Staphylococciが最も陽性率が高かった。一方,PBMCではTF,IL-6陽性率の個人差が大きく,最も陽性率が高い菌も人によって様々であった。このことより,敗血症における生体の反応性は,菌種の違いよりもヒト個体差のほうが大であると考えられた。
著者
田中 秀作
出版者
彦根高等商業學校調査課
雑誌
調査研究
巻号頁・発行日
no.第四十八輯, pp.1-13, 1936-10
著者
冨永 健太郎
出版者
田園調布学園大学
雑誌
田園調布学園大学紀要 (ISSN:13477773)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.195-204, 2007

1949年の身体障害者福祉法では,その制定過程において,いわゆる「総合法」的な議論がなされたが,結果としてそれは実現しなかった。また,1960年の精神薄弱者福祉法は,児童福祉法の唱える「独立自活」規定との連続性を(形式的にであったとしても)担保するという考えのもとで,機能障害によって保護・収容するのではなく,あらゆる「広義の障害者」を対象としてきた救護施設を周到に排除することで成立した。わが国では,この身体障害者福祉法と,精神薄弱者福祉法の制定によって,障害種別施策が確立する。この2法が成立したことで,他国に例を見ない機能障害別の縦割り制度が誕生したのである。こうした「機能障害の種類と年齢による対象区分」が先立つわが国の障害者福祉のあり方に対して,日本障害者協議会(JD)は,1996年に総合福祉法としての障害者福祉法を試案として提起している。だが,現行の障害者自立支援法では,そのような試案を必ずしも反映するものにはなりえていない。平成21年度には障害者自立支援法の改正が行なわれる。当該の法改正においては,制度が支援を阻む事態を回避しなければならない。それは,何よりもまず,障害のある当事者の支援ニーズが先行するものでなければならない。
著者
落合 教幸
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.7, pp.88-130, 2012-04-25
著者
若井 尚子
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.7, pp.78-87, 2012-04-25
著者
松森 慎悟 阿久澤 さゆり
出版者
駒沢女子(短期)大学 学長 光田 督良
巻号頁・発行日
no.1, pp.23-29, 2018-12-25

Bagels are usually boiled after secondary fermentation; however, in the present study, bagelswere prepared via steam heating and their quality characteristics were examined and compared.To constitute the study sample, bagels boiled for 1 min comprised the control, and steam heatingwas performed for 1 and 3 min. For the measurement items, shape measurement, measurementof color difference, moisture content, rupture measurement, and sensory evaluation wereperformed for the bagels.Upon shape measurement, significantly lower values for volume andouter diameter were obtained upon steam heating, compared to the control, and the height wasgreater in the case of bagels subjected to steam heating for 1 min. There were no significantdifferences in the color tone of the crust and the moisture content. Upon rupture measurement,bagels subjected to steam heating for 3 min displayed the highest value for hardness of thecrust and crumbs. Upon analytical sensory evaluation, bagels subjected to steam heating for 3min were evaluated as the hardest, and no significant difference was observed in all items uponpreference-type sensory evaluation. From the above results, it was suggested that despite steamheating instead of boiling, bagels of comparable quality could be prepared.
著者
野口 潤次郎
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.75-85, 2017

"役に立つ"ことを判断する価値観は、どこから来るのかを言語の進展の観点から議論する。言語進展の過程に日本とヨーロッパにおいて類似性があることを見出す。言語には日常言語、社会言語、記述言語の3 種があり、これらが一致していることがイノべーションに必要不可欠であることを古代の神話の形成、言語の形成、文字の導入にさかのぼり諸文明の情況を観察しつつ解明する。それらを踏まえ、グローバリゼーションの中で、日本の数学教育の向かう所について考える。
著者
横田 茉莉 西田 昌道 中原 慎二 坂本 哲也
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.498-503, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
11

急性アルコール中毒での救急搬送件数は,年々増加傾向にある。2015年1月1日〜2016年12月31日までに当院救急外来を受診した患者のうちエタノール血中濃度を測定した1,265例を対象とし臨床所見(意識レベル・嘔吐の有無,帰宅までに要する時間,輸液量)について検討を行った。男781例,年齢中央値30歳,エタノール血中濃度の中央値は219mg/dlであった。エタノール血中濃度と意識レベルはSpearman相関係数0.50で,弱い相関しか認められなかった。嘔吐の有無でエタノール血中濃度に差はなかった。輸液量,帰宅までの時間もエタノール血中濃度と相関は認められなかった。臨床症状からのエタノール血中濃度の予測は難しいことが示唆された。