著者
羽山 徹彩 難波 英嗣 國藤 進
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.9, pp.1483-1494, 2009-09-01

近年の電子化プレゼンテーションの普及により,講義や会議などの多くの場面で電子的なプレゼンテーション資料(スライド)が利用され,蓄積されてきた.蓄積されたスライドデータは知識資源として膨大となりつつあるため,その高い利活用性が求められている.その有用な方法のひとつとして,レイアウトや視覚的効果など人間の理解を促すための有意な構造情報を利用することが挙げられる.しかしながら,そのような構造情報は,スライドデータの中で明確に定義されていないため,計算機で直接的に扱うことが困難である.そこで,本研究ではスライドに含まれる情報からその構造を抽出する手法を提案する.提案手法は,まずスライド上のオブジェクトを“タイトル”,“図”,“表”,“本文”,“装飾”といった機能的な属性の纏まりに組織化し,それら纏まりをトップダウン的に木構造へ組み上げる構造化を行う.評価実験では人手で作成した正解データをもとに,標準的な手法と比較することで,提案手法の有効性を確認した.
著者
湯浅 愛里 田中 美子 宇野 真由奈 金森 千香 竹内 実
出版者
京都産業大学先端科学技術研究所
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-12, 2017-07

外国産ハチミツによる免疫機能への影響は報告されているが、日本国産ハチミツの免疫と抗炎症作用についての詳細な解明はされていない。そこで、日本国産ハチミツとして京都産業大学産ハチミツ(京産ハチミツ)を用い、免疫細胞である肺胞マクロファージ(AM)とLipopolysaccharide(LPS)で誘導した肺炎症に対する影響について検討した。AMにLPS添加群(最終濃度10μg/ml)とLPSに京産ハチミツ添加(ハチミツ最終濃度1、10mg/ml)したHL(Honey + LPS)群を設け共培養し、炎症性サイトカインであるIL-1βとCXCL2のmRNA発現をRT-PCR法により調べた。AMのIL-1β mRNA発現比率は、LPS添加群と比較して、HL添加群のハチミツ濃度10mg/mlで有意な(p < 0.01)減少が認められた。一方、CXCL2 mRNA発現比率は、LPS添加群と比較して、HL添加群のハチミツ濃度10mg/mlで有意な(p < 0.001)減少が認められ、ハチミツに炎症性サイトカインの発現を抑制することが認められた。これらのin vitro系の結果から、LPS投与による肺炎症への影響を検討した。マウスにLPS 50 μg/ 匹を投与したLPS 群、ハチミツ10mg/ 匹を投与し24時間後にLPSを投与したHoney + LPS(HL)群について、それぞれのBAL 総細胞数を比較した。BAL総細胞数は、LPS群で有意な(p < 0.001)増加が認められたが、HL群で有意な(p < 0.05)減少が認められた。好中球の細胞比率はLPS群で有意な(p < 0.001)増加が認められたが、HL群で減少傾向が認められた。これらの結果から、京産ハチミツはAMのIL-1β、CXCL2の産生を抑制し、LPSによる好中球の肺への浸潤を抑制し、抗炎症作用を示すことが示唆された。
著者
上村 碧
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.1-229, 2016

早大学位記番号:新7426
著者
Okada Kazuhiro
出版者
Graduate School of Letters, Hokkaido University
雑誌
Journal of the graduate school of letters (ISSN:18808832)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.15-35, 2019-03

Engelbert Kaempferʼs The History of Japan describes an unusual Japanese script, Imatto Canna. Although the term can be attested in Japanese literature as such, the Japanese use of the term (Yamatogana in modern orthography) is itself varied and does not superficially agree with Kaempfer's. This paper attempts to classify the Japanese usages of this term and untangle the differences between Kaempfer's works on Japanese scripts. A comparison between his published works and his manuscripts reveals that his original understanding of Yamato-gana was not far from the Japanese use of the term, but that some misinterpretations arose during The History of Japan's editing process.
著者
Satow Sir Ernest Ruxton Ian Kornicki Peter
出版者
Lulu.com
巻号頁・発行日
2008-02-05

1. PRO 30/33 11/2 Satow to Aston (1870-81)|2. PRO 30/33 11/3 Satow to Aston (1882-1909)|3. PRO 30/33 11/5 Satow to Dickins (1877-90)|4. PRO 30/33 11/6 Satow to Dickins (1891-1905)|5. PRO 30/33 11/7 Satow to Dickins (1906-18)
著者
木元 裕介 進藤 伸一 KIMOTO Yusuke SHINDO Shinichi
出版者
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻
雑誌
秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 (ISSN:18840167)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.127-133, 2011-10-01

【目的】ハムストリングスに対するスタティックストレッチング(以後, ストレッチング) 施行後の筋力と関節可動域の時間的変化を検討した.【方法】同意を得た16名を対象にストレッチングは30秒間を3回施行した. 測定は膝関節屈曲筋力と膝関節伸展関節可動域をストレッチング前, ストレッチング直後, ストレッチング後5分, 10分, 15分に測定した. また,ストレッチングをしない場合の測定も行った.【結果】筋力はストレッチング直後に有意に減少し, ストレッチング後5分に元に戻っていた. 関節可動域はストレッチング直後に有意に増加し, 10分後に元に戻っていた.【考察】近年の研究によりストレッチングは筋力を低下させると報告されており, 本研究でも筋力の低下がみられた.しかし, その低下は一時的で短時間なものだった. また, ストレッチングによって変化した筋力と関節可動域が元に戻る時間にずれがあることがわかった.
著者
MORITA Kiiti 森田 紀一
出版者
Institute of Mathematics, University of Tsukuba
雑誌
Tsukuba journal of mathematics (ISSN:03874982)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-6, 1977-12

As in our previous paper [5], by the covering dimension of a topological space X, dim X notation, we mean the least integer n such that every finite normal open cover of X is refined by a fimite normal open cover of X ...
著者
春山 習
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稻田法學 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.94, no.2, pp.89-129, 2019-03-10
著者
嶺 秀樹 Hideki Mine
雑誌
関西学院哲学研究年報 (ISSN:02892928)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1-15, 2005-03-10
著者
中川 明博
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.9, pp.73-96, 2011-03-28

「三宅剛一差出・田辺元宛書簡」は、昭和期を代表する哲学者三宅剛一(1895 ~ 1982 年)が、母校京都大学の恩師田辺元(1885 ~ 1962 年)に宛てた書簡を、ご遺族の了解の上翻刻し、必要な校訂を加えたものである。書簡は1924 年から田辺の死の3 年前の1959 年までの間に投函されたもので、それは三宅の東北帝国大学助教授時代から、ドイツ留学、戦後の京都大学教授時代を経て、昭和30 年代の学習院大学教授時代に及ぶ。 これらの書簡は、東京教育大学教授、学習院大学教授を歴任した哲学者下村寅太郎博士(1902 ~ 1995 年)が生前保管していたものである。下村の膨大な遺品に含まれていた多数の田辺元宛書簡類のうち、三宅剛一差出の全15 通が本書簡である。 本書簡を通じて、私たちは日本を代表する二人の哲学者の間に育まれた知的交流の一端を伺い知ることができるだけでなく、時に率直に師の意見を求め、忌憚なく師の思想を批判する文面から、三宅剛一における哲学的態度のあり方を見て取ることができるだろう。