著者
田崎 晴明
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.121-178, 1992-05-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
孫 詩彧
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.129, pp.1-15, 2017-12-22

本研究は権力過程に焦点を当て,先行研究を批判的に整理するものである。夫妻の権力関係を議論する際,研究者による測定と当事者自らの評価に不一致が見られた。それを説明するため,権力がどのように作用するかの過程に注目して研究がなされてきた。これまでの研究では次の二つの次元から過程が捉えられてきた。第一に「家庭内重大事項の最終的意思決定に至るまでのプロセス」,第二に夫妻の権力関係そのものが形成されるプロセスが挙げられる。資源の内容を経済的から文化的,情緒的なものなどに広げつつ,社会構造と関連付けて夫妻間の意識的・無意識的な交渉,依存関係,権力の顕在的・潜在的・不可視的な形とその規定要因が議論されてきた。だがほとんどの研究は権力を客体化し,能力として捉えるため,権力の過程が二次的な存在となる。この問題は近年の研究において指摘され,権力を関係として捉え直す視点から研究が展開されつつある。
著者
松尾 睦
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
Discussion Paper, Series B
巻号頁・発行日
vol.156, pp.1-17, 2017-12

本研究は、中堅社員(課長級管理職に昇進する前の20 代後半から30 代の社員)のマネジメント能力(業務スキル、対人スキル、意思決定スキル等)を高めるために、管理職がどのように仕事をアサインすべきか(任せるべきか)を明らかにすることを目的としている。日 本企業に勤務する部課長級管理職および中堅社員を対象とした質問紙調査データを分析し、次の点を検討した。すなわち、①与えやすく、かつ中堅社員の能力を高めるのに有効な業務、②業務と中堅社員の能力との関係、③業務を創り出す方法、④管理職が中堅社員の業務遂行を支援する方法である。 分析の結果、以下の点が明らかになった。与えやすく有効性の高い業務としては、「他部門との調整が必要な業務」「他部門を巻き込みながら進める業務」「自部門内の戦略・構想を策定する業務」「部門内の業務を改善・変革する業務」「高い目標を達成する業務」「新しい業務の提案や遂行を伴う業務」「顧客や取引先と打ち合わせ・交渉する業務」「協力企業や取引企業との協働」「新人・経験不足のメンバーの指導」「本人が経験したことがない業務」などが挙げられた。特に、権限が及ばない状況での業務、変革に関わる業務、高い責任の業務、幅広い仕事に携わる業務が中堅社員の能力向上に好影響を与えていた。 業務の創り方に関して、管理職は「役割を見直す」「新たな役割を創出する」「部門内の問題に対応する」「他部門と連携する」「外部組織からの要望やクレームに対応する」ことによって業務を創出し、部下に与えていた。また、高い業績を上げている管理職ほど、上位者や自身が担っていた業務を中堅社員に任せ、他部門との連携の機会を自ら創りだしていた。 中堅社員が業務を遂行する際、管理職は「業務の意義・重要性の明確化」→「事前に必要な手配・段取り」→「業務の要所・急所に関する指導」→「実行段階での側面支援・後方支援」→「進捗確認とフィードバック」という順序で部下を支援していた。このうち、本人の 成長やキャリアにおける意味や期待、部門内のフォロー体制、実施段階での側面・後方支援、事後の振り返りが不足している点が明らかになった。 最後に、予備調査(自由記述調査)から、優れたジョブアサインメントを実施していると思われる8つの事例を紹介した。
著者
富山大学経済学部資料室
出版者
富山大学経済学部資料室
巻号頁・発行日
2017-08

この目録は富山大学経済学部の前身校である旧制高岡高等商業学校が昭和4(1929)年度に受入登録したF. v. ヴィーザー(Friedrich von Wieser, 1851-1926)旧蔵の学位論文276件,雑誌等の抜刷481件を含むヴィーザー文庫 1554件1593冊を収録するものである。旧制高岡高等商業学校は大正13(1924)年に富山県の商都高岡に設置された。本州日本海側では唯一の文部省直轄社会科学専門教育研究機関として地域研究も行い,1935(昭和10)年に『富山売薬業史史料集』を編纂出版した。昭和19(1944)年に高岡工業専門学校に転換,約5万冊の蔵書は昭和24(1949)年に発足した新制富山大学に継承された。ヴィーザー文庫を含む専門図書と雑誌は経済学部資料室が所蔵している。第74回経済学史学会全国大会が平成22(2010)年5月に富山大学経済学部において開催され,八木紀一郎氏により「富山大学のフリートリヒ・v・ヴィーザー文庫」が報告された。ヴィーザー文庫について残されていた情報は高岡高等商業学校図書館図書原簿と富山大学附属図書館の書庫で発見された1325枚の図書カードのみであったため,平成23(2011)年度学長裁量経費(教育研究活性化等経費)「F. v. Wieser文庫の再整理:データベース構築と電子化並びに収蔵経緯の究明」を受け,桂木健次氏を中心として経済学部教員による収蔵文献及び文庫についての調査が行われ目録が作成された。研究成果は『富山大学紀要.富大経済論集』に報告されている。
著者
海老名 尚
出版者
学習院大学大学院
巻号頁・発行日
1997-03-31

史学
著者
古池 壽和
出版者
富山大学芸術文化学部
雑誌
GEIBUN : 富山大学芸術文化学部紀要 (ISSN:18816649)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.122-127, 2013-02-08

日本が近代化する過程において、様々な産業が興り、その盛衰を物語る諸資源が今日に受け継がれている。それらの中には、近代化遺産として、その利活用が模索されているものも多い。本稿で取り上げている名古屋陶磁器*1においても、拠点となる「名古屋陶磁器会館」は、登録有形文化財として、名古屋陶磁器の展示や講座の開催、映画のロケなどに活用されている。しかし、かつてその周辺にあった、陶磁器(関連)産業自体は、すっかり影を潜め、それに伴い多数の職人(技)は、消えつつある。そこで、本稿では、往時の産業を偲ぶ文化遺産と言える職人(技)の現状を、断片的な資料として整理し、近代化遺産の活用に向けた手がかりを提示したい。
著者
瀬戸 陽介 小山 あずさ 田村 浩一郎
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.157-163, 2011-03-31

抗菌ペプチドはショウジョウバエにおいて主要な生体防御機構の一つであり, キイロショウジョウバエでは, これまでに7種類が同定されている. これら抗菌ペプチドは種類によって活性を示す対象の微生物が異なり, バクテリアに対して強い抗菌活性を示すものや真菌類に強い抗菌活性を示すものが知られている. 様々な研究から, 抗菌ペプチドは, 個体レベルでは個体の微生物に対する抵抗性に大きく影響することが, 遺伝子レベルでは種類によってその分子進化パターンが異なることが明らかとなっている. そこで, 本稿では抗菌ペプチドの分子進化と抗菌活性や個体での抵抗性との関わりについて論じる.
著者
守屋 毅 モリヤ タケシ Takeshi Moriya
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.709-737, 1980-03-25

This article examines the iyemotos ystem, focusing on its historicaldevelopment. In chapter I the difference between personaland individual iyemoto and the iyemoto system as an organization orinstitution is discussed. Then the various usages of the wordiyemotoi n the literature of Edo period are examined. In chapter IIpopularization of performing arts is discussed from the followingaspects: (1) the spread of aesthetic pastime in chonin (townsmen)society: (2) the enlightenment of performing arts and publicationof secret traditions; and (3) the appearance of masters in town.This chapter attempts to clarify the situation which led to theformation of the iyemoto system. In chapter III activities of theiyemoto itself which preceded the formation of iyemoto system arediscussed, mainly focusing on: (1) dependence on the Tokugawafeudal system; (2) the establishment of iyemoto in Kyoto; and (3)the legitimization of iyemoto. That particular iyemoto retainedsupremacy over the others is pointed out. In chapter IV organizationalmethods adopted by the iyemoto are discussed. Thesemethods are: (1) systematization of 'aesthetic pastime' populationand natori (accredited master) system; (2) renovation of curriculumfor educating the public, and the awarding of a diploma; (3)iyemoto and the right of issuance of a diploma; and (4) renewal ofthe charisma of iyemoto. In chapter V changes in methods ofperformance incidental to the formation of the iyemotos ystem arereferred to, such as: (1) the seven special ceremonies of the Senkefamily in the tea ceremony; (2) the change from rikka to ikebanain flower arrangement; and (3) the emergence of utai chanting inthe noh play. The relationship between the formation of theiyemoto system and the popularization of performing arts is speculatedon. The article concludes with a discussion of wholely futuredevelopment of the iyemoto system.