2 0 0 0 仙台叢書

著者
仙台叢書刊行会 編
出版者
仙台叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.别集第三卷, 1926

2 0 0 0 仙台叢書

出版者
仙台叢書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第5巻, 1929
著者
朝倉 槙人
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.437-461, 2018 (Released:2022-09-28)
参考文献数
44

農村空間の商品化による地域活性化論が地理学や周辺諸分野で注目されている.既往研究の多くがルーラリティを観光資源とみなし,その商品化の過程や持続可能性を検討してきたのに対し,本稿では群馬県みなかみ町たくみの里におけるルーラリティの特質に留意して,ルーラリティの構築がホストの実践や商品の構築に果たす意味を,ホストの立場に即して検討した.「真正」なルーラリティを担保する集合的記憶のスケールは重層的であり,「真正」なルーラリティの構築が重視されるたくみの里においては,多様な集合的記憶を根拠とした多様なたくみの里像が地域にとって「真正」なものとなる.加えて,ルーラリティの存立に資するホストの実践が,地域の存立に資する実践とみなされることで,設立期に想定された「真正」なルーラリティに反するたくみの里像でさえ,当地にとって「真正」なものとなる.ルーラリティの構築をめぐるホストの実践の諸相をとらえなければ,農村空間の商品化という現象をとらえることはできない.
著者
大谷 侑也
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.211-228, 2018-05-01 (Released:2022-09-28)
参考文献数
32
被引用文献数
2

本研究は東アフリカ中央部に位置するケニア山(5,199m)の氷河の減少が周辺域の水環境・水資源にどのような影響を与えているのかを,実地観測,同位体比分析,年代測定,聞取り調査等から明らかにすることを目的とした.研究対象地域山麓部(約2,000m)では,降水量が概して少ないため,農業用水や生活用水をケニア山由来の河川水,湧水に依存している現状がある.調査と分析の結果,山麓住民が利用する河川水の涵養標高の平均は4,650m,湧水は平均4,718mとなり,氷河地帯の融解水が麓の水資源に多く寄与していることが明らかになった.また年代測定の結果,山麓湧水は涵養時から約40~60年の時間をかけて湧出していることがわかった.ケニア山の氷河は2020~2030年代には消滅することが予想されており,今回の結果から将来的な氷河の消滅は山麓の水資源に少なからず影響を与える可能性が示唆された.
著者
鈴木 允
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.125-145, 2018 (Released:2022-09-28)
参考文献数
32

本稿では,愛知県東加茂郡賀茂村の『寄留届綴』を用いて,大正期の山村からの人口流出の実態を検討した.寄留届に記載された寄留先や寄留者の属性,寄留年月日を入力したデータベースを用いた分析から新たな知見を見出し,人口流出が人口動態に与えた影響を考察した.その結果,寄留者の大部分は若年層で占められ,その多くが県内への寄留であった.中でも,10代~20歳前後での一時的な近隣への単身寄留と,20~30代の世帯主とその同伴家族による都市部への寄留が多数を占めていた.前者では,結婚前の10代女性が女工として働きに出る寄留が目立ち,こうした動向が結婚年齢の上昇や大正期の出生率低下に影響を与えた可能性が考えられた.後者では,大都市への寄留者がそのまま都市内にとどまる傾向が見出され,都市人口の増加への寄与が考えられた.人口移動が都市化や人口転換に与えた影響をより動態的に解明していくことが,今後の課題である.
著者
中島 虹 高橋 日出男 横山 仁 常松 展充
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.24-42, 2018-01-01 (Released:2022-09-28)
参考文献数
34
被引用文献数
1

本研究は,東京タワーの5高度(4, 64, 169, 205, 250m)における気温観測値(2001~2010年度)を用いて,晴天弱風夜間の東京都心における温位鉛直分布の特徴を明らかにした.解析に先立ち,強風時には鉛直方向に温位が一様となることを仮定して,観測値を補正した.通年の晴天弱風夜間を対象に,毎時の温位傾度鉛直分布にクラスター分析を施し,温位の鉛直分布を類型化した.このうち,下層から上層まで安定な場合や上層が強安定で下層が弱安定な場合は,冬季(11~2月)にはその頻度が夜半前から増加し日の出頃に極大となるが,夏季(5~8月)には全く現れない.上層の強安定層は都市上空の安定層の底面とみなされ,冬季夜間の混合層高度は約200mまたはそれ以上と考えられた.この高度は1960年代の観測結果よりも高く,都市化の影響が示唆された.また,温位鉛直分布の時間変化には,鉛直混合の促進・抑制とともに上空安定層底面の上昇・低下の関与が考えられた.
著者
梶田 真
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.79-96, 2018-01-01 (Released:2022-09-28)
参考文献数
66

本稿では,第二次世界大戦期周辺における都市内部構造研究,具体的にはHoytの扇形モデルと,HarrisとUllmanによる多核心モデルが提起されたプロセスと背景を検討した.世界大恐慌,そして第二次世界大戦による研究活動や資料利用の制約の下で,これらのモデルは,軍務やビジネスといった実務を通じて得られた資料や議論を通じて構築された.一方,ShevkyとBellによる社会地区分析の出現は戦後,これらの制約が解消され,資料公開の進展や分析技術の発展によって研究者に新たな地平が開かれたことを示す,象徴的な成果であった.