著者
吉武 道子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.164-169, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)

データには,数値・表・画像・動画・音・文字列・数式・関係性データなど,見た目の異なる様々な種類のデータがある。従来のレファレンスは,探したい情報(=データ)を記載している情報源を見つけるものであったが,昨今のデジタル化の進展によりデータ量は爆発的に増え,探したい情報そのものを見つけるレファレンスも求められる。データの多様化・量の増加に対し,効率的なデータ検索と利活用が追い付いていないのが現状と思われる。本稿では,主に材料科学分野を例にとって,データの種類ごとにデータの利活用の現状と,利活用するために必要な処理=データキュレーションについて概観する。
著者
藤本 幸夫 Yukio Fujimoto
出版者
学習院大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究 = Journal of Asian cultures (ISSN:13449850)
巻号頁・発行日
no.16, pp.239-250, 2014-03

東洋文化講座「大陸から目白へ : 学習院の東アジア学資料」講演録
著者
岡田 宣子
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.139-150, 1971 (Released:2008-02-26)
参考文献数
12
被引用文献数
3 1

示數7項目を用い,日本人(5歳~20歳,各年齢男女各100名)の身体比例の年齢的変化を観察した.また,示数7項目を組み合わせて身体比例に基づく年齢区分を試みた.その結果,示数項目の年齢による変化様相は男女とも3つの型(増加型,減少型,増加•減少型)に分類出来る.身体比例は年齢とともに変化してゆくが,各年齢の体型を特徴づけて考えると類似した体型を一括することが出来る.そこで Table3のように,身体比例に基づく年齢区分を行なった.
著者
小林 美恵子
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.106-123, 2019-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
19

女性文末助詞「わ」「かしら」不使用など、日本語の中性化がいわれているが、作家性が反映するTVドラマや映画では、自然談話よりも女性・男性形式の使用が残っているという。しかしこれらの分野でも、現実の影響を受けた作家性の変化や、観客に受容されるリアリティから、通時的にみれば中性化は進んでいる。映画『何者』の文末形式や、丁寧体の使用、若者ことばなども中性化してきている。一方、一部の男性文末助詞や「すげー」「ねー」などの音変化、人の呼び方などについては、男女差があいかわらず残っているが、それらは自然談話の状況とほぼ一致し、実際の話しことばを反映しているといえる。
著者
野呂 千鶴子
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.125-136, 2013 (Released:2013-03-09)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本研究では市町村合併を経験した保健師集団を対象に,環境変化とともにその活動システムが変化する過程を追跡することを目的とした。研究方法はインタビュー調査を用い,活動理論を参考に分析を行った。その結果,次の3点が明らかになった。1)合併前は,地域に出向き住民に出会う活動を展開してきた「周辺市町村活動システム」と法で課せられた活動を展開してきた「中心市活動システム」に分類できた。2)合併調整では,全市統一した活動を行う方針となったが,これが既存システムとの間でダブルバインドになった。3)合併後の「合併混乱期活動システム」は,ダブルバインドの突破をめざし「住民」を対象とした活動を模索する中で,保健師の専門能力として求められている「地域診断とそれに基づくビジョンの策定」を改めて意識することになった。以上より,この環境変化は,組織や人口規模に柔軟に対応できる,保健師の専門能力を意識した活動システム創出のための拡張的学習のプロセスだったと言える。

2 0 0 0 OA 毒と薬

著者
田山花袋 [著]
出版者
耕文堂
巻号頁・発行日
1918
著者
松下 敏夫 青山 公治
出版者
鹿児島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

農作物栽培起因性の皮膚障害をオクラ栽培作物を例に、1.その発症の様態を現地疫学的に解明する。2.原因物質の究明を農薬の関与を含めて実験的に検討する。3.予防対策の樹立を目的として本研究を行なった。その結果:1.鹿児島県南薩地方のオクラ栽培者について、2年度にわたり行った現地調査によると、オクラ栽培に伴う皮膚障害の発生はかなり高率であり、適切な予防措置を講じない場合にはほぼ全員に発症する。症状は掻痒・発赤を主とし発症部位は、袋詰作業ではほぼ指先に限局されるのに対し、収穫作業や管理作業では手指のほか手腕、顔面など皮膚の露出部位に生じやすい。この皮膚障害の発生は気象条件とも密接な関係があり、雨天、朝露がある時、あるいは発汗の多い時におこりやすい。同時に実施したアレルギー学的検査では、約1割り程度の者にオクラ成分に対する皮膚過敏症の存することが明らかになった。またオクラによる即時型アレルギー発症の可能性も否定できないことがわかった。2.オクラ成分および使用農薬の向皮膚作用を、モルモットを用いて実験的に検討した結果、オクラ成分には一次刺激性が認められたものの、感作性、光毒性を認めるには至らなかった。また、DDVP、Chlorothalonilに、中程度の光感作性が認められた。これらの結果は、疫学調査結果や文献との不一致の部分もあり、実験方法も含めさらに検討が必要である。3.以上より、オクラによる皮膚障害は発症機序からみると主として(1)オクラとの大量接触による機械的刺激作用、(2)オクラ成分などによる一次刺激作用、(3)オクラ成分によるアレルギー性に大別できる。その予防対策として、オクラとの接触を防ぎかつ作業性を考慮した保護具の検討、および作業中の樹葉との接触を最少限に保つ適正な畔幅の検討などについて考慮した。
著者
穂苅 耕介 神吉 紀世子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.684, pp.403-412, 2013-02-28 (Released:2013-05-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

In this paper, we analyzed the changes in relationships between local residents and local builders through the Machizukuri activities of a built-up area. And the effect of the local builder's participation for Machizukuri are clarified. As a resuits are follows. Volunteer local builders launched a small voluntary organization and participated in Machizukuri by using own position properly, as local builder or as local resident. As a result, the partnership is formed between some residents and local builders. And by the formed partnership, local builders are able to perform public projects with the help of residents and it reduced the work burden. But on other hand, the continuous participation in Machizukuri and to use own position properly are difficult, for young local builders who have limited experience and achievements.
著者
伊達 立晶
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.13-24, 1997-12-31 (Released:2017-05-22)

The purpose of this paper is to make clear the aesthetic thoughts of Poe and Baudelaire from the viewpoint of the imagination theory. Through this examination, we can find that their thoughts showed the peculiar views against the imitation theory in those days. Poe and Baudelaire consider that imagination has two functions : the first function is to find unexpected analogies among some ideas or things, and the second is, by the combination of these analogous ideas or things, to produce something novel and beautiful that is similar to the vision in the delirium. They insist that, by exertion of this imagination, artists should transform the composition of natural things. While Poe and Baudelaire take a similar view in these regards, we can also point out some distinctions between their imagination theories. What the distinctions may be, it is noteworthy that their imagination theories furnished arguments against the traditional imitation theory.
著者
鈴木 雄介
出版者
一般社団法人 CIEC
雑誌
コンピュータ&エデュケーション (ISSN:21862168)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.13-17, 2000-06-05 (Released:2015-02-03)

もし、本がすべて電子化されたら、いつでもどこでもほしい本が手にはいる。印刷代、紙代がなくなるからもっと安くなる。ベストセラーの売り切れがない、返品がない、絶版がない、断裁しなくていい。10年後には100万冊の中から自由に本を選べる時代がやってくる。そんな、いいことづくめの期待を込めて「電子書籍の衛星配信の実験」が行われた。シンクロニシティな現象として、話し合いもないまま、ほぼ同時に、日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアで「eBOOK」の事業化へ向けた組織が産声を上げた。パソコンやパソコン以外のものが、やっと「ものを読むメディア」としての十分な機能が、技術的に保証しはじめた。「ものを知るメディア」と「ものを読むメディア」の差を十分意識して、電子書籍という商品の「潜在能力」を引き出すことが実証されたと言っていい。高精細液晶の表現力、ネットワークの実力、出版資産の再活用、新しい表現作家の登場。近い未来に向けて、電子書籍ビジネスの可能性を「実証実験」の結果から、展望する。