著者
宮浦 崇 西出 崇
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.25, pp.322-323, 2009-08-22

立命館大学政策科学部では,学部教育を支援するオンラインツールとして,「政策科学部SNS」と呼ばれる,学部公式のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)を2007年度より実験的に導入し,現在,本格的に活用を進めている.このようなオンラインツールは,一般に情報共有の利便性の向上や,双方向のコミュニケーションの促進といった点で注目される.しかし,SNS導入のメリットはこれだけにとどまらない. (1)情報リテラシー涵養の場, (2)コミュニケーションと情報共有の広がり, (3)情報の蓄積の3つの利点が明らかになってきた.ここでは,これまでの運用をふまえて,これらの利点について考えてみる.
著者
星田 昌紀
出版者
千葉商科大学
雑誌
千葉商大紀要 (ISSN:03854566)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.133-157, 2004-09-30
被引用文献数
1

本論文では,映像メディア制作が学習者に与える様々な影響・効果について報告する。映像メディア制作が持つ重要な学習的効果は未だ多くの人々に知られてはいない。映像を視聴するという視聴覚教育は今まで数多く行われてきたが,映像を制作するという能動的活動が持つ本質的意味・重要性・可能性は,ごく限られた経験者が知るところである。映像を制作するというと,何かプロだけが行う特別な行為だと思われることや,逆に自分の個人的な記録を行う趣味の領域の活動としか理解されていないことが多い。しかしながら,筆者の経験によれば映像メディア制作は,「体験的メディアリテラシー」と呼ぶべき新しい学習パラダイムをもたらす。具体的には,企画力・表現力の養成,自発的学習,チームワークとコミュニケーションをはじめとして多くの領域に展開可能な新しい学びを実現する可能性が極めて大きい。しかもこれらはいわゆるクリエイティブな活動と呼ばれるものであり,今後の日本社会における重要性は加速的に増大するであろう。実際,筆者が現在までに行った例としては,担当する大学でのゼミ,社会人向け映像メディア制作教育ビジネス,小学校での映像制作についてのボランティア交流があり,これらの活動の中で新しい学習の環境づくりを実践してきた。その過程で筆者の予測以上にこの「体験的メディアリテラシー」がもたらす重要で新しい効果が得られた。本論文では,まず映像メディア制作学習が置かれた現在の状況と歴史,とくにメディアリテラシーについて概観し,その課題を整理する。次に筆者が行っている映像メディア制作学習支援の実践について具体的に述べ,その影響・効果および将来への新しい学習パラダイムとしての可能性および単なる学習を超えて自己発見につながる可能性にも言及する。なお映像メディア制作という用語はメディアを制作しているわけではなく正確にはコンテンツを制作しているわけであるが,その映像コンテンツもメディアが存在することを前提に作られておりメディアがなければ意味がないことから,本論文ではより広がりのある意味を持たせることを目的として「映像メディア制作」という用語を用いることにする。
著者
秋元 浩一 黒田 佐俊 土屋 智裕 石代 正義
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.67-75, 1985-12-15

青果物売買の最も詳細なデータを与える売立情報を,価格予測の対象データとすることについて,我が国でも代表的な複数の卸売会社の協力を得て検討した。この情報データは,個々の売立情報を網羅しているため厖大な量である。そこでまず,このデータの処理方法の開発に着手し,得られた方法によって素データを整理した後,要因の分析を行なった。要因の分析には,我が国でも代表的な卸売市場の荷受会社における昭和58年1年間分の金売立情報をMTベースで用いた。価格分析の対象品目はキャベツである。1.データ処理方法について1)素データは記録密度6250BPI,長さ2400フィートのMTで,多いときは1ヵ月号で約2本分であった。2)素データをいきなり分析するのは,労力,時間,経費の点から不可能に近いので,必要とするデータの整理を数段階に分けて行なう必要があった。第一処理で,キャベツおよび競合品に関するデータの抽出をおこない,次の段階で総量,平均単価の計算,同一等階級・同一平均単価等についてデータの整理を2回行ない,その結果をフロッピーディスクに出力し,以後の分析はパーソナルコンピュータで行なった。3)上記三段階の処理は厖大なデータ処理能力を必要とするので,大型電子計算機を必要とした。4)このデータ処理には,計算機の動いている時間だけで払半月分で約30号,1年分で約12時間を要した。2.キャベツの卸売価格に関する要因分析1)キャベツの1年間の出荷者総数は328人,出荷された等階級の種類は406種におよんだ。2)等階級別にみると等級無印で階級「L」が最も多く総入荷量の40%強を占め,または階級だけでみると「L」の価格が高く,市場において最も好まれていると思われた。3)年間出荷占有率の上位5位までの合計出荷占有率は51.4%であった。4)季節的価格変動とは別に,ゴールデン・ウィーク,盆の頃は異常高値となった。5)同一等階級のものでも出荷者によって価格は上下し,その差は最大226円(kg単価)に達した。価格におよぼす出荷者の要因の影響はかなり大きいことが明らかであった。6)出荷占有率の高い出荷者の価格は,総入荷量が増減しても安定的に推移し値崩れをおこしにくく,逆に,占有率の低い出荷者の価格は総入荷量の増減による影響を大きくうけ,価格変動が激しい傾向が認められた。7)日単位のキャベツ総入荷量と価格との間には,特定の関係を認めることはできなかった。8)等級無印,階級「L」で年間を通じて出荷している出荷者(年間出荷占有率第4位)について,前日までのデータによって翌日の価格を説明するという形式のもとで,重回帰分析をおこなったところ,重相関係数は0.902,説明率ぱ81%であり,前日までのデータによって翌日の価格を8割程度説明できることがわかった。
著者
樋口 知之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.349, pp.39-43, 2004-10-12
参考文献数
15

飲食店の日々の売上は,曜日,祝日,天気,近所での催し物への人出等の様々な要因に左右される.またその要因の売上への寄与の仕方は店舗ごとに異なる.そこで各店舗の売上時系列データをこれら各要因成分に分解するモデルを構成し,そのモデルによって得られる各店舗固有の情報に基づいて将来の売上を精度良く予測することは,仕入れ,人員配置,新規出店計画等,様々なレベルにおける経営戦略立案上有益であることは疑いようもない.我々は,状態空間モデルの柔軟な表現力と情報量規準によるモデル評価を利用した売上予測手法を提案し,実際に,ある大規模催事場及びビジネス街に隣接した飲食店の二年間分の日々売上データに応用した.なお本発表は,私と山口及び土屋との共同研究の成果を概括しながら,状態空間モデルによるマイクロマーケティングヘの接近法を紹介する.
著者
安藤 淑子
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨国際研究 : 山梨県立大学国際政策学部紀要 (ISSN:18806767)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.51-60, 2011-03-05

There are a number of children enrolled in Brazilian schools that have been living in Japan for a considerable amount of time, yet cannot demonstrate sufficient proficiency in Japanese. Meanwhile, these students must have a certain level of Japanese proficiency in order to keep a wide variety of options open for the future. At the request of a Brazilian school, we implemented a Blended-Learning program that combined classroom lessons in the Brazilian school with e-learning courses offered by the university. Three eighth-year students from the Brazilian school who had only a beginning level of Japanese proficiency participated. The e-learning was in two forms, a school study and an interactive study. The interactive learning focused on practical Japanese usage and related vocabulary to complement the grammar and sentence structure focus of classroom instruction. In addition, the interactive learning utilized small study groups divided by level of proficiency, in contrast to the combined-level group structure of the classroom. The study made use of a toll-free IP telephone and web camera, and looked at problems and instructional methods particular to distance learning.
著者
山田 誠
出版者
神戸市外国語大学
雑誌
神戸外大論叢 (ISSN:02897954)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1-21, 2003-11-30
著者
玉野 和志
出版者
首都大学東京
雑誌
人文学報. 社会学 (ISSN:03868729)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-21, 2008-03

人文科学研究科社会行動学専攻社会学分野では,2005年度から2年度にわたって東京都知事本局ならびに青少年・治安対策本部との連携研究というかたちで,副題に示したテーマに関する共同研究を行った.今回,その成果の一部にもとづいた論文を掲載するにあたり,プロジェクト全体の経緯と成果について解説しておきたい.
著者
柳澤 弘揮 宮崎 修一 岩間 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.537, pp.1-8, 2008-03-03

安定結婚問題は,GaleとShapleyによって提案されたマッチングの問題である.任意の例題について,解が存在し,それを見つける多項式時間が存在することが知られている.しかし,このアルゴリズムによって得られるマッチングは「男性最適」,つまり,男性にとっては好ましいが女性にとっては好ましくないマッチングである(逆に,男女の役割を入れ替えれば,女性最適なマッチングになる).GusfieldとIrvingによって提案された男女平等安定マッチング問題は,男女両者にとって「公平な」安定マッチングを求める,つまり,男性側の不満足度の和が女性側の不満足度の和になるべく近づくような安定マッチングを求める問題である.この問題は,強NP困難であることが知られている.本稿では,男女平等安定マッチング問題に対して,ほぼ最適な解を求める多項式時間アルゴリズムを与える.さらに,評価指標を一つ増やして,男女平等(sex-equality)の観点でほぼ最適なもののうち,全体の公平さ(egalitarian)が最小の安定マッチングを求める問題を考える.我々は,この問題がNP困難であることを示し,この問題に対して近似度が2より良い多項式時間アルゴリズムを構築した.