著者
由利 伸治 松浦 充徳 白井 治夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
回路実装学会誌 (ISSN:13410571)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.123-127, 1995

プリント配線板に常温硬化型の導電性ペーストをコートすることにより, EMI対策プリント配線板と同様の効果を表現することが可能かどうかを検討した。部品実装完了後の回路板の上から簡易的に導電層を形成する限りでは, 部品の下やICのピン間にペースト処理を施すことができないため, 十分なEMI低減効果は表現できないことがわかった。一方, 部品実装前のベアボード状態からであれば, 常温硬化型導電性ペーストをコートすることにより, EMI対策効果が熱硬化型と同様の結果となり, EMI対策プリント配線板試作を容易にすることができることがわかった。
著者
田村 規雄
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン = Nikkei personal computing (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.747, pp.77-82, 2016-06-13

ここまでは、組織名を全て横書きにして組織図を作成してきたが、必要に応じて組織名を"縦書き"にするのも手だ。一般に、組織図は上層よりも下層に多くの組織が並ぶもの。数の少ない上層の組織名は横書きにして、その下に並べる下層の組織名は縦書きにする…
著者
松浦 良充
出版者
教育思想史学会
雑誌
近代教育フォーラム (ISSN:09196560)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.63-71, 2005

「教育」の捉え直しを徹底するために、「学び」論へ迂回する戦略がある。私たちの学会でも、近年そうした観点からの議論が一つの水脈をつくってきた。今回の松下氏のフォーラム報告はそれをより確実なものにすることに貢献している。松下氏と筆者は、ともにこの流れにおける問題意識を共有している。ただし議論のアプローチや方向においては、かなりの距離を見出せる。この水脈を継承し、いずれは松下氏と共同戦線を組み、今後の議論を豊かにしてゆきたい。そのためまず、筆者の「Learningの思想史」構想への松下氏によるコメントに対して応答した後、松下報告への問題提起を行う。論点は、大きく2つ。第1は、松下氏の議論の立て方に関して。具体的には、まずその二律背反的な枠組みの問題であり、さらに主張の歴史(思想史)的検証性の問題である。第2の論点は、松下氏の「生としての学び」という展望について。具体的には、表象にとらわれずに「学ぶ」ということ、そしてその「学び」を認知するメカニズムについて。さらに、「生としての学び」をどのように学校教育システムのなかに実現するのか、という問題である。
著者
升水 達郎
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.59-63, 1972

筆者自身の自他の疑問が絶望に導き, 医師としての自分自身が一度は絶望的に抛棄せられ, その絶体絶命の中に, 自分自身を復活せしめる「先取り」の原理を見出し, 同時に懺悔自体が医学する道であることを説明した。その範を, 田辺元先生の「懺悔道としての哲学」に導かれ, 還相医学の展望するところを示した。今迄の医学の哲学的背景であるデカルト的医学は, あく迄も精神と肉体の二元論であつた。しかしその空間的立場には限界があり, 時間的立場に立つベルクソン的医学によつて修正されねばならない。すなわち, 病は, 患者が精神的にも復活再生しなければ, 真実には治癒しないことを明らかにした。なお「先取り」の世界が, 「自他振替え」によつて, 自が他に「先取らしむ」, これが仏教でいう懺悔報恩行ということの, 私の解釈である。
著者
倉賀野 妙子 北尾 敦子 和田 淑子 山田 光江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.889-893, 1988

クッキーの甘味評価と硬さの関係を材料配合比の点から明確にするため, Scheffé の 3 成分系の単純格子計画法を用いて, 材料配合比の異なるクッキーを調製し, 甘味の官能検査を行い, 材料配合比および既報 で得た定速圧縮破断特性値と対応検討した.<BR>クッキーの甘味評価値とバター, 砂糖, 卵の材料配合比との間に, 小麦粉 40, 45, 50 % 水準とも 3 次の推定式ならびに推定曲線が得られた. 甘味は砂糖のほかに材料配合比による影響を受ける. 卵の存在は甘味の強さを弱める方向に働くことが示された. 生地の砂糖濃度が同じでも卵を多く加えるとみかけの破断応力が大きくなり, クッキーが硬くなることが原因の一つと考えられる.
著者
大坪 義昭 伊藤 忠夫 飯田 秀重
出版者
The Remote Sensing Society of Japan
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.440-448, 2000

メコン河下流域には湛水の常襲地域が広範に分布しており,地域の社会・経済発展を阻害している。頻発する湛水被害を軽減し,安定的な農業生産を確保するためには広範囲におよぶ湛水被害状況を迅速かっ継続的に把握する必要がある。現在は農家の聴き取り調査によりその状況を把握しているが,被災後の対応検討に反映できる十分な情報を得ることが出来ていない。<BR>このため,湛水災害の発生に即応し,撮影場所,撮影日などが指定できる全天候型レーダ観測衛星であるRADARSATのSAR画像に注目し,その利用を試みた。この結果,湛水被害の時系列画像を合成した湛水図の作成が可能となった。
著者
宍戸 周夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.728-729, 2000-06-15

IBMが世界同時に,Linuxへの対応を表明した.日本では5月17日,その主旨を記者会見で発表.同会見の冒頭,大歳卓麻日本IBM社長は「この会見は業界に大きな影響を与える発表だ」としてその重要性を強調した.だが,IBMのLinuxへの対応のその裏にあったのはマイクロソフトへの決別宣言とみることができる.
著者
五艘 隆志 草柳 俊二 角崎 由貴子 吉永 光太朗
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.249-260, 2008
被引用文献数
1

我が国の建設産業は, 国際的な市場開放, 国内建設投資額の減少, 指名競争入札から一般競争入札への変換, 談合決別宣言等により, 「協調の原理」から「競争の原理」へと変化している. 国内市場の国際化や, 海外市場への進出等, 我が国の建設産業には国際競争力を確保することが求められている.本研究では米国におけるプロジェクトマネジメント技術の実態を把握し, 我が国のプロジェクトマネジメント技術レベルの実態調査を実施し, これらの調査結果に基づき, プロジェクトマネジメント技術の観点から我が国の建設企業の国際競争力を検証し, 今後の方策を見出すことを試みた.
著者
鼎 博之
出版者
日経BP社
雑誌
日経ネットビジネス (ISSN:13450328)
巻号頁・発行日
no.103, pp.148-151, 2002-10

この連載では、ネットビジネスの事業者が遭遇するさまざまな法的な問題やトラブルを取り上げて、分かりやすく解説します。第1回目は、Webサイトに掲載する利用規約や使用許諾契約の同意を得る方法を解説します。鼎博之 弁護士新東京法律事務所相談自社のWebサイトで電子商取引を行っているのですが、利用規約を掲載した方が良いのでしょうか。
著者
佐藤 裕久 菊池 亘 鈴木 英
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.63, no.616, pp.2618-2623, 1997-12-25
被引用文献数
7 3

An unsteady-wave-sensing-system (UWSS) is developed for evaluating the wave propagation characteristics of polymethyl methacrylate (PMMA) for loading-reloading-unloading waves using plate-impact experiments and three PVDF gauges. By applying the UWSS, stress, particle-velocity, strain and two kinds of phase velocities at one location in the PMMA are determined as functions of time. The phase velocities U^σ associated with the stress profiles are generally different from the other phase velocities U^υ associated with the particle-velocity profiles. From loading to reloading are transitions very near from the Hugoniot in the stress-strain plane, but from reloading to unloading are transitions upward off the Hugoniot. In the region of our experimental stress, PMMA does not behave as liquid and the Hugoniot of PMMA is not effective for the loading-history-characteristics.
著者
矢吹 信喜
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
建設マネジメント研究論文集 (ISSN:18848311)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.93-100, 2000

1980年代後半より、発展途上国においてBOT (建設・運営・譲渡) 方式によるIPP (独立発電事業者) の数が増加している。途上国におけるIPPの事業資金のうち、融資部分はプロジェクトファイナンスによって調達されることが多い。プロジェクトファイナンスでは、債務返済原資は特別目的会社であるIPPのキャッシュフローのみであり、担保はIPPの資産にのみ依存し、スポンサーには債務がほとんど遡及しない。そのため、レンダーは詳細なリスク分析を行い、十分なリスク軽減措置をスポンサーや関係機関に要求する。プロジェクトファイナンスによる火力IPPの多くは概ね成功し、稼動発電所数も増えているが、水力IPPの数は少ない。その理由としては、ダムや水力発電所は、自然環境の中に作られる巨大な構造物であり、河川の流量に発電量が依存していることから、環境リスク、完工リスク、水文リスクの3つのリスクがクローズアップされ、レンダーがプロジェクトファイナンスでは困難だと考えてしまうからだと考察される。本論では、水力IPPを促進するための一方策として、ダムの寿命の長さや多目的性から、ダムと発電設備を分離し、ダムについては援助的なプロジェクトファイナンスを設定するというイノベーティブなファイナンス・スキームを提案する。