著者
加賀谷 美幸 青山 裕彦 濱田 穣
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.31, pp.61-61, 2015

樹上性の強い霊長類ほど前肢の運動範囲が広く、前肢帯の可動性も高いとされる。前肢帯を構成する肩甲骨や鎖骨の立体配置やその位置変化の種間の違いを明らかにするため、京都大学霊長類研究所に飼育されるヒヒ、ニホンザル、オマキザル、クモザルの成体を対象として計測を行った。獣医師の協力のもと、麻酔下、接触型三次元デジタイザを用い、前肢や前肢帯骨格の位置を示す座標を、肢位を変えて取得した。また、X線CT撮影を行い、各個体の骨格要素の形状を抽出し、先に計測した三次元データに重ねあわせることにより、前肢や前肢帯の骨格の位置関係をソフトウェア上で復元した。ヒヒやニホンザルでは、上腕骨は矢状面上の投影角にして180度程度(体幹軸の延長ライン)までしか前方挙上されないが、オマキザルでは180度以上、クモザルはおよそ270度に達し、樹上性の強い新世界ザルでは頭背側への上腕の可動性が大きいことが明らかとなった。これら最大前方挙上位においては、肩甲骨が背側へ移動し、オマキザルやクモザルでは肩甲骨関節窩が頭外側を向くが、ニホンザルやヒヒでは関節窩が頭外側かつ腹側に向いており、肩甲骨棘上窩が長いために脊柱の棘突起と肩甲骨内側縁が干渉していた。とくにヒヒでは、前肢挙上時に鎖骨が胸郭上口をまたぐように胸骨から直線的に背側に向いていた。ヒヒの肩甲骨は内外側に長く鎖骨が相対的に短いことが知られており、これらの骨格形態の特徴が肩甲骨関節窩のとり得る位置や向きの自由度を低めているようであった。また、クモザルの鎖骨は弓状に大きな湾曲を示すことが知られていたが、前肢挙上時には胸郭上口の縁のカーブに鎖骨の湾曲が沿う配置となり、これによって体幹部との干渉を避けつつ肩甲上腕関節を保持できていることが観察された。このように、前肢帯骨の立体配置は種によって異なり、それが前肢の運動機能の種差をもたらしているようすが明らかとなった。
著者
小寺 春人
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.293-300, 2015-09
著者
丹羽 空 丸野 俊一
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.196-209, 2010
被引用文献数
11

日本人の若者が,他者との親密な関係を構築していくうえでどのくらい深い自己を開示しながら相互作用を行っているのかを検討できる自己開示尺度は,これまで作成されていない。本研究では,自己開示の深さを測定する自己開示尺度を作成し,尺度の精度を検討するために,299人の大学生を対象に質問紙調査を行った。分析の結果,本尺度は (1) 趣味(レベルI),困難な経験(レベルII),決定的ではない欠点や弱点(レベルIII),否定的性格や能力(レベルIV)などという,深さが異なる4つのレベルの自己開示を測定でき,(2) 開示する相手との関係性に応じて自己開示の深さが異なることを敏感に識別でき,(3) 親和動機および心理的適応度を測定する既存尺度から理論的に予想される結果においても高い相関が見出され,妥当性の高い尺度であることが確認された。
著者
黒木 翔吾 真鳥 晃一 松村 隆
出版者
一般社団法人環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 (ISSN:03896633)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.455-460, 2011

大学生を対象に携帯電話リサイクルに関する意識調査を行った。携帯電話端末にレアメタル等が使用されていることを知っている学生は約64%であった。機種変更時に使用済み携帯電話端末を返却・リサイクルしたものは約25%で,約67%の学生はそのまま所持していた。返却・リサイクルしなかった理由は,電話機能以外の目的で所持(約27%),思い出として手元に保管(約28%),処理が面倒(約19%),リサイクルできることを知らなかった(約11%),個人情報流出への懸念(約10%)であった。返却・リサイクルをしなかった学生約90 名を対象に携帯電話リサイクルに関する経済的なインセンティブに関する調査も行った。
著者
倉塚 平
出版者
明治大学政治経済研究所
雑誌
政経論叢 (ISSN:03873285)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.71-100, 1966-08
著者
明石 欽司
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1-28, 2007-08

論説序論 : 問題の所在第一章 一七世紀後半の「国際法」関連文献における「帝国」及びウェストファリア条約 第一節 プーフェンドルフ (一) 『自然法及び国際法論』(一六七二年) (二) 『ドイツ帝国国制論』(一六六七年) 1 『ドイツ帝国国制論』における「帝国」とウェストファリア条約 2 『ドイツ帝国国制論』におけるプーフェントルフの意図 : "irregulare aliquod corpus et momstro simile"を巡って (三) 評価 第二節 ラッヘル : 『自然法及び国際法論』(一六七六年) 第三節 テクスター : 『国際法要論』(一六八〇年) 第四節 ズーチ : 『フェーキアーリスの法と裁判』(一六五〇年) 第五節 第一章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・(以上八〇巻六号)第二章 一八世紀の「国際法」関連文献における「帝国」及びウェストファリア条約 第一節 ドイツの諸学者 (一) グントリンク (二) ヴォルフ (三) モーザー 1 国際法関連著作 (a) 「帝国」への言及 (b) ウェストファリア条約への言及 2 『ドイツ対外公法』(一七七二年)及び『ドイツ近隣公法』(一七七三年) 3 『帝国宮内法院の活動からのウェストファリア条約の解明』(一七七五/七六年) 4 帝国国制関連著作 5 評価 (四) グラファイ (五) ギュンター (六) マルテンス 第二節 ドイツ外の諸学者 (一) バインケルスフーク (二) ヴァッテル 第三節 一八世紀「国際法史」研究におけるウェストファリア条約 (一) マブリー (二) ワード (三) コッホ 第四節 第二章のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・(以上八○巻七号)第三章 一九世紀国際法関連文献における「帝国」及びウェストファリア条約 第一節 一九世紀初頭のドイツにおける若干の国際法概説書 : ザールフェルト・シュマルツ・クリューバー 第二節 一九世紀初頭のドイツ外の国際法関連文献 第三節 ホィートン 第四節 一九世紀中葉以降の国際法関連文献 (一) ドイツ内の諸学者による著作 (二) ドイツ外の諸学者による著作 1 英米系の諸学者 2 フランス系及びその他の諸学者 第五節 第三章のまとめ結論・・・・・・・・・・・・・・・・(以上本号)
著者
中島 健三
出版者
公益社団法人日本数学教育学会
雑誌
日本数学教育会誌 (ISSN:0021471X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.2-6, 1968-02-01
被引用文献数
5
著者
藤内 和公
出版者
岡山大学法学会
雑誌
岡山大学法学会雑誌 (ISSN:03863050)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.254-243, 2003-12
著者
荒尾 禎秀
出版者
国学院大学出版部
雑誌
国学院雑誌 (ISSN:02882051)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.p28-38, 1979-07