著者
石井 米雄
出版者
京都大学東南アジア研究センター
雑誌
東南アジア研究 (ISSN:05638682)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.296-306, 1984-12

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
栗原 崚 Ryo Kurihara
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 = Jinbun (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.20, pp.247-261, 2022-03

本稿は、開放制と対置するものとして理解されてきた目的養成の言説の再考を目的とする。目的養成は、教員の需給調整という計画養成として理解されてきたが、それは開放制による大学の養成教育への「消極的思惟」による帰結であった。教育刷新委員会における務台理作による大学と教員養成の整合性と刷新性についての問題提起は、大学が教員養成とその目的をどのように受け取るのか、という重要な課題を呼び起こすものであったが、今日までその根源的な問いが議論されることはなかった。教師教育における大学の自律性と主体性が危ぶまれるなか、大学が回避してきた養成教育への目的意識を自らの教育と研究の責務のなかに定位する道を提示し、目的養成の新たな位相を明らかにする。
著者
渡辺 史央
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム = Forum of Higher Education Research (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.13-24, 2022-03-29

近年、スポーツのグローバル化に伴い、海外から日本にスポーツを目的に留学する外国人留学生が増加傾向にある。しかし、彼らへの日本語教育や言語支援についての具体的な実践研究はこれまでほぼなされていないのが現状である。本研究は、外国人スポーツ留学生の日本語支援の一環となる教材開発や教育実践に向けた研究ノートである。授業において、ラグビー情報誌からの英語とトンガ語の語彙リストの作成を学習者主体の活動として行った。考察の結果、英語からの借用語以外に、スポーツ全般に共通する語、一般的な意味とは異なる使い方や競技特有の状況や文脈における使われ方をする語などがあり、今後の専門日本語教育の実践において留意すべき点が明らかになった。さらに、授業におけるタスク活動の取り組みを紹介し、スポーツを目的とする留学生の日本語クラスでは、学習者ニーズを特定化することの重要性に加え、TBLT 理論に基づくタスク・ベースの授業実践が有効であることを示唆した。
著者
小林 亮
雑誌
玉川大学教育学部紀要 (ISSN:13483331)
巻号頁・発行日
no.18, pp.19-32, 2019-03-31

地球市民教育(GCED: Global Citizenship Education)は,国連の専門機関ユネスコがESDとともに主幹教育プログラムとして位置づけている重要課題である。本論文は,認知面,社会情動面,行動面で地球市民性に求められる能力を分析しながら,地球市民教育が多元的アイデンティティの育成を通じて,視点取得と対話のスキルに基づく国際的な葛藤解決能力の開発に向けた効果的なアプローチであることを論証することを目的としている。日本人としての国民アイデンティティと地球市民アイデンティティが矛盾なく共存しうるだけでなく,グローバル人材として必要な複眼的思考の獲得のために自己の多元性が有効であることが議論された。
著者
関屋 俊彦
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.375-394, 2007-03-01
著者
永山 貴洋 北村 勝朗 齊藤 茂
出版者
東北大学大学院教育情報学研究部
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
no.5, pp.91-99, 2007-03

従来、動作のコツは指導できないとされてきた。果たして、動作のコツを指導することは本当に不可能なのであろうか。そこで本研究では、動作のコツを習得する際に機能するといわれる学習者の形態化身体知に対する優れた指導者の働きかけを明らかにすることを目的とした。調査は、3名の指導者と1名の選手を対象とし、行動再検証により実施した。インタビューデータを分析した結果、優れた指導者の身体知指導方略の要素として、「認知特性の把握」、「動作イメージ形成の促進」の2つのカテゴリーが形成された。最終的に、優れた指導者は選手の身体組成や動きの違いだけではなく、動感に対する気づき方等の認知特性を理解した上で多様なイメージを提示することで選手の形態化身体知を活性化させ、動作のコツを習得させていることが明らかになった。