著者
新村出 校
出版者
開成館
巻号頁・発行日
1911
著者
岡本 勝弘 三輪 幸司 渡邉 憲道 萩本 安昭 大谷 英雄
出版者
Japan Association for Fire Science and Engineering
雑誌
日本火災学会論文集 (ISSN:05460794)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.73-81, 2009 (Released:2010-06-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

放火を目的にガソリンを床面に散布した事例やガソリンが漏洩して広範囲に広がった事例においては、発生したガソリン蒸気が周囲に拡散して空気と混合し、可燃性混合気を形成する。そのため、ガソリン散布面が形成された場合の火災危険性評価を行うには、ガソリン蒸気の濃度分布を明らかにする必要がある。本論文では、種々のガソリン散布条件におけるガソリン蒸気の拡散挙動を測定した。床面にガソリンが散布された場合には、約30分で高さ40cmまで可燃性混合気が形成されることが確認された。床面より上方の箇所にガソリンが散布された場合には、ガソリン蒸気は急速に下方に拡散混合し、散布面下側領域の濃度が均一になることが判明した。ガソリン蒸気を単一成分と仮定して、種々の散布条件におけるガソリン蒸気拡散モデルを提唱し、ガソリン蒸気濃度分布を予測した。さらに、種々のガソリン散布条件においてガソリン蒸気の着火実験を行い、提唱したモデルの適合性を検証した。(オンラインのみ掲載)
著者
大野 彰久 眞柴 寿枝 青野 通子 丹下 和洋 越智 裕紀 武智 俊治 横田 智行 上甲 康二
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.481-486, 2016-09-20 (Released:2016-09-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は20歳代男性.倦怠感と心窩部不快感を主訴に受診し,血液検査でT.Bilと肝胆道系酵素の上昇を認めた.肝炎ウイルスマーカーは陰性で,自己免疫性肝疾患なども否定的だった.画像検査で器質的疾患を疑う所見もなかった.漢方薬の内服歴があり,入院時より腹部に褐色調の皮疹が認められたため薬物性肝障害を考え経過観察した.肝生検組織では急性肝炎と診断し,薬物性肝障害として矛盾しない所見だった.肝胆道系酵素異常は遷延し,腹部の皮疹が上腕・大腿にも拡大した.再度詳細に問診を行うと不特定の性交渉歴があり,血液検査を追加し,早期梅毒と判明した.Amoxicilin 750 mg/dayの内服で,皮疹の改善とともに遷延していた肝胆道系酵素異常は速やかに正常化した.近年,梅毒感染者は増加傾向にあり,特に若年層での感染が目立つ.皮疹を伴う原因不明の肝障害患者では,梅毒性肝炎も念頭に入れるべきだと思われた.
著者
孫 昊 金 明哲
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.3-14, 2018-02-27 (Released:2018-04-13)
参考文献数
35
被引用文献数
2

川端康成の少女小説における代筆問題は昔から指摘されており,中でも『花日記』は中里恒子の代筆という疑いが強い.本研究では計量文体学の方法を用いて,この小説の代筆問題に新たな解決策を提示する.本研究では,文章から抽出した文字・記号のbigram,形態素タグのbigram,文節パターンを特徴量とし,アダブースト(AdaBoost),高次元判別分析(HDDA),ロジスティックモデルツリー (LMT),サポートべクターマシン(SVM)とランダムフォレスト(RF)を用いて判別分析を行った.分析の結果,『花日記』は川端康成と中里恒子の共同執筆という結論に至った.
著者
田中 美樹 布施 芳史 高野 政子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 = Maternal health (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.71-77, 2011-04-01
参考文献数
13

本研究の目的は,父親が「自分は父親になった」と自覚した時期や出来事と,児への愛着や子育て行動にどのように影響しているのかを明らかにすることである。対象者はA市内の保育園に通う3歳未満の子どもをもつ父親で,属性,父親として自覚や子どもへの愛着に関する無記名自記式質問紙法を行った。愛着に関する項目は,大日向により信頼性が確認された愛着尺度を用いた。父親の自覚がある者は97.1%で,自覚をもった時期は「子どもを初めて見たとき」32.9%,「初めて抱っこしたとき」30.0%であった。子どもへの愛着得点が高い父親は低い父親に比べ,父親としての自覚で「強く思う」と答えた割合が高く,父親としての自覚と子どもへの愛着に関連を認めた(P<0.05)。さらに,育児参加への自覚の認識が高い父親は父親としての自覚も高かった(P<0.05)。多くの父親が出生直後の子どもに触れることや顔を見ることで父親としての自覚を感じていた。父親としての自覚と子どもへの愛着,育児参加の自覚とも関連を認め,父親が父親としての役割を果たすとき,その根底にあるものは,父性の芽生えや「父親になった」という自覚であることが示唆された。
著者
重田 守輝
出版者
国際短期大学
雑誌
紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.103-112, 1998

(1) 1)本件は,平成7年4月23日執行の東村山市議会議員選挙の当選人Aが,住所移転をして,被選挙権喪失をし,それを理由としてされた次点者Bを当選人とする繰上補充(すなわち繰上当選)について,選挙人であるWらが,AはBへの議席譲渡のために住民票を移転したものにすぎず繰上補充の要件はないなどとして,Bの当選の効力を争った事案である。2)Wらは,公職選挙法(以下単に「公選法」という。)206条1項にもとづく異議の申出をしたが,東村山市選挙管理委員会はこれを棄却する決定をした。3)これに対する公選法206条2項にもとづく審査の申立を,東京都選挙管理委員会Yが,棄却の裁決をした。4)そのため,Wらが,公選法207条にもとづいて,右の裁決の取消しを求めて本件訴えを提起したものである。(2) 1)本件選挙は,平成7年5月1日から任期開始となる市議会議員の一般選挙であった。2)A,Bらは,同一政治グループから立候補していたが,Aが4位で当選し,Bは次点であった。3)市選挙管理委員会は,4月24日,当選人の告示を行ったが,Aは,議員としての身分取得前である4月26日,市選挙管理委員会に対して,当選の辞退を申し出たうえで,転出証明書をそえて,松戸市へ転出したため被選挙権を失った旨届け出た。4)そこで,市選挙管理委員会は,公選法99条に従いAが被選挙権の喪失により当選人の資格を失ったと判断し,4月27日,繰上当選決定のための選挙会を翌4月28日午後6時に開催することを決定,告示した。5)しかし,この選挙会は,傍聴人多数による混乱のために当選人の決定ができなかった。6)結局,5月21日開催の継続選挙会において,次点者Bを当選人とすることが決定されて,同日告示された。7)Aの転出先とされた松戸市紙敷の住所はAの父の部下一家が住む社宅であった。8)Aは,5月9日には松戸市松戸のAの父が役員をしている会社の代表者所有のワンルームマンション所在地への転居の届出をした。9)さらに,5月29日には松戸市馬橋の第三者所有の賃貸マンション所在地への転居の届出をした。10)原判決(原審東京高裁平7<行ケ>第242号.平8・12・26判決)は,Aは,現在右マンションを生活の本拠としていると認定している。11)原判決は,Aが東村山市から松戸市への転居の届出をしたのは,次点者であるBを当選させるためのものであることは明らかであると認定した。12)その上で,住所を移転させる強固な目的で,4月26日に松戸市へ転出の届出をし,5月29日に転入手続をとった住所がそのまま現在の生活の本拠となっていることからすると,Aは,4月26日に東村山市から松戸市に生活の本拠を移転したと認めざるを得ないなどと説示して,Wらの請求を棄却した。そこで,Wらから上告された。
著者
斎藤 公明 山本 英明
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.519-530, 2014-11-15 (Released:2014-11-28)
参考文献数
17
被引用文献数
2

放射線防護において外部被ばくの線量評価及び測定に用いられる諸線量のうち,福島事故における環境放射線測定・評価で頻繁に使用される線量に焦点をあてて,基本的な意味と特徴について説明する。この中で,基本的な物理量である吸収線量,放射線防護の判断基準となる実効線量と等価線量,放射線測定に使用される周辺線量当量H*(10)と個人線量当量Hp(10)を取り上げ,それらの関係等についてわかりやすく解説する。
著者
丸山 善宏
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

本プロジェクトのタイトルである「数学基礎論と量子基礎論の圏論的統合と機械学習における圏論的双対性へのその応用」はその研究成果の観点から言って主として三つの内容を含む。特に「数学基礎論と量子基礎論の圏論的統合」には二つの意味がある。一つにはそれは「数学基礎論的な空間概念と量子基礎論的な空間概念の統合」である。もう一つの意味は「数学基礎論的な双対性と量子基礎論的な双対性の統合」である。そしてまた最初の統合は「伝統的量子論理と圏論的量子力学のLawvere的統合」をも含んだものである。残る一つが「機械学習(のカーネル法)における圏論的双対性(或は人工知能の双対性)」である。以上が主な研究成果である。
著者
高藤 由紀子 菅野 悠子 中島 由紀 清海 杏奈 杉浦 宗敏 大谷 道輝 高塚 隆之
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.68-73, 2018-02-10 (Released:2019-02-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3

The measurement of the uniformity of preparations is an important component of quality assessment. This study was conducted to evaluate the appropriate mixing time for external preparations using a planetary centrifugal mixer. Steroid ointment and white petrolatum (5 g each) were added to a 13-mL container and mixed using a planetary centrifugal mixer (NRE-120®, THINKY) at a rotation speed of 800 rpm and a revolution speed of 2000 rpm. We sampled 0.1 g of the mixture from three spots (the top, the middle, and the bottom portions) of the container, measured the steroid content, and evaluated the product uniformity of mixtures of ten different steroid ointments (Dermovate®, Antebate®, Myser®, Nerisona®, Methaderm®, Rinderon®-VG, Lidomex®, Almeta®, Kindavate®, and Locoid®) with white petrolatum (Propeto®). Our results showed that when the coefficient of variation (CV) is less than 15.2%, a mixing time of at least 60 seconds is required to achieve proper mixing to obtain the permissible limit of steroid ointment and white petrolatum, and the greater the difference of the yield point between steroid ointment and white petrolatum the easier mixing was. These results suggest that the spreadability of ointment affects the mixing efficiency of a planetary centrifugal mixer.