著者
後藤 喜恵 原田 妙子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.31-40, 1986-03-01

1.子供服の入手方法は,既製服の利用が大半を占めるが,お下がり服の利用も多い.手作り服は,女児服に多くみられ母親の手による物が多い. 2.所持服の好みは,女児年少にワンピース,年長はスカート,ブラウス等年齢による違いがみられる.男児はTシャツ,ズボンが大半を占めた.好みの理由は,着脱しやすい,着くずれしない,組合せやすい等機能面が重視されている. 3.子供服模型・スモックによる嗜好色は,女児は赤・ピンク系,男児は青・緑系に集中した. 4.嗜好色のトーン傾向は,母・子共に上衣はv, ltの2トーンであり,下位はd, ltgである.色相傾向は,母・子共にR, Y, RP, Neの嗜好が高く,更に女児は多色に分散した. 5.所持服の色彩は,女児は上衣にlt 24, Wが多く,下衣はv 2, dp 18, Neがみられた.男児は,上衣にv 18, 下衣にdp・dkの18が多く青系に集中した.次いでW, Bkであった.稿を終わるに当り,御指導・御協力いただいた本学付属幼稚園長三輪弘道教授,松尾愛子前主任,名古屋文化幼稚園寺島房子主任に深く感謝申し上げます.また,園児・父母の皆様の協力に対し謝意を申し上げます.
著者
金 恩一 藤井 英二郎 安藤 敏夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.139-144, 1994-03-31
被引用文献数
3 6

緑地の視覚心理的効果を明らかにするため,植物の視覚的要素の一つである色彩に着目し,それと眼球運動,脳波との関係について検討した。視覚対象としては,ペチュニアの6品種(紫,赤,ピンク,サーモンピンク,黄,白)と花のないペチュニアそれぞれを面的に広がる形で被験者の前に提示し,そのときの眼球運動をトークアイで,脳波を脳波計によって測定した。その結果,眼球運動と脳波の間にある種の関連性をみることができた。また,既報の色布を用いた実験と比較した結果,男女差については緑色を除いて他の色では類似した傾向を得ることができた。
著者
金 恩一 藤井 英二郎
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.141-144, 1995-03-31
被引用文献数
4 6

植物の色彩が人間に与える生理・心理的効果を検討するため,ペチュニアの6品種(紫,赤,ピンク,サーモンピンク,黄,白)と花のないペチュニアを対象に脳波,血圧を測定した。さらに,それらとアンケート調査結果との関連性を検討した。また,これとほぼ同じ被験者によって進めているスギ林と満開状態のソメイヨシノ林(花の色はピンク)における同様の検討との比較も行った。その結果,ペチュニアの緑とピンクにおいてみられた結果と,スギ林とソメイヨシノ林の間でみられた結果には,類似した傾向がみられたことから,それらに対する印象評価とβ波が多く発生する部位との間には関連性があるものと考えられる。
著者
高橋 純 高坂 貴宏 前田 喜和 森谷 和浩 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.317-327, 2014

韓国の公立小学校の1人1台の情報端末の導入初期段階において,1名の教員の3時間分の算数科の授業を対象に,活用されたICTの種類や時間,授業過程や授業形態の特徴の検討を行った.その結果,1)教員は,93%の授業時間でICTを活用しており,最も活用時間の長いハードウェアは大型提示装置であり,ソフトウェアは授業支援システム(81%)であった.2)教員が授業支援システムで最も活用した機能は,ペン描画と児童のデジタルノート一覧と提示であり,限られた機能が多用されていた.3)児童は,57%の授業時間でタブレットPCのみを活用しており,最も活用時間の長いソフトウェアは授業支援システム(90%)であった.4)授業過程は,導入,展開,まとめといった我が国でも典型的にみられるものであった.展開では2〜4回の課題解決学習が繰り返し行われていた.5)授業形態では,一斉指導が最も長く(58%),次いで個別学習(29%)であった.
著者
飯田 敏博
出版者
鹿児島国際大学
雑誌
鹿児島経大論集 (ISSN:02880741)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.p97-113, 1979-03
著者
坂口 輝子 池谷 幸子 中村 春美 湊 真理子 日下 和代 高橋 喜久雄
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.9-14, 2002

Edema, pain and limited jaw opening are common sequel after extraction of the impacted third molar tooth. We studied the efficacy of easy cold dressings in 111 patients, and compared it with a control group (n=118). The material of the dressing pad is packed frozen polydichlorosodium that is applied to the facial surface immediately following the removal of the tooth. The major findings are summarized as follows : 1) There was no statistical difference between the two groups with respect to body temperature, degree of swelling, maximum incisal opening and frequency of intake of analgesics. 2) Pain level and degree of difficulty in mouth opening were determined by patient self-assessment using visual analog scales (VAS). In these subjective findings, the cold dressing group showed a better outcome compared with the control group. 3) In the cold dressing group, 74.8% of the patients felt relief from the application of the cold pads. 4) There was no difference between the two groups in wound healing and the frequency of complications. The results of this study document the advantages of easy cold dressings following the extraction of the impacted lower wisdom tooth.
著者
小島 芙美子
出版者
国立音楽大学
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.49-64, 2009

ヨハン・ゼバスティアン・バッハJohann Sebastian Bach(1685~1750)のカンタータ第199番《私の心は血の中を泳ぐMein Herze schwimmt im Blut》(1713年初演)は、数少ないソプラノ・ソロ・カンタータ作品の1つである。そして、私自身が実際に、初めてバッハのカンタータ全曲の演奏に取り組んだ、思い出深い作品でもある。詩人ゲオルグ・クリスティアン・レームスGeorg Christian Lehms(1684〜1717)は、歌詞台本の中に、「私」という人物を登場させ、その心の変容、すなわち「悔い改め」のプロセスを描いた。「悔い改め」とは、キリスト教の信仰において、最も重要な心的行為の1つである。それは、深いルター派プロテスタント信仰を持っていたバッハの宗教曲を理解するために、重要なキーワードになっている。では、バッハは、「悔い改め」をどのように表現したのであろうか。その問題を考察していく最初の手がかりとして、カンタータ第199番を取り上げた。聖書、及びルター派プロテスタント思想の理解をまず念頭に置きながら、カンタータ全曲の歌詞を研究していった結果、バッハのカンタータのテキストが、単に自由詩であるのではなく、詩人レームスのとても深い聖書理解と、整合された聖句箇所の組み合わせによって、テキスト全体が成り立っていることを、改めて実感することができた。この作品では、「私」が主人公である。演奏するものにとっても、「私」は私自身に置き換えられる。それは、ひとつ間違えると、曲の持つすさまじいまでの感情に、演奏者が埋没しかねないことをも意味する。しかし、第4曲目の「悔い改め」のアリアが持つ、その穏やかな音楽の中で、演奏者、そして聴き手は、なんともいえない安らぎに満たされることだろう。それは「悔い改め」という概念が、人にとって、宗教や時代という枠を超えた、普遍的なものであるからなのかもしれない。バッハの声楽曲を演奏する者は、歌詞(言葉)の理解を第一に求められる。そこで今回の論文は、作品に用いられたテキストの理解を研究の目的としている。
著者
奥下 竜太郎 吉村 奈津江 神原 裕行 辛 徳 ベルカセム アブデルカデル ナサルディン 小池 康晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.326, pp.1-6, 2014-11-14

脳活動を用いてこれまで手首などの動作や運動イメージを識別した報告がされてきたが,手指などの末端の動きや力の強弱において脳波(EEG)を用いて識別した報告はされていなかった.本研究では,EEGを用いて皮質信号源電流推定を行い手指の屈曲,伸展および力の強,弱において,高い精度で識別出来る事を確認した.皮質信号源電流は脳波(EEG)と核磁気共鳴画像法(MRI)の脳データを用いて,階層的変分ベイズ法(VBMEG)により推定された一次運動野,前運動野,補足運動野の波形とした.また動作と共に神経細胞の発火頻度が変化することから,波形の周波数スペクトルを用いて識別することで高い識別率が得られる事を確認した.
著者
大沼 章子 小池 恭子 伊藤 徹 加藤 昌志
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.128-128, 2010

2009年秋に、ネパール・アンナプルナ山群の周りをマルシャンディー河沿いに北上し、トロンパス(5416 m)を越えてカリガンダキ河沿いに下るトレッキングルートで陸水(飲料水源・河川水・温泉水)を採取し、ICによる主成分イオンおよびICP-MSによる元素分析を実施した。主成分イオンによる水質組成は、ヒマラヤの地形や地質構成をよく反映した結果であると考えられた。また、ネパールではテライ平原の地下水からAsが検出されているが、本調査試料からは検出されなかった。

1 0 0 0 劉秀と南陽

著者
宇都宮 清吉
出版者
名古屋大学文学部
雑誌
名古屋大学文学部研究論集 (ISSN:04694716)
巻号頁・発行日
no.8, pp.45-62, 1954-03
著者
馬 彪
出版者
龍谷大学
雑誌
東洋史苑 (ISSN:03876403)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.18-48, 2001-10-31
著者
村上 由則
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.57-65, 1989-09-30
被引用文献数
2

ダウン症児の構音障害の原因に関しては様々な仮説が提出されているが、未だ一致した見解はなく、臨床的対応もまちまちである。ここでは、1名のダウン症児の復唱の改善経過を報告する。このダウン症児は、単音節の構音は良好であるが、音節の増加にともない構音障害が著しくなる。ことに語頭音の崩壊が顕著である。これは、音声の認識障害や構音すべき音を保持できないといった記憶障害が原因ではなく、構音企画過程の異常によると推測された。この事例に対して、(1)楽器音や絵カード・色カードを用いての視覚および動作を補助手段とした継時出力の訓練、(2)使用頻度の高い文を記したカードやメモリードラムを用いての動作-構音の対応による構音機能の改善訓練、(3)日常会話における正しい構音モデルの提示による構音訓練を4ヵ月間ほぼ毎日実施した。この結果、復唱の改善がみられたほか、自由発話も非常に聞き取りやすくなった。