著者
大関 真之
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.123, 2022-02-05 (Released:2022-02-05)

学界ニュース2021年ノーベル物理学賞:Giorgio Parisi氏「原子スケールから天体スケールまでの物理系における無秩序と揺らぎの関連の発見」
著者
兵頭 俊夫
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.44-51, 2012-03-08 (Released:2017-02-10)
参考文献数
14
被引用文献数
4

マクスウェル方程式の変位電流と磁場の関係について,様々な観点から検討する。まず,式中の変位電流(密度)の項を因果関係的にとらえることはできないことを示す。続いて,クーロン電場の変位電流(密度)は磁場を作らないことを直接示す。さらに,電磁波の波動方程式の電場は誘導電場であることを示す。しかし,誘導電場の変位電流(密度)も,それが原因となって磁場を作ると言える根拠は,ここでの考察からは見いだせなかった。

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著者
国広 哲弥
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.88, pp.1-19, 1985-12-25 (Released:2010-11-26)
参考文献数
14
被引用文献数
8
著者
倉本 惠生 酒井 敦 酒井 武 田淵 隆一
出版者
応用森林学会
雑誌
森林応用研究 (ISSN:13429493)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.107-111, 2000-03-20 (Released:2018-01-16)
被引用文献数
1

四国西南部,四万十川流域において,暖温帯性針広混交林のリターフォールの季節変化と年間リターフォール量を調べた。1997年12月から1998年11月までのリターフォール量には明瞭な季節変化がみられ,1月,5月,および10-11月にピークがみられた。組成別にみると,広葉では,5月と9月に落下が集中し,枝と樹皮は10月の集中落下と1月の小ピークが観察された。その他の細片の落下は10-11月に激増しており,そのほとんどが針葉であった。年間リターフォール量は,3.94ton・ha^<-1>であり,うち33.5%が広葉で占められていた。また, 16.9, 6.0および43.6%は,それぞれ,枝,樹皮,および,その他の細片で占められていた。広葉のリターフォール量は,尾根部より斜面部で多く,針葉では逆に,尾根部で斜面部よりも多かった。これらの違いは,地形に対応した上木樹種組成の違いを反映していると考えられる。
著者
仮名垣魯文 作
出版者
辻岡屋文助
巻号頁・発行日
vol.[3], 1861
著者
鈴木 南音
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.19-36, 2022 (Released:2023-06-30)
参考文献数
22

本研究は,描かれた絵の見え方を形作るための相互行為上のプラクティスを,会話分析の方法を用いて解明したものである.その調査先として,舞台芸術の制作場面を選んだ.そこでは,これから作ろうとしている舞台美術や,舞台上に投影するアニメーションに関するアイデアを,絵に描いて見せるという活動が頻繁になされており,描かれた絵をどのように見るのか,また,どのように絵の見方を聞き手に示すのかということが,参与者たちにとって重要な課題であった.そこで本研究では,分析の焦点を,描かれた対象同士の関係性の見え方が活動の中でどのように形作られているのかという点に絞り,E. Schegloff(1980=2018)の「予備のための予備」の議論を導きの糸としながら,分析を行なった. 分析の結果として,相互行為参与者たちが,発話・身体・道具の配置等の組み合わせのなかで描くことを予示し,継続する行為を予備的行為として構造化することによって,描かれた対象同士の見え方が,予備/本題という関係性をもつものとして形作られるということが解明された.また,そのようなプラクティスが用いられることで,絵が,前景や後景といった前後関係をもつ複数の層に階層化されることを示し,さらに,絵の見え方だけではなく,舞台芸術の作り手たちがこれから実際に舞台を組み立てる順序が構造化されるということが明らかになった.
著者
田留 健介 大村 嘉人
出版者
The Editorial Board of The Journal of Japanese Botany
雑誌
植物研究雑誌 (ISSN:00222062)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.198-204, 2023-08-20 (Released:2023-08-20)
参考文献数
38

国立科学博物館に収蔵されている南極大陸産コフキシロムカデゴケPhyscia caesiaの標本から,南極大陸新産および南極大陸東方地域新産の地衣生菌3種を発見したので報告する.南極大陸新産種であるDidymocyrtis epiphysciaは黒褐色で直径100–120 µmの分生子果を有し,分生子形成細胞は亜球形からびん形で単室,透明,分生子は楕円形で(4.3–)4.7–5.5(–6.4) × (2.0–)2.3–2.7(–3.2) µmであった.Tetramelas phaeophysciaeの子器はレキデア型で大きさは200–300 µm,子嚢の先端はK/I+ 青色,子嚢胞子は楕円形で2室,褐色で湾曲していた.南極大陸東方地域新産種であるLichenostigma alpinumは,かつて南極大陸西方地域のキングジョージ島で採集された地衣類のニクイボゴケ属の一種Ochrolechia frigida上で見つかっていた.
著者
文 昶允
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.18-34, 2017-07-01 (Released:2018-01-01)
参考文献数
23

本研究では,複合構造を持つ外来語から形成される短縮語を取り上げ,その語形成過程にみられる世代差の実態について,仮想語を用いた実験を通じて分析する。前部要素の2モーラ目に長音を含む複合外来語に基づいて短縮語が形成される際には,短縮語の出力形にその長音が保たれるタイプ(保持形)と,長音を組み込まず,長音の直後にある自立モーラで全体のモーラ数を補うタイプ(補完形)に加え,長音が短縮形に組み込まれず,かつ補完形も取らないタイプの3パターンが生じる。本研究で行った仮想短縮語実験を通じて得られた結果は以下の2点である。第一に,複合外来語に由来する短縮語形成過程においては,保持形が一般に選択されやすい傾向が観察される。第二に,中・高年齢層が専ら4モーラ短縮形を好む一方,若年齢層には3モーラ短縮形という変則形をも許容する傾向が指摘できる。これは,短縮語形成の方略が世代間で異なることを示唆している。
著者
衆議院事務局 編
出版者
衆議院事務局
巻号頁・発行日
vol.第7至13,14,15囘, 1918
著者
商業興信所 編
出版者
商業興信所
巻号頁・発行日
vol.明治32年, 1911
著者
Toru Takano
出版者
The Japan Endocrine Society
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.237-244, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
38
被引用文献数
58 77

Thyroid cancers have long been considered to arise in middle age and, after their repeated proliferation, resulting in further damage to the genome, they progress to more aggressive and lethal cancers. However, in 2014, some studies were reported that might lead to a marked change in our understanding of the natural history of thyroid cancer. A high prevalence of papillary carcinoma in the young suggested that the first initiation of thyroid cancer is likely to occur in the infantile period. Such a conclusion was also supported by a very slow growth rate of papillary microcarcinomas (PMCs) in an observation trial. The proliferation rate of PMCs was negatively correlated with the age, and surgery to remove PMCs did not contribute to reduce mortality from thyroid cancer. These findings strongly suggested the existence of self-limiting cancers, which are truly malignant but do not progress to lethal cancers, for the first time in human history. The early detection of self-limiting cancers results in overdiagnosis. Ultrasonographic screening of the thyroid in the young should be avoided. Lethal thyroid cancers, whose origin is still unknown, appear suddenly after middle age. In the elderly, thyroid cancers are a mixture of self-limiting and lethal cancers; thus, when thyroid cancer is detected, careful follow-up with examination of its growth rate is required.