著者
MATSUBARA Satoshi MIYAWAKI Ritsuro YOKOYAMA Kazumi SHIMIZU Masaaki IMAI Hiroyuki
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
Journal of mineralogical and petrological sciences (ISSN:13456296)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.363-367, 2004-12-01
被引用文献数
2 9

Tokyoite, Ba<sub>2</sub>Mn<sup>3+</sup>(VO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>(OH), the Mn<sup>3+</sup>-analogue of gamagarite, is found from the Shiromaru mine, Okutama, Tokyo, Japan. It is monoclinic, <i>P</i>2<sub>1</sub>/<i>m</i>, <i>a</i> = 9.10(4), <i>b</i> = 6.13(2), <i>c</i> = 7.89(5) Å, β = 112.2(5)°, Z = 2. The strongest lines in the powder X-ray diffraction pattern are 3.73 (15) (111), 3.31 (100) (112), 3.08 (20) (020), 3.00 (16) (301, 212, 102), 2.90 (19) (120), 2.80 (62) (121, 300), 2.16 (18) (321), 1.963 (15) (204). Electron microprobe analysis gave V<sub>2</sub>O<sub>5</sub> 31.77, SiO<sub>2</sub> 0.15, Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub> 0.07, Fe<sub>2</sub>O<sub>3</sub> 2.33, Mn<sub>2</sub>O<sub>3</sub> 11.27, CaO 0.07, BaO 51.91, SrO 0.22, Na<sub>2</sub>O 0.13, H<sub>2</sub>O (calc.) 1.59, total 99.51 wt. %, and lead to the empirical formula, (Ba<sub>1.92</sub>Na<sub>0.02</sub>Sr<sub>0.01</sub>Ca<sub>0.01</sub>)<sub>Σ1.96</sub>(Mn<sup>3+</sup><sub>0.81</sub>Fe<sup>3+</sup><sub>0.17</sub>Al<sub>0.01</sub>)<sub>Σ0.99</sub>[(V<sub>1.99</sub>Si<sub>0.01</sub>)O<sub>7.92</sub>](OH)<sub>1.00</sub> on the basis of V + Si = 2 and (OH) = 1. It is translucent and black red in color with a vitreous luster. The streak is dark brownish red and cleavage is not observed. The Mohs' hardness is about 4 to 4.5. The calculated density is 4.62 g/cm<sup>3</sup>. It has distinct pleochroism, from reddish orange to dark brownish red in thin section and the calculated mean refractive index is 2.03. It occurs as irregular grains under 15 μm, and the aggregates are up to 250 μ</i>m wide in association with braunite, hyalophane and tamaite. The mineral is formed under the later stage activity of low grade metamorphism.
著者
玉井 晃浩
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
和歌山県立医科大学看護短期大学部紀要 (ISSN:13439243)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.25-39, 2003-03

Travis Bogardは「演劇の仮面の'通常の'使用は人間の個性を様式化し、あるいは人間を象徴化、典型化するものである」と述べている。Eugene O'Neillも"Memoranda on Masks"の中でHamletを例に挙げ、仮面を着けることがその劇を「もっぱら'花形役者のたルの芝居'という現在の閉ざされた状況」から解き放つであろうという可能性を示唆している。しかしThe Great God Brownの仮面の使用においてO'Neillが演劇的に追求したものは登揚人物を象徴化、典型化することとは大さく異なっていた。それらの目的を果たすための仮面は観客が創り上げた想像上の空間を壊すことがない様に役者の顔から取り外されることはないが、The Great God Brownの舞台においてO'Nellは敢えて仮面の取り外しを試みたのである。これは"Memoranda"でO'Neillが述べる「新しい仮面の定理。人の外側の長生は他人の仮面に取り憑かれた孤独の中で過ぎて行く;人の内側の人生は自分自身の仮面に追い立てられる孤独の中で過ぎて行く」という理論に基づくものであろう。人は人生において周りの者と調和して生きるために「他人の仮面」を着け、その結果、そうであるべき「自分自身の仮面」を着けた真の自己とはかけ離れた自分を自身の内部に見い出す人間の悲劇をO'Neillはここで語っている。1924年、"Strindbergand Our Theatre"において、従米展開されてきた演劇手法を「使い古された'自然主義'」と攻撃し、「我々現代人が人生のローンに対し支払わなければならない利子である自滅や自己妄想に関し直感的に理解できることを演劇の形で我々が表現し得るのは、何らかの'超自然主義'の形式によってのみである」とO'Nellは主土張した。'超自然主義'の形式」こそが「背後の力」によって生み出された「自滅」「自己妄想」に取り憑かれた人間の姿を表現出来ると考えたO'Nellが、The Great God Brownの舞台において「'超自然主義'の形式」としての仮面の役割をいかに演劇的に展開しているかを本論で考察していく。
著者
坂口 守男 朝井 均 朝井 忠 弓庭 喜美子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 3 自然科学・応用科学 (ISSN:13457209)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.39-48, 2007-09

「生活の場で見るメンタルヘルス」の第二回目として過疎地で生活する高齢者のメンタルヘルスについて論じた。過疎地における高齢者の生活上の負荷を検討するために6つの事例を提示した。事例1は強盗によって安全感が揺るがされたケース,事例2は家庭内不和のため家族から離れて孤独の中で生活しているケース,事例3は夫に支えられて生活している認知症のケース,事例4は妄想的言動が顕在化したケース,事例5は夫を不慮の事故で失い一人暮らしを続けているケース,事例6は夫を癌で亡くして一人暮らしを続けているケースである。これらのケースに見られる恐怖体験,知的能力の低下,精神症状の出現,配偶者との死別などは過疎地の高齢者の生活をしばしば妨げる要因となる。しかし長年住み慣れた自然との結びつきや人と人との程よい精神的距離は過疎地ならではのものであり,高齢者のメンタルヘルスにとって特に重要なものである。また,配偶者の死亡原因の分析では大量飲酒者,喫煙者は悪性腫瘍,中でも胃癌の罹患率が高く,その平均死亡年齢は65.8歳で全体の平均死亡年齢よりも5歳低くなった。残された者の生活上の負担やその後のメンタルヘルスへの影響の甚大さを鑑み,配偶者の大量飲酒と喫煙に関してはそれぞれの「生のストーリー」をよく理解した上で健康教育活動を展開する必要性があることを指摘した。Mental health of senior citizens who lived in a certain depopulated village were studied. The population of this village is only 577 (male is 282, female is 295). Elder people aged 65 years and older are 229 and occupy 40 % of the population. 52 of them are living alone (male is 19, female is 33). We investigated factors which disturbed the living of 40 elder people (33 females and 7 males) in the depopulated area through door-to-door survey. A fear experiences, a fall of intellectual activity, the onset of mental symptoms and bereavement with spouse were regarded as factors which interfere with the living in the depopulated area. Nature and rural human relations were considered good factors for the living there. 28 women of a single life lost their husbands in a disease. 16 of their husbands were a large quantity of drinker and smoker. 8 of them died of carcinoma and 3 died for cerebrovascular disorder. Positive health activity for such drinkers and smokers need to be practiced to make them stop liquor and cigarettes. But it will not be effective too much if we do not understand the living background that they came to often drink and smoke.
著者
長谷 真吾
出版者
皇学館大学史学会
雑誌
皇学館史学 (ISSN:09122435)
巻号頁・発行日
no.23, pp.18-41, 2008-03
著者
葉 國良 丸井 憲[訳]
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.2, pp.71-86, 2009-03-17

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業葉國良「從二重證據法看「日本」國號在中國的出現」の訳
著者
西川 まり子 木村 誠子 芥川 清香 津田 右子 井筒 潤子 久米 絢弓
出版者
広島国際大学看護学部
雑誌
広島国際大学看護学ジャーナル (ISSN:13495917)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.53-59, 2012-03-31

日本と肩を並べ世界トップクラスの長寿国であるマルタ共和国は,非常に小さな島国で日本ではほとんど知られていない.マルタ共和国の人口は40.3万人で,年間約1 ,000万人の外国人観光客を受け入れている.この小さな国の医療観光者を含む全ての人々に平等に行き渡る無料で質の高い大きなヘルスケアについて,日本でも参考にし得る事があるか模索した.その結果,患者中心で外国人を含めた皆に平等なヘルスケアを目指している事,タイムリーに整う多言語通訳サービスの充実と退職した看護師の積極的な人材活用への挑戦は日本も参考にし得ると考える.
著者
大橋 信弥
出版者
専修大学社会知性開発研究センター
雑誌
専修大学社会知性開発研究センター東アジア世界史研究センター年報
巻号頁・発行日
vol.4, pp.5-23, 2010-03-19

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業
著者
田平 一行 原田 鉄也 山本 純志郎 岡田 哲明 前村 優子 山本 みさき
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ae0083-Ae0083, 2012

【はじめに、目的】 運動耐容能の評価として,自転車エルゴメータやトレッドミルを用いた心肺運動負荷試験が行われ,最大酸素摂取量が最も良い指標とされている.これに加えて近年,自転車エルゴメータの漸増負荷試験から得られた最大仕事率(WRpeak)の80%の運動強度での定常負荷試験が実施されている.この試験における運動持続時間(ET)は,薬物や運動療法介入後の効果の反応性が良いとされている.実際の日常生活においても,強い運動よりも長時間運動できることが重要であると思われる.しかしこのETは相対的な運動強度で実施されるため,最大酸素摂取量やWRpeakの影響は受けにくく,影響する因子は明らかになっていない.そこで今回,ramp負荷と定常負荷試験の2種類の運動負荷試験を実施し,ETに影響する因子について検討したので報告する.【方法】 健常男子大学生13名(年齢21.9±0.8歳) を対象に自転車エルゴメータを用いて2種類の運動負荷(ramp負荷,定常負荷)試験を実施した.ペダルの回転数は60回/分を維持させた.その間,呼気ガス分析器(Metamax 3B, Cortex社)を用いて酸素摂取量(VO2),二酸化炭素排出量(VCO2),分時換気量(VE),換気当量(VE/VCO2),死腔換気率(VD/VT)を,組織血液酸素モニター(BOM-L1TRW,オメガウェーブ社)を用いて大腿四頭筋外側広筋部の酸素化ヘモグロビン,脱酸素化ヘモグロビン,総ヘモグロビン(Total Hb),組織酸素飽和度を,非侵襲的血圧測定器(Portapres, FMS社)を用いて収縮期血圧,1回心拍出量,心拍数を測定した.また運動終了時は修正Borg scaleを用いて,呼吸困難感と下肢疲労感を測定した.ramp負荷試験:3分間の安静座位の後,20w/minのramp負荷にて運動を行わせ,症候限界まで実施した.定常負荷試験:3分間の安静座位の後,ramp負荷試験にて得られたWRpeakの80%の運動強度にて症候限界まで運動を行わせた.運動の中止基準は,85%予測最大心拍数,自覚症状,ペダルの回転数が60回/分維持できない場合などとした.解析方法:ramp負荷試験における各指標のpeak値(運動終了直前の30秒間の平均値)とV-slope法により求めた無酸素性作業閾値AT(VO2)および定常負荷試験における運動持続時間(ET)を解析に用いた.統計処理は,ETと各指標との間の関係についてピアソンの積率相関係数を用いた.有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は,ヘルシンキ宣言に基づいて被験者に本研究内容および危険性などについて説明し,同意を得てから実施した.【結果】 ETと死腔換気率との間に有意な負の相関関係が認められた(r=-0.654, p=0.013).有意ではなかったが,ETはAT(VO2)(r=0.562),換気当量(r=-0.429),下肢疲労感(r=-0.368),Total Hb(r=0.393)と関係する傾向が認められた.しかしその他の指標とは関連を認めなかった.【考察】 同じ最大酸素摂取量を持つ者でも,ETは異なり,ETが高い方がより持久性があると考えられる.今回の結果,ETとAT(VO2),骨格筋のTotal Hbとは正の,死腔換気率,換気当量,下肢疲労感とは負の関係が認められた.AT(VO2)との相関は,定常負荷試験の場合は,ramp負荷のWRpeakよりも負荷量が低いことから,より有酸素的なエネルギー代謝の影響を受けるためと考えられた.Total Hbは末梢において十分に血管が拡張しているかを反映していると考えられ,下肢疲労感との負の相関は最大運動時に下肢筋に余裕を残していることが考えられ,ETは下肢筋の有酸素能の影響を受けるものと考えられた.また死腔換気率,換気当量との関係は,肺内でのガス交換の影響を示しており,呼吸パターンや肺内の換気-血流比に影響を受けると考えられた.以上より,骨格筋の有酸素能を高めるトレーニングや呼吸パターンの修正,また静脈還流量を増やすような水中負荷,弾性ストッキングの使用などにより,同じ最大酸素摂取量を持つ対象者であっても運動時間を延長できる可能性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】 定常負荷試験におけるETは運動療法の介入効果を反映しやすい指標であるとともに,運動の持久性はADL上も重要な要因である.ETの要因を明らかにすることにより,効果的に持久性を高めるためのトレーニング方法など,運動療法のアプローチの再考につながると考える.
著者
堤 未果
出版者
明治学院大学国際平和研究所
雑誌
プライム (ISSN:13404245)
巻号頁・発行日
no.26, pp.11-13,101〜103, 2007-10

特集 : 世界の中の憲法9条 : アジア、アフリカ、ラテン・アメリカから
著者
能勢 卓
出版者
聖トマス大学
雑誌
サピエンチア : 英知大学論叢 (ISSN:02862204)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.101-113, 2005-02-28

The characteristic use of masks in The Great God Brown makes this play attractive and holds fascination for the audience, but at the same time it hinders them in comprehending the connotation of the masks, so different scholars have developed different arguments as for the use of the masks in the play. In this paper we will be concerned with the problem of the personification of the mask and of the transference of personality by the personified mask in Act II. iii. We will briefly examine the problem of the personification of Dion's mask seen in Acts I and II, and then we will discuss the problem of transference of the personality by the personified mask of Dion. In order to explore this issue, we will mainly analyze the following two points: the first is Brown's shift of perception to Dion's mask, from objectified to personified, in the scene where Dion leaves his mask to Brown; the second is varying degree of Dion's mask's independence from Dion himself. It will be found through our examination that showing the shift of Brown's recognition of Dion's mask and of the perspective between Brown and the mask enables O'Neill to dramatize the transfer of Dion's personality to Brown on the stage, by which he enables the development of the following two acts of the play.
著者
藤丸 麻紀
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編 (ISSN:09160027)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.85-99, 2005-03-31

現在歯止めがかからない少子化の進行に対し、従来以上に包括的な政策として平成14年に発表された「少子化対策プラスワン」の内容を検討すると、大きく分けて、仕事と子育てとの両立支援(政策Aとする)、子育て費用軽減サービス(政策B)、出生力増加の基盤づくり(政策C)の3つの分野から成っている。また、少子化の要因を示す統計からは、仕事と子育てとの両立が難しい中で育児費用負担が大きいという「経済的要因」と、晩婚化・晩産化のために出生力が低下しているという「高齢要因」が大きなネックとなっていることが分かる。そこで本稿では、今後の少子化対策としては、政策Aの公的保育サービス(保育料金の公的負担)と、政策Cの供給サイドの少子化対策が重要であると考え、理論モデルを用いて政策の効果の分析を行なった。その結果、政策Aについては「保育サービスの拡充と費用補助」を行い、育児と仕事の両立という選択肢が妨げられないような支援を行なうこと、および政策Cについては「出生力増加のための不妊治療の負担補助」などの対策が必要であると言える。今後は、本稿のモデルや仮説に合わせた実証分析を充実させ、各政策の効果の測定を行なう予定である。
著者
軍司 聖詞
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.305-310, 2013
被引用文献数
1

実習制度活用の先進地域である茨城県八千代町において,事業協同組合監理の実習生を受け入れている農家に対するヒアリング調査を行い,受け入れ農家の営農状況や受け入れに関する諸費用などについて調査を行う。これをJAによる監理と対比することで,監理団体としての事業協同組合の役割が明らかとなる。また,事業協同組合は,管轄区域のあるJAと異なり,地域を超えて実習生を斡旋することが可能であるため,実習生の斡旋を全国的に行っている事業協同組合も少なくない。さらに,実習生の斡旋を行う事業協同組合の多くは,農業以外の業種に対する斡旋も行っており,よってこの多くは都市部に事務所を置いている。そこで本研究では,東京都内の事業協同組合に対するヒアリング調査を行い,事業協同組合における実習生監理の概況を事例的に明らかにするとともに,事業協同組合による実習生斡旋の特徴について明らかにする。加えて本研究では,事業協同組合に実習生を送り出している中国の送り出し機関へのヒアリング調査を行い,事業協同組合に送り出される実習生が,どのようなプロセスを経て日本での実習を行うに至るのかを明らかにする。また,監理機関としての事業協同組合の位置や現況について,送り出し機関の視点から明らかにする。以上によって,事業協同組合監理の実習生を受け入れる農家の営農のありようが理解されるとともに,事業協同組合を利用した実習生の送り出しから受け入れに至る状況が,送り出し機関,事業協同組合,農家の3者から総合的に理解され,外国人技能実習生の受け入れにおける事業協同組合の役割が明らかとなる。