著者
田島 明子
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.64-73, 2012

本稿は、民間研究費獲得の実際として、筆者が獲得した「作業療法ジャーナル研究助成」について紹介するものである。「作業療法ジャーナル研究助成」は、三輪書店の公刊する『作業療法ジャーナル』という雑誌内で行われている。このような出版社による研究助成はめずらしい形態である。出版社、受賞者双方に取材を行ったところ、出版社にとって、本研究助成は作業療法の専門性の発展のために行うという発意があったこと、また受賞者にとっては、資金を得たことで研究に取り組みやすくなったり、他職種からの理解や協力を得られやすくなったり、同業者に自分の研究を知ってもらえたりする等により、研究意欲を掻き立てられる良い機会になっていることが明らかになった。
著者
堀口 久五郎
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.123-134, 2010-03-01

「精神保健福祉」という用語の存立基盤を探る基礎的研究として、1995年「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」と、1997年「精神保健福祉士法」という精神保健福祉を名のる2つの法制度をとりあげ、その用語の成立と普及・促進に大きな影響を与えた法令や政府関係資料を明らかにし、「精神保健福祉」の「定義」規定を検討した。本論において、「精神保健福祉」概念の基盤にある「福祉」と「精神保健」の関係の在り方を検討し、その位相を図表化して整理するとともに、新しい最広義の「精神保健福祉」概念のモデルを提示した。
著者
阿部 裕子 楠本 誠 久保田 善彦 舟生 日出男 鈴木 栄幸 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.141-144, 2012
参考文献数
6

本研究は,「ごんぎつね」のクライマックス場面のマンガを,Voicing Boardで作成した.マンガ作成による視覚化と,児童の情景及び心情理解との関連を明らかにすることが,研究の目的である.その結果,以下のことが示唆された.物語の語り手の視点にある登場人物の心情は,マンガ作成の有無にかかわらず,理解しやすい.語り手の視点にない登場人物の心情は,マンガの作成を通してその視点が獲得できるため,理解が向上しやすい.複数の構図を想定できる場合は,情景理解が曖昧になり,マンガ作成による心情理解の効果を得にくい.
著者
古賀 保夫
出版者
中京大学
雑誌
中京大学教養論叢 (ISSN:02867982)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.379-397, 1983-09-15
著者
平澤 紀子
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.33-45, 2009-03-30

発達障害者の行動問題は、教育や福祉の制約をもたらしやすい。本研究では、エビデンスに基づく支援によって、こうした課題を解決するために、応用行動分析学がどのように貢献しうるのかについて、米国の動向を基に、わが国の現状を踏まえて検討した。米国においては、公的機関や関係団体が応用行動分析学の支援方法を推奨していた。そのエビデンスとして、シングルケース研究のメタアナリシスは、行動的介入が重度から軽度の知的障害を有する発達障害者の自傷や攻撃、常同行動を中心として、行動問題の低減に一定の効果をもち、機能的アセスメントがその効果に貢献していることを示していた。一方、適応行動の拡大を目指すpositive behavior supportは、エビデンスに先行して、障害のある個人教育法(IDEA)に反映され、急速に拡大していた。その背景には、米国における権利保障の制度的基盤や教育改革において、対象者の権利を保障する実質的な方法論を求める動きがあった。権利保障の基盤が不十分なわが国においては、行動問題に対する支援方法の不備が教育や福祉の制約に直結しうる。したがって、応用行動分析学のエビデンスに基づいて対象者の権利を保障していくことが極めて重要となる。そのためには、教育・福祉現場や行政当局と協働したエビデンスの開発や使用の方向性が考えられた。
著者
五十嵐 由夏 大森 馨子 和氣 洋美 厳島 行雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.91-96, 2013-11-09

近年,都市部の交通機関を利用する者にとって"痴漢"は避けられない問題となっており,多くの人が痴漢被害や冤罪被害に巻き込まれる不安を抱えているという.そこで本研究では,都内近郊の大学に通う男女137名を対象に質問紙調査を実施し,混雑した交通機関内で生じうる様々な身体接触状況に対する不快感と,各状況が痴漢行為だと思うかどうかについて尋ねた.その結果,身体接触そのものが全般的に不快であり,痴漢だと判断されやすい行為は概ね不快な行為でもあることが確認された.一方で,痴漢であると判断されやすい状況に,混雑した車内で偶発的に生じうるものが数多くあることも明らかとなり,冤罪被害が発生する可能性の高さも示唆された.
著者
大野粛英
雑誌
日本歯科評論
巻号頁・発行日
vol.548, pp.149-160, 1988
被引用文献数
1
著者
杉野 博史
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.157-165, 2017

<p>2014年3月より,NTTデータはバチカン図書館の保有するマニュスクリプト(手書き文献)のデジタルアーカイブ事業を開始した。NTTデータはその中で,長年にわたって蓄積してきたデジタルアーカイブや検索に関する技術・ノウハウを活用することで,バチカン図書館のデジタル化された資料の唯一のポータルとなるデジタルライブラリー(DigiVatLib)を構築した。構築するにあたり,新たに長期保存に関する国際標準であるOAIS,画像データの長期保存に適したフォーマットであるFITS,画像を相互に閲覧する規格であるIIIF等の機能を組み込むことで,長期保存のみならず,利活用にも優れたプラットフォームを提供した。本稿ではその詳細について寄稿する。</p>