著者
谷 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1173-1176, 2006-10-15
被引用文献数
2

9月号の速報でお知らせしたように,国際情報オリンピック (International Olympiad in Informatics IOI) に日本から10年ぶりに4人の高校生が参加し,金メダルを2つ,銅メダル1つを獲得した.誌面をお借りして,選手たちの活躍ぶりやIOIの概要を報告する.まず,4名の日本選手を改めて紹介する.
著者
笹原 和俊 Ciampaglia Giovanni Luca Flammini Alessandro Menczer Filippo
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.4N1OS01a1, 2017

<p>多様な情報と人々を結びつけるはずのソーシャルメディアがむしろ社会的分離と情報同質化を助長するエコーチェンバーの問題が近年深刻化している. 本研究では, ソーシャルメディアを模した情報伝搬と社会的接続のメカニズムを導入した意見形成モデルのシミュレーションを行った. その結果, アンフォローによる社会的切断がエコーチェンバー化を駆動すること,フォローの仕方によってダイアドの形成が異なることがわかった.</p>
著者
藤澤 益夫
出版者
田園調布学園大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13477781)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-49, 2003-03-20

絶対に一過性の時間の流れのなかで,その速度を相対的に緩める努力の典型が情報の領域をめぐってみられる。それは,伝達速度改善の永い道程をへて,いまでは情報の生産と処理の全面におよぶが,情報伝達の即時性を高めるさまざまな工夫の文化史を近世日本を中心にして具体的にふりかえり,現代の情報社会のもつ社会的意味を考える。それを通じて,時間という資源の利用効率の飛躍的向上が拓く広大な可能性を評価し,反面で,管理社会での情報の集中的な支配と操作がもたらす危うさを問いかける。
著者
クライン 孝子
出版者
サンケイ新聞社
雑誌
正論
巻号頁・発行日
no.348, pp.44-47, 2001-08
著者
山本 裕子 Yuko Yamamoto 千里金蘭大学 看護学部
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.77-85,

本論文は、皮膚に関する新しい知見を概観するとともに、看護実践の場において看護職者が対象者の皮膚を媒体とした触れるケアが、疼痛緩和や不安の軽減、リラクゼーションにつながり快の感情を引き出す効果があることについて看護の視点から述べる。加えて、触れるケアは、副交感神経を優位にする効果がありエビデンスのある看護技術の一つであることを示唆し、看護教育への導入を提言するものである。
著者
井上重則
出版者
国際交通安全学会
雑誌
IATSS review
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, 2002-10
著者
小林 千余子 蛭田 千鶴江 鈴木 隆仁
出版者
奈良県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

刺胞動物門ヒドロ虫綱に属するマミズクラゲは、淡水棲でありながらクラゲを放出する生物である。日本全国で夏場にマミズクラゲ成熟個体の発生が報道されるが、一つの池で一性別だけしか確認されないことが多く、その生物伝播や性決定に関して謎多き生物である。申請者は 7年前にマミズクラゲポリプを入手し、1個体から個体数を増やすことに成功し、さらに温度変化によるクラゲ芽形成の条件を確立した。そこで本研究では、実験室内で有性生殖世代を再現し(性成熟を引き起こし)、さらに核型解析による染色体情報やゲノム情報を得ることで、マミズクラゲにおける性決定が、遺伝的要因なのか環境的要因なのかの決着を付けることを目的として研究している。H28年度はワムシを餌に用いた幼クラゲからの性成熟に挑戦した。その結果、ワムシを与える頻度や飼育の水深等を工夫することで、初めてメス池から採集したポリプから分化した幼クラゲの生殖腺が発達し、卵を持つ卵巣へと成熟した。H29年度は オス池から採集したポリプから分化した幼クラゲをワムシを用いて飼育することにより、精子を持つ精巣が発生してくることを確認した。また、メス池から採集したポリプから分化した幼クラゲと、オス池から採集したポリプから分化した幼クラゲを、同じ飼育水槽で、ワムシという同一の餌の条件下で飼育しても雌雄異なる性が発達したことから、マミズクラゲの性はポリプの世代で決まっている、つまり遺伝的要因である可能性が大きく示唆された。
著者
藤田 義嗣 大野 仁 酒本 貞昭 和田 瑞隆 花岡 雅秀
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.723-727, 2009-09-28 (Released:2009-11-17)
参考文献数
8

症例は58歳,男性.51歳時,糖尿病を指摘され内服加療を開始,54歳時,糖尿病性腎症による慢性腎不全のため血液透析導入.2008年5月初旬,陰茎先端の疼痛,潰瘍を生じ,徐々に症状増悪,虚血性変化の進行を認めたため同年7月9日当科紹介入院.入院時,陰茎に強い疼痛,圧痛を認め,潰瘍を形成した亀頭部は黒色に変化していた.疼痛,虚血性変化が強度であり保存的治療が困難と判断し,陰茎壊死の診断で同年7月17日陰茎部分切断術を施行した.術後,創哆開,感染を生じたがデブリードマン処置により治癒し,疼痛は消失した.病理所見にて悪性所見は認めず,血流障害による陰茎壊死および二次感染と診断した.糖尿病透析患者では下肢領域に壊死が好発するが,陰茎に壊死が発生することはまれで本邦では18例の報告があるに過ぎない.
著者
衣畑 俊希 三浦 龍 大原 紳司 田頭 佳和 豊嶋 真司 垂水 浩幸 林 敏浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.2, pp.1-6, 2014-06-28

コンピュータの性能の向上とともにコンピュータ将棋は急速に強くなり,対人間戦で善戦するようになった.また,現在ネットワーク上で主に対局を目的とする将棋サービスは盛況となっているが,対局後の感想戦や対局を記録したデータベース,将棋の人工知能等,他のソフトウェアとのインタフェースを持ち,統合して利用できるようにしたものがなかった.そこで我々は統合的な将棋支援をネットワーク上で行うためのシステム SAKURA を開発している.SAKURA の特徴は,大きく分けて 3 つの機能を有し,それらが連携して将棋支援を行っている点である.機能は,コメント付与機能・棋譜のツリー表示機能を持った感想戦支援インタフェース,局面データベースと棋譜データベースを相互連携したデータベース,対局者からの要求によって候補手をアドバイスする人工知能である.本論文では将棋部員によるこれらの機能の評価について述べ,SAKURA の機能の妥当性について示す.Shogi is a very popular board game in Japan, which is the most complex variant of chess-like games. Many strong AI programs to play shogi have been developed. For players, several services are provided to play shogi on the Internet. However, they do not provide any integrated environment, where post-game online discussions are supported, interfaces with other software including AI programs are defined, and records of games and discussions are archived in well-organized databases. We are developing SAKURA: a network shogi environment to provide such an integrated environment on the Internet. This paper describes outline of the project and especially evaluation sessions to validate the system functions.
著者
樫田 美雄
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.60, 2002-03-31 (Released:2010-11-18)

「共依存」は, 標準的には, 嗜癖者を可能にする, 正のフィードバック・システム (あるいはそのうちの1人の当事者) につけられた名前である。それは, 人間関係的には, 「嗜癖者-イネーブラー (嗜癖を可能にする者) 」両者間の「刺激-反応」連鎖の増幅システムであり, 子どもを「アダルト・チルドレン」にすることで, 世代間連鎖をなす永続的体系である。文化的には, 男性的な「自立・自律強制社会」において, 女性的な「依存・ケア的サブカルチャー」が, 非難される様式であり, 臨床的には, 「嗜癖者の配偶者 (しばしば女性) 」が, 「医療」的に「啓蒙・改善」の対象とされる際に, その「操作」の根拠となる「病名」である。わが国ではアメリカほど「大衆心理学化」された形では広がっていないが, すべての依存症 (薬物依存, 仕事依存, 愛情依存……) の基礎にこの「共依存」があると考えるなら, 裾野の広がりは巨大であるといえよう。本書はこのような多面性をもった「共依存」概念に関して, 臨床心理学・公衆衛生学・構築主義社会学・家族システム論等の各視点からの論考を集め, まとめたものである。実例と学史がバランスよく配置されているので, 「共依存」に関して, 現象としてのそれに関心をもつ社会学者にも, 諸議論の配置に関心のある家族心理学者にも有益な本になっている。また, アメリカの状況を集中的に紹介した章 (5章以下, とくに7章) と, 日本での実践を紹介した章 (3・4章) の両方があるため, 家族の日米比較に関心がある研究者にも読まれるべき本にもなっている。以下, 各論者の主張の簡単な紹介と評者からのコメントを行おう。まず, 序章から2章にかけては編者の清水新二が, 総括的な議論の整理をしている。「共依存」に関する近年の議論史は, 個人からシステムに関心の焦点が移動していったという点からは, 「精神分裂病」や「アルコール依存症者」に関する議論を基本的には後追いしていること, ギデンズが行ったような社会評論的な共依存論と個人を焦点とした臨床的共依存論は区別すべきこと, 治療が必要な共依存とそうでない共依存を仕分けるために, 共依存の文化社会的適合度などに基づいた「共依存スペクトラムモデル」に基づいた思考をすべきこと, などを主張している。判断の論拠はもっと知りたいが, 結論には実感的妥当さがあり, 理論と実践の架橋はこのような臨床的知によってなされるのだろうと思われた。3章と4章は, 臨床家の遠藤優子と猪野亜朗が, (「共依存物語」内的視点から) 共依存の実像と臨床的対処の実際を述べている。事例が興味深くかつ身にしみる。5章と6章は, 構築主義社会学の立場から, 上野加代子が「共依存」概念の語られ方を解析している。3・4章の議論がなぜ説得力をもつのか, の謎解きになっている。7章と8章は, V.クラークと本田恵子が, アメリカにおける文化的少数者に定位した対策の紹介と, 文献レビューを行っている。これからは, 日本の社会学者もこういうシステマティックな仕事の仕方に慣れていくべきだろう。「共依存」議論の多様さに接近するために有益な書として, 本書を広く推薦したい。
著者
大木 裕子 尾崎 弘之
出版者
京都産業大学
雑誌
京都マネジメント・レビュー (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-41, 2005-06

はじめにⅠ.成長モデルに関する先行研究Ⅱ.芸術組織の成長モデルⅢ.仮チェックリストの作成おわりに
著者
寉田 知久
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.5-16, 2008-03-28
参考文献数
6
被引用文献数
4

THE YOMIURI SHIMBUN has conducted monthly public opinion polls, using face-to-face interviews, since March 1978. Since the beginning of the 1990s, the response rate to these surveys has been decreasing, and is remarkably low in recent days. Since 2006, the average yearly response rate has been under 60%.<br>I believe the main reason for the decline is increasing awareness of personal privacy. As evidence of this, there has been a greater rise in the percentage of people who decline to participate, than in the percentage of those who are not at home when interviewers visit. We have taken steps to improve the situation, such as hiring skilled interviewers, but it has not stopped the decline. At this moment, we do not have a sure-fire method for improving the rate of response.<br>The current fashion is for RDD surveys, and if face-to-face interviews are to survive, I believe we must increase understanding of the importance of opinion polls. To that end, in addition to further improving the implementation of our surveys, we should make every effort to prepare fair-minded questions, analyze and report survey results appropriately and make data available to the public.